- 寸法の横についてる記号って結局なに?
- φとかRとかtって何種類あるの?
- φの読み方は「ファイ」でいいの?
- 検索すると機械製図のサイトばっかり、建築の図面が知りたいのに
- D13@200の@ってどう読むの?
- 鉄筋のDとφって何が違う?
- 通り芯のX1・Y1ってどっちが縦?
- GL・FL・SL・CHって全部高さ?違いは?
- JISで決まってるって聞くけど、現場の図面はその通りじゃない気がする
- この1記事で図面の寸法記号は読めるようになる?
上記の様な悩みを解決します。
寸法の記号は、施工管理が施工図・構造図・意匠図を読むときに必ずぶつかる「図面の共通語」です。φ・R・tといったJIS製図の寸法補助記号だけでなく、建築の現場では@(ピッチ)や通り芯、GL・FLといった高さ記号まで一緒に出てくるので、「機械製図の記号一覧」だけ覚えても図面は読み切れません。今回は定義・JISの補助記号一覧・各記号の読み方といった基本を押さえた上で、現役の施工管理目線で「建築の施工図・構造図で実際に出てくる記号」「鉄筋のD・φ・@の読み方」「拾い出しでの読み違い防止」まで、現場で図面を読むために必要な記号を一通り整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
寸法の記号とは?
寸法の記号とは、結論「寸法値の前後につけて、その寸法が『何の寸法か』を一文字で示す補助記号」のことです。
たとえば図面に「20」とだけ書いてあると、それが直径なのか半径なのか板厚なのか分かりません。そこで「φ20」と書けば直径20mm、「R20」と書けば半径20mm、「t20」と書けば板厚20mm、というように、数字の意味を記号で確定させます。これがJIS(日本産業規格)で定められた寸法補助記号で、図面を描く人と読む人の認識のズレを防ぐための共通ルールです。
ここで施工管理として押さえておきたいのは、建築の図面に出てくる「寸法まわりの記号」は、JISの寸法補助記号(φ・R・t・C など)だけではないという点です。建築の施工図・構造図には、これに加えて配筋ピッチを示す「@」、柱の位置を示す「通り芯(X1・Y1)」、高さの基準を示す「GL・FL・SL・CH」などが当たり前のように混ざって書かれています。
僕の整理では、寸法の記号は「①JISの寸法補助記号(φ・R・t・C・□・Sφ・SR)」と「②建築図面特有の記号(@・通り芯・レベル)」の2系統で覚えるのが一番ラクです。「寸法 記号」で検索すると機械製図のサイトばかり出てきますが、それは①の話だけ。施工管理が図面を読むには②まで含めて押さえる必要があるので、この記事では両方をまとめて整理していきます。
図面そのものの読み方は、こちらも参考になります。

寸法補助記号の一覧(JIS製図)
JISで定められている代表的な寸法補助記号は、次の7つです。まずはこの一覧を頭に入れておくと、図面の数字の意味がほぼ読めるようになります。
| 記号 | 意味 | 読み方 | 記入例 |
|---|---|---|---|
| φ | 直径 | ふぁい(まる) | φ20(直径20mm) |
| R | 半径 | あーる | R10(半径10mm) |
| □ | 正方形の辺 | かく | □15(一辺15mmの正方形) |
| Sφ | 球の直径 | えすふぁい | Sφ30(球の直径30mm) |
| SR | 球の半径 | えすあーる | SR15(球の半径15mm) |
| t | 板の厚さ | てぃー | t6(板厚6mm) |
| C | 45度の面取り | しー | C5(45度・5mmの面取り) |
これらはJIS Z 8317(製図-寸法及び公差の記入方法)やJIS B 0001(機械製図)で規定されている記号です。いずれも「寸法数値の前」につけて、その数値が何を表すかを示すのが基本ルールになります。
建築・土木の図面でも、鉄骨や金物の寸法ではこの7記号がそのまま使われます。特にφ(直径)・R(半径)・t(板厚)・C(面取り)の4つは、鉄骨図やプレート(鋼板)の指示で頻繁に出てくるので、最優先で覚えておくと現場で困りません。
それぞれの記号は単独でも深掘り記事を用意しているので、迷ったときはこちらもどうぞ。



主要な寸法補助記号の読み方と使い方
ここでは、現場でよく出る寸法補助記号を1つずつ、読み方と使い方のポイントで整理します。記号の形だけでなく「どんな場面で使うか」をセットで覚えると、図面で見た瞬間にピンとくるようになります。
直径を示すφ(ふぁい)は、丸棒・円筒・穴など円形状の直径につけます。「φ20」で直径20mm。読み方は「ふぁい」でも「まる」でもどちらも現場で通じます。ここで1つ注意なのが、JISでは「明らかに円だと分かる投影図」にはφを省略してよいというルールがあること。だから図面によっては円の寸法にφが付いていたり付いていなかったりしますが、これは間違いではなく省略ルールの結果です。
半径を示すR(あーる)は、円弧やコーナーの丸み(アール)の半径につけます。「R10」で半径10mm。建築だと、手すりや笠木のコーナー、鉄骨のガセットプレートの隅切りなどで出てきます。直径φと半径Rを取り違えると寸法が倍ちがってくるので、ここは要注意ポイントです。
板厚を示すt(てぃー)は、鋼板や平板の厚さにつけます。「t6」で板厚6mm。tは英語のthickness(厚さ)の頭文字です。鉄骨図ではベースプレートやガセットを「PL-9」「PL t9」のように書きますが、この「t9」が板厚9mmという意味になります。薄板はt記号で厚さを示すことで、わざわざ断面の投影図を描かなくても厚みが伝わる仕組みです。
面取りを示すC(しー)は、角を45度に削り落とす加工につけます。「C5」で45度・5mmの面取り。CはChamfer(面取り)の頭文字です。ここで知っておきたいのは、Cは45度専用の記号だということ。45度以外の角度で面を落とす場合は、Cを使わず「辺の長さ×角度」で個別に寸法指示します。
このほか、正方形の辺を示す□(かく)、球の直径を示すSφ(えすふぁい)、球の半径を示すSR(えすあーる)があります。□は「□15」で一辺15mmの正方形を表し、タテヨコ2方向の寸法を書かなくても正方形だと分かるようにする記号です。球記号のSφ・SRは建築ではあまり出番がありませんが、装飾金物や手すりの先端の玉などで稀に見かけます。
現場目線で言えば、建築の施工管理がまず確実に押さえるべきはφ・R・t・Cの4つ。□とSφ・SRは「そういう記号もある」と一覧で知っておけば十分で、実物に出会ったときに読めれば困りません。
建築の施工図・構造図で出てくる寸法記号
ここからが、機械製図のサイトには載っていない「建築ならではの寸法記号」です。施工管理が施工図・構造図を読むうえでは、JISの補助記号より、むしろこちらの方が出会う頻度が高いと言えます。
特に重要なのが次の4種類です。図面のどこに、どんな意味で出てくるかをセットで押さえておきましょう。
- @(アットマーク):「ピッチ=等間隔」を表す記号。「@200」なら「200mm間隔」の意味で、配筋図の鉄筋間隔やボルト・ビス間隔で多用される
- 通り芯(X1・Y1など):柱や壁の位置を決める基準線。縦横それぞれの通りに記号を振る(X1・X2…/Y1・Y2…、または片方向を数字・もう片方をカナや英字とする流儀もある)
- 高さ記号(GL・FL・SL・CH・FH):建物の高さ・レベルの基準を示す記号。何を基準にした高さかで使い分ける
- 縮尺(1/100・1/50など):図面上の長さと実寸の比率。図面の寸法値はこの縮尺に応じて実寸換算される
@(アットマーク)は配筋図を読むうえで避けて通れません。「@200」は「200mmピッチ(等間隔)」という意味で、鉄筋やボルトを一定間隔で並べるときに使います。後述する鉄筋の記号と組み合わさって「D13@200」のように書かれるのが定番です。
通り芯は、建物の柱や壁の位置を決めるための基準線です。一般的には横方向(左右)にX1・X2…、縦方向(上下)にY1・Y2…と振られ、「X2通りとY3通りの交点に柱がある」といった形で位置を特定します。図面の縦横どちらにXを振るかは現場・設計事務所によって流儀があるので、図面の枠を見て確認するのが確実です。
高さ記号は、何を基準にした高さかで使い分けます。GL(グラウンドレベル)は地盤面、FL(フロアレベル)は床の仕上げ面、SL(スラブレベル)はコンクリートスラブの天端、CH(シーリングハイト)は床から天井までの高さ、FH(フロアハイト)は階高です。「GL+150」なら地盤面から150mm上、という読み方になります。構造の床(SL)と仕上げの床(FL)は数十mmずれるので、ここを混同すると納まりがおかしくなります。
縮尺は記号というより図面のルールですが、寸法を読むうえで必須です。1/100の図面なら、図面上1mmが実寸100mm。ただし図面に書かれている寸法値は基本的に実寸で記入されているので、定規で測るのは「寸法が書かれていない箇所をざっくり把握したいとき」くらい。現場では「書いてある数字=実寸」が原則で、縮尺はあくまで図全体の縮め方の比率と覚えておけばOKです。
構造図の読み方は、こちらでも詳しく整理しています。

鉄筋の記号 D・φ・@ の読み方
配筋図でつまずきやすいのが、鉄筋の記号です。「D13@200」のような表記をスッと読めるかどうかで、配筋検査のやりやすさが変わってきます。
まず押さえたいのが、Dとφはどちらも鉄筋を表しますが、鉄筋の種類が違うという点です。
- D:異形鉄筋(表面にリブ・節がある鉄筋)。「D13」で呼び径13mmの異形鉄筋
- φ:丸鋼(表面がツルッとした丸い鉄筋)。「φ9」で直径9mmの丸鋼
- @:ピッチ(鉄筋の配置間隔)。「@200」で200mm間隔
現在の建築躯体の主筋・配力筋はほぼ異形鉄筋(D)です。丸鋼(φ)は補助的な用途や、古い建物の図面で見かける程度。だから配筋図で数字の前に付いているのは、たいていDだと思っておいて大きく外れません。
そのうえで「D13@200」は、「呼び径13mmの異形鉄筋を200mm間隔で配置する」と読みます。声に出すなら「ディー13、アット200」「ディー13ピッチ200」あたりが現場で通じる読み方です。配筋検査ではこの「種類(D)×太さ(13)×間隔(@200)」の3点を図面と現物で照合していくので、記号がスッと読めると検査がぐっと速くなります。
鉄筋の記号は奥が深いので、種類や刻印の見方はこちらで深掘りしています。

僕の感覚だと、DとφとSD345(材質記号)がごちゃ混ぜになって混乱する人が多い印象です。Dは「形状(異形)」、φは「形状(丸鋼)」、SD345は「材質と強度(鉄筋コンクリート用棒鋼・降伏点345)」と、示している軸が違うと整理しておくと頭がスッキリします。
図面で寸法記号を読むときの注意点
寸法記号は「JISで決まっているから図面は全部その通り」とは限りません。現場で図面を読むときに気をつけたいポイントを、つまずきやすい順に整理しておきます。
1つ目は、JISは原則であって絶対ではないこと。たとえばφの省略ルール(円だと分かる図にはφを付けなくてよい)はJIS規定ですが、実際の図面では認識違いを防ぐためにあえてφを付けているケースも多いです。逆に会社や設計事務所ごとに独自の作図ルールがあることもあり、「JIS通りじゃない=間違い」ではありません。大事なのは、読み手が誤解しない状態になっているかどうかです。
2つ目は、似た記号の取り違え。φ(直径)とR(半径)は値が倍ちがう、D(異形鉄筋)とφ(丸鋼)は種類が違う、SL(スラブ天端)とFL(仕上げ床)はレベルがずれる——このあたりは取り違えると致命的なので、初見の図面では特に意識して確認します。
3つ目は、拾い出し(数量算出)での読み違いリスク。@(ピッチ)を読み間違えると鉄筋本数が大きくズレますし、tの板厚を見落とすと鋼材重量の計算が狂います。拾い出しの段階で記号を1つ読み違えると、発注数量や見積りにそのまま響くので、記号は「なんとなく」ではなく確実に読む癖をつけたいところです。
正直なところ、記号を丸暗記するより「図面のどこに何の記号が書いてあるか」を体で覚える方が実戦的です。寸法補助記号は寸法値のそば、高さ記号は断面図、通り芯は図面の外枠、ピッチ@は配筋図——と、出てくる場所がだいたい決まっているので、図面の種類とセットで覚えると迷いが減ります。
図面の寸法の入れ方そのものは、こちらも参考になります。

寸法の記号に関するよくある質問
ここまでで触れきれなかった、現場で出やすい疑問をQ&A形式でまとめます。
Q:φの読み方は「ファイ」と「マル」どっちが正しい?
A:どちらも現場で通じます。JIS上の正式な呼び方は「ファイ(まる)」とされており、口頭では「ファイ20」「マル20」どちらでもOK。図面指示として書くときは記号「φ」を使えば問題ありません。
Q:鉄筋のD13とφ13は同じもの?
A:別物です。D13は呼び径13mmの異形鉄筋(表面に節がある)、φ13は直径13mmの丸鋼(表面がツルッとしている)。今の建築躯体の主筋はほぼ異形鉄筋(D)なので、配筋図の数字の前に付いているのは基本的にDだと考えてよいです。
Q:t6とPL-6はどう違う?
A:どちらも板厚6mmを指していることが多いです。「t6」は板厚そのものの記号、「PL-6」「PL t6」はプレート(鋼板)で板厚6mm、という鉄骨図の書き方。PLは部材名(プレート)、tは厚さの記号なので、組み合わさって「板厚6mmのプレート」を表します。
Q:面取りのCは45度以外でも使える?
A:使えません。Cは45度の面取り専用の記号です。45度以外の角度で面を落とす場合は、Cを使わず「辺の長さ」と「角度」を個別に寸法指示します。
Q:@200の@はどう読む?何の意味?
A:「アット200」または「ピッチ200」と読み、200mm間隔(等間隔)という意味です。配筋やボルトを一定間隔で並べるときに使い、「D13@200」なら「D13の鉄筋を200mm間隔で配置」となります。
寸法の記号に関する情報まとめ
- 寸法の記号とは:寸法値の意味を一文字で示す補助記号。建築図面ではJISの補助記号+建築特有の記号が混在する
- JISの寸法補助記号:φ(直径)・R(半径)・t(板厚)・C(面取り)・□(正方形)・Sφ(球の直径)・SR(球の半径)の7つ
- 最優先で覚える4記号:φ・R・t・C。鉄骨図やプレート指示で頻出する
- 建築特有の記号:@(ピッチ)・通り芯(X/Y)・高さ記号(GL/FL/SL/CH/FH)・縮尺。機械製図サイトには載っていない
- 鉄筋の記号:Dは異形鉄筋、φは丸鋼、@はピッチ。「D13@200」は呼び径13mmの異形鉄筋を200mm間隔で配置の意味
- 読むときの注意:JISは原則であって絶対ではない/φとR・Dとφなどは取り違え注意/拾い出しでの読み違いは数量に直結する
以上が寸法の記号に関する情報のまとめです。
寸法の記号は、JISの補助記号(φ・R・t・C)と建築特有の記号(@・通り芯・レベル)の2系統で押さえれば、施工図・構造図のほとんどは読めるようになります。あとは図面の種類ごとに「どこに何の記号が出るか」を現場で確かめながら慣れていけば大丈夫です。鉄筋まわりの記号は配筋検査に直結するので、まずはD・φ・@の読み分けから固めていきましょう。




