【施工管理が解説】電磁開閉器とは?記号、配線、選定方法など

  • 電磁開閉器ってなに?
  • 記号は?
  • 配線について知りたい
  • 選定方法は?

上記のような悩みを解決します。

電磁開閉器は照明や電動機などを制御する機器としてよく使われます。

昨今では動力機器の無い建物なんてありません。つまり電磁開閉器が使われていない現場も無いということです。知識としては必須の部分ですので、理解しておきましょう。

この記事では電磁開閉器とは?といったところから記号、配線、選定方法について解説していきます。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

 

電磁開閉器とは?

電磁開閉器とは、結論「過負荷の電気を遮断する能力を持ったスイッチのこと」です。

まず大前提として、電磁開閉器は「開閉器」になります。要するにスイッチです。部屋の照明器具を点灯させたり消したりするスイッチがありますよね。あのスイッチと本質的には同じものです。

違いは、動作原理にあります。

一般的なスイッチは手動で入切を操作しますよね。電磁開閉器の場合は電磁石の動作を利用してスイッチを入り切りします。このことから電磁開閉器はマグネットスイッチとも呼ばれたりしますね。

もう少し正確にいうと、電磁開閉器は「継電器的な機能」と「スイッチ的な機能」に分かれます。継電器的な機能を果たすのがサーマルリレー、スイッチ的な機能を果たすのが電磁接触器です。つまり電磁開閉器とは、サーマルリレーと電磁接触器を組み合わせたものになります。

電磁開閉器とサーマルリレーと電磁接触器

電磁開閉器は電動機や照明器具、進相コンデンサなど、様々な機器に対して使われます。どれも今の建築には必須になるので、どこの現場にも電磁開閉器は採用されています。

わざわざ電磁開閉器を使用するメリットは、結論「負荷の保護」です。

例えば、100Vの照明器具に200Vを送電したら壊れますよね。電磁開閉器を挟むと定格以上の電気が流れた時に電路を遮断してくれます。

負荷の保護にも使われ、電気設備全体の安全を守る為にも使われます。

 

電磁開閉器の記号

電磁接触器の記号は、結論「MS」です。

繰り返しになりますが、電磁接触器は別名「マグネットスイッチ」と呼ばれています。電磁石が動作原理の開閉器(スイッチ)ですので、マグネットスイッチです。

それぞれの頭文字をとって「MS」と呼ばれています。

ちなみに電磁開閉器に組み込まれているサーマルリレーと電磁接触器は単体で図面に現れることもあります。それぞれの記号も抑えておきましょう。

サーマルリレーと電磁接触器

  • サーマルリレー:THR
  • 電磁接触器:MC
盤図だったり、単線結線図などで出てくるので抑えておきましょう。

 

電磁開閉器の配線

まず大前提として、MCCBと電動機の間に電磁開閉器が入ります。間に電磁開閉器が入ることにより、電動機の動作をコントロールするからです。

では具体的な配線方法ですが、下記の手順で行います。

電磁開閉器の配線方法

  • 主回路を繋ぐ
  • 操作回路を繋ぐ

まず主回路に関しては、通常通りの配線で構いません。MCCBと電磁接触器を接続し、電磁接触器と電動機を接続します。具体的にはRSTとUVWをそれぞれ配線していく形ですね。これでメインの電源供給はオーケーです。

次は操作回路になります。

操作回路はその名の通り「電動機を操作する用の配線」でして、制御回路とも呼ばれます。具体的には下記のような配線をしましょう。

操作回路の配線

  • MCCBと電磁接触器を配線
  • MCCBとボタン2を配線
  • ボタン1とボタン2を配線
  • ボタン1と電磁接触器を配線
  • 電磁接触器からサーマルリレー渡り配線
  • ボタン2と電磁接触器の配線
  • 電磁接触器からサーマルリレーに渡り配線

 

電磁開閉器の選定方法

電磁開閉器の選定方法は、結論「適切な電磁接触器とサーマルリレーを選定する」です。

繰り返しになりますが、電磁開閉器は電磁接触器とサーマルリレーを組み合わせたものです。つまり、電磁接触器を選定し、サーマルリレーを選定すれば電磁開閉器を選定したことになります。

それぞれを選定する際に注意すべき点は、下記です。

電磁接触器の選定方法

  • 定格容量
  • 定格電流
  • 定格電圧
  • サイズ
  • 補助接点

サーマルリレーの選定方法

  • 動作値は、電流整定値の105~125%の範囲内であること
  • 電流整定値の600%を超える電流が流れたとき40秒以下で動作すること
  • 電流整定値の200%を超える電流が流れたとき4分以下で動作すること

まず電磁接触器ですが、W数A数V数それぞれにおいて適切なものを選びます。想定される負荷との参照が必要ですね。大は小を兼ねますので大きめのものを選ベば問題ありませんが、経済性や収まりを考えると大きすぎるものはNGです。

また負荷によって必要な補助接点についても考える必要があります。

サーマルリレーに関しては、上に示した通りですが、これはJIS規格で決められたものです。具体的には「JEM 1357」が根拠となっています。

複数の時間設定が行われているのは始動電流が関係しています。

電気は流れた直後、通常の5倍くらいの電気が流れたりします。もし時間設定がなく、定格以上が流れた瞬間にスイッチを切るよう設定すると、いつまでたっても電動機を使うことができません。そこで時間設定がなされている訳です。

 

電磁開閉器に関する情報まとめ

電磁開閉器に関する情報まとめ

  • 電磁開閉器とは:過負荷の電気を遮断する能力を持ったスイッチのこと
  • 電磁開閉器=サーマルリレー+電磁接触器
  • 電磁開閉器の記号:MS
  • 電磁開閉器の配線:上章参照
  • 電磁開閉器の選定方法:適切な電磁接触器とサーマルリレーを選定する

以上が電磁開閉器に関する情報のまとめです。

一通り基礎知識は網羅できたと思います。

電磁開閉器は電磁接触器とサーマルリレーを組み合わせたものです。電磁開閉器を理解するには、電磁接触器への理解とサーマルリレーへの理解が必要になります。

動作特性やトリップした際の対処法など、もっと詳しくまとめた記事があるので、よかったら読んでみてください。

それでは!