ハンドホールとは?役割、マンホールとの違い、規格、重量など

  • ハンドホールってなに?
  • どんな役割があるの?
  • マンホールとの違いって?
  • 規格表が欲しい

上記のような悩みを解決します。

現場が大きくなってくると、ハンドホールは必須です。配管工事を行うサブコンの方で、ハンドホールを知らない人はいないと言っても過言では無いと思います。

「自分はハンドホールが何のことか分からない」という方、安心してください。

この記事ではハンドホールに関する網羅的な情報を、腰が砕けるくらい分かりやすく解説します。

最後まで記事を読めば、普通の人よりもハンドホールに詳しくなってますよ。

それではいってみましょう!

 

ハンドホールとは?

ハンドホールとは、結論「地中配管の分岐部分に施工されるコンクリートの塊」です。

ケーブルの分岐部分や曲がる部分には、基本的にボックスを置かなければなりません。内装工事において、それはプルボックスだったり、アウトレットボックスだったりします。

ただプルボックスやアウトレットボックスには、大きなサイズはありませんし、強度が強いものもありません。

電気設備で電気が供給される流れは「電柱→受変電設備→配電盤→各負荷」です。

右に行けば行くほど流れる電気は小さくなり、それに伴ってケーブルの太さも細くなっていきます。左に行けば行くほど電気は大きくなり、ケーブルの太さは太くなりますよね。

地中埋設配管は「電柱→受変電設備」のフェーズで行われます。

つまり、流れる電気の大きさは大きく、ケーブルサイズも太くなるんです。

ケーブルサイズは太くなるので、分岐部分や曲がり部分に必要とされるボックスには大きさが求められます。プルボックスやアウトレットボックスでは大きさが足りないので、ハンドホールが採用されるんです。

また、地中埋設配管では強度も求められます。

地面の中にボックスを埋める訳ですから、土の重みがかかります。プルボックスの様にペラッペラじゃあ耐えられずに壊れてしまいます。

対してハンドホールは「コンクリートの塊」ですので、土の中に埋まっても、壊れずに機能してくれます。

ちなみにハンドホールは「HH」と略されたりもしますよ。

 

ハンドホールの役割

ハンドホールの役割は、結論「施工性、メンテナンス性、品質の担保」です。それぞれ解説します。

 

ハンドホールの役割①施工性

ハンドホールの役割一つ目は「施工性」です。

外にある電柱から建物内の受変電設備までケーブルを引っ張らなければならない訳ですが、この距離をハンドホール無しで持っていくのは大変です。

ケーブルを施工するには「配管」と「配線」が必要になります。

距離が長くなっても「配管」には問題ありませんが、「配線」は大変です。

ケーブルルートが直線真っ直ぐになっていることは少なく、ほとんどの場合は曲がって曲がってを繰り返します。となると、ケーブルを通す時に引っかかって上手く通せないんですよね。

ハンドホールをいくつか設置しておくと、一気に通すのではなく、ハンドホールまで通せばいいので施工が楽になります。

例えば、スタートがA地点でゴールがB地点だとしましょう。

例え

  • ハンドホール無し:A地点→B地点
  • ハンドホールアリ:A地点→ハンドホール→ハンドホール→B地点

ハンドホールを経由することができるので、一つ一つの配線が楽になるんです。というか、そうしないと無理ですね。通らないですよ。

一言でまとめると、ハンドホールがあることによって、施工のやりやすさが向上します。

 

ハンドホールの役割②メンテナンス性

ハンドホールの役割二つ目は「メンテナンス性」です。

例えば、幹線設備で何かしらの不具合が発生したら、原因の調査をしなければなりません。ハンドホール無しの場合、確認できるのはケーブルの端部だけですから、それ以外は調査できないんです。

対してハンドホールが設置されている場合は、各ハンドホールでもメンテナンスできます。

ハンドホールがあれが確認できること

  • 分岐部分のジョイントに問題は無いか?
  • 配線は劣化していないか?
  • 線名札を見て施工年月日の確認
  • ケーブルサイズの確認
ちなみに、幹線設備は、基本的に30年くらい経ったら更新工事が必要になります。

 

ハンドホールの役割③品質の担保

ハンドホールの役割その三は「品質の担保」です。

ケーブルの曲がり部分では、ケーブルをジョイントする場合があります。ジョイント部分は繊細な部分ですので、キッチリ保護する必要があるんです。

もしハンドホールが無ければ、ジョイント部分を守るものは配管しかありません。

対してハンドホールがある場合は、いかついコンクリートの塊がジョイント部分を守ってくれます。となると品質を担保することができる訳です。

 

ハンドホールとマンホールとの違い

ハンドホールとマンホールの違いは、結論「人が入れるか?否か?」です。

まずハンドホールは人が入る用のスペースではありません。ハンドホールはあくまでケーブルをジョイントさせたり曲げたりする為のものですから、それくらいの大きさで設計されています。

人が入れない訳ではありませんが、だいぶキッチキチになってしまいます。衛生的ではありませんから、相当汚れてしまうんです。

対して、マンホールは人が入れるスペースがあります。

話をまとめると下記です。

ハンドホールとマンホールの違い

  • ハンドホール:ケーブルの通り道
  • マンホール:ケーブルの通り道+人が入って点検するスペース

要はハンドホールを人が入れるくらい大きくしたのが、マンホールとなります。

ハンドホールもメンテナンスには使われますが、あくまで上から覗くだけです。

上から覗いて、ケーブルの状態を確認します。中に入って作業をする訳ではありません。

 

ハンドホールの規格(重量)

ハンドホールは基本的に「プレキャスト工法」と言って、工場で作ったものを搬入して完成します。

 

600型ハンドホール

寸法(mm)
600 600 600 515
600 600 800 600
600 600 900 640
600 600 1000 680
600 600 1200 765
600 600 1300 805
600 600 1400 850
600 600 1500 890

 

800型ハンドホール

寸法(mm)
800 800 600 816
800 800 800 956
800 800 900 1021
800 800 1000 1096
800 800 1100 1161
800 800 1200 1226
800 800 1300 1301
800 800 1400 1366
800 800 1500 1431

 

900型ハンドホール

寸法(mm)
900 900 600 938
900 900 800 1090
900 900 900 1148
900 900 1000 1238
900 900 1100 1300
900 900 1200 1378
900 900 1300 1448
900 900 1400 1530
900 900 1500 1608

 

1000型ハンドホール

寸法(mm) 重さ(Kg)
1000 1000 600 1112
1000 1000 800 1232
1000 1000 900 1362
1000 1000 1000 1402
1000 1000 1100 1482
1000 1000 1200 1562
1000 1000 1300 1652
1000 1000 1400 1732
1000 1000 1500 1812

 

ハンドホールに関する情報のまとめ

ハンドホールに関する情報のまとめ

  • ハンドホールとは:地中配管の分岐部分に施工されるコンクリートの塊
  • ハンドホールの役割:施工性、メンテナンス性、品質の担保
  • ハンドホールとマンホールの違い:人が入れるか?否か?
  • ハンドホールの規格:上表参照

以上がハンドホールに関する情報のまとめです。

一通りハンドホールの基礎情報は理解できたと思います。

ハンドホールが使用される外構工事の配管にはFEP管が多く採用されています。ハンドホールとセットの配管となるので、FEP管に関する情報も抑えておくのがオススメです。

下の記事で詳しくまとめてあるので、よかったら見てみてください。

それでは!