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造作家具とは?種類、設計、施工、既製品との違い、価格など

  • 造作家具って何?普通の家具と何が違うの?
  • どんな場所で使われるの?
  • 設計の流れって?
  • 大工が作るの?家具屋が作るの?
  • 既製品より高いって聞くけど、どれくらい?
  • 電気配線との取合いはどうなる?

上記の様な悩みを解決します。

造作家具(ぞうさくかぐ)は、現場の建築躯体に合わせて設計・製作・取付する「オーダーメイドの建築家具」のこと。住宅のキッチン・テレビボード・ウォークインクローゼット・洗面台、店舗のレジカウンター・什器、オフィスの受付・パーテーションなど、空間にピッタリ収まる家具が必要なときに採用されます。施工管理として、造作家具を発注する案件では「設計→製作→施工→電気・水道との取合い」と工程が複雑になるため、流れと役割分担を一通り押さえておきましょう。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

造作家具とは?

造作家具とは、結論「建物の壁・床・天井と一体化させて、現場で製作・取付する家具」のことです。

「造作」の語源は「築造する」から来ており、もともとは大工さんが現場で造る家具を意味していました。現代では、

  • 工場で製作してから現場に運び、取付するもの
  • 現場で大工が直接組み立てるもの

の2パターンがあり、両方が「造作家具」と呼ばれます。

既製品の家具(イケアやニトリで売っているような家具)との最大の違いは、

  • 空間にピッタリ収まる:寸法・形状を現場に合わせて設計
  • 意匠の自由度が高い:素材・色・取手・仕上げを自由選択
  • 一体感がある:建築の壁・床と「面一(つらいち)」で美しく納まる
  • 価格が高い:オーダーメイドのため、既製品の2〜5倍

新築工事の流れの中で、内装工事の最終段階に造作家具が施工されます。建築・設備・電気の工事が完了してから家具が入るため、施工管理として「家具の搬入経路」と「建具・床・壁仕上げの工程順序」をうまく組むことが、現場運営の生命線になります。

https://seko-kanri.com/sintiku/

造作家具の種類

用途・場所別に主な造作家具を紹介します。

①キッチン(システムキッチン)

リビング・ダイニングと一体化した造作キッチン。一般的に「オーダーキッチン」「造作キッチン」と呼ばれます。

特徴:

  • ワークトップ(人造大理石・ステンレス・タイル)の自由選択
  • レンジフード・コンロ・食洗機の機種選定
  • 配管・電気配線の引込位置を設計時に決定
  • 価格は150〜500万円(規模・仕様による)

②洗面台・洗面ボウル

ホテル・店舗のトイレ、住宅の洗面スペースで採用。

特徴:

  • 洗面ボウルの形状・素材を意匠に合わせて選定
  • カウンター・キャビネットを一体化
  • 給排水・電源(コンセント・照明)の配線設計が必須

③テレビボード・収納家具

リビング・寝室の壁面収納として、フローリング・壁から一体的に製作。

特徴:

  • 部屋の幅にぴったり収まる
  • 配線(テレビ・AV機器)を内部に隠蔽できる
  • フリーアクセス(後ろから配線可能)の構造

④ワークデスク・書斎家具

書斎・ホームオフィスの壁面に、デスク・本棚・引出しを一体的に造作。

⑤受付カウンター・店舗什器

オフィス・店舗の受付、ショップのレジカウンター、ディスプレイ什器など。

特徴:

  • ブランドイメージに合わせた意匠
  • 電源・LAN・電話の配線を内蔵
  • 商業空間ではこの種の造作が多い

⑥クローゼット・押入れ

ウォークインクローゼット、押入れ内部の棚・ハンガー・引出しなど、収納スペースの内部造作。

種類 主な用途 価格目安 設計のキーポイント
キッチン 住宅 150〜500万円 配管・電気・換気
洗面台 住宅・店舗 30〜100万円 給排水・コンセント
テレビボード 住宅 30〜100万円 AV配線・換気
受付カウンター オフィス・店舗 50〜300万円 LAN・電源・意匠
クローゼット内部 住宅 20〜80万円 寸法・収納計画

造作家具の設計・施工フロー

造作家具を発注する場合の典型的な流れを解説します。

①設計(ヒアリング・図面化)

施主・設計者から、家具の用途・寸法・素材・予算をヒアリング。製作図(家具図)を作成。

家具図に含むべき項目:

  • 平面・立面・断面の3面図
  • 仕上げ材の指定(樹種・色・塗装)
  • 取手・引手・蝶番の金物指定
  • 配線・コンセント・スイッチの位置
  • 設備機器(コンロ・水栓等)の取合い

②積算・発注

家具屋(造作家具メーカー)に積算依頼。図面を基に部材費・加工費・取付費の見積を取得。

③工場製作

家具屋の工場で部材を加工・組立。既製品と違い、各部材を個別に製作するため、リードタイムは2〜6週間程度。

④現場搬入・取付

建築工事が一定段階まで進んだ時点で、家具を現場に搬入。

搬入のタイミング:

  • 床仕上げ・天井仕上げが完了
  • 壁の塗装・クロス貼りが完了
  • 電気配線・設備配管が立上りまで配管済

⑤建築工事との取合い調整

家具を取り付けたあとに、

  • 床と家具の見切り材
  • 壁と家具のシール処理
  • 配線をボード裏に通す処理

など、建築・電気・設備の各業者と一緒に最終納まりを調整。

⑥引渡し前検査

設置完了後、扉の開閉・引出しの動作・設備機器の作動を検査。

既製品との違い

オーダー家具(造作家具)と既製品家具の違いを整理します。

価格

既製品はメーカー量産で安く(数万円〜)、オーダー家具は少量生産で高い(数十万〜数百万)。同じ大きさのテレビボードでも、既製品で5万円のものが、造作だと50万円というのは普通。

意匠の自由度

既製品はメーカーの規格内で選択。造作家具は「素材・色・取手・寸法」全てを自由設計。建築意匠と完全に統合できるのが造作の強み。

寸法精度

既製品は標準寸法(W900×H1800等)。造作家具はミリ単位で寸法調整可能。例えば天井ふところに「ちょうど収まる」棚を作れる。

配線・配管との一体化

オーダー家具は、設計時に「ここに配線を通す」「ここに換気口を設ける」と決定可能。既製品は後付けで配線を通すしかなく、見栄えが落ちる。

メンテナンス・修理

既製品はメーカー部品を取り寄せ可能。造作家具は、製作した家具屋に修理を依頼するため、家具屋の倒産・廃業リスクがある。

比較項目 造作家具 既製品
価格
意匠自由度
寸法精度 規格内
配線一体化 容易 困難
修理対応 家具屋に依頼 メーカー

造作家具と電気工事の取合い

造作家具に電気・設備が絡むケースは多く、ここで施工管理が事前にどこまで段取りを詰めておけるかで、現場での後戻り工事の量が大きく変わります。

コンセント・スイッチの位置設計

家具の天板や引出しの中、棚板の下にコンセントを設置するケースがあります。家具の構造によって配線ルートが変わるので、設計段階で電気屋・家具屋の3者打合せが必須。

ビルトイン家電の電源

オーブン・食洗機・電動ブラインド等のビルトイン機器は、家具内部に電源コンセントを設置。専用回路(200V・100V)の配線が必要なケースもあるため、契約電力(https://seko-kanri.com/anpea/)の見直しと一緒に検討。

LAN・電話・テレビ配線

オフィス受付・テレビボードでは、家具内部にLAN・電話・テレビ配線を埋設。配線が見えない美しい仕上がりになる代わりに、後で配線を追加するのが困難になる。将来の拡張性を考えて、空配管(CD管:https://seko-kanri.com/pf-cd/)を予備として通しておくのがベター。

照明(家具内・棚下灯)

棚下灯・キャビネット内部のLED照明など、家具と一体化した照明配線も施工管理として扱う領域。LEDテープライト・スポットライトの調光配線まで含めて、家具屋・電気屋の協同作業になります。

アース・絶縁

家具内部にビルトイン家電が入る場合、アース線の処理(接地:https://seko-kanri.com/setti/)と絶縁の確認が必須。漏電・感電リスクは家具内では特に注意が必要です。

造作家具の注意点

施工管理として現場で押さえておきたい注意点を4つ。

①搬入経路の確保

工場で製作した造作家具は、サイズが大きく分割できないことが多い。エレベーター内寸・廊下幅・建具開口寸法を事前確認し、搬入できることを確認。最悪は「現場で組み立てる」前提で設計することも。

②建築工事との順序

家具設置前に、床・壁・天井の仕上げが完了している必要があります。塗装・クロス貼り後に家具を据え付けると、家具と壁の隙間にシール処理が必要。順序を間違えると、後戻り工事になります。

③素材の経年変化

造作家具の天板(人造大理石・木材・ステンレス)は、それぞれ経年変化の特性が違います。施主に「10年後にどう変化するか」を事前説明しておかないと、クレームになります。

④保証範囲

造作家具は、家具屋の製作物であり、建設会社の保証範囲とどう線引きするかを契約時に明確にしておきます。一般的に、本体構造の保証は家具屋、建築躯体との接続部の保証は建設会社、というのが業界慣習。

以前、地方都市のシティホテル新築でフロントカウンター(W4500×D900×H1100)の造作工事に立ち会ったことがあります。家具内部にLAN8口・電源6口・電話6回線を埋め込む仕様で、家具屋さんへの発注前に意匠図と弱電・強電図面を3者(家具屋/電気屋/弊社)で重ね合わせ、配線通路として20mmφの空配管を3本仕込んでもらう仕様にしました。当日カウンターを据え付けて配線を通す段で、空配管が一発で機能して30分で全配線が通せたときの安堵感は今でも覚えています。改修工事(https://seko-kanri.com/kaisyu-kouji/)で既存造作家具を活かしながら配線変更するときは、家具屋さんの図面が残っているかが勝負になるので、現役案件のうちに「家具内部の配線図を竣工図書に残してもらう」運用にしておくと、後年のリニューアルで助かります。

造作家具に関する情報まとめ

  • 造作家具とは:建物に合わせて設計・製作・取付するオーダーメイド家具
  • 種類:キッチン/洗面台/テレビボード/受付カウンター/クローゼット等
  • 設計フロー:ヒアリング→図面化→積算→工場製作→現場取付→検査
  • 既製品との違い:価格・意匠自由度・寸法精度・配線一体化が優位
  • 電気工事との取合い:コンセント/ビルトイン家電/LAN/照明配線
  • 注意点:搬入経路/工事順序/経年変化/保証範囲

以上が造作家具に関する情報のまとめです。建築・電気・設備・家具屋の4者連携が必要な複合工事ですが、設計段階で図面を突き合わせれば、施工はスムーズに進みます。施工管理として、造作家具の発注・施工を経験すると、空間設計の総合力が一段上がります。一通り基礎知識は理解できたと思います。

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