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ZCTの配線とは?結線方法、貫通方向、漏電遮断器との関係など

  • ZCTってどう配線すればいいの?
  • ケーブルは何本通すの?
  • 貫通方向に決まりはある?
  • 接地線も通すの?それともダメ?
  • 漏電遮断器とどう繋ぐ?
  • 二次側を間違えると何が起きるの?

上記の様な悩みを解決します。

ZCTは「漏れ電流を検出するためのドーナツ型変流器」で、本体の入手はそこまで難しくないのですが、いざ盤を組むとなると「3線をまとめて通すんだっけ?」「接地線も一緒に通していいんだっけ?」と手が止まりやすい部品です。配線の向きや結線のクセを押さえておかないと、せっかく付けたのに不動作・誤動作の原因になります。今回は施工管理視点で、ZCTの配線まわりを実務で迷わない形に整理しておきます。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

ZCT配線の基本

ZCTの配線は、結論「保護したい回路の電線(接地線以外の3線または2線)を、ZCTの貫通穴にまとめて通す」というのが原則です。

ZCTが検出するもの

ZCT(零相変流器)は、貫通穴を通る電線の電流の総和(ベクトル和)が「ゼロ」かどうかを見ています。正常時は行く電流=戻ってくる電流で合計はほぼ0A、漏電時は電流の一部が大地へ漏れて合計が ≠ 0 になる、このアンバランスを検出して漏電として捉える、というしくみ。

→ つまり「全ての電線の電流の合計=ゼロ」が正常状態。だから3本(あるいは2本)まとめて通す必要があります。1本ずつ別のZCTに通したら、ただの電流計測になってしまいます。

通電している電線をまとめて通す

電気方式 ZCTに通す電線
単相2線(100V) 2本(L・N)
単相3線(100/200V) 3本(L1・N・L2)
三相3線(200V) 3本(R・S・T)
三相4線(240/415V等) 4本(R・S・T・N)

→ 「電気が行って帰ってくるルートのすべての電線」をまとめて通す。これが大原則。

ZCT本体や原理の詳細はこちらの記事も参考にしてください。

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ZCTの結線方法

一次側(電線の貫通)と二次側(信号線の取り出し)の2つを押さえれば、ZCTの配線はほぼ完結します。

一次側:電線をまとめて貫通させる

ZCTの中心の穴に、対象回路の電線をすべて通します。通すのは相導体(R・S・T、L・Nなど)の全て、通さないのは接地線(緑/緑黄)・保護導体(PE)・シールド、通す本数を間違えるとそもそも漏電として検出できないか常時誤動作する、という整理。

施工側の感覚としては、「負荷側のCVケーブルを丸ごと、被覆ごとZCTに通す」が一番ラクで間違いも少ないです。3心ケーブルなら「3心まとめて通す=3線が同じ方向に揃う」ので、配線ミスがほぼ起きません。

二次側:制御端子(k・l または 1S・2S)から出す

ZCTの脇には、検出信号を取り出す二次側端子があります。端子記号はk・l(小文字の「ケー・エル」)または 1S・2S、取り出す信号はmAオーダーの微小電流(または電圧)、接続先は地絡継電器(OCGR/DGR)・漏電遮断器(ELB)のZCT入力・絶縁監視装置など、というのが基本構成。

二次側はシールド線(ツイストペアやCVVS)を使うのが基本。電力線と並走するとノイズを拾うので、できるだけ最短・別ルートで引きます。

接地線は絶対に通さない

ZCT貫通穴に接地線(緑線・緑/黄線)を通してはいけません。接地線を通すと本来検出したい漏電電流が打ち消され、結果として漏電しても0A判定になりELBが動作しないという致命的な事態に。設計図面で「ZCT通し」と書かれていても、接地線は対象外、と覚えておきます。

接地そのものの考え方はこちらの記事も参考にしてください。

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ZCTの貫通方向と極性

ZCT本体には方向の指定があります。これを無視すると、「漏電のときに不動作」「健全時に誤動作」のような厄介な現象が起きます。

矢印(K→L または P1→P2)のマーキング

ZCTのケースには電源側→負荷側を示す矢印や、K(電源側)/L(負荷側)の記号が刻印されています。一次側電流の方向K→L(電源→負荷)を「正方向」と定義、製造メーカーや形式で記号は若干違うが矢印を電源→負荷の向きに合わせれば原則OK、据え付け時はマーキングを「電源側を上、負荷側を下」など見える位置に向けると後で見たときに分かりやすい、というあたりが押さえどころ。

3線とも同じ向きで通す

3線(または2線)を貫通させるとき、全部同じ方向に通すのが鉄則。全部同じ向きなら正常時の電流ベクトル和は理論上ゼロで漏電だけを検出、1本だけ逆向きだと常に2倍の電流が検出されてELBが瞬時にトリップ、というしくみ。

意外と多い初心者ミスが「U相だけ逆向きに通してしまう」というやつ。盤改造で1本だけ後付けで通したときに発生しやすいです。

二次側の極性(k端子・l端子)

地絡方向継電器(DGR)など、方向性を持つ保護装置に繋ぐ場合は、二次側のk・l極性も重要。k端子は一次電流の流入側に対応、l端子は流出側に対応、方向継電器を使う場合は端子の入れ違いで動作方向が逆になる、というあたり。

単純な漏電遮断器(ELB)用のZCTなら極性は気にしなくてもよい場合が多いですが、6.6kV以上の高圧地絡保護では端子順を必ず合わせます。

ZCTと漏電遮断器の接続

ZCT配線の最終目的は「検出信号を保護装置に渡すこと」です。代表的な組み合わせを整理します。

外付けZCT+漏電遮断器(ELB)

構成要素 役割
ZCT 漏れ電流を検出する変流器
ELB(外部ZCT入力タイプ) ZCT信号で遮断する漏電遮断器
二次側配線 通常2線(シールド付き)

→ 一般の小型ELBはZCT内蔵タイプですが、大電流回路や監視優先の場合は「外付けZCT+外部入力ELB」を組みます。

外付けZCT+地絡継電器(OCGR/DGR)+遮断器(VCB/MCCB)

構成要素 役割
ZCT 漏れ電流を検出
地絡継電器(OCGR/DGR) 検出値で動作判定
遮断器(VCB・MCCB等) 継電器の出力で開放

→ 高圧受電盤や大容量設備での典型構成。継電器で「整定値超え+時限」を制御できるので、回路の選択遮断性に優れます。

地絡そのものの定義はこちらの記事も参考にしてください。

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配線時のチェック項目

配線時のチェック項目は、ZCT二次側の極性(k・l)と継電器の入力極性を合わせる、シールド線のアースは継電器側で一点接地(両端接地はノイズの原因)、ZCTのテスト用端子(KT/LTなど)には外部から試験電流を流せる、試験時の貫通電流は30mA・100mAなど整定値の前後で動作確認する、というあたり。

ZCTの取り付けと配線上の注意点

実際に盤に組み込むときに、特に気をつけたいポイントを整理します。

取り付け位置

取り付け位置の基本は、一般的にMCCBやELBの「負荷側」に取り付け、母線(複数分岐をまとめている部分)に付けると選択遮断ができず全分岐がトリップする可能性、分岐ごとにZCTを設けるとどの分岐で漏電したかが特定できる、という整理。

ケーブルの収まり

ケーブルの収まりは、ZCT穴径より太いケーブルは通せない、心数が多くて穴径が足りない場合は大径ZCTに変更する、単線では曲げにくいのでより線(CVT・CVVなど)が施工しやすい、穴の中央にケーブルを通さなくてもOK(合計が0Aかどうかしか見ていない)、というあたりがポイント。

ノイズ対策

ノイズ対策は、二次側配線は電力ケーブルと最低100〜150mm離隔、どうしても並走させるなら直交またはシールド配線、インバータ負荷のある回路では高調波が原因で誤動作することがあるので専用フィルタやZCTの周波数特性を確認、というあたり。

二次側回路の短絡(重要)

CTと違って、ZCTは「二次側を必ず短絡しなければならない」というルールはありません。が、ZCTの二次側をオープン(開放)にしておくと、誘起電圧が出てしまう機種もあるので、未使用なら短絡端子または継電器側で確実に終端しておくのが安全です。

ZCTの規格・選定の詳細は、開閉器・遮断器まわりの記事も合わせて確認すると理解が深まります。

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僕も電気施工管理のときに、ある倉庫の改修で既設の3心CVTを新設ZCTに通し直す作業に立ち会ったのですが、職人さんが「3心ケーブルなんだから1本ずつバラして通したほうが綺麗だろう」と心線ごとに分けて通そうとして、それを止めて「3心まとめて通すのが大正解です」と説明したことがあります。バラして通すと、たとえ全部同じ方向でも、線間の中性導体(N)の入れ忘れが起きやすいし、後から相を入れ替えると向きが分からなくなる。「ケーブル丸ごと貫通」が施工も保守もラクという現場の鉄則です。

ZCTの試験と動作確認

施工後は必ず動作確認を行います。試験のやり方を押さえておきましょう。

模擬漏電試験(テストボタン)

ELBや継電器に付いているテストボタンを押すと、内部で疑似漏電電流を作って動作確認できます。利点は簡単・素早い、欠点はZCTそのものや配線異常までは検出できない(内部回路だけのテスト)、というところ。

外部試験電流の注入

ZCTの貫通穴に別の試験用電線を1〜2回巻き、試験器から定格漏電電流(30mA、100mAなど)を流して動作するか確認します。ZCT本体の特性、二次側の配線の連続性、継電器の整定値、というあたりを一気にチェックできるので、新設・改修時には外部試験が望ましいです。

メガー測定との併用

漏電遮断器が落ちる前に、回路の絶縁抵抗を測っておくと「実際の漏れ電流レベル」が把握できます。一般的に絶縁抵抗1MΩ以上、漏れ電流1mA以下が運用上の目安です。

クランプメータでも漏れ電流を測れるので、現場で簡単にチェックしたい場合はこちらの記事も参考にしてください。

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ZCTの配線に関する情報まとめ

  • ZCT配線の基本:保護対象回路の電線をまとめてZCTの貫通穴に通す
  • 通すのは:相導体(R・S・T、L・N等)の全て。接地線は通さない
  • 貫通方向:K→L(電源→負荷)。3線とも同じ向きで通す
  • 二次側:k・l端子から地絡継電器または漏電遮断器の入力へ
  • ケーブル丸ごと通すのが施工・保守ともにベスト
  • 設置位置:MCCB/ELBの負荷側、分岐単位で選択遮断
  • 二次側配線:シールド線で電力線と離隔、片側一点接地
  • 試験:テストボタンだけでなく、外部試験電流でZCTごと検証する

以上がZCTの配線に関する情報のまとめです。

ZCTは「正しく付ければ確実に漏電を見つけてくれる、シンプルだけど奥が深い部品」です。配線で押さえるべきは結局のところ「接地線は通さない/3線とも同じ向きで通す/二次側は極性とノイズに気をつける」の3点。ここさえ落とさなければ、現場で迷うことが減ります。一通りZCT配線に関する基礎知識は理解できたと思います。

合わせて、保護継電・接地・遮断まわりの関連記事もチェックしておくと現場対応力が一段上がります。

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