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耐水石膏ボードとは?特徴、グリーンボード、寸法、使う場所など

  • 耐水石膏ボードってなに?普通のボードと何が違う?
  • 「グリーンボード」って呼ばれてるけど色がついてるの?
  • 防水ボードと耐水ボードってどう違う?
  • 寸法・厚みのバリエーションは?
  • どんな場所に使うの?
  • 施工で気をつけることは?

上記の様な悩みを解決します。

耐水石膏ボードとは、結論「水分を吸いにくい処理を施した石膏ボード」のことです。表面の紙が緑色に着色されているので、業界では「グリーンボード」の通称で呼ばれます。「水回りに使うボード=グリーンボード」と覚えておくと現場で迷わないんですが、注意したいのは「耐水=防水ではない」こと。あくまで濡れにくくしたボードであって、水を遮断する材料ではないので、仕上げ材で水仕舞いをきちんとするのが施工管理の腕の見せ所だったりします。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

耐水石膏ボードとは?

耐水石膏ボードとは、結論「石膏(焼石膏)にシリコン系防水処理を施し、表面の紙にも撥水処理を加えた石膏ボード」のことです。

JIS A 6901「石膏ボード製品」に規定された製品で、シ系(シ:シリコン処理)として記号で表記されます。

業界での通称は「グリーンボード」。表面紙を緑色に着色して普通石膏ボードと区別しているため、現場で「グリーンボードちょうだい」と言えば耐水ボードを指す、というのが業界の暗黙ルールです。

一般の石膏ボードとの違いは、

  • 石膏(コア部分)にシリコン系撥水剤を混入:水分の浸透を抑える
  • 表面紙にも撥水処理:紙が水を吸って劣化するのを防ぐ
  • JISの吸水率規定がある:8%以下(普通石膏ボードは規定なし、実態は20〜30%)

の3点。シリコン処理によって水分を吸いにくくなっているのが本質です。

ただし強調しておきたいのは、「耐水石膏ボード」≠「防水ボード」です。あくまで「水濡れに強い」だけで、長時間水に浸かっても大丈夫というわけではありません。水を遮断するのは仕上げ材(タイル・防水シート・防水塗装)の仕事で、耐水石膏ボードはその下地として使う材料、という位置づけです。

普通の石膏ボードはこちらでも解説しています。

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普通の石膏ボードとの違い

通常の石膏ボード(PB)と耐水石膏ボード(GB)の比較を整理しておきます。

項目 普通石膏ボード(PB) 耐水石膏ボード(GB)
JIS記号 GB-R GB-S
表面紙色 白〜クリーム
吸水率規定 なし 8%以下
シリコン処理 なし あり
価格 標準 普通の1.3〜1.5倍
主な用途 一般居室、廊下 水回り、浴室外壁

シ=シリコン処理の頭文字で、耐水ボードはJIS記号の末尾が「GB-S」になります。普通ボードは「GB-R」(Regular)。

「ザ・スーパー耐水ボード」「タイガーEXハイパー」など

JIS規格の上位互換として、メーカー独自の高耐水ボードもあります。

  • 吉野石膏「タイガーEXハイパー」:吸水率4%以下、防水性が普通の耐水ボードの倍
  • チヨダウーテ「ザ・スーパー耐水ボード」:浴室天井・壁下地用

通常のグリーンボードよりさらに水濡れに強い製品で、ユニットバスの内側下地など、より厳しい環境向け。

防水石膏ボード

「防水石膏ボード」と呼ばれる製品もごくまれにありますが、JIS A 6901に「防水石膏ボード」というカテゴリは存在しません。実際は耐水石膏ボードか、あるいは耐水石膏ボードに防水処理を追加したメーカー独自製品を指すことが多いです。「耐水」と「防水」の言葉の違いを理解した上で、図面・仕様書を読み解いてください。

規格と種類

耐水石膏ボードのJIS規格と寸法バリエーションを押さえましょう。

JIS A 6901の規定

項目 規定値
吸水率 8%以下
曲げ破壊荷重 普通石膏ボードと同等以上
比重 0.65以上
燃焼性 不燃材料

吸水率はボードを水に浸けてどれくらい吸うかを測定する試験。普通の石膏ボードが20%以上吸うのに対し、耐水ボードは8%以下で抑えられています。

寸法(厚み・幅・長さ)

代表的なサイズは、

厚み 長さ 主な用途
9.5mm 910mm 1,820mm 軽量壁下地、天井
12.5mm 910mm 1,820mm 標準壁下地(最頻出)
15mm 910mm 1,820mm 防火構造、強化壁

12.5mm×910mm×1,820mm(3×6判、サブロク板)が最も流通しているサイズです。

防火認定

耐水石膏ボードは石膏ボードと同様に不燃材料として認定されています。建築基準法上、

  • 不燃材料
  • 準不燃材料(複層構成)
  • 耐火被覆:1時間耐火・2時間耐火構造の構成材

として活躍します。

耐火被覆の話はこちら。

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メーカーラインナップ

国内主要3社が市場をほぼ占めます。

  • 吉野石膏(タイガーボード):シェアトップ。タイガーボード・耐水
  • チヨダウーテ:チヨダウーテ耐水ボード
  • 菊水化学工業:耐水ボード

設計図書では「タイガーボード・耐水、または同等品」のように指定されることが多いです。

使う場所(用途)

水回り全般で使われますが、具体的にどこで使うかを整理します。

キッチン

シンク周辺・コンロ周辺の壁下地に使用。

  • シンク前:水が跳ねる範囲
  • コンロ前:油・水蒸気が当たる範囲

仕上げ材はキッチンパネル・タイル・耐水クロスなどが主流。ただし、直接水が当たる場所はないので、グリーンボードで十分というのが標準的な選定。

浴室の周辺壁

ユニットバスの場合は内側に水が触れないので、外側壁の下地として耐水石膏ボードを使います。

  • ユニットバス外側の壁:浴室から出る湿気対策
  • 洗い場のない浴室の壁:従来工法浴室では、防水層+耐水ボード

最近の住宅はユニットバスが主流なので、浴室の壁本体は耐水ボードを使わず、外側壁だけ耐水ボードで湿気対策、という構成が多いです。

トイレ

便器周辺の腰壁・床下地に使用。便器排水管周りや手洗い周辺で水が跳ねる可能性があるため、腰壁高さまで耐水ボードにする仕様が一般的。

洗面所

洗面台周辺、特に洗面台の裏面・側面壁に使用。手洗い時の水跳ね・湿気対策です。

バルコニー・屋外側壁

屋外側に面する壁の内側下地として使うこともあります。雨水の浸入を完全に防ぐ仕上げが施されている前提で、内側下地を耐水ボードで補強する構成。

ガレージ・倉庫

車の出し入れで湿気・結露が出やすい空間でも採用例があります。

結露対策

北側の冷えやすい部屋・寝室などで、結露で石膏ボードが劣化するのを防ぐ目的で耐水ボードを下地にすることもあります。「結露が出る場所=耐水ボード」と覚えておくと汎用的です。

結露対策の基本はこちら。

施工方法と注意点

耐水石膏ボードの施工は、基本的に普通石膏ボードと同じですが、水回り特有の注意点があります。

ビス・釘の頭処理

ビス頭は壁仕上げの邪魔になるので、

  • ビス頭は0.5mm程度埋め込み:ボード表面より沈める
  • 錆びにくいビスを使用:ステンレス、または防錆処理ビス
  • ビス頭にパテ処理+シーラー:水分が侵入しないよう封止

水回りでは普通鋼のビスは半年でサビが出てくるため、ステンレスビス・コートビスが必須。

継ぎ目(ジョイント)処理

ボードどうしの継ぎ目は、

  • テーパー部にパテ:3回打ち(下塗り・中塗り・上塗り)
  • ファイバーテープ補強:ジョイント部の割れ防止
  • シーラー塗布:ジョイント部の吸水を均一化

特に水跳ねの多い場所では、シーリング材で水仕舞いを追加する場合もあります。

コーナー・出隅・入隅

コーナー部は水分が溜まりやすいので、

  • コーナービード:金属ビードで角を強化
  • シーリング材充填:床・壁の取り合いをシリコンシーラントで封止

入隅(壁と床の取り合い)はシーリング処理を必ず実施します。

仕上げ材との取り合い

タイル仕上げの場合、

  • モルタル下地を経由するか、直接タイル張りするか
  • シール材で水仕舞い:目地・出隅・入隅の防水処理

を施工要領書通りに進めます。直接タイル張りの場合、耐水ボードの吸水を防ぐためプライマーを塗布してからタイル接着剤を塗る、という工程が標準。

タイル工事関連はこちらでも触れています。

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切断・搬入時の注意

耐水ボードは切断面から水を吸うので、

  • 搬入時は雨ざらしにしない
  • 切断面はシーラーまたはコーキング処理
  • 仮置きは床直置きを避け、パレットに上げて湿気を遮断

切断面の処理を怠ると、せっかくの耐水性能が活きません。

施工後の検査ポイント

竣工前検査で以下を確認します。

  • ボードの色(緑)が正しい場所に配置されているか
  • 継ぎ目のパテ・シーリング処理
  • コーナーのシーリング
  • ビス頭の錆・浮き

設計者立会いで「指定通りグリーンボードが入っているか」が確認されることもあります。

耐水石膏ボードに関する情報まとめ

  • 耐水石膏ボードとは:シリコン処理で水分を吸いにくくした石膏ボード
  • JIS規格:JIS A 6901、記号はGB-S
  • 通称:グリーンボード(表面紙が緑色)
  • 吸水率:8%以下(普通石膏ボードは無規定で20〜30%)
  • 耐水≠防水:水濡れに強いだけで、水を遮断するわけではない
  • 代表寸法:12.5mm×910mm×1,820mm(サブロク板)
  • 主な用途:キッチン・浴室外側・トイレ・洗面所・結露しやすい部屋
  • メーカー:吉野石膏(タイガーボード)、チヨダウーテ、菊水化学工業
  • 施工:ステンレスビス、継ぎ目パテ+シーリング、出隅入隅のシーリング処理
  • 切断面の処理:シーラー塗布で吸水を防ぐ

以上が耐水石膏ボードに関する情報のまとめです。

耐水石膏ボードは「緑のボード=水回り」と覚えれば現場では困らないんですが、「耐水」と「防水」を混同している人が意外と多いのが落とし穴です。最終的に水を止めるのは仕上げ材の仕事で、耐水ボードは下地として水濡れに耐えるだけ、という役割分担を理解した上で、ジョイント・コーナー・ビス頭の処理をしっかりやれば長持ちする壁になりますよ。施主との打ち合わせで「水回りの壁、どんなボードですか?」と聞かれたら、グリーンボードを使う旨と、なぜ普通のボードではダメなのかを説明できると信頼感が違うかなと思います。

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