- 普通コンクリートってどんなもの?
- JIS で何が決められている?
- どんな配合?
- 強度はどれくらい?
- 軽量・高強度とは何が違う?
- 現場で気をつけることは?
上記の様な悩みを解決します。
普通コンクリートとは、結論「JIS A 5308 で規定された、普通骨材を使った最も標準的なコンクリート」のことです。建築の躯体・基礎・スラブ・梁・柱で使われる 大多数のコンクリートが普通コンクリート。「コンクリート=普通コンクリート」と無意識に呼んでいるのが、この種類です。一方で 軽量コンクリート・高強度コンクリート・重量コンクリートといった特殊な種類があり、用途・建物高さに応じて使い分けます。本記事では、普通コンクリートの定義・JIS規定・配合・強度・他種コンクリートとの違い・施工管理での確認ポイントまで、コンクリート工事の入門レベルから整理します。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
普通コンクリートとは?
普通コンクリートとは、結論「JIS A 5308 で規定された普通骨材を使った最も標準的なコンクリート」のことです。
英語では normal concrete または normal weight concrete。日本工業規格 JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)で、「普通コンクリート」「軽量コンクリート」「舗装コンクリート」「高強度コンクリート」の4種類に分類された中の 1番目にあたるものです。
普通コンクリートの基本構成
普通コンクリートは、
水(W)+ セメント(C)+ 細骨材(S)+ 粗骨材(G)+ 空気・混和剤
の5要素で構成され、
- セメント:普通ポルトランドセメントが主役
- 細骨材(砂):粒径5mm以下、川砂・砕砂・海砂
- 粗骨材(砂利・砕石):粒径5〜40mm、天然砂利・砕石
- 水:水道水・地下水・再生水
- 混和剤:AE剤、減水剤、AE減水剤
→ 「普通の材料で作った、標準的なコンクリート」というイメージで合っています。
「普通」の意味
普通コンクリートの「普通」は 「普通骨材を使う」という意味。
- 普通骨材:天然骨材(川砂利、砕石、川砂)で、単位体積重量2,300〜2,500 kg/m³
- 軽量骨材:人工軽量骨材で、単位体積重量 1,800 kg/m³ 以下
- 重量骨材:磁鉄鉱・鉄鉱石で、単位体積重量 2,800 kg/m³ 以上
→ つまり「何の混じり気もない天然骨材」を使うのが普通コンクリート。「普通=平凡」ではなく 「普通=標準」という意味合いです。
普通コンクリートの単位体積重量
普通コンクリート:γ ≒ 2.3 〜 2.4 t/m³(≒ 23 〜 24 kN/m³)
鉄筋コンクリート:γ ≒ 2.4 〜 2.5 t/m³(鉄筋を含む)
→ 構造計算では、「鉄筋コンクリートの単位重量 = 24 kN/m³」を使うのが標準的。
コンクリート全般の話はこちらに整理しています。

JIS A 5308 での規定
JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)が 普通コンクリートの規定の本拠地。
①4つの種類
JIS A 5308 が定める コンクリートの種類、
| 種類 | 用途 | 単位体積重量 [kg/m³] |
|---|---|---|
| 普通コンクリート | 一般構造物 | 2,300〜2,400 |
| 軽量コンクリート | 軽量化が必要な構造 | 1,400〜2,100 |
| 舗装コンクリート | 道路舗装 | 2,300〜2,400 |
| 高強度コンクリート | 高層・特殊構造 | 2,300〜2,500 |
→ 大半の建築用コンクリートが 「普通コンクリート」として発注されます。
②呼び方の構成
レディーミクストコンクリートの 発注時の呼び方は、
呼び方の例:普通 24 18 20 N
↑ ↑ ↑ ↑ ↑
① ② ③ ④ ⑤
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ①コンクリートの種類 | 普通 / 軽量 / 高強度 / 舗装 |
| ②呼び強度 | 18〜60 [N/mm²] |
| ③スランプ | 8〜21 [cm](普通は18〜21) |
| ④粗骨材最大寸法 | 20mm / 25mm / 40mm |
| ⑤セメントの種類 | N(普通)、H(早強)、BB(高炉B種)等 |
→ 「普通 24 18 20 N」と注文すれば、設計者・施工管理・生コン工場の 全員が同じ仕様を共有できる仕組み。
③スランプの選定
スランプは コンクリートの流動性を表す数値で、
| スランプ | 適用 |
|---|---|
| 8 cm | 硬練り、高品質、振動締固め必須 |
| 15 cm | 標準的 |
| 18 cm | 一般建築の標準 |
| 21 cm | 流動性重視、密配筋部に有効 |
→ 建築の現場で 「18cm」または「21cm」が多用される。土木の 「8cm」は配合密度を上げて高品質側に振った値。
スランプ試験の細かい話はこちらに整理しています。

普通コンクリートの配合・骨材
実務で 配合計画書を見るときに知っておくべき要素を整理。
①典型的な配合例(呼び強度24-18-20)
水 W :175 kg/m³
セメント C:290 kg/m³(普通ポルトランド)
細骨材 S:830 kg/m³
粗骨材 G:950 kg/m³
混和剤:C × 0.25%
水セメント比 W/C = 60.3%
細骨材率 s/a = 46.6%
→ 「水セメント比60%前後、細骨材率45%前後」が普通コンクリートの王道配合。
②使われる骨材の種類
普通コンクリートの粗骨材は、
- 天然砂利(河川砂利):丸い形、強度・耐久性ともに優秀
- 砕石(砕いた岩石):角ばっている、流動性に劣るが強度大
- 再生骨材:環境配慮、低強度コンクリート向け
細骨材は、
- 川砂:建築標準、塩分・有機物が少ない
- 山砂:粒径分布が良い、粉末分の影響大
- 海砂:塩化物含有で 塩害リスク、洗浄が必須
- 砕砂:砕石の副産物、形が悪い
→ 海砂を使うときは 「除塩管理」が重要。塩化物総量0.30 kg/m³以下に管理。
③水と混和剤
| 材料 | 主な役割 |
|---|---|
| 練混ぜ水 | 水和反応に使用、強度・施工性を左右 |
| AE剤 | 微細気泡導入、施工性・凍害抵抗性向上 |
| 減水剤 | 水を減らして強度確保、流動性維持 |
| AE減水剤 | AE剤+減水剤の複合効果、現代の標準 |
→ 現代の普通コンクリートは 「AE減水剤入り」が標準。AE剤なしの配合は特殊用途に限定。
セメント・骨材の細かい話はこちらに整理しています。


普通コンクリートの強度
普通コンクリートの 強度区分を整理します。
①呼び強度の範囲
JIS A 5308 の 普通コンクリートの呼び強度は、
18, 21, 24, 27, 30, 33, 36 [N/mm²]
の 7段階から選択。21〜30 がよく使われる。
| 呼び強度 | 主な用途 |
|---|---|
| 18 | 軽微な構造、土間 |
| 21 | 一般住宅基礎、低層建物 |
| 24 | 中高層建物の躯体、店舗 |
| 27〜30 | 中高層建物、特殊構造 |
| 33〜36 | 高層建物、長期供用期間 |
→ 36 N/mm² を超えるものは「高強度コンクリート」として別カテゴリになります。
②呼び強度と設計基準強度の違い
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 呼び強度 | 生コンの発注単位(保証値) |
| 設計基準強度 Fc | 構造設計で用いる強度 |
| 品質基準強度 Fq | Fc に温度補正 mSn を加算 |
| 耐久設計基準強度 Fd | 耐久性確保のための強度 |
| 配合強度 | 工場で目標とする強度 |
→ 設計図書に 「設計基準強度Fc=24」と書かれていれば、発注は 「呼び強度24+温度補正」となる。
設計基準強度・耐久設計基準強度の細かい話はこちらに整理しています。

③水セメント比と強度の関係
コンクリート強度 ∝ 1 / 水セメント比
水セメント比 W/C が 小さいほど強度が 大きい。
| W/C | 概算強度 [N/mm²] |
|---|---|
| 65% | 21 |
| 60% | 24 |
| 55% | 27 |
| 50% | 30 |
| 45% | 36(高強度に分類) |
→ JIS A 5308 では普通コンクリートの W/C 上限 65%と規定されています。
水セメント比の細かい話はこちらに整理しています。

軽量・高強度コンクリートとの違い
普通コンクリートと 他種コンクリートの違いを整理。
①普通 vs 軽量コンクリート
| 項目 | 普通コンクリート | 軽量コンクリート |
|---|---|---|
| 骨材 | 天然骨材 | 人工軽量骨材(パーライト、シラス、けい石) |
| 単位体積重量 | 2,300〜2,400 kg/m³ | 1,400〜2,100 kg/m³ |
| 強度範囲 | 18〜36 N/mm² | 9〜36 N/mm² |
| 用途 | 一般建築 | 高層建物の上階、屋上 |
| 価格 | 安い | 割高(30〜50%増し) |
→ 軽量コンクリートは「重量を減らしたい部位」に使用。地震荷重・基礎反力を抑える目的。
②普通 vs 高強度コンクリート
| 項目 | 普通コンクリート | 高強度コンクリート |
|---|---|---|
| 強度範囲 | 18〜36 N/mm² | 36〜60 N/mm²超 |
| 水セメント比 | 65%以下 | 40%以下 |
| 用途 | 一般建築 | 超高層建物の柱・梁 |
| 配合の難しさ | 容易 | 要試験配合・専門生コン工場 |
| 価格 | 安い | 2〜3倍になることも |
→ 高強度コンクリートは 「柱断面を小さくしたい」ときに使用。例:30階建てマンションの 下層階柱で90 N/mm²を採用。
高強度コンクリートの細かい話はこちらに整理しています。

③用途別の使い分けの実感
基礎・地中梁:普通18〜24
低層住宅(〜3階):普通21〜24
中層オフィス(〜10階):普通24〜30
高層マンション(10階超):普通30〜36 + 高強度部分
超高層オフィス(30階超):普通30 + 高強度45〜80
→ 「用途と階高で選ぶ」のが基本。設計者は 構造計算の結果から強度を決定します。
普通コンクリートの施工管理での注意点
施工管理者として、普通コンクリートで 気をつけたいポイント。
①受入検査のチェック項目
生コン車が現場に到着したら必ず実施する受入検査、
- スランプ試験:±2.5cm 以内(JIS A 1101)
- 空気量試験:4.5±1.5%(一般用)
- 塩化物量試験:0.30 kg/m³ 以下
- 温度確認:5〜35℃(夏冬で管理基準が変わる)
- 納入伝票確認:呼び強度・スランプ・粗骨材最大寸法
→ 受入検査の写真記録は 施工管理書類の絶対要件。受入記録なしの打設は 後で品質保証ができなくなる。
スランプ試験の細かい話はこちらに整理しています。

②打設・締固めのポイント
普通コンクリートの 打設時の管理、
- 打設高さ:自由落下1.5m以内(材料分離防止)
- 締固め間隔:50cm以内、振動機を垂直挿入
- 連続打設時間:練り混ぜから打込みまで90分以内
- 打継ぎ位置:構造的に応力の小さい場所に設定
→ 「90分ルール」を守らないと コールドジョイント(打継ぎ部の欠陥)の原因に。
③養生の重要性
打設後の 養生で品質が大きく変わる、
夏期:3日以上の湿潤養生(散水・養生シート)
冬期:5日以上の保温養生(5℃以上を維持)
標準:5日以上の湿潤養生
→ 「初期の水分管理」が 長期耐久性を決める。乾燥収縮ひび割れ・初期凍害は 養生不足が主因。
コンクリート養生シートの細かい話はこちらに整理しています。

④温度管理(特に夏期・冬期)
| 時期 | コンクリート温度 | 注意点 |
|---|---|---|
| 夏期(35℃超) | 上限35℃ | 凝結速い、配合温度補正 |
| 冬期(4℃以下) | 下限5℃ | 凝結遅い、加熱養生検討 |
| マスコン(70cm超断面) | 温度ひび割れ | 低熱・中庸熱セメント検討 |
→ 構造体強度補正値 mSnは、コンクリート温度とセメント種類で決まる。受入時の温度測定が mSn 適用の根拠になります。
低熱セメントの細かい話はこちらに整理しています。

普通コンクリートに関する情報まとめ
- 普通コンクリートとは:JIS A 5308 規定、普通骨材使用の標準コンクリート
- JIS分類:普通・軽量・舗装・高強度の4種類、最も使用量が多い
- 呼び方:「普通 呼び強度 スランプ 粗骨材最大寸法 セメント種類」
- 配合:水175 / セメント290 / 細骨材830 / 粗骨材950 (24-18-20の例)
- 呼び強度:18〜36 N/mm² の7段階
- 単位体積重量:2.3〜2.4 t/m³(鉄筋込みで2.4〜2.5)
- 軽量・高強度との違い:骨材種類と強度範囲で区分
- 施工管理:受入検査、90分ルール、養生、温度管理
以上が普通コンクリートに関する情報のまとめです。普通コンクリートは 「無名すぎて存在を意識しないコンクリート」ですが、JIS A 5308 の細かな仕様規定の上に成り立った 「品質が保証された生コン」。施工管理者として、呼び方・受入検査・養生の3点を確実にやることで、後の構造物の長期品質が安定します。一通り普通コンクリートの基礎知識は理解できたと思います。
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