2級電気工事施工管理技士のダブルライセンス|組み合わせ、日程、実務年数、費用

  • ダブルライセンスと言われても、何と組み合わせるのが正解なのか
  • 2級電気工事施工管理技士だけでは、何ができないのか
  • 第二種電気工事士は先に取るべきか、後で取るべきか
  • 電験三種を持っていると受検で有利になるのか
  • 同じ年に2つの検定を受けることはできるのか
  • 2級建築と2級電気を同じ年に受けたいが日程は大丈夫か
  • 2級管工事とのダブルは現実的なのか
  • 電気通信工事施工管理技士は電気と別に取る意味があるのか
  • 2級を2つ持つのと1級を1つ持つのは、どちらが強いのか
  • 1級は2級を取ってからしか受けられないのか
  • 受検手数料は合計でいくらかかるのか
  • 検定によって手数料の上乗せが違うと聞いたが本当か
  • 実務経験の年数は資格で短くなるのか
  • 二兎を追って両方落ちるのが怖い

上記の様な悩みを解決します。

2級電気工事施工管理技士のダブルライセンスで最初に確かめるべきなのは、相性ではなく日程です。令和8年度の場合、2級電気工事施工管理技術検定と2級建築施工管理技術検定は前期も後期も試験日が同じで、同一年度に両方を受けることが物理的にできません。一方で2級管工事・2級土木・2級電気通信工事は別の機関が実施していて日付がずれているため、同じ年に狙えます。組み合わせの相性を何時間考えても、試験日が重なっていればその年は片方しか受けられません。今回は役割の違い・組み合わせの候補・受検資格への効き方といった基本を押さえた上で、ダブルライセンスの解説記事がまず書いていない「令和8年度の試験日の重なり方」「電気工事士免状で実務経験年数が変わること」「1級の第一次検定を先に取ると2級の二次が3年から1年になること」「機関によって事務手続手数料250円が乗る/乗らないこと」まで、施工管理の目線で整理しました。

なるべく一次情報の掲載箇所まで添えて整理していくので、どの順番で受けるかを今年のうちに決めたい方にも使える内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

2級電気工事施工管理技士だけでは電気工事の作業に従事できない

結論から言うと、2級電気工事施工管理技士は工事を管理する資格で、電気工事の作業そのものに従事する資格ではありません。ここがダブルライセンスの出発点です。

一般財団法人電気技術者試験センターの電気工事士の資格概要では、電気工事士法によって一定範囲・規模の電気工作物について電気工事の作業に従事する者の資格が定められているとされ、低圧で受電する一般家庭・商店等の屋内配線設備や小規模な太陽電池発電設備、高圧で受電する小規模なビル・工場などの電気設備の設置または変更に係る電気工事の作業については、電気工事士の資格を有する者が従事することを義務づけているとされています(同センターの電気工事士の資格概要)。

そして免状の範囲は次のように分かれています。第一種電気工事士は一般用電気工作物等および自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備に限る)の電気工事の作業に、第二種電気工事士は一般用電気工作物等の電気工事の作業に、それぞれ従事することができるとされています(同)。

この2つを並べると、なぜ組み合わせるのかがはっきりします。

できること 根拠となる制度
2級電気工事施工管理技士 電気工事の施工管理 建設業法に基づく技術検定
第二種電気工事士 一般用電気工作物等の電気工事の作業 電気工事士法
第一種電気工事士 上記+自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)の作業 電気工事士法

つまり「管理する資格」と「作業する資格」は別の法律で別に定められています。片方だけでは、現場でできることに穴が空くんですよね。人手が足りない日に自分で結線を手伝えるかどうかは、施工管理技士の有無ではなく電気工事士免状の有無で決まります。

第二種電気工事士のほうから入る道筋は、こちらで整理しています。

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電気工事士免状は受検資格を短くする|第一種は実務経験を問われない

結論、電気工事士や電気主任技術者の免状は、2級電気工事施工管理技術検定の第二次検定に進むまでの実務経験年数を短くします。ダブルライセンスは「取ったあとに効く」だけではありません。

建設業振興基金の令和8年度2級電気工事施工管理技術検定の案内では、旧受検資格の区分が学歴だけでなく資格でも用意されていて、第一種・第二種または第三種電気主任技術者免状の交付を受けた者は通算1年以上、第一種電気工事士免状の交付を受けた者は実務経験を問いません、第二種電気工事士免状の交付を受けた者(旧電気工事士も含む)は通算1年以上とされています(同基金の令和8年度2級電気工事施工管理技術検定の案内、5.受検資格の項)。

学歴ルートと並べると差の大きさが分かります。同案内では、指定学科以外の最終学歴問わずの区分が通算8年以上とされています(同)。第二種電気工事士を持っていれば通算1年、第一種電気工事士なら年数を問われない。学歴で8年待つのか、免状で1年にするのかという違いです。

新受検資格の側にも資格ルートがあります。同案内では、電気工事士試験または電気主任技術者試験の合格後または免状交付後に実務経験1年以上で第一次・第二次検定の区分に申請できるとされ、第二次検定のみの区分では別途2級または1級の第一次検定の合格が必要とされています(同案内、5.受検資格の項)。

順番で言うと、こう整理できます。

  • 第二種電気工事士を先に取る:実務経験が通算1年で第二次検定の要件を満たせる
  • 第一種電気工事士を先に取る:旧受検資格では実務経験年数を問われない
  • 電験三種を先に取る:旧受検資格では通算1年以上
  • 学歴だけで進む:指定学科以外・最終学歴問わずなら通算8年以上

僕の感覚だと、ここが「ダブルライセンスを考えるのは資格を取ってから」という思い込みがいちばん損をするところです。先に電気工事士を取っておくと、施工管理技士に進むまでの待ち時間そのものが縮みます。

実務経験の数え方と証明の実務は、こちらにまとめています。

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同じ年度に2つ受けられるか|令和8年度は2級建築と同日

結論、令和8年度は2級電気と2級建築が同じ日で、同一年度に両方を受けることはできません。2級管工事・2級土木・2級電気通信工事とは日付がずれているので、こちらは同じ年に狙えます。

理由は実施機関が違うからです。電気と建築は一般財団法人建設業振興基金、管工事・土木・電気通信工事は一般財団法人全国建設研修センターが実施していて、日程がそれぞれ独立に組まれています。

令和8年度の第一次検定の日付を並べると、こうなります。

検定 実施機関 前期の第一次検定 後期の第一次検定
2級電気工事 建設業振興基金 6月14日(日) 11月8日(日)
2級建築 建設業振興基金 6月14日(日) 11月8日(日)
2級管工事 全国建設研修センター 6月7日(日) 11月15日(日)
2級土木 全国建設研修センター 6月7日(日) 10月25日(日)
2級電気通信工事 全国建設研修センター 6月7日(日) 11月15日(日)

日付の出どころは、電気が同基金の令和8年度2級電気工事施工管理技術検定の案内の1.試験日程、建築が同基金の令和8年度2級建築施工管理技術検定の案内、管工事・土木・電気通信工事が全国建設研修センターの令和8年度各2級検定の実施案内の1.試験日・申込方法・申込受付期間です。

この表から読み取れることは3つです。

  • 2級電気と2級建築は前期も後期も同日。同一年度に両方は受けられない
  • 2級電気と2級管工事・2級電気通信工事は前期が1週間違い、後期も1週間違い。同一年度に両方受けられる
  • 2級電気と2級土木は後期が2週間違い。前期も1週間違いで、こちらも両方受けられる

現場目線で言えば、いちばん現実的なのは「前期に片方の第一次検定、後期にもう片方の第一次検定」という組み方です。6月7日に管工事、11月8日に電気、という並べ方なら5か月あいだが空くので、勉強が食い合いません。逆に6月7日と6月14日を続けて受けるのは、直前期が完全に重なるので無理があります。

電気通信工事のほうを組み合わせる場合の受検要件は、こちらで確認できます。

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級をまたぐダブル|1級の第一次検定を先に取ると2級の二次が1年になる

結論、1級電気工事施工管理技術検定の第一次検定を先に合格させると、2級の第二次検定に必要な実務経験が3年から1年に縮みます。2級を2つ並べるより、これが効く場面があります。

建設業振興基金の令和8年度2級電気工事施工管理技術検定の案内の新受検資格の区分では、2級電気工事施工管理技術検定の第一次検定合格後は実務経験3年以上、1級電気工事施工管理技術検定の第一次検定合格後は実務経験1年以上で、それぞれ第二次検定のみの区分に申請できるとされています(同基金の令和8年度2級電気工事施工管理技術検定の案内、5.受検資格の項)。同じ「第一次検定に合格した」という状態でも、1級のほうを持っているかどうかで2年違うということです。

そして1級の第一次検定は、2級を持っていなくても受けられます。同基金の令和8年度1級電気工事施工管理技術検定の案内では、「第一次検定のみ」は19歳以上(令和8年度内)となる場合に受検でき、実務経験は不要とされています。申請方法は第一次検定のみネット申請に限られ、書面申請はできないとされています(同基金の令和8年度1級電気工事施工管理技術検定の案内、2.申請方法の項)。

日程も衝突しません。同案内では1級の第一次検定が7月12日(日)とされていて(同、1.試験日程の項)、2級電気の後期11月8日とは4か月離れています。

級をまたぐ組み方を並べると、こうなります。

  • 1級の第一次検定(7月12日)+2級の後期第一次検定(11月8日)を同一年度に受ける
  • 1級の第一次検定に合格していれば、2級の第二次検定に必要な実務経験は1年以上
  • 2級の第一次検定だけで進む場合、第二次検定に必要な実務経験は3年以上
  • 1級の第一次検定合格は「1級電気工事施工管理技士補」の称号にもつながる

実務だと、この順番を知らずに2級の第一次検定だけ取って3年待っている人が少なくありません。19歳以上であれば1級の第一次検定に実務経験なしで挑めるので、若いうちに1級の一次を通しておくほうが、あとの選択肢が広がります。

1級側の受検資格の全体像は、こちらで整理しています。

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費用の総額|事務手続手数料250円が乗る機関と乗らない機関がある

結論、受検手数料は検定ごとに違い、さらに全国建設研修センターの検定にはインターネット申込のときだけ事務手続手数料250円が乗ります。建設業振興基金の検定には、この費目がありません。

各機関の案内では、受検手数料が次のように示されています。2級電気工事は第一次検定7,900円、第二次検定7,900円、第一次・第二次検定15,800円でいずれも非課税(建設業振興基金の令和8年度2級電気工事施工管理技術検定の案内、3.受検手数料の項)。2級建築は第一次検定6,150円、第二次検定6,150円、第一次・第二次検定12,300円でいずれも非課税(同基金の令和8年度2級建築施工管理技術検定の案内)。2級管工事は第一次・第二次検定12,700円、第一次検定6,350円、第二次検定6,350円でいずれも非課税とされ、インターネット申込の場合は上記のほか事務手続手数料として250円(税込)が必要とされています(全国建設研修センターの令和8年度2級管工事施工管理技術検定の実施案内、5.受検手数料の項)。2級電気通信工事は第一次・第二次検定14,300円、第一次検定7,150円、第二次検定7,150円でいずれも非課税で、同じく事務手続手数料250円(税込)が必要とされています(同センターの令和8年度2級電気通信工事施工管理技術検定の実施案内、5.受検手数料の項)。

組み合わせ別に第一次検定だけを2つ受けた場合の金額を出すと、こうなります。

組み合わせ(第一次検定のみ2つ) 内訳 概算合計
2級電気+2級管工事 7,900円+6,350円+250円 14,500円
2級電気+2級電気通信工事 7,900円+7,150円+250円 15,300円
2級電気+2級土木 7,900円+6,350円+250円 14,500円
2級電気+2級建築 同一年度は不可(試験日が同日)

事務手続手数料250円は、全国建設研修センター側の検定をネットで申し込むときだけ発生します。金額としては小さいですが、この費目が機関によって違うこと自体が、2つの検定を別々の制度として扱う必要があるという合図です。願書の呼び方も、振興基金側は願書、研修センター側は申込用紙と別になっています。

正直なところ、費用よりも重いのは時間です。第一次検定を2つ受けるだけで受検手数料は1万4千円台ですが、後期の第一次検定は電気が11月8日、管工事が11月15日で1週間しか空きません。金額で悩むより、この1週間で2科目の仕上げができるかで判断するほうが実際的です。

ダブルライセンスが空振りする3パターン

結論、ダブルライセンスは組み合わせを間違えて失敗するより、手続きと日程で空振りするほうが多いです。

ひとつ目は、試験日が同日だと気付かずに両方の勉強を始めるパターンです。前の見出しで並べたとおり、令和8年度の2級電気と2級建築は前期も後期も同じ日です。テキストを2冊買ってから気付くと、片方は1年寝かせることになります。

ふたつ目は、第一次検定は通ったのに第二次検定の実務経験が足りないパターンです。2級の第一次検定は令和8年度中に17歳以上であれば受けられますが、第二次検定は実務経験が要件になります。同基金の案内では、新受検資格で2級の第一次検定合格後は実務経験3年以上とされています(同基金の令和8年度2級電気工事施工管理技術検定の案内、5.受検資格の項)。2つの検定の第一次だけ集めても、二次に進めるのはまだ先という状態になります。

みっつ目は、管理する資格と作業する資格を混同するパターンです。施工管理技士を2つ持っていても、電気工事の作業に従事するには電気工事士免状が必要です。前述のとおり電気工事士法で作業に従事する者の資格が定められているためで、施工管理技士がその代わりになる仕組みはありません。

空振りを避けるための確認順は、次の4つです。

  • 今年度の試験日を2つ並べて、同日でないかを最初に見る
  • 第二次検定まで進めるのか、第一次検定だけで止まるのかを決める
  • 作業に従事したいなら、電気工事士免状を組み合わせの中に入れる
  • 申込方法と受付期間が機関ごとに違うことを前提に、締切をカレンダーに入れる

2級管工事側の全体像も先に見ておくと、組み合わせを決めやすくなります。

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2級電気工事施工管理技士のダブルライセンスに関する情報まとめ

  • 前提:2級電気工事施工管理技士は管理の資格で、電気工事の作業に従事するには電気工事士免状が必要(電気工事士法)
  • 免状の範囲:第一種は一般用電気工作物等および自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)、第二種は一般用電気工作物等の作業
  • 受検資格への効き方:旧受検資格では第一種電気工事士は実務経験を問われず、第二種電気工事士と電験は通算1年以上。学歴のみ(指定学科以外・最終学歴問わず)は通算8年以上
  • 令和8年度の日程:2級電気と2級建築は前期6月14日・後期11月8日で同日。同一年度に両方は受けられない
  • 同一年度に狙える組み合わせ:2級管工事(6月7日・11月15日)、2級土木(6月7日・10月25日)、2級電気通信工事(6月7日・11月15日)
  • 級をまたぐ選択:1級の第一次検定は19歳以上・実務経験不要で受検可。合格していると2級の第二次検定の実務経験が3年から1年になる
  • 費用:2級電気は第一次7,900円。全国建設研修センターの検定はネット申込で事務手続手数料250円が別に必要(振興基金側にはこの費目がない)
  • 空振りの型:同日で受けられない/第一次だけ集めて二次の年数が足りない/管理する資格と作業する資格の混同

以上が2級電気工事施工管理技士のダブルライセンスに関する情報のまとめです。

ダブルライセンスの話は「どれと相性がいいか」から始めがちですが、実際に効くのは順番と日程です。電気工事士を先に取れば第二次検定までの実務経験年数が縮み、1級の第一次検定を先に取れば同じく縮む。そして同じ年に2つ受けられるかは、機関が違うかどうかで決まる。個人的には、まず今年度の試験日を2つ並べて紙に書くところから始めるのが一番早いと思います。相性の議論はそのあとで間に合います。試験日・手数料・受検資格は年度ごとに変わるため、申し込む前に必ず各実施機関の最新の案内を確認してください。

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