- 直径の記号って何種類あるの?
- φ・⌀・D って何が違うの?
- 「ファイ」と「マル」のどちらで読むのが正解?
- 鉄筋の D22 と φ22 はどう違うの?
- CADやExcelではどう書くの?
- 配管図・配筋表で使い分けはあるの?
上記の様な悩みを解決します。
直径の記号は、結論「φ(ファイ)、⌀(マルスラ/ダイアメーター記号)、D(ディー)の3種類があり、用途と業界で使い分ける記号」のことです。建築の世界では、配管なら「φ100」、ISO規格や図面記号としては「⌀100」、鉄筋(異形棒鋼)の呼び径なら「D22」と、対象によって記号が変わります。同じ「直径」を表すのに記号が3つもあるのは、それぞれが歴史的に違うルートで建築に入ってきたからで、施工管理者にとっては図面に書かれている記号を正しく読み分けられるかが配筋検査や材料発注の精度に直結します。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
直径の記号とは?
直径の記号とは、結論「『これは直径の値ですよ』と一目で示すための記号」のことです。
数値を見ても、それが直径なのか、半径なのか、外径なのかが区別できないと現場が混乱します。「φ50」と書いてあれば誰でも「直径50mmだな」と分かるように、業界共通の記号として使われているわけですね。ざっくり「直径だよ」と一目で分かる記号が直径記号、というイメージです。
主に使われる3種類は次のとおり。
| 記号 | 名前 | 主な用途 |
|---|---|---|
| φ | ファイ | 配管、円形部材、CADの汎用直径表記 |
| ⌀ | マルスラ/ダイアメーター記号 | ISO規格、JIS製図での正式記号 |
| D | ディー | 鉄筋(異形棒鋼)の呼び径、機械部品 |
直径と並んでよく出てくる「半径」の記号はR(radius)。φ50=直径50mm=半径25mm(R25)、R30=半径30mm=直径60mm(φ60)、というあたり。どちらの値が書かれているかを取り違えると、加工サイズが2倍ずれるので、現場では特に注意が必要なポイントです。
僕としては、直径記号は「同じ意味の記号が3つあるだけ」と一見シンプルだけど、ここを混同すると材料の発注ミスに直結する地味に怖いテーマだなと感じています。
整式・建築の数学はこちら。


φ・⌀・Dの違い
3つの記号の違いを、用途・出自・読み方で整理します。
φ(ファイ)は、読み方が「ファイ」または「マル」(現場では「マル50」と呼ぶことが多い)、由来がギリシャ文字の小文字phi、用途が配管・円形部材・ボルト・線径・ケーブル外径・CAD汎用、建築での例が「φ100の塩ビ管」「φ16のボルト」「φ22のCケーブル」、というあたり。「ファイ」と書きながら、現場では「マル」と読まれる場面が圧倒的に多いです。
⌀(マルスラ/ダイアメーター記号)は、読み方が「マル」「ダイア」「ダイアメーター」、由来が英語diameterの頭文字Dを斜めにスラッシュした記号でISO 81714で正式に定義、用途がJIS製図・ISO規格・機械工学の正式記号、というところ。JIS B 0001(機械製図)では直径記号は⌀が正式で、φは便宜的に使われているだけ。厳密な製図規程上は⌀を使うのが正しいですが、建築図面ではφがほぼ標準なので、JIS製図と建築の慣習がズレているのが現実です。
D(ディー)は、読み方が「ディー」、由来が英語diameterの頭文字、用途が鉄筋の呼び径(異形棒鋼)・機械部品の寸法・JIS規格、建築での例が「D22」(直径22mm相当の異形鉄筋)・「D13ダブル」、というあたり。鉄筋の世界では、丸鋼はφ、異形棒鋼はDを使うのがルール。「D22」は厳密な直径22mmではなく、「呼び径22mm」という意味で、実寸はリブ・節があるので少し変わります。
| 記号 | 意味 | 半径換算 |
|---|---|---|
| φ100 | 直径100mm | 半径50mm |
| ⌀100 | 直径100mm | 半径50mm |
| D22 | 鉄筋の呼び径22mm | 半径11mm |
| R30 | 半径30mm | 直径60mm |
「Dやφは2倍すると外形が見える、Rは2倍してから外形になる」と覚えると間違いにくいです。
直径記号の書き方
手書き・CAD・Excelで、それぞれ違う書き方になります。
手書きでの書き方は、φが丸→縦棒の順で1ストロークではなく2ストロークで書く(鉛筆書きなら丸を描いて縦棒を貫通)、⌀が丸を描いて左下から右上に斜め線を入れる、DがアルファベットのDをそのまま書く、というあたり。現場で打ち合わせメモを取るときは、手早く書けるφが圧倒的に多用されますね。
CAD・Excelでの入力方法も押さえておきます。
| 環境 | φの入力 | 補足 |
|---|---|---|
| AutoCAD | %%c または %%C | 文字スタイルにより⌀になる場合あり |
| Jw_cad | %%c | 同上 |
| Vectorworks | option + Shift + B(Mac) | — |
| Revit | Unicode入力 (U+2300) | — |
| Excel | IMEで「ファイ」変換 | 文字コード(Unicode 03C6)でも可 |
| Excel(⌀) | 「記号と特殊文字」 | Unicode 2300 |
Excelで配筋表やケーブルリストを作るときは、「ふぁい」→変換が一番速い入力方法。フォントによって見え方が少し変わり、CADで「φ」と打ったつもりが「⌀」のように見えることもあるので、施工図の表記はできるだけ社内ルールで統一しておくとトラブルが減ります。
鉄筋のD記号と異形棒鋼
建築の現場で一番頻出するD記号、これだけで1セクション割く価値があります。
D=異形棒鋼の呼び径。JIS G 3112(鉄筋コンクリート用棒鋼)で、異形棒鋼はD6・D10・D13・D16・D19・D22・D25・D29・D32・D35・D38・D41・D51などのサイズが規定されています。「D22」と書かれていたら「呼び径22mm相当の異形棒鋼」という意味。
D22とφ22の違いも明確に押さえておきます。
| 記号 | 種類 | 正確な直径 | 公称断面積 |
|---|---|---|---|
| D22 | 異形棒鋼(リブ・節あり) | 公称直径22.2mm | 387mm² |
| φ22 | 丸鋼(つるつるの棒) | 直径22mm | 380mm² |
D22は厳密には22.0mmではなく22.2mm相当で、断面積も少し違います。実用上は「だいたい同じくらい」で扱いますが、構造計算ではJISの表に従って正確な断面積を使う必要があります。
JIS G 3112の呼び径と公称断面積を一覧で示します。
| 呼び径 | 公称直径 | 公称断面積 | 単位質量 |
|---|---|---|---|
| D10 | 9.53mm | 71mm² | 0.560kg/m |
| D13 | 12.7mm | 127mm² | 0.995kg/m |
| D16 | 15.9mm | 199mm² | 1.56kg/m |
| D19 | 19.1mm | 287mm² | 2.25kg/m |
| D22 | 22.2mm | 387mm² | 3.04kg/m |
| D25 | 25.4mm | 507mm² | 3.98kg/m |
| D32 | 31.8mm | 794mm² | 6.23kg/m |
D記号とSD記号の関係も大事。「D22」が寸法のみ(呼び径22mm)、「SD345」が強度の種類(降伏点強度345N/mm²の異形棒鋼)、「SD345 D22」が「SD345材を使ったD22のこと」、というあたり。配筋表や鉄筋の納入伝票には「SD345 D22」のようにフルで書かれていることが多いですね。
鉄筋の規格・呼び径の関連はこちら。

建築図面での直径記号の使い分け
実務で「どの図面ではどの記号が出てくるか」をまとめます。
意匠図・建築図では、配管がφ(給水管φ20、排水管φ100)、機器がφ(エアコン配管φ6)、ボルト・アンカーがφ(M12ボルト本体はφ12の呼び径)、というあたり。
構造図・配筋図では、異形棒鋼(メイン鉄筋)がD(D22、D25、D32)、丸鋼(補助筋・スターラップ)がφ(φ9、φ13)、アンカーボルトがMまたはφ、という使い分け。設備図では、給水・排水管がφ、ガス管がφまたはJIS呼び径(呼称25A→φ27.2mm相当)、電線管がE+径(E19、E25)またはφ(φ22)、ケーブルがCV+断面積/コア数(CV5.5sq-3C)と外径φの別記、というところ。
機械図・装置図(ISO/JIS製図準拠)では、直径が⌀(JIS B 0001準拠の正式記号)、半径がR、というのが原則です。
現場での読み方の慣習として、「φ」も「⌀」も口頭では「マル」または「ファイ」、「D」は「ディー」(D22→「ディーニジュウニ」)、半径Rは「アール」(R30→「アールサンジュウ」)、というあたりが定着しています。
特に注意したいのが、スターラップ・あばら筋のように「丸鋼φ+異形棒鋼D」が同じ図面に出てくるケース。「主筋はD22、スターラップはφ9」というように、記号1文字で素材も価格も納期も変わるので、設計図の記号は最初に確認するクセを徹底するのが安全策ですね。
僕としては、図面の記号は「最初に意匠・構造・設備のどれを読んでいるか」を意識すると、φ・⌀・Dの読み分けが自然にできるようになる、と感じています。
スターラップ・鉄筋のあき・かぶりの関連はこちら。



直径の記号に関する情報まとめ
- 直径の記号とは:直径を表す記号で、φ・⌀・Dの3種類が建築で使われる
- φ(ファイ):配管・円形部材・ボルトなど汎用、現場では「マル」と読む
- ⌀(マルスラ):JIS製図・ISO規格の正式記号、機械図で多用
- D(ディー):鉄筋の異形棒鋼の呼び径(JIS G 3112)
- D22とφ22:D22は呼び径22mm相当の異形棒鋼(実寸22.2mm)、φ22は丸鋼の直径22mm
- 半径記号R:直径記号と取り違えると2倍ずれるので注意
- CADでの入力:%%cでφ/⌀が出る
- 図面別の使い分け:意匠図はφ、構造図はD(鉄筋)、機械図は⌀(JIS製図)
以上が直径の記号に関する情報のまとめです。
φ・⌀・Dの違いは「同じ直径を表す3つの記号があるだけ」と頭では分かっていても、現場で配筋表と発注書、CAD図面と納品伝票が記号バラバラに書かれていると、新人時代は混乱しがち。それぞれの出自(建築慣習・JIS製図・JIS鉄筋規格)を押さえておくと、図面のどの欄に何の記号が出てくるか予測できるようになって、確認の精度が上がりますね。
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