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軽量形鋼とは?JIS規格、種類、重量形鋼との違い、用途など

  • 軽量形鋼ってなに?
  • 重量形鋼とどう違うの?
  • JIS規格は?
  • どんな種類がある?(リップ溝形・Z形…)
  • 現場でどこに使うの?
  • 施工管理として何を見ればいい?

上記の様な悩みを解決します。

「軽量形鋼」は、現場では「軽量Cチャン」「リップ」「胴縁材」「LGS」など色んな呼ばれ方をして、用語が混乱しがち。実はJIS G 3350(一般構造用軽量形鋼)で正式に規定されている材料グループで、冷間成形(プレスブレーキで折り曲げ加工)で作られる薄板鋼材の総称です。重量形鋼(熱間圧延=JIS G 3192のH鋼など)との違い、種類、用途、施工管理での着眼点を一通り整理します。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

軽量形鋼とは?

軽量形鋼とは、結論「JIS G 3350に基づき、薄板を冷間成形(プレス曲げ)して作られる軽量な構造用鋼材」のことです。

英語では light-gauge steel sections または cold-formed steel sections。「冷間成形鋼材」とも呼ばれます。

ざっくりイメージすると

製造方法と板厚で考えると分かりやすい。普通の鋼板(t=1.6〜6mm程度)をプレスブレーキで折り曲げ、折り曲げで断面形状(C形・Z形・ハット形など)を作り、板厚が薄いので軽量(=「軽量」形鋼)、という流れ。

→ つまり「薄板を曲げて作った形鋼」が軽量形鋼。重量形鋼(熱間圧延でできるH鋼など、板厚が厚くて頑丈)と区別されます。

重量形鋼との比較

項目 軽量形鋼 (JIS G 3350) 重量形鋼 (JIS G 3192)
製造方法 冷間成形(プレス曲げ) 熱間圧延(高温で形を作る)
板厚 1.6〜6mm程度 5mm以上(H鋼で数十mm)
重量 軽い 重い
強度 中(座屈に弱い) 高(座屈に強い)
コスト 安い 高い
用途 二次部材(胴縁・母屋等) 主要部材(柱・梁等)
代表形状 C形・Z形・ハット形 H形・I形・角形鋼管

「軽量形鋼=二次部材、重量形鋼=主要部材」が大原則。建物の骨格(柱・梁)は重量形鋼、外装の下地・小物部材は軽量形鋼が標準的な使い分け。

LGS・胴縁との関係

現場呼称との関係を整理しておきます。LGS(Light Gauge Steel)は内装下地用の軽量形鋼でスタッド・ランナーなどの薄型部材。胴縁(どうぶち)は外壁を支える横方向の二次部材でCチャン(リップ溝形鋼)が多い。母屋(もや)は屋根荷重を支える二次部材でC形鋼やZ形鋼が標準。軽量Cチャンは現場呼称でリップ溝形鋼を指すことが多い、というあたり。

→ これらは全部JIS G 3350の枠組みに入る軽量形鋼ファミリー。呼び方が違うだけで、規格上は同じグループ。

LGSの詳細はこちらの記事も参考にしてください。

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軽量形鋼の種類(代表形状)

JIS G 3350では複数の断面形状が規定されています。代表的なものを整理。

①リップ溝形鋼(リップC形)

最もメジャーな軽量形鋼。Cチャンに「リップ」(端部の折り返し)が付いた形状。

┌──┐  ← 上フランジ+リップ
│
│  ← ウェブ
│
└──┘  ← 下フランジ+リップ

寸法表記はC-100×50×20×2.3などウェブ高さ×フランジ幅×リップ長×板厚、用途は外壁胴縁・母屋・軽量倉庫の小梁、特徴はリップが座屈を抑制し効率の高い断面、というあたり。

②溝形鋼(C形)

リップなしの単純なC型断面。重量形鋼にもCチャンネル(C-150x75x6.5×10など)があるが、軽量版のCはより薄く・軽い。用途は小型の二次部材・ブレース・軽量壁下地、リップ付きより座屈に弱いので少し補強的に使う、というあたり。

③Z形鋼

Z字型の断面。リップ溝形鋼に似ているが、フランジが互い違い向き。寸法表記はZ-150×75×20×2.3などZ形特有、用途は屋根母屋に多い(Z字の重ね合わせで連続化しやすい)、特徴は両端フランジが上下逆向きで連続母屋の取り合いに有利、というあたり。

④ハット形鋼

帽子(ハット)を逆さまにしたような形。

─┐    ┌─
 │    │
 └────┘

用途は軽量屋根のデッキ受け・補強リブ、特徴は対称形なので捻れに強い(ねじりに強い)、というあたり。

⑤等辺/不等辺Lアングル

軽量Lアングル(等辺/不等辺)もJIS G 3350の範囲。用途は小型のブレース・補強金物、寸法表記はL-50×50×2.3などLサイズ×Lサイズ×板厚、というあたり。

5種類の比較表

形状 主な用途 強み
リップ溝形鋼 胴縁・母屋・小梁 標準・万能
溝形鋼(リップなし) 軽量下地 安い
Z形鋼 屋根母屋 連続化・取り合い
ハット形鋼 屋根デッキ受け ねじりに強い
軽量Lアングル ブレース・補強 小型・取り回し良

→ 一般的な建築現場ではリップ溝形鋼が圧倒的多数。次がZ形(屋根母屋)、ハット形(屋根デッキ系)の順。

Cチャンネルの詳細はこちらの記事も参考にしてください。

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軽量形鋼の規格と材質

JIS G 3350の概要を押さえます。

①材質(鋼種)

規格 降伏点(N/mm²) 引張強さ(N/mm²) 用途
SSC400 245 400以上 一般用(=SS400相当)
SSC490 325 490以上 高強度用

→ 「SSC」は Steel Section Cold-formed の略。SS400の冷間成形版が SSC400 と覚えればOK。

②板厚の標準値

板厚(mm) 用途
1.6 LGS・スタッド系
2.3 標準的な胴縁・母屋
3.2 中重量の二次部材
4.0以上 重い荷重がかかる部材

→ 厚いほど強度・剛性は上がるが、コストも上がる。設計者は「必要最小限の板厚」で経済設計するのが普通。

③寸法表記の読み方

表記例 読み方
C-100×50×20×2.3 リップ溝形鋼、ウェブ100mm、フランジ50mm、リップ20mm、板厚2.3mm
Z-150×75×20×2.3 Z形鋼、ウェブ150mm、フランジ75mm、リップ20mm、板厚2.3mm
L-50×50×2.3 等辺Lアングル、辺50mm、板厚2.3mm

C-とかZ-の頭文字で形状判別寸法と板厚の順番で材料発注が可能。図面でこの表記を見たら「軽量形鋼ファミリー」と分かる。

④定尺長さ

軽量形鋼の定尺は6m(6000mm)が標準。6m定尺品が在庫しやすく、それ以上は特注または現場切断、切断後の端部は防錆処理(塗装やめっき補修)が必要、というあたり。

⑤防錆処理

軽量形鋼は薄いので錆が進行しやすい。表面処理は、溶融亜鉛めっき(GI処理=屋外用に標準)、塗装(エポキシ系・ウレタン=室内用や追加防錆)、生材+現場塗装(コスト重視のとき)、というあたり。

→ 屋外で使う軽量形鋼は基本的にめっき処理品が標準。「生材を屋外で使う」のは絶対NG(数年で錆びて構造性能を失う)。

ミルシートで材質確認はこちらの記事も参考にしてください。

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軽量形鋼の代表的用途

実際にどの場面で使うかを整理します。

①外壁胴縁(どうぶち)

外壁の裏側に水平に走る二次部材。サイディング・ALC・金属サイディング等の取付け下地。採用材はリップ溝形鋼C-100×50×20×2.3程度が標準、配置は水平方向で約500〜600mmピッチ、取付けは柱・間柱に溶接 or ボルト止め、役割は外装材を支え風荷重に抵抗、というあたり。

→ 胴縁が壊れる=外装材が落下するリスク。胴縁の取付けピッチ・板厚は外壁の重さで決まる(ALCなど重い外装は密に・厚く)。

②屋根母屋(もや)

屋根の梁(妻面方向の構造梁)から横方向に並ぶ二次部材。屋根材を支える。採用材はZ形鋼Z-150×75×20×2.3またはリップ溝形鋼、配置は約900〜1200mmピッチ(屋根材で変動)、役割は屋根材荷重・雪荷重を屋根トラス・母屋梁に伝える、というところ。

→ Z形鋼が好まれるのは連続母屋(隣接スパンとボルトで連結して連続梁化)しやすいから。

③軽量倉庫・物置の主要構造

倉庫・物置では軽量形鋼が主要構造として使われることもある。柱がCチャン(リップ溝形鋼)、梁がリップ溝形鋼または合掌で対称配置、ブレースが軽量Lアングル、というラインナップ。

→ 軽量倉庫(50m²以下程度の物置建築)では建築基準法上の構造制限が緩く、軽量形鋼で全構造を作れる。シンプル・低コストが魅力。

④鉄骨造の補強・小物

主要構造ではないが、補強や仕舞いで多用。階段の踏み板受け、設備配管の支持架台、看板の取付け下地、内部間仕切り壁の柱(LGSスタッド)、というあたり。

→ 「鉄骨造の二次部材・小物全般」が軽量形鋼の出番。

⑤車庫・カーポートの架構

戸建て住宅のカーポート・物置タイプの車庫。屋根支柱が角形パイプ+リップ溝形鋼の組合せ、梁がリップ溝形鋼、屋根材が折板屋根+軽量形鋼の母屋、という構成。

→ 「カーポート」は軽量形鋼の典型的な用途のひとつ。

カーポートはこちらの記事も参考にしてください。

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施工管理での着眼点

実際の現場で軽量形鋼を扱うときのチェックポイントを4つ。

①板厚と寸法の確認

板厚と寸法の確認は、図面と現物の寸法・板厚を照合、ミルシートで材質確認(SSC400/490)、定尺6m品か現場切断品か、というあたり。

②防錆処理の状態

防錆処理の状態は、屋外用がめっき品か(切断面に処理ありか)、塗装の剥がれ・キズの有無、取付け後の補修塗装(切断面は必須)、というあたり。

③接合部の品質

軽量形鋼の接合は溶接・ボルト止め・ドリルビスなどがある。溶接は薄板なので焼け落ちに注意(電流を絞る)、ボルトは孔縁端距離が薄板でも規定値以上か、ドリルビスは緩みやすいので決められたピッチを守る、というあたり。

→ 軽量形鋼の接合は「重量形鋼の常識をそのまま適用するとNG」なケースがあるので、施工要領書を必ず確認。

④座屈・たわみへの注意

軽量形鋼は薄板なので座屈・局部座屈に弱いのが特徴。設計時は座屈長さLkを短く保つ(支保材を入れる)、現場では乱暴に扱うと現場で軽く座屈変形する(運搬・荷捌きで)、取付け後は長期荷重でたわみが進行することがある、というあたり。

→ 「現場到着時に少しでも変形がある材料は使わない」が原則。軽量形鋼は元に戻りにくい(冷間成形品なので、変形=塑性変形になる)。

局部座屈はこちらの記事も参考にしてください。

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軽量形鋼に関する情報まとめ

最後に、軽量形鋼の重要ポイントを整理します。

  • 定義:JIS G 3350で規定される冷間成形の薄板鋼材
  • 重量形鋼との違い:製造方法(冷間成形 vs 熱間圧延)、板厚、用途(二次部材 vs 主要部材)
  • 主な種類:リップ溝形鋼(C)、溝形鋼、Z形鋼、ハット形鋼、軽量Lアングル
  • 材質:SSC400(SS400相当)、SSC490(高強度)
  • 板厚:1.6〜6mm、定尺長さ6mが標準
  • 代表用途:外壁胴縁、屋根母屋、軽量倉庫、鉄骨造の補強・小物
  • 施工管理:寸法・板厚照合、防錆処理、接合品質、座屈変形への配慮

以上が軽量形鋼に関する情報のまとめです。

軽量形鋼は「主要構造ではないけれど建物の使い勝手を支える二次部材」として非常に多く使われています。LGS・胴縁・母屋・物置の柱…現場で目にする多くのスチール部材は、実は軽量形鋼ファミリー。「重量形鋼と同じノリで雑に扱うと座屈する」という弱点を理解した上で、板厚・防錆・接合の3点を意識すれば、施工管理として品質の取りこぼしが減ります。一通り軽量形鋼の基礎知識は理解できたと思います。

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