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外力とは?意味、種類、内力との違い、構造計算での扱い方など

  • 外力ってそもそも何?
  • 外力にはどんな種類があるの?
  • 内力(応力)と何が違うの?
  • 建築基準法ではどう扱ってるの?
  • 構造計算書のどこを見ればいい?
  • 現場の仮設荷重も外力?

上記の様な悩みを解決します。

外力は構造力学や建築構造の基本中の基本ですが、「外力=外から作用する力」と一言で言われても、固定荷重・積載荷重・積雪・風・地震・施工荷重などの具体に落とし込めないと、構造計算書を読み解けません。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

外力とは?

外力とは、結論「建物に対して外側から作用する力の総称」のことです。

具体例で言うと、建物の自重(柱・梁・床・屋根の自分の重さ)、人や家具・荷物などの積載荷重、屋根に積もる雪(積雪荷重)、横から吹きつける風(風荷重)、地震で揺さぶる慣性力(地震荷重)、というあたりすべてが外力です。普段は意識しませんが、建物にはありとあらゆる方向から力が作用していて、構造設計の世界ではこれを「外力」とまとめて呼びます。

英語では external force と言い、構造設計の対義語に「内力(internal force)」があります。外力が建物の外から「与えられる」入力なのに対し、内力は外力に対抗するために「建物の内部に発生する」応答、と考えるとイメージしやすいです。

外力は荷重(load)と呼ばれることもあります。設計上の荷重は、原則すべて外力として整理されます。

外力の種類

建築の構造設計で扱う外力は、大きく「常時かかる外力」「短期にかかる外力」「特殊な外力」の3つに分かれます。

常時かかる外力

外力 内容
固定荷重 建物自身の重さ(柱・梁・床・屋根・仕上げ材)
積載荷重 人や家具・什器・在庫物などの重さ
設備荷重 空調機・電気盤・配管など固定された設備の重さ

固定荷重と積載荷重は、ふだん建物にずっと作用する「長期荷重」として扱われます。

短期にかかる外力

外力 内容
積雪荷重 屋根に積もる雪の重さ
風荷重 風によって建物外面に作用する圧力
地震荷重 地震動による慣性力

これらは「短期荷重」と呼ばれ、長期荷重に比べて短時間しか作用しないため、許容応力度の値も短期側で評価されます。風荷重の式の中身は別記事にまとめています。

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特殊な外力

特殊な外力としては、土圧(地中構造物の側面に土が押す力)、水圧(地下水や貯水槽の中の水が押す力)、衝撃荷重(クレーンの動荷重・車両の衝突など)、温度荷重(温度変化による膨張・収縮)、というあたり。

地下階や擁壁・水槽の設計、橋梁設計、工場の床などでは、これら特殊な外力を加味する必要があります。

力の向きでの分類

力の向きで分類すると、鉛直外力(固定・積載・積雪など、上下方向に作用する力)と水平外力(風・地震など、横方向に作用する力)、という整理。

水平外力に対しては耐震壁・ブレース・ラーメン構造で抵抗するのが基本で、層間変形角や偏心率・剛性率で建物の挙動を確認します。

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外力と内力の違い

ここが構造力学のいちばんつまずきやすいポイントです。

外力(がいりょく)

外力は、建物の外から作用する力(荷重)、自重・積載・風・地震・土圧など、単位はだいたいN・kN・kN/m²・kN/m、というあたり。

内力(ないりょく・応力)

内力は、外力に対して建物内部に発生する力、軸力(N)・せん断力(Q)・曲げモーメント(M)・ねじりモーメント(T)など、部材の中で「対抗するために生まれる力」、というあたり。

たとえば屋根の梁に上から雪荷重(外力)がかかると、梁の内部にはそれに抵抗するための曲げモーメント・せん断力・たわみ(内力と変形)が生じます。外力は「与えられた条件」、内力は「その答え」と捉えるのがいちばんしっくりきます。

応力度との違い

内力をさらに「単位面積あたりの値」にしたものが応力度(N/mm²)です。せん断応力度・引張応力度・圧縮応力度などがあって、構造設計の安全照査は基本的に「応力度 ≦ 許容応力度」という不等号の式で判定します。せん断応力の式や符号ルールは別記事を参考にしてください。

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反力は外力に含めるのか

地盤や支持点が建物に与える反力(rayryoku)は、力の釣り合いの観点では外力と同じく外側から作用する力ですが、設計上は「外力に対する応答」として扱われ、外力一覧の中には含めないのが普通です。集中荷重・等分布荷重に対する反力の出し方は、それぞれの個別記事で詳しく触れています。

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建築基準法での外力(設計用荷重)の扱い

建築基準法施行令第82条以下では、構造計算で考慮すべき外力(設計用荷重)が明確に定められています。

設計用荷重(建築基準法施行令)

荷重 根拠条文 概要
固定荷重 84条 建物自重を構造種別ごとに算定
積載荷重 85条 用途別の積載荷重表(事務室・住宅・倉庫など)
積雪荷重 86条 垂直積雪量と単位荷重から算定
風荷重 87条+告示1454号 速度圧 q、風力係数 Cf、受圧面積 A
地震荷重 88条 地震層せん断力係数 Ci = Z・Rt・Ai・Co

構造計算書を読むときは、まず「どの荷重が、どの条文に基づいて、いくらで算定されているか」をチェックします。これがイコール「外力をどう設定しているか」ということです。

長期荷重と短期荷重の組み合わせ

実務では、長期荷重 = 固定荷重 + 積載荷重 +(多雪区域では積雪一部)、短期荷重 = 長期荷重 + 短期に作用する外力(風または地震または積雪のいずれか最大値)、という組み合わせで応力度を算定します。

許容応力度設計(一次設計)では、短期外力時の応力度が短期許容応力度を超えないかをチェックします。地震・暴風・積雪のうち、どれが効くかは地域・建物用途・形状で変わります。

保有水平耐力の評価

二次設計(保有水平耐力計算)では、地震時の水平外力に対して、建物が崩壊までにどれだけ耐えられるかを評価します。靭性のある建物ほど大きな塑性変形を許容できるので、有効に外力を吸収できます。

現場で意識する外力(仮設・施工荷重)

完成後の建物だけでなく、施工中も外力は作用します。

施工荷重の代表例

施工荷重の代表例は、型枠とコンクリートの自重(打設後・硬化前は型枠に丸かかり)、鉄筋・型枠材・足場の仮置き荷重、重機の荷重(クレーン・ポンプ車)、作業員の自重と工具、風荷重(足場・養生シートに作用)、というあたり。

これらは「施工時荷重」「仮設荷重」と呼ばれ、施工計画段階で型枠支保工・足場・揚重計画と一緒に設定されます。型枠支保工は施工時の外力を支える代表選手です。

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僕の現場体験

電気施工管理時代、変電所の屋上に重い受変電盤を据え付ける工事を担当したとき、構造設計者が「設計時の屋上積載荷重を超える可能性がある」と判断して、揚重計画を組み直したことがあります。設計図書の積載荷重「2.0kN/m²」は外力の数字ですが、現場で実際に「機器+養生材+作業員」を集中で乗せると簡単に超えます。「設計外力 = 現場で勝手に超えてはいけない上限値」と捉えるのは、施工管理目線でとても大事な感覚です。

配筋検査との関係

配筋検査で確認するのは、設計通りの鉄筋が入っているかですが、その背景にあるのは「想定した外力に対して、内力(応力)を安全に処理できるかどうか」という構造設計の論理です。鉄筋が抜けたら内力に対抗しきれず、外力に負けます。

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外力に関する情報まとめ

  • 外力とは:建物に外側から作用する力の総称(荷重)
  • 種類:固定・積載・積雪・風・地震・土圧・水圧・衝撃・温度 など
  • 鉛直外力(自重・積載・積雪)と水平外力(風・地震)に分けて整理する
  • 内力との違い:外力は与えられる入力、内力(軸力・せん断・曲げ・ねじり)はその応答
  • 応力度との関係:内力を単位面積あたりにしたのが応力度。安全照査は「応力度 ≦ 許容応力度」
  • 法令の規定:建築基準法施行令第82〜88条で設計用荷重が体系的に定められている
  • 長期と短期:長期は固定+積載、短期はそこに風・地震・積雪を上乗せ
  • 施工中の外力:型枠・足場・重機・養生材なども無視できない外力として扱う

以上が外力に関する情報のまとめです。

「外力 → 内力 → 応力度 → 安全照査」の流れを大きく把握しておくと、構造計算書のページを開いたときに、自分が今どこを読んでいるのかが見失われにくくなります。施工中も外力は作用し続けるので、現場ではいつでも「設計時の外力を超えていないか」を意識しておきたいですね。

合わせて、風荷重・地震応答に関連する係数(風力係数、層間変形角、偏心率、剛性率)の記事も押さえておくと、外力に対する建物の応答がしっかり読み取れるようになります。

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