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SS400とは?特性、規格、用途、SS490・SM490との違いなど

  • SS400ってなに?
  • SSってなんの略?
  • 数字の400ってどういう意味?
  • 普通鋼ってこと?
  • SS490やSM490と何が違う?
  • 現場でよく見るのはどこ?

上記の様な悩みを解決します。

「SS400」は、鉄骨造・架台・ブラケット・部材の汎用素材として圧倒的な国内シェアを誇る、鋼材の代表格。施工管理として現場に立つなら、規格と特性を知らないとカタログも図面も読めません。短時間でしっかり押さえておきたいキーワードです。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

SS400とは?

SS400とは、結論「一般構造用圧延鋼材のうち、引張強さ400〜510 N/mm²のクラスの鋼材」のことです。

日本産業規格JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材)で規定された、最も汎用的な構造用鋼材のひとつ。建築・土木・機械・船舶あらゆる分野で使われています。

SSと数字の意味

SS400の名前の意味

  • SS:Steel Structure(一般構造用圧延鋼材:Steel for general Structural use)の略
  • 400引張強さの下限値400 N/mm²を表す

数字は強度ランクで、SS400 < SS490 < SS540という関係。数字が大きいほど強い鋼材です。

「SS400」と聞いたら「JIS G 3101の400クラスね、引張強さ400 N/mm²以上の汎用鋼」と即座に頭に浮かぶようにしておきたいところ。

SS400の規格・性能

JIS G 3101での主な性能規定を整理します。

引張強さと降伏点

SS400の機械的性質(JIS G 3101)

項目 規定値
引張強さ 400〜510 N/mm²
降伏点(厚さ16mm以下) 245 N/mm²以上
降伏点(厚さ16mm超〜40mm以下) 235 N/mm²以上
降伏点(厚さ40mm超〜100mm以下) 215 N/mm²以上
伸び(厚さ5〜16mm) 17%以上
伸び(厚さ16mm超〜50mm以下) 21%以上

厚さが増えるほど降伏点が下がる」というのが鋼材の特徴で、これは厚みが増えるほど内部の組織が均質化しにくいことに起因しています。

化学成分

SS400は化学成分の規定が緩いのが特徴。リン(P)≦0.050%、硫黄(S)≦0.050%しか規定されていません。炭素含有量の規定がないため、溶接性は後述するように一段劣ります。

物理的性質

鋼材一般の物理性質

  • ヤング係数 E:205,000 N/mm²
  • ポアソン比:約0.3
  • 線膨張係数 α:1.2×10⁻⁵ / ℃
  • 密度:約7,850 kg/m³

ヤング係数の話は別記事で詳しく書く予定ですが、まずは「鋼材は205,000 N/mm²」と覚えておくと話が早い。

鉄骨と鉄筋の違いはこちら。

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SS400の用途

汎用鋼」と呼ばれるだけあって、用途は超広範囲。

SS400の代表的な用途

  • 形鋼類:H形鋼、I形鋼、Cチャンネル、L形鋼、T鋼の素材として
  • 鋼管・パイプ:機械構造用
  • 鋼板:架台、ベースプレート、補強板
  • ブラケット・ガセットプレート:部材接合
  • アンカープレート・タブプレート
  • 設備機器の支持架台、ケーブルラックの吊り金物
  • 手すり、タラップ、グレーチング

H形鋼の話はこちらでも触れています。

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ただし、主要鉄骨梁・柱の高層建物では、SS400ではなく後述のSM490やSN材が使われるケースが増えています。理由は溶接性と耐震性能のバランスです。

SS400・SS490・SM490の違い

施工管理者として混同しがちな鋼材規格の違いを整理します。

規格 JIS規格 引張強さ 主な用途 溶接性
SS400 JIS G 3101 400〜510 N/mm² 一般構造、機械、架台 △(配慮要)
SS490 JIS G 3101 490〜610 N/mm² やや高強度の構造材
SS540 JIS G 3101 540 N/mm²以上 高強度部材 ×
SM400A/B/C JIS G 3106 400〜510 N/mm² 溶接構造用 ○〜◎
SM490A/B/C JIS G 3106 490〜610 N/mm² 溶接構造用 ○〜◎
SN400A/B/C JIS G 3136 400〜510 N/mm² 建築構造用(耐震対応) ◎(特に B、C)
SN490B/C JIS G 3136 490〜610 N/mm² 建築構造用、耐震

ざっくり区分

  • SS(Steel Structure):一般構造用、化学成分規定が緩い
  • SM(Steel Marine = 元は船舶用、現在は溶接構造用):溶接性を確保した規格
  • SN(Steel for New Structure):建築構造用に1994年制定。耐震・溶接・厚板への対応強化

溶接が頻繁にある建築鉄骨構造はSN材、機械部品や軽微な構造はSS材」と覚えるとシンプル。SN材は建物の躯体梁・柱に使われ、SS400はブラケット・架台・補強材で活躍する、というのが現代の使い分けです。

スプライスプレートはSS400で十分ですね。

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SS400の許容応力度

SS400を使った設計で出てくる許容応力度の代表値を押さえます。

SS400の許容応力度(建築基準法・告示準拠、厚さ40mm以下)

応力種類 長期 短期
引張応力度 156 N/mm² 235 N/mm²
圧縮応力度 156 N/mm²(座屈考慮で減少) 235 N/mm²
曲げ応力度 156 N/mm² 235 N/mm²
せん断応力度 90 N/mm² 135 N/mm²

長期=平常時、短期=地震・暴風時と理解してOK。短期の値が長期の1.5倍になっているのが慣習。

実際の構造計算では、F値(基準強度=降伏点と引張強度から決まる値)を使って許容応力度を算出します。

SS400の溶接性

溶接性能はSS400を使う上で最も注意すべきポイント

SS400の溶接特性

  • 化学成分(炭素、リン、硫黄)の規定が緩い
  • ロットによっては炭素当量Ceqが高くなり、溶接割れリスク
  • 厚板(25mm超)の溶接では予熱が推奨されるケースが多い
  • 溶接構造の主要部材には不向き(→ SM材・SN材を使う)

SS400で溶接すると「何も問題なくつく」ことが多いんですが、強度試験で溶接金属がブツッと割れるケースが時々起こる。これは原料ロットの炭素含有量のバラツキが原因。

重要構造部材で溶接が前提なら、必ずSM材・SN材を選定するのが鉄則です。

ダイヤフラムも溶接接合なので、ここの材質指定は要チェック。

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施工管理として押さえるSS400のポイント

現場でSS400を扱う際の実務的なチェックポイントです。

SS400の施工管理ポイント

  • 設計図書での材質指定を必ず確認:SS400・SM490・SN490を取り違えない
  • ミルシート(鋼材検査証明書)の保管:成分・機械的性質・ロット記録
  • 現場切断後の防錆処理:SS400は錆びやすい
  • 塗装下地のケレン処理:第3種ケレン以上が標準
  • 重ねしろ・隅肉溶接サイズ:設計指示通り
  • 溶接前の予熱:厚板・低温時の溶接は要予熱
  • 熱影響部のチェック:溶接後の組織変化を確認

材質変更は「単価アップ請求」に直結するので契約段階で潰す

屋上キュービクル架台などの鋼製架台製作で「SS400指定」を出したのに、二次下請業者が「SS400の入手難」「強度的にSS490の方が安全」など理由をつけてSS490を勝手に使って単価を上げて請求してくる事案は実際にあります。対策は契約段階で「材質変更は元請承認なしに不可、勝手に変更した場合の追加費用は認めない」を契約書・発注書に明記すること。ミルシート(鋼材検査証明書)の提出を必須にして、納品時に指定材質と一致するか確認するのも標準運用です。

ミルシートの管理は鉄骨検査の必須項目。配筋検査と並んで、鉄骨検査も施工管理者の重要な立ち会いポイントです。

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SS400に関する情報まとめ

  • SS400とは:JIS G 3101の一般構造用圧延鋼材で、引張強さ400〜510 N/mm²クラス
  • 名前の意味:SS = Steel Structure、400 = 引張強さの下限値(N/mm²)
  • 降伏点:厚さ16mm以下で245 N/mm²以上
  • 物理性質:ヤング係数205,000 N/mm²、密度7,850 kg/m³、線膨張1.2×10⁻⁵/℃
  • 用途:形鋼/鋼管/鋼板/ブラケット/架台/設備支持金物
  • 類似規格:SS490(高強度)/SM400・SM490(溶接構造用)/SN400・SN490(建築構造用)
  • 使い分け:建築躯体はSN材、機械・架台はSS400
  • 溶接性:化学成分規定が緩く、重要構造の溶接にはSM・SN材推奨
  • 施工管理の勘所:材質指定確認/ミルシート保管/防錆処理/溶接予熱/材質代替の禁止

以上がSS400に関する情報のまとめです。

一通りSS400の基礎知識は理解できたと思います。「SS400はみんなのスタンダード鋼材、ただし建築躯体はSN材」というメリハリを覚えておけば、現場で恥をかかずに済みますね。

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