軽量骨材とは?種類、普通骨材との違い、メリットや施工注意点など

  • 軽量骨材ってなに?
  • 普通骨材とどう違うの?
  • どんな種類があるの?
  • どこで使われてるの?
  • メリットだけじゃなくデメリットも知りたい
  • 施工で気をつけることは?

上記の様な悩みを解決します。

軽量骨材は、コンクリートを軽くしたい場面で活躍する材料です。建物の自重を減らせば構造部材を細くできて長スパン化が可能になり、屋上の改修工事では既存躯体への負担を軽くできます。一方で、ポンプ圧送時の閉塞や、プレウェッティング(事前吸水)の手間など、普通の骨材とは違う独特のクセがあるので、施工管理側で押さえておきたい注意点も多めです。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

軽量骨材とは?

軽量骨材とは、結論「絶乾密度がおおむね2.0g/cm³未満の、軽いコンクリート用骨材のこと」です。

英語では lightweight aggregate。JIS A 5002『構造用軽量コンクリート骨材』で規格化されており、建築・土木の構造用コンクリートに使える骨材として標準的に流通しています。

ざっくり整理すると、コンクリートに使う骨材は大きく3グループに分けられます。

区分 絶乾密度の目安(g/cm³) 主な用途
普通骨材 約2.5〜2.7 一般的な構造用コンクリート
軽量骨材 約1.0〜2.0 軽量コンクリート、長スパン梁、改修
重量骨材 約3.0以上 放射線遮蔽、カウンターウエイト

軽量骨材を使ったコンクリートは「軽量コンクリート(軽量骨材コンクリート)」と呼ばれ、JIS A 5308では1種・2種に分類されています。粗骨材だけ軽量にした1種、粗骨材と細骨材の両方を軽量化した2種で、2種の方がより軽くなる代わりにコストや施工難易度が上がる関係です。

コンクリート全般の基本については、こちらをあわせてどうぞ。

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軽量骨材の種類

軽量骨材は「人工」か「天然」か、で大きく2系統に分かれます。

①人工軽量骨材

種類 主な原料 特徴
膨張頁岩・膨張粘土系 頁岩・粘土を高温で焼成して膨らませたもの 強度が比較的安定、構造用として最も流通
膨張スラグ系 高炉スラグを発泡処理 エコ系、断熱性が高い
パーライト 真珠岩を高温焼成して膨張させたもの 主に断熱・調合用、強度はやや低め
焼成発泡フライアッシュ 火力発電のフライアッシュを焼成 リサイクル材として注目

人工軽量骨材は、内部に微細な気孔を持つことで軽さを実現しています。原料を高温で焼成する過程でガスが内部に閉じ込められ、軽くて強い粒になるイメージですね。構造用コンクリートで使われる軽量骨材はほぼこのグループで、とくに膨張頁岩系が主流です。

②天然軽量骨材

種類 主な原料 特徴
軽石(パミス) 火山噴出物 安価、分布地域に偏りあり
火山礫 火山噴出物 軽石より粒径が大きい
凝灰岩系 火山堆積岩 物性のばらつきが大きい

天然軽量骨材は、火山活動でできた多孔質の岩石を破砕して使うものです。コストは安いものの、産地による物性のばらつきが大きく、構造用としては人工軽量骨材ほど普及していません。

軽量骨材と普通骨材の違い

普通骨材(川砂利・川砂、砕石・砕砂)と並べて整理しておきます。

項目 軽量骨材 普通骨材
絶乾密度 1.0〜2.0g/cm³ 2.5〜2.7g/cm³
単位容積重量 軽い(750〜1,200kg/m³) 重い(1,500〜1,800kg/m³)
吸水率 高い(5〜25%) 低い(1〜3%)
強度 やや低い〜中程度 高い
価格 普通骨材より高め 安い
圧送性 配慮が必要 標準

吸水率の違いはとくに重要です。軽量骨材は粒の中に気孔をたくさん持っているため、表面だけでなく内部にも水を吸い込みます。これがコンクリート練り混ぜ時の水分量管理を難しくする一因です。

軽量骨材コンクリートで使う水セメント比の管理は普通コンクリートと考え方は同じですが、骨材吸水を見越した計算が必要です。

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軽量骨材コンクリートのメリット

軽量骨材を使う最大の理由は「コンクリートを軽くできる」ことですが、それが波及効果として複数のメリットを生みます。

①建物の自重低減 → 部材断面を細くできる

コンクリートの単位重量が下がる分、建物全体の自重が軽くなります。基礎が支える総荷重が減れば杭の本数や径を抑えられ、上部構造でも梁・柱の断面を細くできます。長スパン梁を成立させたい設計でとくに効きます。

②既存改修工事での躯体負担軽減

屋上にプール・植栽・設備を後付けする改修工事では、上載荷重を増やしたくないので軽量コンクリートが選ばれることがよくあります。マスコンクリートや構造体の補修ではない、屋上用の軽量化施工で重宝します。

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③断熱性の向上

軽量骨材内部の気孔は熱伝導率が低いため、コンクリート全体としての断熱性が普通コンクリートより高くなります。屋上スラブの上に軽量モルタルで断熱を兼ねさせるシンダーコンクリート的な使い方は、まさにこの特性を活かしたものです。

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④地震時の慣性力低減

建物が軽くなると地震時に建物が受ける慣性力(質量×加速度)も減るため、地震荷重そのものが小さくなります。耐震計算上のメリットも軽量化と直結しています。

軽量骨材コンクリートのデメリットと施工注意点

メリットが大きい分、施工で気をつけたい弱点もはっきりしています。

①ポンプ圧送時の閉塞リスク

軽量骨材は内部に空隙が多いため、ポンプ圧送時の高圧で骨材内部に水が押し込まれ、そこから水分が抜けやすくなります。配管内でコンクリートのモルタル分と粗骨材が分離して、最悪の場合「閉塞(つまり)」を起こします。

対策としては、

  • 練り混ぜ前にプレウェッティング(事前吸水)を行う
  • 配管径を1ランク太くする
  • 圧送速度を抑える
  • ポンプ車・配管を直前に水でぬらしておく

など、専用の運用ルールを設定する必要があります。

②プレウェッティングの手間

軽量骨材は乾いた状態で使うとコンクリートの水分を吸ってしまい、スランプロスや圧送不良を引き起こします。これを避けるため、生コン工場で骨材を24時間以上水浸しておく「プレウェッティング」が標準です。前日からの段取りが必要なので、生コン手配のリードタイムが普通コンクリートより長くなります。

③強度のばらつきが出やすい

骨材自身の強度が普通骨材より低めなので、コンクリート全体の強度上限がそこに引きずられます。設計基準強度が高めの建物では、軽量骨材ではなく普通骨材を選ばざるを得ないケースもあります。

④価格が高い

普通骨材より単価が高いので、軽量化メリットを得るためのコスト増を構造設計者・施主と合意した上で採用判断する必要があります。

[talk words=’軽量コンクリートを初めて打つ現場では、生コン業者・ポンプ業者・職長の三者で「事前にプレウェッティングどうする?」のすり合わせが必須ですね。これを忘れると当日朝に骨材が乾いていて打設中止、なんて目に遭います。’ name=”” avatarimg=”https://seko-kanri.com/wp-content/uploads/2020/02/c-run.png” avatarsize=70 avatarbdcolor=#d0d0d0 avatarbdwidth=1 bdcolor=#d0d0d0]

ワーカビリティ(施工性)の評価は普通コンクリート以上にシビアになります。

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軽量骨材に関する情報まとめ

  • 軽量骨材とは:絶乾密度がおおむね2.0g/cm³未満の骨材
  • 種類:人工(膨張頁岩・パーライト等)と天然(軽石・火山礫)
  • 普通骨材との違い:軽い・吸水率が高い・価格が高い
  • 主なメリット:建物自重低減、改修負担軽減、断熱性、地震慣性力低減
  • 主なデメリット:ポンプ閉塞リスク、プレウェッティング必須、強度上限、コスト
  • 施工注意点:事前吸水、配管径太め、圧送速度抑制、生コン手配リードタイム

以上が軽量骨材に関する情報のまとめです。

一通り軽量骨材の基礎知識は理解できたかなと思います。「軽くしたい場面で使う代わりに、施工管理の段取りはひと手間増える」という前提を頭に置いておけば、初めての軽量コンクリート現場でもスムーズに打設まで持っていけますよ。

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