漏電とは?原因、火災、調べ方など【施工管理が解説】

  • 漏電ってなに?
  • どんな原因が考えられるの?
  • 火災が発生するメカニズムは?
  • 調べ方を知りたい

上記のような悩みを解決します。

漏電は下手をすると人の命を奪ってしまう可能性のある事故です。

電気は便利な反面危険でもあります。自分の身を守れるのは自分だけですので、正しい知識を身に付けておきましょう。

当記事では漏電とは?といったところから原因や調べ方、火災のメカニズムについても解説していきます。専門用語はなるべく少なくし、分かりやすい表現で記事をまとめるので、それなりに分かりやすい記事になるかなと思います。

それではいってみましょう。

 

漏電とは?

漏電とは、結論「電気が漏れること」です。

電線には絶縁被覆が巻かれています。要するに電気が漏れないように保護がされている訳です。何かしらの理由で絶縁被覆が傷付いてしまったら電気が漏れてしまいますよね。これが漏電です。

人体に例えると分かりやすいかもしれません。

人の体には全身に血液が流れていますよね。これを骨だったり皮膚だったりで保護している訳ですが、転んで皮膚が傷付けば、中の血液が外に漏れてしまいます。イメージとしてはこんな感じです。

本来、人が動作する血液量は決まっています。血液量が一定以上漏れてしまえば、人体は動作しなくなってしまいます。電気も一緒です。例えば、200V必要な照明器具があったとして、漏電によって50V漏れてしまったら、150Vしか供給できません。

本来供給されるべき電気を供給できない訳ですから、照明器具の明るさは出せません。オフィスビルで漏電が発生し、照明器具が暗くなってしまったら仕事になりませんよね。

また、漏れてしまった電気の行き先も考えなければなりません。

もし電気がLGSに流れてしまったら、LGSに触れた人に感電の危険があります。血液に触れても手が汚れるだけですが、電気に触れてしまったら感電してしまいますからね。

電気は数アンペアで人の命を奪うこともあります。感電によって軽微な事故でも責任問題があるのに、人の命が奪われたら目も当てられません。

漏電が発生すると電気設備も正しく動作しませんし、安全面でも問題が発生します。

 

漏電の原因

水による絶縁不良

電気機器が水に弱いというのは、イメージがしやすいかなと思います。もし電気機器が水にさらされると、絶縁不良が発生してしまうんです。

原因としては、水の方に電気が流れてしまうことが挙げられます。

電気の行き先が電線しかない場合、当然のことながら電気は電線の方へと行きます。電線は絶縁保護がされていますから、電気が漏れる心配はありません。

ここで水が電気機器の中に入ってくると、電気が水の方へ行ってしまうんです。水は電気を通しやすいですから、電気の逃げ道を作ってしまう訳です。

水は漏電の原因になりますから、電気機器が水にさらされないよう注意する必要があります。

 

摩擦で絶縁が破ける

摩擦や何かしらの原因で、絶縁が破けてしまうのも漏電の原因になります。

電気は電線を通りますが、その電線は絶縁保護がされています。絶縁保護がされているから安全に電気を使える訳ですが、この絶縁保護が傷付いてしまえば電気が漏れますよね。

例えば、電線を動かす時に力一杯引っ張ると壁との摩擦で絶縁が破けることもあります。

またその電線に触れなくても、別の電線を引っ張った時に傷付くこともあったりするので、注意が必要です。

 

差し込みが弱い

差し込みが弱いのも漏電の原因になります。

コンセントが分かりやすい例です。

しっかりとコンセントに差し込めば問題なく電気を使用できます。ただ、コンセントへの差し込みが悪い場合、電気抵抗が増加し、漏電してしまうこともあるんです。

差し込んだ時にゆるゆるになっていないかを確認する必要があります。

 

漏電による火災について

漏電により、火災が発生してしまうこともあります。

どうして漏電が火災に繋がるのかというと、電気エネルギーが熱エネルギーに変換されるからです

スパークと言ったりしますが、漏電が発生するとパチパチと音を立てて、放電されることがあります。放電が発生した場所に引火物があると発火し、火災に繋がります。

新築の現場なんかで発生することがあります。

建築現場ではチリやホコリなどが蔓延していますよね。粉塵爆発まではいきませんが、チリやホコリは引火物になります。漏電が発生し、放電が発生し、チリやホコリに引火して、火災が発生する。大まかな流れはこんな感じです。

1955年に新潟で大きな火災があり、約1000戸が燃えてしまったという事故がありましたが、この火災も漏電が原因であると言われています。

今では木造の建物は減っていますから、ここまで大きな事故には無いかもしれません。

ただそれでも被害は大きくなりますよ。壁一面が燃えてしまったら壁も貼り直さなければなりませんし、配線から全部やり直さなければなりません。

また、火災が発生すれば人への影響もあります。

一酸化炭素中毒になってしまう人がいれば大きな事故です。常に漏電が発生しないように注意しましょう。

 

漏電の調べ方

使用した電気量のチェック

漏電を調べるのに一番簡単な方法は、使用した電気量をチェックすることです。

もし使用した電気量がやたらと大きかったら、漏電している可能性があります。

電気が漏れているというのは、電気の損失が大きくなるということです。損失が大きいということは本来以上の電気量が必要になっていくるということです。

電気代だったり現場のワットアメーターを確認すれば、電気量を把握することができます。定期的にチェックして漏電が無いかを確認しましょう。

 

絶縁抵抗測定

絶縁抵抗測定を行えば、漏電を調べることができます。

まず絶縁抵抗測定とは、ケーブルの絶縁に不備が無いかを確認する試験のことです。絶縁抵抗計(メガ)やテスターを使用することで確かめることができます。

漏電は電気が漏れていることであり、絶縁不良を起こしているということです。この絶縁不良を確認できるのが絶縁抵抗測定になります。

具体的なやり方については別記事でまとめますが、そこまで難しくは無いのでオススメです。

 

漏電に関する情報のまとめ

漏電に関する情報のまとめ

  • 漏電とは:電気が漏れること
  • 漏電の原因:水で絶縁不良、摩擦で絶縁が破ける、差し込みが弱い
  • 漏電の火災:漏電→放電→チリやホコリに引火→火災
  • 漏電の調べ方:電気量のチェック、絶縁抵抗測定

以上が漏電に関する情報のまとめです。

一通り基礎知識は網羅できたと思います。

漏電と似たような単語として短絡と地絡があります。似たような単語ですが明確に区別されるものですので、違いを抑えておきましょう。

電気の用語は抽象的で分かりにくい部分があります。

当サイトではなるべく分かりやすく用語の解説を行なっているので、よかったら読んでみてください。

それでは!