MENU

x軸とは?読み方、y軸との違い、座標、建築・構造図での使い方など

  • x軸って何のこと?
  • y軸とz軸との違いを知りたい
  • 座標の (x, y) ってどの方向?
  • 建築のX1通りはx軸と関係あるの?
  • 構造計算で「X方向地震」って何?
  • CADで言うx方向って図面のどっち?

上記の様な悩みを解決します。

x軸とは、結論「座標系で水平方向(横方向)を表す基準軸」のことです。読み方は「エックスじく」、英語では x-axis。中学・高校数学のグラフでも、CADのワールド座標でも、構造計算ソフトの軸方向でも、x軸は水平横方向を指すという約束が世界中で共通しています。建築の世界では、図面の通り芯記号 X1〜Xn(X方向の通り芯)や、構造計算書の X方向地震・Y方向地震、CADの座標表示などで日常的に出てくる概念。x軸とy軸の関係をしっかり押さえておくと、構造計算書を読むスピードがグッと上がります。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

x軸とは?

x軸とは、結論「座標平面(または座標空間)で、水平方向の位置を測るための基準軸」のことです。

英語では x-axis。読み方は「エックスじく」。横軸(よこじく)と呼ばれることもあります。

①座標平面の基本

2次元のデカルト座標平面では、平面上の任意の点を「(x, y)」のペアで表します。

点A = (3, 5)  → x座標は3、y座標は5

このとき、

  • x軸:水平方向の基準線(左右の位置を測る)
  • y軸:垂直方向の基準線(上下の位置を測る)
  • 原点 (0, 0):x軸とy軸の交点

x軸とy軸が直交して交わり、その交点を原点(origin)と呼ぶ、という構造です。

②x軸の正方向と負方向

原点を基準に、
x > 0 の方向:右(正方向)
x < 0 の方向:左(負方向)

右にプラス、左にマイナス」が世界共通のルール。CADでも構造計算ソフトでも、特別な指定がない限りこの慣習に従います。

③グラフでのx軸の役割

y = 2x + 1 のグラフを描く場合:
x軸:自由に変化させる変数(独立変数)
y軸:xに応じて決まる変数(従属変数)

x軸は「入力」、y軸は「出力」を担当する、というイメージで掴むと早いです。

数学の基礎の話はこちらの記事もどうぞ。

あわせて読みたい
建築の数学とは?必要性、レベル、文系でも大丈夫?勉強方法など 建築の数学とは、設計・構造計算・施工管理・建築学科で必要になる数学のこと。実務でどんな数学が出るか、レベル感、文系出身でついていけるか、現場と大学それぞれの違い、効率的な勉強方法を施工管理の視点で初心者向けに整理しました。

x軸・y軸・z軸の違い

座標軸は2次元なら2本(x、y)、3次元なら3本(x、y、z)に増えます。整理しましょう。

①2次元(平面)座標

方向 役割
x軸 水平(左右) 横方向の位置
y軸 垂直(上下) 縦方向の位置

②3次元(空間)座標

方向 役割
x軸 水平(左右) 平面の横方向
y軸 水平(前後)または垂直 奥行き方向(3D-CADでは前後)/グラフでは上下
z軸 垂直(上下) 高さ方向

「数学」と「3D-CAD」でy軸とz軸の役割が違う点に注意

  • 数学・グラフ:xが横、yが縦、zが奥行き
  • 3D-CAD・建築構造:xが東西、yが南北(水平)、zが鉛直方向(高さ)

建築の実務では、AutoCADやBIMの3D空間でも「zが上下方向」が標準なので、yは奥行きになります。

③右手系と左手系

3次元座標には「右手系」と「左手系」の2種類があり、軸の向きの取り方が違います。

右手系:右手の親指(x)・人差し指(y)・中指(z)の関係
左手系:左手で同じ関係

数学・物理・建築構造ソフトはほぼ右手系。ゲーム業界の一部だけ左手系。施工管理では右手系を覚えておけば困らないです。

④原点(0, 0, 0)

軸が交わる点を原点と呼びます。CADでも、構造計算ソフトでも、「この建物のどこを (0, 0, 0) に置くか」が最初の設定。多くの場合、敷地の南西角や、X1Y1通りの交点を原点に取ります。

座標系の種類と建築での使われ方

座標は何の基準で取るかでいくつか種類があります。

①デカルト座標(直交座標)

最も標準的な (x, y) または (x, y, z) の表現。x軸とy軸が直角に交わる、教科書通りの座標系。建築・CAD・構造計算のメインがこれです。

②極座標

点A = (r, θ)  → 原点からの距離r、x軸からの角度θ

円形・回転体の設計(円形ドーム、円柱基礎、ドラムなど)で出てくる座標系。「円柱の側面を3D描画する」とき、極座標で計算するとシンプルになります。

③ローカル座標 vs ワールド座標

座標系 意味
ワールド座標 図面全体・建物全体の絶対座標(X1Y1原点、敷地基準点など)
ローカル座標 個別部材の中で定義した相対座標(梁の中央を原点とした座標など)

構造計算ソフトでは、「部材ローカル座標のx軸 = 部材の長さ方向」という決まりが一般的。たとえば梁のローカルx軸は、梁が伸びていく方向を指します。

④建築の通り芯(X1〜Xn)

建築図面の根幹をなす通り芯は、X方向(左右)とY方向(前後)に番号が振られます。

X1、X2、X3 ... Xn:左右方向の通り芯
Y1、Y2、Y3 ... Yn:前後方向の通り芯
(この座標系で「X1Y1の交点」のように位置を特定する)

X1通りは図面上のx軸方向に伸びる基準線」と理解すると、図面と座標系の関係がスッキリ繋がります。

構造計算でのx軸とX方向地震

構造計算書を開くと頻出するのが「X方向地震時」「Y方向地震時」という表現。これがx軸と密接に関係しています。

①X方向地震・Y方向地震

地震は本来あらゆる方向から来ますが、設計上は「最も影響の大きいX方向とY方向の2方向だけ」を計算します。

X方向地震時:建物のx方向(東西方向)に揺れる地震を仮定
Y方向地震時:建物のy方向(南北方向)に揺れる地震を仮定

両方向それぞれで構造計算を行い、両方ともOKなら、その建物は構造的に成立する、という考え方です。

②なぜx・y方向だけでよいのか

「斜め方向の地震は計算しないでいいの?」と思うかもしれませんが、

任意の方向の地震 = X方向の成分 + Y方向の成分

ベクトル分解で考えると、x方向とy方向の2方向に対して安全であれば、その合成方向(斜め)にも安全と判定できる、というロジック。建築基準法施行令もこの考え方に基づいています。

③X方向の柱・Y方向の柱

矩形の建物では、

  • X方向の柱:X方向地震に効く柱(梁の方向がX方向)
  • Y方向の柱:Y方向地震に効く柱(梁の方向がY方向)

という分類で構造設計が進みます。「X方向の耐震壁が足りない」という構造設計者の発言は、x軸方向の地震力に対する耐震壁の量が不足している、という意味です。

④曲げモーメント図のx軸

梁の曲げモーメント図(M図)を描くとき、横軸は梁の長さ方向(x座標)、縦軸は曲げモーメント値(M)を取ります。

x = 0:左端
x = L/2:中央
x = L:右端

M = wLx/2 − wx²/2」のような単純梁の式は、まさにxを変数とした関数です。

たわみ式や荷重の話はこちらの記事もどうぞ。

あわせて読みたい
単純梁のたわみとは?公式、計算、許容値、剛性、現場の事例など 単純梁のたわみとは、両端を単純支持された梁が荷重で下方向に変形する量(δ)のこと。中央集中PL³/48EI、等分布5wL⁴/384EIの代表公式、ヤング率Eと断面二次モーメントIの影響、許容たわみL/250〜L/600の使い分け、配管勾配狂い・建具障害など現場の困りごとへの対応まで構造力学の入門レベルから施工管理の現場視点で網羅的に整理しました。

CAD・建築図面でのx軸

施工現場で使うCADソフトでも、x軸は重要な役割を持ちます。

①AutoCADでのワールド座標

AutoCADを起動すると、画面右下に WCS(World Coordinate System) のアイコンが出ます。

WCS:ワールド座標系(建物全体の絶対座標)
UCS:ユーザー座標系(任意に設定した相対座標)

X方向に5,000mm」と入力すると、WCS基準で右に5,000mmの意味になります。

②座標値での描画

CADでは、線や点を座標値で指定して描画します。

LINE 0,0  →  5000,0  →  5000,3000  →  0,3000  →  CLOSE
(1辺5,000、もう1辺3,000の長方形)

このとき、1つ目の数字がx座標、2つ目がy座標。3D-CADなら3つ目がz座標になります。

③相対座標 @x,y

@1000,0   → 直前の点から x方向に+1000、y方向に0 移動
@0,500    → x方向に0、y方向に+500

「@」記号で直前の点からの相対座標を指定できます。施工図を描くときは、この相対座標がメインです。

④ダイナミックUCSと回転座標系

斜めの建物や、X1通りが東西方向と平行でない敷地では、x軸を「X1通りに沿って回転」させて作業します。

UCSコマンドでX1Y1原点・X1方向にx軸を回転
→ 以降の作業は回転後のx軸基準で進む

実務上の建築敷地は「正確に東西南北に沿っていない」ケースが多いので、ローカル座標系を使うシーンが頻繁に出てきます。

⑤BIM・3D構造解析での軸

Revit、ArchiCAD、Tekla、SS3 などの3D-BIM・構造解析ソフトでは、3次元のx・y・z軸が常に表示されます。

  • xが東西方向(赤色のラインで表示されることが多い)
  • yが南北方向(緑色)
  • zが上下方向(青色)

色は RGB(Red・Green・Blue)= XYZ という覚え方が世界共通。「赤がx軸、緑がy軸、青がz軸」と頭に入れておけば、どのソフトでも迷子になりません。

[talk words=’構造計算書をチェックしていて、X方向地震時のベースシア係数Cが0.25、Y方向地震時のCが0.32と出ていたのを「X方向のほうが軽いから安全」と勘違いしたことがあります。実は数値が大きいほど大きな地震力で計算しているので、「Y方向のほうが厳しい設計をしている」という意味だった。x軸方向・y軸方向の表現は単なる方向の名前ではなく、構造計算のすべての値が「どちら向きの地震に対してか」とセットで読まれる必要があると、新人時代に痛感しました。’ name=”” avatarimg=”https://seko-kanri.com/wp-content/uploads/2020/02/c-run.png” avatarsize=70 avatarbdcolor=#d0d0d0 avatarbdwidth=1 bdcolor=#d0d0d0]

地震荷重や水平力の話はこちらの記事もどうぞ。

あわせて読みたい
地震荷重とは?計算式、地震係数、1次設計と2次設計の違いなど 地震荷重とは、地震時に建物にかかる水平力のこと。計算式 Q=Ci×ΣW、Ci=Z×Rt×Ai×C0 の各係数の意味、地域係数Z・地盤係数Rt・層分布係数Ai・標準せん断力係数C0の決め方、1次設計と2次設計の使い分けを施工管理視点で解説します。

x軸に関する情報まとめ

  • x軸とは:座標系で水平方向(横方向)の位置を測る基準軸
  • 読み方:エックスじく、英語:x-axis
  • 2次元座標:(x, y) で位置を表す、x軸が水平、y軸が垂直
  • 3次元座標(建築):xが東西、yが南北、zが上下方向(鉛直)
  • 正方向:右がプラス、左がマイナス(数学慣習)
  • 建築の通り芯:X1〜Xn(X方向)、Y1〜Yn(Y方向)が x軸・y軸方向の基準
  • 構造計算:X方向地震・Y方向地震の2方向で計算するのが基本
  • ベクトル分解:任意の方向の地震 = X成分 + Y成分
  • CADでの色覚え:x軸=赤、y軸=緑、z軸=青(RGB=XYZ)

以上がx軸に関する情報のまとめです。

一通りx軸の基礎知識は理解できたかなと思います。「x軸」という単語は数学の授業で初めて出会いますが、建築の世界に入ると、構造計算書・CAD図面・通り芯・地震解析など、ありとあらゆる場面に登場します。「X1通りに沿った方向 = ワールド座標のx軸」というように、自分の頭の中で建物全体の座標系を持っておくと、図面の指示がスッと入ってくるようになります。座標感覚は新人の早い段階でつかんでおくと、後から構造計算書や地震解析を読み込むときの土台として効いてくる部分ですね。

合わせて読みたい関連記事はこちらです。

あわせて読みたい
整式とは?意味、多項式との違い、整理、構造計算での使い方など 整式とは、結論「数値・文字・四則演算(除を除く)の組み合わせで作られた式のうち、分数や根号で文字を含まない式」のこと。多項式との違い、単項式・多項式・定数項の整理、降べきの順、建築の構造計算(たわみ式・断面二次モーメント・固有周期)での出方まで、施工管理の視点で初心者向けに整理しました。
あわせて読みたい
建築の数学とは?必要性、レベル、文系でも大丈夫?勉強方法など 建築の数学とは、設計・構造計算・施工管理・建築学科で必要になる数学のこと。実務でどんな数学が出るか、レベル感、文系出身でついていけるか、現場と大学それぞれの違い、効率的な勉強方法を施工管理の視点で初心者向けに整理しました。
あわせて読みたい
平行とは?意味、平行線、垂直との違い、建築・図面での使い方など 平行とは、結論「2本の直線(または平面)が、どこまで延長しても交わらない関係」のこと。記号は「∥」、数学的定義、垂直との違い、平行投影や平行四辺形、建築での通り芯と壁の平行関係、平行筋(並列配筋)、CADの平行コピーなど、施工管理の視点で初心者向けに整理しました。
あわせて読みたい
地震荷重とは?計算式、地震係数、1次設計と2次設計の違いなど 地震荷重とは、地震時に建物にかかる水平力のこと。計算式 Q=Ci×ΣW、Ci=Z×Rt×Ai×C0 の各係数の意味、地域係数Z・地盤係数Rt・層分布係数Ai・標準せん断力係数C0の決め方、1次設計と2次設計の使い分けを施工管理視点で解説します。
あわせて読みたい
ベクトルの大きさとは?公式、求め方、内積、構造計算での使い方など ベクトルの大きさは「成分の二乗和の平方根」で求める。2次元・3次元の公式、内積からの求め方、計算例、構造力学(力の合成・風荷重・梁反力)での使い方まで、施工管理の視点で初心者向けに整理しました。
あわせて読みたい
単純梁のたわみとは?公式、計算、許容値、剛性、現場の事例など 単純梁のたわみとは、両端を単純支持された梁が荷重で下方向に変形する量(δ)のこと。中央集中PL³/48EI、等分布5wL⁴/384EIの代表公式、ヤング率Eと断面二次モーメントIの影響、許容たわみL/250〜L/600の使い分け、配管勾配狂い・建具障害など現場の困りごとへの対応まで構造力学の入門レベルから施工管理の現場視点で網羅的に整理しました。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次