Lアングルとは?呼び方、他鋼材との違い、用途、規格、定尺など

  • Lアングルってなに?
  • どんな呼び方があるの?
  • どんな使い方があるの?
  • 他鋼材(CチャンネルやH鋼)とはどう違うの?
  • Lアングルの規格を知りたい
  • Lアングルの定尺って?

上記のような悩みを解決します。

最近ではLアングルが使われていない現場なんてありません。世の中の建築物のほぼ全てにLアングルが使われています。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

 

Lアングルとは?

Lアングルとは、結論「Lの形をした鋼材のこと」です。

Lの縦と横の長さが同じものを等辺山形鋼と呼び、長さが違うものを不等辺山形鋼と呼びます。L型鋼ともいったりしますね。

どの現場でも必ず使われている鋼材でして、使用用途は多岐に渡ります。(後々詳しく解説)

鋼材と呼ばれているだけあって強度は強く、多くの建築現場で使われています。おそらくLアングルが使われていない現場はないと思われます。(木造を除く)

鋼だと加工が大変なのでは?と思う方もいるかもしれません。

結論、加工はしやすいです。

  • 穴を開けたり
  • 切断したりするのも

全然大変ではありません。電動工具を使用するのは大前提ですが、加工もしやすく、使い方も色々とあるので建築現場では重宝されています。

重さに関してはまちまちですが、アルミ製なら軽いです。ステンレスは若干重くなります。

 

Lアングルの素材

Lアングルは鋼材ですので、素材は「鋼(鉄)」のみだと勘違いされやすいです。

結論、違います。下記のような素材が代表的です。

Lアングルの素材

  • 鋼(鉄)
  • アルミ
  • ステンレス(SUS)

ステンレスとは、鉄にクロムを混ぜ合わせたものです。

鉄とステンレスの違いとしては「錆びにくさ」です。

ステンレスには錆びにくい素材であるクロムが入っているので、錆びにくいです。鉄単体だと酸化して錆びてしまうのでステンレスが一般的になっています。(とはいえ似たようなものですが)

アルミ製のLアングルの特徴は「軽い」です。

その分、強度は落ちますが、強度が必要とされない場所があるのも事実です。そこまで強度が必要とされなければ、わざわざステンレスや鉄を使う必要がありませんからね。

使用用途によって、適切な素材を選ぶ必要があります。

 

Lアングルの主な使用用途

Lアングルの主な使用用途

  • ブレース
  • キャットウォークの支持材
  • ケーブルラックの支持材
  • 外壁の固定
  • 床を支える補強材

Lアングルは材料ですので、様々な使い方ができるんです。また、加工もしやすいので、用途に合わせて加工することで使える範囲が更に広がります。

アイデア次第でいくらでも使い方はありますよ。

キャットウォークの事例を考えてみましょう。

そもそもキャットウォークとは点検用の小さな足場のことですが、これは天井の近くに作らなければなりません。(基本、設備が付いてるのは天井近くだから)

キャットウォークが宙に浮いてくれればいいですが、そんなのあり得ませんよね。壁か天井から支持を取る必要が出てきます。

そこで壁にアンカーを打って、Lアングルを流します。

Lアングルはアンカーで壁にくっ付いていますから、Lアングルとキャットウォークを繋げることで支持を取ることができるんです。

先ほども言いましたが、Lアングルは強度が強いです。

キャットウォークには人が乗るので、それなりの重さに耐えられるよう設計する必要があります。そこで適切なのが強度の強いLアングルという訳です。

 

LアングルとCチャンネルとH鋼の違い

Lアングルに似たような単語で、CチャンネルやH鋼などがあります。これらも同じ鋼材ですが微妙に違うので、違いは抑えておきましょう。

結論から言うと、Lアングル・Cチャンネル・H鋼の違いは「形」です。

簡単な話、形が異なります。

Lアングル・Cチャンネル・H鋼の違い

  • Lアングル:Lの形をしている
  • Cチャンネル:Cの形をしている
  • H鋼:Hの形をしている

微妙に形が異なることによって、用途が異なったりします。

例えば、Cチャンネルはケーブルの固定に使われたりします。Cの形をしている分、Lの形をしているよりもインシュロックを付けやすいんです。

対して、LアングルはCチャンネルよりも強度が強いので、荷重の大きなものの支持に使われたりします。ケーブルを支えるくらいならCチャンネルの強度で大丈夫ですが、キャットウォークの支持は難しいです。

どれも一長一短ですので、それぞれの特性を理解しましょう。

 

Lアングルの規格

Lアングルの規格はメーカーによって異なります。

細かく沢山の規格を用意している会社もあれば、そうでない会社もあるんです。詳細に書くと膨大な量となってしまうので、今回は「あくまで一部」という認識でお願いします。

 

等辺Lアングルの規格

厚み 縦の長さ 横の長さ 1mあたりの重さ
3 20 20 0.885
3 25 25 1.12
3 30 30 1.36
5 30 30 2.16
3 40 40 1.83
5 40 40 2.95
4 50 50 3.06
6 50 50 4.43
7 100 100 10.7
10 100 100 14.9
13 100 100 19.1
9 130 130 17.9
12 130 130 23.4
15 130 130 28.8
6 65 65 5.91
8 65 65 7.66
6 75 75 6.85
9 75 75 9.96
12 75 75 13.0
7 90 90 9.59
10 90 90 13.3
13 90 90 17.0
12 150 150 27.3
15 150 150 33.6
19 150 150 41.9
15 200 200 45.3
20 200 200 59.7
25 200 200 73.6

 

不等辺Lアングルの規格

厚み 縦の長さ 横の長さ 1mあたりの重さ
9 75 90 11.0
7 75 100 9.32
10 75 100 13.0
13 75 100 16.5
7 75 125 10.7
10 75 125 14.9
10 90 125 16.1
13 90 125 20.6
9 90 150 16.4
12 90 150 21.5
9 100 150 17.1
12 100 150 22.4
15 100 150 27.7

 

 

Lアングルの定尺

結論、Lアングルに定尺はありません。

電線管とかだったら「定尺は3660mm」とか決まっていますが、Lアングルはメーカーや型番によって定尺が変化します。

必要な長さが短いなら100mm単位で発注可能なメーカーもあります。対して長物が必要なら、12mとか一気に発注できるメーカーもありますよ。

必要に応じて、適切な長さを注文しましょう。

一応、Lアングルの長さの具体例を挙げておきます。

Lアングルの長さ

  • 1000mm
  • 2000mm
  • 5500mm
  • 6000mm
  • 11000mm

 

Lアングルに関する情報のまとめ

Lアングルに関する情報のまとめ

  • Lアングルとは:Lの形をした鋼材のこと
  • Lアングルの呼び方:アングル、等辺山形鋼、不等辺山形鋼、L型鋼
  • Lアングルの使用用途:ブレース、キャットウォーク、ケーブルラックの支持
  • Lアングルと他鋼材との違い:形が異なる
  • Lアングルの規格:上表参照
  • Lアングルの定尺:まちまち

以上がLアングルに関する情報のまとめとなります。

Lアングルはアイデア次第でいくらでも使い方がある鋼材です。基礎知識を抑えておくのは勿論のこと、使用用途の引き出しを増やしておくことも重要だったりします。

施工事例を多く見て、Lアングルの使い方を学んでいきましょう。それでは。