- インシュロックってなに?
- どうやって選べばいいの?
- 素材は?
- どんな種類のインシュロックがあるの?
- 使い方は?
- メーカーはどこ?
上記の様な悩みを解決します。
インシュロック(結束バンド)は現場にて頻繁に使用されます。必須の知識ですので、基本情報は抑えておきましょう。
この記事ではインシュロック(結束バンド)とは?といったところから、素材、種類、選び方、使い方、メーカーなどについて解説していきます。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
インシュロック(結束バンド)とは?
インシュロック(結束バンド)とは、一言で言うと「電線やケーブル等を結束する材料」です。
複数の電線をまとめるのに役立ちます。また、電線をまとめるだけでなく、電線とケーブルラックを接続するのに使われたりもします。他にも多様な使い方があり、現場で重宝されています。
今では「軽い、安い、使いやすい」の三拍子で今やどこの現場でも見かけるようになりました。
汎用性があって便利な道具です。人によっては腰道具にインシュロック(結束バンド)をつけている人もいるくらいです。DIYなんかでも活躍しているのでは無いでしょうか?
ちなみにインシュロックには、各パーツに名前が付いています。
インシュロックの各パーツ名称
- 頭の部分:ヘッド
- 長い部分:バンド
- 頭とは反対の先っちょ:テール
- ギザギザ部分:セレーション
インシュロック(結束バンド)の利用目的
インシュロックの利用目的
- 電線管と電線管の固定
- ケーブルとの固定
- ケーブルと電線管の固定
- ケーブルとケーブルラックの固定
- ケーブルとその他鋼材(Cチャンとかダクターとか)
共通して言えることは、何かと何かを結束(固定)する目的です。汎用性のある材料なので、もっと使い方はあります。ただ汎用性汎用性言っててもイメージが湧かないと思うので、具体例を挙げて説明します。
インシュロック(結束バンド)は改修工事幹線ルートの確保目的で使われたりするんです。
今ある幹線を新しい幹線に引き換える際、既存の幹線が邪魔になりますよね。電線同士で擦れるのもよくないので、既存の幹線を避けて固定しなければなりません。
ここで登場するのがインシュロック(結束バンド)です。
幹線はケーブルラックにインシュロック(結束バンド)で固定されています。これをバッチンと切って、別場所に固定します。
インシュロック(結束バンド)は安価ですので、既存のものを取り払っても問題ありません。新しく固定するのも大してお金はかかりません。
インシュロック(結束バンド)の選び方
選び方その①色(意匠性)
一番重要なのは「色(意匠性)」です。
全体的にシックな雰囲気で統一している中、赤色のインシュロック(結束バンド)が顔を覗かせてたらダサいですよね。
建物は見た目に気を遣う場所と、気を使わない場所に分けられます。特に商業施設や体育館など、お客様が出入りする場所では意匠性に拘る場合が多いです。
意匠に拘っている場所では、全体的な景観を乱さないようなインシュロック(結束バンド)を選定しましょう。
選び方その②屋内か?屋外か?
屋外でインシュロック(結束バンド)を使う場合は、耐候性が必要になります。
もし屋外で耐候性の付与されていないインシュロック(結束バンド)を使ってしまうと、時間が経つにつれて劣化してしまいます。
屋内なら気にしなくて大丈夫ですが、屋外の場合は気にした方がいいかもしれません。
選び方その③必要な性能の確認
インシュロック(結束バンド)を選ぶ際には、必要な性能の確認が必要な場合があります。
オフィスビルとか体育館や商業施設など、一般的な建物では性能の確認なんて必要ありません。その辺にあるインシュロック(結束バンド)を持ってきて縛れば大丈夫です。
ただ特殊な建物の場合(化学工場とか)、インシュロック(結束バンド)にも何かしらの性能が求められる場合があります。その場合は注意しましょう。
正直な話、色だけ気をつけておけば大丈夫です。
インシュロック(結束バンド)の種類
メタルコンテントタイ
メタルコンテントタイは、鉄が含まれているインシュロック(結束バンド)です。
鉄が含まれていることにより、磁石に反応します。メジャーの先っちょを近付ければ反応し、引っ付いてくれるので便利だったりします。
それ以外の用途は不明です。
リピートタイ
リピートタイとは、何度も結束できるインシュロック(結束バンド)です。
普通のインシュロック(結束バンド)は一度結束したら、結束を解除することはできません。一回切って、新しいインシュロック(結束バンド)で固定します。
それだとゴミも出ますし、新しいインシュロックも持ってこなければならないので面倒ですよね。
リピートタイを使えば、何度も固定し直せます。
腰道具につけても便利かもしれませんね。
導電性インシュロック
導電性インシュロックとは、その名の通り「導電性のあるインシュロック(結束バンド)」です。
普通のインシュロックとは違って導電性が付与されている為、電荷が帯電しません。電荷が帯電しないので、ESD効果を防止できます。
ESD効果とは、人が触れた時に静電気放電(ESD)してしまう効果のことです。
近くに電子機器があれば壊れてしまう可能性があります。導電性インシュロックを使うことにより、ESD効果を防ぐことができます。
アウトサイドセラーションタイ
アウトサイドセラーションタイとは、セラーション(ギザギザ部分)が外側にあるインシュロック(結束バンド)です。
セラーション(ギザギザ)が外側にあることにより、電線が傷付かないというメリットがあります。
グリップタイ
グリップタイとは、テープのようなインシュロック(結束バンド)です。もはや原型はありません。
テープのように一巻きになっており、自分の好きなように長さを調節することができます。
基本的にインシュロック(結束バンド)の不要な部分は切ってしまいますので、無駄です。ここを省けることができ、より経済的という訳です。
また、グリップタイには複数色があります。
複数色があれば、識別可能になります。電線なんてめちゃくちゃ本数ありますからね。余裕でどれがどれか分からなくなります。そこで活躍するのがグリップタイという訳です。
インシュロック(結束バンド)の素材
ナイロン製インシュロック(結束バンド)
ナイロン製インシュロックの特徴
- 耐候
- 耐熱
- 耐薬
フッ素樹脂製インシュロック(結束バンド)
フッ素樹脂製インシュロックの特徴
- 摩擦係数が小さい
- 絶縁性能アリ
- 難燃
- 耐熱
- 耐薬
ポリプロピレン製インシュロック(結束バンド)
ポリプロピレン製インシュロックの特徴
- 耐薬性
- 耐水性
- 耐候性
- 難燃性
- 耐衝撃
ポリアセタール製インシュロック(結束バンド)
ポリアセタール製インシュロックの特徴
- 耐候性
- 疲労耐性
- 耐クリープ
ポリエチレン製インシュロック(結束バンド)
ポリエチレン製インシュロックの特徴
- 耐候性
- 耐水性
- 絶縁性能高め
- 衝撃に強い
- 耐寒性アリ
インシュロック(結束バンド)を作っているメーカー
インシュロック(結束バンド)を作っているメーカーは、ヘラマンタイトンという会社です。
他にもいくつかインシュロック(結束バンド)を作っている会社はありますが、一番代表的なのはヘラマンタイトンになります。経験上、どの現場でもヘラマンタイトンでした。
インシュロックといえばヘラマンタイトン、ヘラマンタイトンといえばインシュロックといった感じです。
他も紹介しておくと、下記のようなメーカーもインシュロック(結束バンド)を作っています。
インシュロックを制作しているメーカー
- イプロス
- 鐘通
- パンドウィットコーポレーション
- 日商エアロ
インシュロック(結束バンド)を使うなら結束工具がオススメ
インシュロック(結束バンド)を使う際は、結束工具を使うのがオススメです。
結束工具は必須ではありませんが、あった方が便利ですよ。力を加える必要もなく、ボタンを押せば「バシャ」っと音を立てて工事が完了します。
一番のメリットは時間短縮です。
インシュロック(結束バンド)を使うってなると、内装工事が始まった時ですからね。仕事が山程ある状態ですので、時間を短縮できるところは短縮した方がいいです。
デメリットとしては、工具が一つ増えるところです。
職人さんは色々と工具を使いますから、工具が一つ増えるのは面倒かもしれません。電動工具を現場に持ち込むとなると書類が必要ですからね。
ただ、時間短縮にもなりますし、新人でもベテランでも同じ成果物になるのでメリットは大きいかなと思います。ヘラマンタイトンが無料レンタルサービスをやっているみたいなので、気になった方はチェックしてみてください。
インシュロック(結束バンド)に関する情報のまとめ
インシュロック(結束バンド)に関する情報のまとめ
- インシュロックとは:電線やケーブル等を結束する材料
- 利用目的:ケーブルとケーブル、電線管、その他鋼材との固定
- 選び方:色(意匠性)、屋内か?屋外か?、必要性能を備えているか
- 種類:メタルコンテントタイ、リピートタイ、導電性インシュロック、他
- 素材:ナイロン製、フッ素樹脂製、ポリプロピレン製、他
- 使い方:結束工具、他
- メーカー:ヘラマンタイトン、イプロス、他
以上がインシュロックに関する情報まとめです。
一通り基礎知識については網羅できたと思います。
インシュロックは幹線設備の更新工事にてよく使用されます。幹線設備についても理解しておく様にしましょう。
下に分かりやすい記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。