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冷凍機の種類とは?ターボ・吸収式・スクリュー・チラーなど

  • 冷凍機ってターボ・吸収式・スクリュー、結局どれを選べばいい?
  • 空冷と水冷ってどう違う?冷却塔は必須?
  • COP(成績係数)が一番高い機種は?
  • インバーターターボって何がメリット?
  • 受電容量がない建物では何を選ぶ?
  • 機械室のスペースはどれくらい必要?

上記の様な悩みを解決します。

冷凍機(業務用大型冷凍機・チラー)は中規模以上のオフィス・ホテル・病院・データセンターでは絶対に外せない機器なんですが、 ターボ/吸収式/スクリュー/チラー の4タイプそれぞれに「向く建物」「向かない建物」があって、選定を間違えると 受電容量増設の追加コストや、ガス引込工事の手戻り が発生します。施工管理として図面に「ターボ冷凍機500冷凍トン」と書かれているのを見たら、即座に受変電容量・冷却塔・機械室階高がイメージできるようになっておきたい機器です。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

冷凍機とは?種類の全体像

冷凍機とは、結論「冷媒の蒸発熱を利用して水を冷却し、空調や工場プロセス用の冷水を作る機器」のことです。

英語ではChiller(チラー)または Refrigerator。建築設備で言う「冷凍機」は冷凍庫のことではなく、 空調用の冷水を作る大型機器 のことを指します(ややこしい)。

種類は 動力源と圧縮方式 で分けると4種類に集約されます。

冷凍機の主要4タイプ

  • ターボ冷凍機(電気・遠心圧縮式)
  • スクリュー冷凍機(電気・スクリュー圧縮式)
  • 吸収式冷凍機(ガス・蒸気・温水で駆動)
  • チラー(空冷式・水冷式の小〜中型機)

これに加えて、冷却方式の 「水冷」 vs 「空冷」 の軸が直交して入ります。例えば「水冷ターボ」「空冷チラー」「水冷スクリュー」のような組み合わせ。さらに最近は インバーター制御 の有無で性能が大きく変わるので、選定時は5次元くらいの組み合わせから絞り込む感覚になります。

冷温水配管側の話はこちら。

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冷凍機の動作原理(圧縮式 vs 吸収式)

種類が頭に入る前に、根本原理を整理します。

圧縮式(ターボ・スクリュー・チラーの主流)

「圧縮→凝縮→膨張→蒸発」のサイクルで冷媒を循環させます。

  1. 圧縮機(コンプレッサー) で冷媒ガスを高温高圧にする
  2. 凝縮器(コンデンサ) で外気・冷却水に熱を放出して液化
  3. 膨張弁 で液冷媒を急減圧して気化しやすくする
  4. 蒸発器(エバポレータ) で冷水から熱を奪って気化、冷水を冷やす

圧縮機を電動モーターで駆動するので、 電気エネルギー入力 → 冷却出力 という単純な構図。

吸収式(ガス・蒸気・温水で駆動)

圧縮機を使わず、 臭化リチウム水溶液(吸収液)と水(冷媒)の親和性 を利用するサイクル。

  1. 再生器 でガス・蒸気の熱で吸収液を加熱、水を蒸発させる
  2. 凝縮器 で蒸発した水を冷却・液化
  3. 蒸発器 で水(冷媒)を真空で気化、冷水を冷やす
  4. 吸収器 で気化した水を吸収液に再吸収、サイクル完了

電気はポンプ用のごく僅かしか使わず、 熱エネルギー入力 → 冷却出力 という構図。

圧縮式 vs 吸収式の使い分け

  • 受電容量に余裕あり → 圧縮式(ターボ/スクリュー)
  • 受電容量に余裕なし/ガス・蒸気が安く手に入る → 吸収式
  • 排熱を有効活用したい工場 → 排熱投入型吸収式

受電容量側の話はこちら。

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主要な冷凍機4タイプの比較

各タイプの特徴を施工管理視点でまとめます。

ターボ冷凍機(遠心冷凍機)

遠心式圧縮機(ターボ)で冷媒を圧縮する大型電動機。

ターボ冷凍機の特徴

  • 容量レンジが広い(150〜数千冷凍トン)
  • COPが高い(5.0〜7.0、インバーターターボなら部分負荷COP10超え)
  • 大型・高効率の主流
  • 始動電流が大きい(高圧受電必須のケース多い)
  • 冷却塔(水冷)または室外機(空冷)が必須

オフィスビル・大型ホテル・病院の中央熱源で標準的に使われます。インバーターターボは部分負荷効率がメチャクチャ良いので、ZEB対応案件で第一候補になります。

スクリュー冷凍機

スクリュー(ねじ式)圧縮機で冷媒を圧縮するタイプ。

スクリュー冷凍機の特徴

  • 容量レンジ:50〜1,000冷凍トン(ターボより小型)
  • COPが中庸(4.0〜5.5)
  • 連続容量制御が得意(オープン式・密閉式あり)
  • 振動・騒音が大きい
  • 工場プロセス用・低温機械用に強い

中規模オフィス、工場の冷却プロセス、スケートリンクなど 負荷変動が激しいけど低温が必要 な用途に向きます。

吸収式冷凍機

ガス焚き/蒸気焚き/温水焚きで駆動する非電動式。

吸収式冷凍機の特徴

  • 電気をほぼ使わない(受電容量を圧迫しない)
  • ガス・蒸気を熱源にできる
  • COPは低め(単効用COP0.7、二重効用COP1.3前後)
  • 冷却塔は圧縮式より大きい必要あり(凝縮側熱負荷が大きいため)
  • 立上りが遅い(30分〜1時間)

「真夏のピークで電力契約を増やすと基本料金が膨大」という建物では、 電力ピークカット用に吸収式と圧縮式を併設 するハイブリッド構成が増えています。受電容量が物理的に増やせない都心の改修案件では、ほぼ吸収式一択。

ガス警報器側はこちら。

チラー(空冷/水冷の小〜中型機)

主に屋外設置の空冷チラー、機械室内の水冷チラーで、 50冷凍トン以下の中小規模 向け。

チラーの特徴

  • パッケージ化されていて据付が簡単
  • 空冷式は冷却塔不要(屋外設置で大気放熱)
  • 水冷式は冷却塔必須(ターボの小型版イメージ)
  • COPは中庸(3.0〜5.0)
  • 中規模オフィス・店舗・小規模ホテル向け

特に空冷チラーは 冷却塔のメンテ不要・水処理薬剤不要 で、運用コストが安い。最近の中小規模ビルではほぼ空冷チラーで標準化されています。

吸収式タイプのチラーはこちら。

4タイプ比較表

タイプ 容量 COP 駆動源 冷却塔 主用途
ターボ 150〜数千RT 5.0〜10 電気 水冷で必須 中〜大型ビル
スクリュー 50〜1,000RT 4.0〜5.5 電気 必須 工場・低温
吸収式 100〜2,000RT 0.7〜1.3 ガス/蒸気/温水 大型 都市熱供給・電力ピークカット
空冷チラー 5〜500RT 3.0〜5.0 電気 不要 中小ビル

※冷凍トン(RT):1RT=3.86kW相当

冷却方式の選択(水冷 vs 空冷)

冷凍機を選ぶときに、もう一段階奥で決めるのが 凝縮器側の冷却方式 です。

水冷式

冷却水を冷却塔(クーリングタワー)で循環させて、凝縮器の熱を大気に放出。

水冷式のメリット

  • 凝縮温度が低く取れる(COP高い)
  • 大容量に向く(千RT超でも対応可)
  • 屋外騒音が小さい

水冷式のデメリット

  • 冷却塔の設置スペース・耐荷重が必要(屋上設置が一般的)
  • 冷却水ポンプ・配管・水処理装置が必要
  • レジオネラ菌対策の薬注・清掃メンテ必須
  • 補給水が大量に必要(蒸発分)

空冷式

凝縮器に直接外気を当てて熱放出。

空冷式のメリット

  • 冷却塔・水処理装置・補給水が不要
  • 据付が簡単(パッケージ品の搬入だけ)
  • 維持管理工数が少ない

空冷式のデメリット

  • 凝縮温度が高くなりやすくCOPが下がる
  • 大容量化が難しい(500RT程度が上限)
  • 屋外設置が必要、騒音・振動が周辺に伝わる

使い分けの目安

  • 容量1,000RT超 → 水冷式(一択)
  • 200〜1,000RT → 水冷式(COP重視)または空冷式(メンテ重視)
  • 200RT以下 → 空冷チラー(メンテ簡素化)

水冷式の冷却塔は屋上設置が基本で、 建物の構造耐荷重・遮音・水処理動力 がセットで効いてくるので、設計初期にどっちを選ぶかで建築側の検討量がだいぶ変わります。

冷凍機の選定基準(施工管理視点)

選定の優先順位は「容量」「受電容量との整合」「冷却方式」「設置スペース」です。

必要冷凍能力の算出

  • 建物熱負荷計算(気象データ・建物用途・人体・OA機器発熱・日射)から最大冷房負荷を算出
  • 安全率 1.1〜1.2を見込んでメーカー型番を選定
  • 多缶構成(2〜3台分割)で部分負荷効率と冗長性を確保

受電容量との整合

ターボ冷凍機は 始動電流が定格の3〜5倍 に達するので、受変電設備の短絡容量・トランス容量に直接影響します。「冷凍機を入れたらトランスが余裕無くなった」という事態を避けるため、受変電容量計算と並走させて選定します。

冷却塔の設置可否

水冷式を選ぶなら、屋上に 冷却塔の設置スペース+メンテ通路+耐荷重 が必要。冷却塔は1RTあたり概ね4〜5kgの自重+運転時の水重量が乗るので、屋上スラブの構造設計を建築側に共有しておかないと、後から「耐荷重NG」で大騒ぎになります。

設置スペース

機械室の必要スペースは、

  • ターボ:本体寸法+伝熱管引抜きスペース(管長×1.5)+制御盤前面1.5m
  • 吸収式:本体寸法+上部1.5m(再生器メンテ)
  • 空冷チラー:屋外設置面積+風通し離隔(壁から1.5m以上)

が目安。特に 伝熱管引抜きスペース はターボ冷凍機の機械室で見落とされがちで、メンテ時に伝熱管を引き抜けず本体丸ごと交換、という最悪パターンも起きます。

冷凍機に関する注意点(施工管理視点)

施工管理として現場で詰むポイントを4つ。

冷凍機据付で押さえる注意点

  • 冷媒漏洩時のフロン排出抑制法対応
  • 冷却塔のレジオネラ菌対策
  • 冷凍機本体の搬入経路と仮設開口
  • 試運転時の電力・水量確保

冷媒漏洩とフロン排出抑制法

業務用冷凍機の冷媒(R134a、R245fa、R1233zd など)は フロン排出抑制法 の対象で、

  • 3か月ごとの簡易点検(管理者責任)
  • 算定漏えい量の毎年報告
  • 廃棄時のフロン回収業者による回収

が義務付けられています。施工管理として引渡し時に 「冷媒漏えい点検記録簿」「機器管理者の指定」 をオーナー側に引継ぐ手続きを忘れずに。

冷却塔のレジオネラ菌対策

水冷式の冷却塔はレジオネラ菌の繁殖場所になりやすく、 厚生労働省「レジオネラ症を予防するために必要な措置に関する技術上の指針」 で点検・清掃・薬注の義務があります。

  • 薬注装置(殺菌剤の連続投入)
  • 月次点検(外観・水質)
  • 年次清掃(充填材・水盤)

を維持管理計画に組み込みます。冷却塔で集団感染が発生すると保健所案件になるので、設計・施工段階から 薬注装置スペース を確保しておくのが鉄則。

搬入経路と仮設開口

ターボ冷凍機は1台10〜30トン級の重量物。 搬入経路 に階段・狭い廊下があると入りません。

  • 仮設搬入開口(外壁を一部切り欠いて後で復旧)
  • レール式搬入装置(重量物専用)
  • 据付後の固定(防振架台+アンカーボルト)

を施工計画書に書き込み、建築・構造とも事前合意。アンカーボルトはこちら。

試運転時の水・電力確保

冷凍機の試運転には 冷却水の張水・冷水循環・電力供給 が必要。竣工直前の試運転段階で水・電気がまだ仮設、という事態だと、性能確認ができずに引渡しがズレる原因になります。

冷凍機据付・配管・電気・水道の 本設化スケジュール を、設備総合工程表で管理しておきます。

冷却水配管・冷温水配管側はこちら。

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冷凍機の種類に関する情報まとめ

  • 冷凍機とは:冷媒の蒸発熱を利用して空調用冷水を作る大型機器
  • 動作原理:圧縮式(電気駆動・主流)/吸収式(ガス・蒸気駆動)
  • 主要4タイプ:ターボ(大型・高効率)/スクリュー(中型・低温向け)/吸収式(電力ピークカット)/空冷チラー(中小規模・メンテ簡素)
  • 冷却方式:水冷(大容量・高COP・冷却塔メンテ要)/空冷(中小規模・メンテ簡素)
  • 選定の鉄則:受電容量・冷却塔スペース・伝熱管引抜きスペースを設計初期に確認
  • 施工注意点:フロン排出抑制法、レジオネラ菌対策、搬入経路、試運転時のインフラ確保
  • 最新動向:インバーターターボの部分負荷COPが10超えで、ZEB案件で第一候補

以上が冷凍機の種類に関する情報のまとめです。

冷凍機の種類選定は、 建物用途→必要冷凍能力→受電容量との整合→冷却塔の有無→機械室スペース の順に決めれば失敗しません。一番痛いのが「冷凍機を入れたら受電容量が足りずトランス増設」という後出し案件で、これは設備設計と電気設備設計が同時並走していないと回避できないんですよね。施工管理として、設計図から「ターボ500RT」を見たら 始動電流→トランス容量→冷却塔屋上耐荷重→搬入仮設開口 まで一本道でイメージできるようになっておくと、現場で建築・構造に説明する説得力が変わります。

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