- グラスウールってなに?
- なんでかゆいの?
- かゆくなったらどうすればいいの?
- 熱伝導率ってどれくらい?
- 密度は?
- 耐熱温度は?
- 施工方法について知りたい
上記の様な悩みを解決します。
グラスウールは過去から現在にかけて、断熱材として不動の地位を築いています。どの現場でも必ず遭遇する素材ですので、必要知識を抑えておましょう。
この記事ではグラスウールとは?といったところから、かゆみについて、熱伝導率、耐熱温度、密度、施工方法について解説していきます。
なるべく専門用語は使わずに分かりやすい言葉で記事を編集していくので、初心者の方にもそれなりに分かりやすい記事になっているかなと思います。
グラスウールとは?
グラスウールとは、結論「ガラス繊維でできた棉のような断熱材のこと」です。
壁や床、天井などの隙間にグラスウールを敷き詰めることにより、部屋内に対する断熱効果を生み出すことが可能になります。
木造の住宅に入ったことがある方なら分かりますが、部屋内と外との区切りに断熱材が無ければ、外の冷気が直接中に入ってきてしまいます。冬なんかだと特に部屋内が寒くなってしまいます。
そこで登場するのがグラスウールでして、部屋と部屋の間にグラスウールを挟むと、冬における部屋内の快適さが段違いです。
特にグラスウールは機械室の壁に使用されることが多いです。機械室には様々な機械が置かれており、機械が動く音が他の部屋まで届いてしまうと、快適さが失われてしまいます。
グラスウールを壁に使用することにより、グラスウールが音を吸収し、隣の部屋に音が漏れないようにすることができます。音楽スタジオなんかにも使用されていますね。
また、棉ですので軽くて施工しやすいという特徴を持ちます。
ボードなんかは加工しなければなりませんし、そもそもボード自体が重かったりします。LGSと呼ばれるボードの下地かんかも鉄ですので、そこまで軽くはありません。
対してグラスウールはあくまで「棉」です。
軽いので持ち運びや搬入も簡単ですし、施工も簡単です。ただただ敷き詰めればいいだけですし、ちょっとだけ必要になったり不要になったりしても、手でちぎったりすることも可能になります。
グラスウールに触れるとかゆい?
有名な話ですが、グラスウールに触れるとかゆくなってしまいます。
前の章でもお話しましたが、グラスウールは「ガラス繊維」です。ガラス繊維ですので、触れると手にチクチクするようなかゆみを催してしまいます。
現場では基本的に長袖ですし手袋をしていることがほとんどです。ただガラス繊維は中々厄介者で、軍手や手袋を貫通して皮膚に作用してしまうことがあります。素手で触れたら尚更です。
もう少し詳細に説明すると、ガラス繊維には小さな虫がいます。
小さな虫がちょっとした毒を持っていまして、その毒さ作用してかゆみを発生させています。実際にやってみると分かるのですが、それなりに不快なものですので、グラスウールの扱いには注意が必要です。
もし素手でグラスウールに触れてしまった場合は「水で流す→乾燥→ガムテープ」という手段を取りましょう。
ただこの状態では皮膚に刺さったガラス繊維を完全に除去できている訳ではありませんから、かゆみは残ります。皮膚を乾燥させた後、ガムテープや養生テープなどの粘着性の強いもので繊維を取り除きましょう。
グラスウールの熱伝導率
グラスウールの熱伝導率は、結論「0.03〜0.05(W/mK)」です。
まず大前提として、グラスウールには様々な種類があります。通常のグラスウール。高性能グラスウール。吹込み用グラスウールなど。その種類によって熱伝導率が変化します。
熱伝導率というのは「熱の移動しやすさ」ですので、数字が大きければ大きいほど「熱が移動しやすい」つまりは断熱効果が薄いということです。
例えば、熱伝導率が「1」の素材があったとしましょう。
熱伝導率が「1」ということは、熱伝導率が「100%」ということです。「100%熱をそのまま通す」ということですので、熱を遮断する性能は皆無という話になります。
グラスウールの中でも「高性能グラスウール」と呼ばれるものは熱伝導率が「0.03台」で、比較的断熱効果が高いものとなります。対して、通常のグラスウールならば熱伝導率が「0.05台」ですので、相対的に熱を遮断する能力は低いです。
実際その数字がどれほどの差なのか?はイメージしずらいと思いますが、グラスウール自体そこまで値の張るものではありませんから、高性能のものを採用した方が良いと考えられます。
グラスウールの耐熱温度
グラスウールの耐熱温度は、結論「約300℃でロックウールよりは低い」です。
前提として、製品や素材によって異なります。製品によっては耐熱温度が250℃程度だったりしますが、大抵の場合は300℃周辺の値ですね。
300℃を超えてしまうとグラスウールは溶けて縮んでしまいます。耐熱温度を高めたいならグラスウールではなくロックウールを採用した方が良いです。
ロックウールはグラスウールと似たような働きをしながら、700℃を超えても溶けて縮みません。ロックウールとグラスウールの相違点はここにあります。
とはいえ、そもそも300℃を超える状況下が少ないですので、そこまで気にしなくてはいいかなと思います。あるとしたら火災が発生した時ですね。
火災が発生した時、温度は300℃から最大で1200℃程度になります。
グラスウールの密度
グラスウールの密度
- 10kg/m3
- 24kg/m3
- 36kg/m3
- 48kg/m3
- 64kg/m3
- 80kg/m3
- 96kg/m3
グラスウールの密度は上に示す通りです。
製品によって、様々な種類の密度があることが分かりますね。単位は「kg/m3」ですので、1立方メートルあたりで〇〇kgといった感じ。
指標として最も一般的なのは「48kg/m3」です。
住宅用や一般的な建物では48kg/m3程度あれば十分な様です。ただ工場や倉庫など、高い断熱性能が求められる場合は48kg/m3以上のものが採用されます。
密度が変化することによって、価格と断熱性能が変化します。
価格に関しては分かりやすいと思います。密度が増えるということは、1立方メートルあたりのグラスウールの量が増えるということです。その分、材料費が高くなり、価格も高くなります。
価格は高くなりますが、断熱性能は高くなります。より多くのグラスウールを敷き詰めることになりますので、熱を止めるガラス繊維の量も多くなります。
グラスウールの施工方法
グラスウールの施工方法を一言でいうと「防湿フィルムを忘れずに、隙間なく埋める」です。
まず大前提として、グラスウールの施工方法は様々あります。そもそも袋に入っているグラスウールか?そうではないか?床か?天井か?壁か?によっても異なります。あくまで大枠の考え方だと思ってください。
まずグラスウールは隙間なく埋める必要があります。
簡単な話、敷き詰めが甘ければ甘いところから熱や音が出入りしてしまうんです。棉ですのでみっちみちに詰める必要があります。
防湿フィルムを忘れてしまうと、水がグラスウール内部に侵入し、カビを発生させてしまう原因になります。グラスウールは壁や天井隙間に施工するので「後からのやり直しが非常に面倒臭い素材」です。
忘れない様にしましょう。
グラスウールに関する情報のまとめ
グラスウールに関する情報のまとめ
- グラスウールとは:ガラス繊維でできた棉のような断熱材のこと
- グラスウールがかゆい理由:小さな虫の毒、ガラス繊維が刺さる
- かゆくなった時の対処法:水で流す→乾燥→ガムテープ
- グラスウールの熱伝導率:0.03〜0.05(W/mK)
- グラスウールの密度:10、24、36、48、64、80、96(kg/m3)
- グラスウールの耐熱温度:約300℃
- グラスウールの施工方法:防湿フィルムを忘れずに、隙間なく埋める
以上がグラスウールに関する情報のまとめです。
一通り、基礎知識は網羅できたと思います。
グラスウールに非常に似た素材で、ロックウールというものがあります。ロックウールも同様に現場で非常に使用される素材ですので、合わせて知識として抑えておきましょう。
下に分かりやすい記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。