- ボーリング調査ってどんな調査?
- 標準貫入試験って何?
- N値ってどう読むの?
- 費用はどれくらい?
- SWS試験との違いは?
- どんな建物で必要?
- 結果が悪かったらどうする?
上記の様な悩みを解決します。
ボーリング調査は建物を建てる前の地盤評価の王道です。深くまで土質を確認できる唯一の方法と言ってよく、中規模以上の建物では事実上必須。N値の読み方や費用感を押さえておくと、設計者・施主との打ち合わせがスムーズになります。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
ボーリング調査とは?
ボーリング調査とは、結論「地中に円筒形の孔を掘り、土試料と地下水を採取しながら、各深度の土質と支持力を確認する地盤調査」のことです。英語では Boring Survey と呼ばれます。
直径66mmや86mmの専用ロッドを使って、5〜30m(必要なら100m超)まで連続的に試料採取と試験を行います。土質柱状図と呼ばれる結果書類が出てきて、これが基礎設計の根拠資料になります。僕としては、地盤調査の結果は建物の寿命に直結する重要情報なので、設計段階でしっかり予算化しておくべきフェーズだなと感じます。
地盤調査の手法は他にもいくつかあり、用途や予算で使い分けます。地盤調査全般の話はこちらにも整理しています。

標準貫入試験とは?
ボーリング調査の中で並行して行うのが「標準貫入試験」(SPT:Standard Penetration Test)です。
試験の手順は、ボーリング孔の底にサンプラー(試料採取器)をセットして、63.5kgのハンマーを76cmの高さから自由落下させ、サンプラーを30cm打ち込むのに必要な打撃回数を数える、というもの。この回数がN値で、大きいほど地盤が硬く支持力があるという指標になります。N=10以下なら軟弱、N=30以上なら良好な支持層、と覚えるのが第一歩。
土質別のN値の目安を表で整理します。
| 土質 | N値の目安 | 評価 |
|---|---|---|
| 粘性土 | 0〜2 | 非常に軟弱 |
| 粘性土 | 4〜8 | 中位 |
| 粘性土 | 15〜30 | 硬い |
| 砂質土 | 0〜10 | 緩い |
| 砂質土 | 30〜50 | 密 |
| 砂質土 | 50以上 | 非常に密、支持層適 |
支持層として基礎を載せる目安は、砂質土でN≧50、粘性土でN≧20が一般的。建物規模・基礎形式(直接基礎/杭基礎)で必要なN値が変わるので、構造設計者と一緒に判断します。N値の詳しい計算と用途はこちらに整理しています。

ボーリング調査の費用
費用は深さと地点数で決まります。
- 1m当たり単価:1〜2万円(地質・地域で変動)
- 戸建:30〜50万円(1箇所×20m程度)
- 中規模ビル:100〜300万円(複数箇所、深度30m前後)
- 大規模・超高層:500万円〜数千万円(深度50〜100m)
戸建住宅では費用感的にSWS試験(後述)を選ぶケースが多く、ボーリング調査は中規模以上の建物が中心、というのが実情です。
SWS試験との違い
戸建住宅で広く使われるSWS試験(現在のJIS名:スクリューウエイト貫入試験)との違いを整理しておきます。
| 観点 | ボーリング調査 | SWS試験 |
|---|---|---|
| 深さ | 30m以上対応 | 10m程度まで |
| 土試料 | 採取可能 | 採取不可 |
| 地下水 | 観測可能 | 概略のみ |
| N値 | 直接測定 | 換算が必要 |
| 費用 | 高い | 安い(5〜10万円) |
| 用途 | 中規模以上 | 戸建住宅中心 |
| 期間 | 3〜7日 | 半日〜1日 |
戸建ならSWSでOKなことが多いですが、軟弱地盤や3階建て以上なら安全側にボーリングを採用する判断もあります。僕としても、戸建でも条件が微妙な敷地ではボーリングを足しておくことで、後の保証問題を回避できるケースがあると思っていて、コスト判断より安心判断を優先したい場面が出てきます。
ボーリング調査の活用と結果の使い方
調査結果(土質柱状図)からは複数の情報が読み取れます。
- 各深度の土質構成
- N値の分布
- 地下水位
- 圧密層(粘土層)の厚みと位置
- 支持層の深さ
これを元に、基礎形式(ベタ基礎・布基礎・杭基礎)、杭の根入れ深さ、地盤改良の要否を決めます。基礎形式の選定肢はこちらをどうぞ。


軟弱地盤と診断された場合、地盤改良の選択肢としては表層改良・柱状改良・鋼管杭・場所打ち杭などがあります。圧密沈下が予想される場合の対応はこちらに。

ボーリング調査に関する注意点
施工管理として押さえたい3点。
注意点①:調査孔の養生
調査後の孔は雨水・地下水の浸入経路になります。グラウト材で確実に閉塞してから現場引き渡しを行うのが原則。ここをサボると後で地盤が緩む原因になることもあります。
注意点②:1点では不足する場合がある
地盤は不均一なので、建物外周や中央など複数地点で実施するのが理想。1点だけだと「たまたまそこだけ良かった/悪かった」のリスクが残ります。
注意点③:古い調査結果は使わない/季節要因を補正
近隣の数年前の調査結果を流用するケースを見かけますが、盛土・地下水位の変動で結果が変わるため、原則新規調査がおすすめ。地下水位は梅雨・台風期と冬季で1〜2m上下することは普通にあるので、調査時期と建設時期が大きく離れる場合は、季節要因も補正して評価するのが安全側です。
構造体接地の計画にも地下水位の情報が影響するので、電気・接地系の設計者にも調査結果を共有しましょう。

ボーリング調査に関する情報まとめ
- ボーリング調査とは:地中に孔を掘り土試料と地下水を採取する地盤調査
- 標準貫入試験:63.5kgハンマーを76cmから落下、30cm貫入回数=N値
- N値の目安:砂質土N≧50、粘性土N≧20が支持層
- 費用:1m単価1〜2万円、戸建30〜50万円、中規模100〜300万円
- SWSとの違い:ボーリングは深部対応・土試料採取可、SWSは戸建用・安価
- 注意点:調査孔の養生/複数地点/古いデータ流用しない
以上がボーリング調査に関する情報のまとめです。
N値の意味と支持層の目安を押さえておくと、構造設計者との打ち合わせで「なぜこの杭長か」「なぜこの基礎形式か」の意図が見えるようになります。地盤は建物の寿命に直結するので、設計段階でしっかり予算化しておくのがおすすめ。一通り基礎知識は網羅できたかなと思います。
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