- 安全衛生協議会ってなに?
- 法的根拠はあるの?
- 流れについて知りたい
- 再防協(再発防止協議会)との違いって?
- どれくらいのペースで開催されるの?
上記の様な悩みを解決します。
建設現場では安全が重要視されており、安全を守る一環で安全衛生協議会があります。
この記事では安全衛生協議会とは?といったところから、法的根拠、流れ、再防協との違い、開催ペースなどについて解説します。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも分かりやすい記事になっているかなと思います。
安全衛生協議会とは?
安全衛生協議会とは、結論「現場で事故が発生しないよう協議する会」です。
建築現場では、災害が起こらないよう最善を尽くさなければなりません。
一時代前は事故に対して、そこまでセンシティブではありませんでした。今と比較するとだいぶ緩かったので、うるさく言う必要はなかったんです。
最近は特にコンプライアンスが厳しくなり、建築現場で事故が起こると「ヤバイ!事故起こった!」と大ごとになります。
- どんな安全管理をしているんだ!
- ちゃんと再発防止策を練ろ!
- 現場をちゃんと見ろ!
等々、お叱りを受けますし、施工会社としての見栄えも悪くなります。
施工会社は施工の技術だけでなく「どれだけ安全に工事を完遂できるか?」というのもポイントになってきています。
例えば、事故を起こしまくる業者と事故を全然起こさない業者がいたとして、発注者がどちらに発注したいと思うかは考えるまでもありませんよね。
施工会社は安全第一です。安全は超重要項目です。
安全衛生協議会の流れ
安全衛生協議会の流れその①あいさつ
安全衛生協議会は、まず、お偉いさんのあいさつから始まります。
「えー今期もこの現場では災害がゼロで非常に素晴らしいですね。今後も継続していただきたいと考えますが、これからの季節は暑くなるので、熱中症の危険性があります。。。」
といった様な内容を話します。
安全衛生協議会の流れその②前回議事録の確認
あいさつの次は、前回議事録の確認です。
簡単な話、前回はどのような話をしたのか?ということを確認します。
「前回やったなら再度確認する必要は無いのでは?」と思う方もいるかもしれません。前回議事録を確認して出席者名簿にサインすれば、元請けからしたら「逃げ」を作ることができるとも言えます。
例えば前回、熱中症の災害事例を紹介したとします。
そこで小まめな水分補給を再発防止策として挙げたとしましょう。すると下請け業者で熱中症が起こったとしても元請けは『安全衛生協議会で小まめな水分補給を呼びかけましたよ!これ!証拠!』といったことが言えます。
意外と前回議事録の確認は大事だったりします。
安全衛生協議会の流れその③災害事例紹介
元請けの会社で発生した災害事例を紹介します。(勿論、その現場で事故が発生した場合も紹介されます。)
簡単な話「こんな事故が発生した→こんな事故が発生しないようにしないといけない→このような対策を練ろう!」という話です。
2度と同じ事故を起こさないよう、呼びかける訳です。
災害事例紹介では、下記のような項目について解説されます。
災害事例紹介の内容
- いつ
- どこで
- だれが
- どういう状況で(写真付)
- どのような事故が起こったか
- 再発防止策はどのようなものがあるか
安全衛生協議会の流れその④工程表の説明
安全衛生協議会では、工程表の説明も行われます。
工程表の内容説明
- 今月の工事ではどのようなことをやるか?
- どのような注意点があるか?
- 工事全体の遅延はないか?
- 前回の工程表から変化はないか?
上記のような項目について解説が入ります。
ここで安全衛生目標を発表される場合も多いです。
例えば「夏なので熱中症予防に努める」とか、「感電事故が発生したので検電確認を必ず行う」とか、「現場全体を清潔に保つよう掃除を定期的に行う」などです。
元請けが下請け業者に通達し、下請け業者が社内で共有します。
安全衛生協議会の流れその⑤その他おしらせ
安全衛生協議会では「その他のお知らせ」が割と多めです。
具体的には下記のようなものがあります。
お知らせの具体例
- 夏なら熱中症防止の話
- 少し前ならフルハーネスのルール
- 今ならコロナでマスクしましょうみたいな
上記のような書類は、元請けの安全部から送られてきたもので、それを現場全体で共有しましょう!といった内容の意味合いがあります。
安全衛生協議会と再発防止協議会(再防協)の違い
安全衛生協議会に似た単語で、再発防止協議会というものがあります。俗に言う「再防協」ですね。混同しやすい単語です。
安全衛生協議会と再発防止協議会の違いはなにか?
結論、全く同じものです。違いはありません。
会社や現場によって呼び方が異なるだけで、中身は全く一緒です。個人的には再防協の方が分かりやすいので、再防協で統一してほしいですね。
「再発防止協議会」と言われると、事故が発生しないように協議会が行われるんだと分かりやすいですが、「安全衛生協議会」と言われても、なんのこっちゃ分かりません。
法律上、正式な呼び方はないです。
安全衛生協議会の法的根拠については後々話しますが「安全衛生協議会っぽいことをやれ」と書いてあるだけで、「安全衛生協議会」とも「再発防止協議会」とも明言してません。
安全衛生協議会が開催されるペース
安全衛生協議会が開催されるペースは、結論「月に一回」です。
法律上は「定期的に開催すべし」としか書かれていないので、理論上はどれくらいの頻度で安全衛生協議会を開催するかは自由です。
ただ色んな現場を見ていると、大抵は月に1回は安全衛生協議会を開いている印象を受けます。
安全衛生協議会をやる時間自体はそこまで長くはありませんが、安全衛生協議会の資料を作成するのは結構時間がかかりますからね。月1回で割とカツカツな感じです。
安全衛生協議会は義務?法的根拠について
安全衛生協議会の法的根拠(労働安全衛生規則)①特定元方事業者は、法第30条第1項第1号の協議組織の設置および運営については、次に定めるところによらなければならない。
- 特定元方事業者及びすべての関係請負人が参加する協議組織を設置すること
- 当該協議組織の会議を定期的に開催すること
②関係請負人は、前項の規定により特定元方事業者が設置する協議組織に参加しなければならない。
安全衛生協議会の法的根拠要約
- 特定元方事業者=元請け
- 元請けは安全衛生協議会を定期的に行わなければならない
- 下請けは安全衛生協議会に参加しないといけない
規則ですので、無視することはできません。
建設業には無駄に多くの規則があります。その中には「やらなければならないこと」と「やらなくていいけど、やった方がベターなこと」があったりします。
安全衛生協議会については前者で「やらなければならないこと」です。
安全衛生協議会に関する情報まとめ
安全衛生協議会に関する情報まとめ
- 安全衛生協議会とは:現場で事故が発生しないよう協議する会
- 法的根拠:上章参照
- 流れ:挨拶→前回議事録の確認→災害事例紹介→工程表説明→その他
- 再防協(再発防止協議会)との違い:違いはない。
- 開催ペース:月に一回
以上が安全衛生協議会に関する情報まとめです。
一通り基礎知識は網羅できたと思います。
安全関係の行事としては安全パトロールが挙げられます。安全パトロールも安全を守る一環で行われます。合わせて知識として抑えておきましょう。
下に分かりやすい記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。