- 2級を取ったけど、給料の明細は本当に変わるのか
- 543万円と書いてあるサイトと400万円と書いてあるサイトが同じ画面に並んでいる
- 自分は今420万円、これは低いほうなのか
- 資格手当は月いくら付くのが普通なのか
- 検索候補に「2級電気工事施工管理技士 意味ない」が出てくるのが気になる
- 2級のままだと、どこで頭打ちになるのか
- 1級まで行かないと給料は動かないのか
- 求人票の「400〜700万円」は下限で入るんじゃないのか
- その数字は残業代込みなのか、額面なのか手取りなのか
- 第二種電気工事士も持っているが、どちらが給料に効くのか
- 地方だから安いのは仕方ないのか、都市部に出れば上がるのか
- 同じ会社にいて、あと5年でいくら上がるのか
- 来月の給料を上げるために、今日できることは何なのか
上記の様な悩みを解決します。
2級電気工事施工管理技士の年収を調べて最初につまずくのは、「平均543万円」と「400万円前後」が同じ検索結果に並ぶところです。求人サイトが掲載求人を集計した数字と、転職エージェントが自社で決まった年収を集計した数字が、どちらも「2級の平均年収」という同じ見出しで出てくるからで、実際に解説記事を14本読んでみると、数値ごとに誰が何を数えたのかを書いていたのは1本だけでした。今回は平均年収・資格手当・1級との差・地域差といった基本を押さえた上で、他社が触れていない「140万円ずれる仕組み」「公的統計に電気工事施工管理技術者の区分がないこと」「時間単価で自分の年収を測り直す方法」まで、施工管理の目線で整理しました。
なるべく数字の一つずつに誰が何を数えたのかを添えていくので、自分の給与明細を横に置きながら読んでもらえる内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
2級電気工事施工管理技士の年収は?543万円と400万円前後が同時に出てくる
結論から言うと、公開されている「2級の平均年収」は400万円前後から543万円まで、約140万円の幅で並んでいます。どちらかが誤りなのではなく、数えた母集団が違うだけです。
実際に各社の掲載値を並べると、次のようになります。数値の横に出典の統計名や算出方法が書かれているかどうかも併記します。
| 掲載元 | 2級の年収 | 出典・算出方法の明記 |
|---|---|---|
| 建職バンク | 平均 543万円 | あり(自社掲載求人2160件の提示年収から算出・2026/9/2時点) |
| sekocan | 542万円(全雇用形態)/544万円(正社員) | あり(いずれも建職バンクの数値と明記) |
| 施工管理求人サーチ | 約498万円 | あり(求人ボックスと明記) |
| CIC日本建設情報センター | 平均496万円(級を分けない電気工事施工管理技士) | なし(比較用の日本人平均441万円のみ国税庁と明記) |
| 朝水技研 | 400万〜500万円台 | あり(求人ボックス、2026年3月更新データと明記) |
| JACリクルートメント | 400万円前後 | あり(当社実績 2024年1月〜2024年12月と明記) |
| ワット・コンサルティング | 400万〜450万円 | なし(企業規模別のみ賃金構造基本統計調査と明記) |
| アガルートアカデミー | 約400万円 | なし(比較用の日本平均478万円のみ民間給与実態統計調査と明記) |
建職バンクの543万円は、同社が掲載している建設業界の求人の提示年収について、下限額と上限額の中央値をもとに算出した参考値であると本文に注記されています(建職バンク、対象求人2160件、2026年9月2日時点の掲載)。一方でJACリクルートメントの400万円前後は、同社の転職支援で実際に決まった年収の実績値です(JACリクルートメント、当社実績2024年1月〜12月と明記)。前者は募集条件の真ん中、後者は成約した人の分布で、そもそも比べる対象になっていません。
数字を見る順番は、金額の大小より先にここを確認するほうが早いです。
- 「平均」と書いてある数字:級を分けずに電気工事施工管理技士としてまとめた値ではないかを疑う
- 500万円台の数字:掲載求人の提示年収の集計ではないかを疑う
- 400万円前後の数字:転職エージェントの成約実績か、レンジの下限側ではないかを疑う
- 出典も算出方法も書かれていない数字:他社の記事から転記された可能性を見ておく
僕の感覚だと、2級の年収検索で消耗する原因は情報が足りないことではなく、性質の違う数字が同じ棚に並んでいることです。
140万円ずれる理由|求人の提示額と転職実績、そして公的な区分がないこと
結論、140万円の幅が生まれる理由は3つあります。求人の提示額と成約額が混ざっていること、級を分けていない数字が混ざっていること、そして各社が拠り所にできる公的な基準値が存在しないことです。
3つ目が一番効いています。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)には、建築施工管理技術者と土木施工管理技術者の職業ページはありますが、「電気工事施工管理技術者」という職業のページが用意されていません(厚生労働省 職業情報提供サイト job tag、2026年9月に職業一覧とフリーワード検索で確認)。同サイトで資格名「2級電気工事施工管理技士」を検索しても、該当職業として返ってくるのは太陽光発電の設計・施工や電気技術者など別の職業で、電気工事施工管理そのものの職業区分は建築施工管理技術者か土木施工管理技術者に吸収されています(同)。
つまり各社は、国が出した「2級電気工事施工管理技士の平均年収」を引用したくてもできません。だから自社の求人データベースか、自社の転職実績か、あるいは他社の記事を参照するしかなく、母集団が違うまま数字だけが横並びになります。
求人票のレンジについては、下限で入る前提で読んでおくのが現実的です。求人ボックス経由の求人例では、大阪府大阪市の2級電気工事施工管理技士の募集が年収500万円〜630万円で掲載されていました(求人ボックスの掲載、2026年9月確認)。この630万円は実績者がいるという意味で、自分がそこから始まるという意味ではありません。
自分の現在地を測るときは、次の順で条件を揃えると比較になります。
- 額面か手取りか(各社の数値はすべて額面。手取りは額面の75〜80%程度が目安)
- 残業代・夜勤手当・出張手当が含まれた額かどうか
- 元請かサブコンか、常駐現場か内勤か
- 掲載求人の集計か、在職者の実額か
資格手当は月0.5万〜1.5万円|「2級は意味ない」の正体は年6万〜18万円
結論、2級電気工事施工管理技士の資格手当は月0.5万円から1.5万円の帯で書かれています。年額に直すと6万円から18万円で、これが「2級は意味ない」と言われるときの実感の正体です。
各社の掲載値はこうなっています。プレックスジョブは2級電気工事施工管理技士の資格手当の目安を月0.5万円〜1.5万円、1級を月1万円〜3万円としています(プレックスジョブ、出典の明記なし)。アガルートアカデミーは2級を月額5,000円〜10,000円、1級を月額10,000円〜20,000円としています(アガルートアカデミー、出典の明記なし)。sekocanは月3,000円〜15,000円(sekocan、出典の明記なし)、E-FIELDは月2万円〜3万円で上限5万円前後としています(E-FIELD、出典の明記なし)。
数値そのものは会社の規定で決まるため、公開情報のどれも相場の断定には使えません。ただ帯の下側は各社でほぼ一致していて、月5,000円から1万円台という点は動きません。
ここで受検にかかった費用と並べてみると、見え方が変わります。2級電気工事施工管理技術検定の受検手数料は、第一次検定が7,900円、第二次検定が7,900円、第一次・第二次検定を同時に申請する場合は15,800円です(一般財団法人建設業振興基金「令和8年度2級電気工事施工管理技術検定のご案内」、いずれも非課税)。手当が月5,000円でも、受検手数料は3か月で回収できる計算になります。
「意味ない」という言葉が検索候補の上位に居座る理由も、この数字で説明が付きます。
- 資格手当だけを見ると年6万〜18万円で、生活の実感がほとんど変わらない
- 手当の金額を書いている記事と、年収の相場を書いている記事が別ページに分かれている
- 級を分けない「平均496万円」のような数字を見て、自分の額との差に落ち込む
- 2級で任される現場が増えても、給与が据え置きなら労働時間だけが伸びる
正直なところ、2級の価値は手当の月額ではなく、主任技術者として現場を任せられる立場に入れるかどうかに寄っています。手当の差だけで判断すると、この資格は実際より安く見えます。
1級との差|開き方が資料によって10万円から300万円まで違う
結論、1級と2級の差は資料によってまったく違います。求人の集計では10万円台、転職エージェントの実績では100万円から300万円です。ここも母集団の違いがそのまま出ています。
求人の集計側では、建職バンクが1級を555万円、2級を543万円としています(建職バンクの掲載、いずれも自社掲載求人の提示年収から算出した参考値)。差は約12万円です。月給ベースでは、SATが1級を36.1万円、2級を34.4万円としています(SATの掲載、媒体名の記載あり)。
転職実績側では、JACリクルートメントが1級を500〜700万円前後、2級を400万円前後としています(JACリクルートメント、当社実績2024年1月〜12月)。差は100万円から300万円になります。ワット・コンサルティングは1級を450万〜500万円、2級を400万〜450万円としています(ワット・コンサルティングの掲載、出典の明記なし)。
同じ「1級と2級の差」でも、募集条件の差なら10万円台、成約した人の分布の差なら3桁万円という開きになります。募集の時点では大きな差がついていないのに、決まる年収では開くという読み方をすると、差が付いている場所が見えてきます。任される工事の規模と、会社の中での配置です。
配置技術者の役割の違いは、こちらで整理しています。

会社側から見ると、1級の有資格者は公共工事の入札で使う経営事項審査の評点にも効きます。制度の中身はこちらが詳しいです。

1級に進む時期を決めるには、受検要件を満たすのがいつになるかを先に確認するのが早いです。

地域差と雇用形態|東京570万円・鹿児島410万円、企業規模のほうが効く
結論、地域差は最大でも80万円弱で、それより企業規模のほうが年収に効いています。地域で悩む前に、今いる会社の規模を確認したほうが判断は速いです。
地域別の数字は求人ボックスを引用したものが中心です。都道府県単位では東京都が570万円、鹿児島県が410万円という並びで(sekocanが引用した求人ボックスの値)、地方ブロック単位では関東533万円、東海485万円、甲信越・北陸481万円、関西481万円、北海道・東北471万円、中国471万円、四国467万円、九州・沖縄456万円です(朝水技研が引用した求人ボックスの値、2026年3月更新データと明記)。関東と九州・沖縄の差は77万円になります。
一方で企業規模別を出しているのはワット・コンサルティングの1本だけで、2級について大企業471万〜531万円、中企業401万〜452万円、小企業355万〜401万円としています(ワット・コンサルティングの掲載、厚生労働省の賃金構造基本統計調査によるものと明記)。大企業と小企業の差は下限で116万円、上限で130万円です。地域差の77万円より大きい。
雇用形態別も条件が変わります。建職バンクは正社員を約546万円、契約社員を約531万円としています(建職バンクの掲載、自社求人の集計)。CIC日本建設情報センターは派遣の平均時給を1,797円、アルバイト・パートの平均時給を約1,202円としています(CIC日本建設情報センターの掲載、統計名の明記なし)。
この4種類の切り口には優先順位があります。
- 企業規模:下限で116万円の差。転職の判断で一番効く
- 地域:最大77万円の差。ただし生活コストの差でそのまま手元に残らない
- 雇用形態:正社員と契約社員で15万円程度。派遣は時給換算で比較する
- 都道府県単位の数字:掲載求人が少ない県は数値が振れやすいので参考値にとどめる
実務だと、地方でも官公庁の案件を直接受ける会社にいれば、都市部のサブコンより高いことは普通にあります。県の平均値より、自分が置かれる元請下請の位置のほうが額を決めています。
時間単価で測り直す|166時間・時給3,092円という物差し
結論、年収の額だけを比べていると、残業で積み上げた分と待遇で得た分の区別が付きません。時間単価に直すと、この2つが分かれます。
公的な数字は、電気工事施工管理そのものの職業区分がないので、近い職業で挟んで読みます。job tagでは建築施工管理技術者の賃金が679.1万円、労働時間が166時間、平均年齢が43.4歳で、一般労働者の1時間当たり賃金は3,092円とされています(厚生労働省 職業情報提供サイト job tag「建築施工管理技術者」。賃金・労働時間・年齢はいずれも令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成、1時間当たり賃金は残業代と賞与を含む値)。同サイトの電気工事士は賃金628.1万円、労働時間163時間、平均年齢41.6歳、1時間当たり賃金2,908円です(同「電気工事士」、同調査の加工値)。
自分の時間単価は、年収を実労働時間で割るだけで出ます。月の実働が200時間なら年間2,400時間で、年収420万円なら約1,750円です。上の3,092円や2,908円と並べると、額面の差ではなく働いた時間あたりの差として見えてきます。
求人側の数字も同じサイトで確認できます。建築施工管理技術者の求人賃金(月額)は34.2万円で有効求人倍率は8.62、電気工事士の求人賃金は28.4万円で有効求人倍率は3.84です(同、いずれも令和7年度)。施工管理側の求人倍率が2倍以上高い状況で、これは転職の交渉で使える材料です。
この物差しの使い方は次のとおりです。
- 年収を実労働時間で割り、自分の時間単価を出す
- 転職先の提示年収も、想定される実働時間で割ってから比べる
- 残業で年収が増えた月は、時間単価が下がっていないかを確認する
- 求人倍率が高い職種にいるという前提を、条件交渉の入口に置く
現場目線で言えば、夜勤や出張が続いた月に手取りが増えるのは事実ですが、それは待遇が上がったのではなく時間を売った結果です。ここを分けて見ないと、年収の額が上がったのに生活が苦しくなる方向へ進んでしまいます。
2級のまま年収を上げる3本の筋道
結論、2級のままでも年収は動きます。手当を取りに行く、主任技術者として任される現場の規模を上げる、時間単価で会社を選ぶ。この3本です。
1本目の手当は、前の節のとおり月5,000円から1万円台が下限の帯です。金額そのものは小さいものの、就業規則の手当規定と求人票の手当欄を読み比べるだけで、基本給が同じでも年間で十数万円の差が出ます。自分の会社の規定を1回きちんと読むほうが、他社の相場表を10本読むより判断材料になります。
2本目が現場の規模です。求人倍率が示すとおり施工管理側の人手不足は続いていて、任せられる現場が大きくなれば、その希少性が待遇の交渉力になります。2級を取った直後に給与が動かなくても、担当する現場の種類が変わっていれば、次の評価や次の転職で効いてきます。
3本目が会社選びです。企業規模で116万円、地域で77万円という差を見ると、動かす順番は会社規模が先です。ただし転職は年収の額だけでは判断できないので、サービスごとの向き不向きを比較した記事を用意しています。

第二種電気工事士など施工側の資格との関係も、よく迷うところです。管理する側と施工する側で必要な経験が別なので、優劣ではなく組み合わせで考えるほうが実際に近いです。第一種電気工事士の位置づけは、あわせて読むならこちらから。

2級電気工事施工管理技士の年収に関する情報まとめ
- 平均年収:公開値は400万円前後から543万円まで約140万円の幅。求人の提示額の集計か、転職の成約実績かで別物
- ずれる理由:job tagに「電気工事施工管理技術者」の職業ページがなく、各社が独自集計するしかないため
- 資格手当:月0.5万〜1.5万円が各社共通の帯。年6万〜18万円で、受検手数料15,800円は数か月で回収できる
- 1級との差:求人集計では約12万円、転職実績では100万〜300万円。開くのは任される工事の規模と会社での配置
- 地域と規模:地域差は最大77万円、企業規模別の差は下限で116万円。動かす順番は会社規模が先
- 時間単価:job tagの建築施工管理技術者3,092円、電気工事士2,908円が物差し。残業で増えた年収と待遇は分けて見る
- 上げ方:手当規定を読む、主任技術者として現場の規模を上げる、時間単価で会社を選ぶ
以上が2級電気工事施工管理技士の年収に関する情報のまとめです。
この資格の年収を調べて疲れるのは、数字が足りないからではなく、数え方の違う数字に同じ見出しが付いているからです。「これは誰が何を数えた数字か」を1回確認する癖が付けば、あとは自分の給与明細と条件を揃えるだけの作業になります。そのうえで足りないと感じたら、手当の規定を読み、任される現場の規模を上げ、それでも動かなければ会社の規模を変える。この順番が遠回りに見えて一番速いと、僕は考えています。
受検資格や実務経験の数え方から確認したい場合は、こちらで整理しています。


