CVケーブルとは?用途、CEとの違い、サイズ、外径、許容電流、寿命

  • CVケーブルってなに?
  • CVとCVTは何が違うの?
  • CEとの違いって?
  • 用途はどんなものがあるの?
  • サイズ、外径を知りたい
  • 許容電流は?
  • 寿命はどれくらい?

上記のような悩みを解決します。

電気工事に携わる人なら、CVケーブルに関する知識はマストです。基礎知識についてキッチリ理解しておきましょう。

この記事ではCVケーブルに関する網羅的な情報を解説します。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

 

CVケーブルとは?

CVケーブルとは、結論「架橋ポリエチレンという素材でできたケーブル」です。

そもそも「架橋ポリエチレン」という素材の性質ですが、細かい分子構造とははさておき、下記のような特徴を持ちます。

架橋ポリエチレン(CV)の特徴

  • 導電率が高い
  • 柔軟性が高い
  • 耐食性が高い
  • 耐衝撃性が高い
  • 耐熱性が高い
  • 許容温度が高い

ケーブルの評価として、全体的に優秀だなという印象です。

他のケーブルでは「屋内のみの使用です」とかあるのですが、CVケーブルは屋内だろうと屋外だろうと使用可能になります。

上記のような性質を持ち、一言で言えば「強い」ので、様々な場面で活躍するケーブルです。

耐火性は無いので防災設備には採用されませんが、それ以外には幅広く採用されているようなイメージのケーブルになります。

 

CVケーブルとCVTケーブルの違い

CVケーブルとCVTケーブルの違いは「介在物があるか?ないか?」の違いです。

そもそもCVTの「T」とはなんぞやってところですが、結論「トリプル(3つ)」のTになります。トリプレックスとか言ったりもしますね。CVケーブルを3本よったものがCVTと考えましょう。

まず大前提として「架橋ポリエチレンでできたケーブル」と言った意味合いにおいては、>CVケーブルとCVTケーブルに違いはありません。

ただ微妙に構造が異なります。

CVTには3本の電線を束ねる「介在物」なるものが存在します。対して、CVケーブルに介在物はありません。介在物といっても、ただの紙なんですけどね。

注意点として挙げられるのは、介在物があることによって、具体的には下記のような違いが生まれます。

CVケーブルとCVTの違い

  • 許容電流が異なる(CVTの方が大きい)
  • 電圧降下の参考値
  • 抵抗値
  • 曲げやすさ
  • 施工性
ちなみに「CVQケーブル」なるものも存在します。「Quattro」の意味ですので、CVケーブルの4本よりがCVQケーブルです。

 

CVケーブルとCEケーブルの違い

CVケーブルとCEケーブルの違いは、結論「エコか?そうじゃないか?」の違いです。

簡単な話、CVケーブルのエコケーブルバージョンがCEケーブルとなります。要は燃やした際、地球環境に悪いガスが発生しないケーブルです。

特に施主が国の場合だとエコケーブルが採用されることが多いので、公共工事だったらCVケーブルではなくCEケーブルが採用されるでしょう。

具体的な違いは、ビニルシース(CV)がポリエチレン(CE)になります。

メリットは先ほどもいった通り「地球に良い」という点ですが、デメリットとしては非常に「加工性」が下がる点です。非常に加工性が悪いです。

一回施工してみたわ分かりますが、とにかく硬いです。

ケーブルが直進だけで終わることなんてほぼほぼありません。必ずどこかしらで曲がったりします。その際エコケーブルは硬いので、非常に施工が面倒です。

また、価格が高くなるというデメリットもあります。

具体的には1.5倍くらいの価格になります。元々100万だったところが150万になるんです。割と大きな違いですよね。

白化現象の可能性もあったりとデメリットの多いケーブルですが、地球環境には良いといった格好です。

 

CVケーブルの用途

CVケーブルの用途は、結論「幹線設備の幹線」です。

簡単に電気設備の全体像を解説すると、電気は「電柱受変電設備配電盤→負荷(コンセントとか照明器具とか)」という流れで供給されます。

それぞれのフェーズによって採用されるケーブルは異なるのですが、CVケーブルは「受変電設備→配電盤」のタイミングで採用されることが多いです。

要はキュービクルから配電盤までの電源供給を担うのがCVケーブルです。

あとは渡り配線にも使われたりしますね。

配電盤から配電盤に電線を渡る場合があるのですが、その場合もCVケーブルが使われたりします。この場合は「22mmや38mm」といった、CVケーブルの中でも細めなケーブルが採用されるんです。

電気が大きければケーブルは太くなり、電気が小さければケーブルは細くなりますよね。

「電柱→受変電設備→配電盤→負荷」では右にいけばいくほど、電気は小さくなり、ケーブルは細くなっていきます。「配電盤→負荷」のタイミングではVVFケーブルが採用されることが多いです。

対してCVケーブルはその一個左「受変電設備→配電盤」のフェーズで採用されることが多いので、太い電線をイメージすれば問題ありません。

VVFケーブルは「1.6mm、2.0mm、2.6mm」くらいなのに対して、CVケーブルでは太くて「150mm、200mm、325mm」などがありますからね。供給する電気の大きさは想像しやすいと思います。

 

CVケーブルのサイズ(外径)

CVケーブル(600V)の外径サイズ(CVT)

CV CV CV CV
サイズ(sq) CVT 1心(外径) 2心(外径) 3心(外径) 4心(外径)
1.6(単線) 6.2 9.9 10.5 11.5
2.0(単線) 6.6 11.0 11.5 12.5
2.6(単線) 7.6 13.0 13.5 15.0
2.0(より線) 6.4 10.5 11.0 12.0
3.5(より線) 7.0 11.5 12.5 13.5
5.5(より線) 8.0 13.5 14.5 16.0
8 8.4 14.5 15.5 16.5
14 21 9.4 16.5 17.5 19
22 24 11.0 19.5 21 23
38 28 13.0 24 25 28
60 33 15.5 29 31 35
100 41 19 37 40 44
150 47 22 43 46 50
200 55 26 50 54 59
250 60 28 54 58 65
325 66 31 60 65 72

 

CVケーブル(6600V)の外径サイズ(CVT)

サイズ(sq) 1心(外径) 2心(外径) CVT
8 16.5 32 36
14 17.5 34 39
22 18.5 37 42
38 21 41 46
60 23 45 50
100 26 52 57
150 29 58 65
200 32 66 72
250 35 71 76
325 38 77 85

 

CVVケーブル(600V)の外径サイズ

線心数 サイズ(sq) 仕上り外径
2 1.25 9.4
2 2.0 10.5
2 3.5 11.5
2 5.5 13.5
2 8.0 15.5
3 1.25 9.9
3 2.0 11.0
3 3.5 12.5
3 5.5 14.5
3 8.0 16.5
4 1.25 11.0
4 2.0 12.0
4 3.5 13.5
4 5.5 16.0
4 8.0 18.0
5 1.25 11.5
5 2.0 13.0
5 3.5 14.5
5 5.5 17.0
6 1.25 12.5
6 2.0 14.0
6 3.5 15.5
6 5.5 18.5
7 1.25 12.5
7 2.0 14.0
7 3.5 15.5
7 5.5 18.5
8 1.25 13.5
8 2.0 15.0
8 3.5 17.0
8 5.5 21.0
10 1.25 15.5
10 2.0 17.5
10 3.5 19.5
10 5.5 24.0
12 1.25 16
12 2.0 18
12 3.5 21
12 5.5 25
20 1.25 19
20 2.0 22
20 3.5 25
30 1.25 23
30 2.0 26
30 3.5 30
40 1.25 26
40 2.0 30
50 1.25 29
50 2.0 34

 

CVVSケーブル(600V)の外径サイズ

線心数 サイズ 仕上り外径
2 1.25 10.5
2 2.0 11.5
3 1.25 11.0
3 2.0 12.0
4 1.25 12.0
4 2.0 13.0
5 1.25 12.5
5 2.0 14.0
6 1.25 13.5
6 2.0 15.0
7 1.25 13.5
7 2.0 15.0
8 1.25 14.5
8 2.0 16.0
10 1.25 16.5
10 2.0 18.0
12 1.25 17.0
12 2.0 18.5
20 1.25 20
20 2.0 23
30 1.25 24
30 2.0 27
電線管サイズの選定をする際に役立ちます。サイズ選定方法を理解してない人は下記記事がオススメです!

 

CVケーブルの許容電流

単心 2心 3心 CVD CVT
2sq 38A 39A 32A
3.5sq 52A 54A 45A
5.5sq 66A 69A 58A
8sq 81A 85A 71A 87A 79A
14sq 110A 115A 97A 120A 100A
22sq 140A 150A 125A 155A 130A
38sq 190A 205A 170A 210A 180A
60sq 245A 260A 215A 270A 230A
100sq 325A 345A 285A 360A 305A
150sq 405A 435A 360A 450A 380A
200sq 470A 505A 420A 525A 445A
250sq 525A 570A 470A 590A 500A
325sq 605A 650A 540A 675A 570A
400sq 670A 750A 635A
500sq 745A 830A 705A
600sq 805A
800sq 965A
1000sq 1060A

 

CVケーブルの寿命

CVケーブルの寿命は、結論「30年」です。

敷設方法や環境によって寿命が異なるというのが大前提になります。

ケーブルは水によって劣化します。要は金属な訳ですから、水が多い場所だと劣化しやすい訳です。対して、水が少ない場所では劣化がそこまで早くなりません。

では水が多い場所でCVケーブルを採用する場合はどれくらいかというと、結論10年から20年くらいです。結構早いですよね。

環境によって寿命は異なるので、注意しましょう。

ちなみに、30年経ったら使えなくなる訳ではありません。

賞味期限と一緒で、その時期が過ぎたとしても正常に機能します。ただ、不具合が発生してしまう可能性が高まるという話です。

 

CVケーブルに関する情報のまとめ

CVケーブルに関する情報のまとめ

  • CVケーブルとは:架橋ポリエチレンという素材でできたケーブル
  • CVケーブルとCVTケーブルとの違い:介在物があるか?ないか?
  • CVケーブルとCEケーブルとの違い:エコか?そうじゃないか?
  • CVケーブルの用途:受変電設備→各配電盤の幹線設備
  • CVケーブルのサイズ(外径):上表参照
  • CVケーブルの許容電流:上表参照
  • CVケーブルの寿命:30年

以上がCVケーブルに関する情報のまとめです。

一通りCVケーブルに関する情報は網羅できたと思います。

電気工事には数多くの電線・ケーブルが存在しますが、実際に現場で使われるケーブルの種類は限られてきます。基本的なところを押さえておけば、ある程度現場で通用するようになります。

知らないケーブルがあれば、知識を身につけておきましょう!それでは!