- 有孔ボードってなに?
- 穴の規格って決まってる?
- ペグボードと同じもの?
- どんなサイズがあるの?
- 吸音以外の用途は?
- 施工で気をつけることは?
上記の様な悩みを解決します。
「有孔ボード」は、規則的な穴があいた板材で、店舗ディスプレイ・収納・吸音・DIYなど多用途で使える便利な建材。施工管理として種類と規格を整理しておきましょう。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
有孔ボードとは?
有孔ボードとは、結論「規則的に穴(パンチ孔)が並んだ板材」のことです。
英語で「Pegboard(ペグボード)」「Perforated Board」。日本では「有孔ボード」「有孔ハードボード」と呼ばれることが多いですね。
有孔ボードの基本特性
- 規則的なパンチ孔(直径5mm程度が標準)
- 穴ピッチは25mm or 50mmが標準
- 板材はハードボード/合板/MDF/金属等
- 厚みは3〜9mmが一般的
- 軽量で加工しやすい
- 用途は収納・吸音・装飾まで幅広い
「ペグボード」は英語名そのままですが、業界では有孔ボード=ペグボードとして同義に使われています。
有孔ボードの種類
材質・規格でいくつかに分類されます。
1. 材質による分類
有孔ボードの主な材質
- ハードボード(圧縮繊維板):最も一般的、安価
- MDF:高密度繊維板、加工性◎
- 合板:木質感、ナチュラル意匠
- 金属(鋼板・アルミ):耐久性◎、業務用
- セラミック:吸音性能◎
- 石膏ボード系:天井吸音用
- 不燃ボード:耐火要求の場面
2. 穴ピッチによる分類
有孔ボードの穴ピッチ
- 25mmピッチ(25cmあたり10穴):細かい収納用
- 50mmピッチ(25cmあたり5穴):標準、店舗ディスプレイ
- 75mmピッチ:広めの装飾、特殊用途
「25P有孔ボード(25mmピッチ)」「50P有孔ボード(50mmピッチ)」のように呼ばれます。
3. 穴径による分類
標準的な穴径
- φ4.5mm:細かい用途
- φ5mm:最も普及
- φ6mm:太いフックを使う場合
有孔ボードのサイズ
定番サイズを整理します。
有孔ボードの代表的サイズ
- 910mm × 1820mm(3×6サイズ):定番
- 1220mm × 2430mm(4×8サイズ):大判
- 600mm × 900mm:小さなDIY用
厚みの目安
- 3mm:軽量・装飾用
- 4mm:標準
- 5.5mm:頑丈、店舗用
- 9mm:吊り棚に近い使い方
有孔ボードの主な用途
意外と多用途な有孔ボード。代表的な用途を整理。
1. 店舗ディスプレイ・什器
商品をフックで吊るす店舗の壁面ディスプレイで多用。アパレル・雑貨店・工具店などで定番。
2. 工場・工房の工具収納
工具を見える化して収納。工具配置を見れば足りない工具がすぐ分かる「シャドーボード化」。
3. オフィス・打ち合わせコーナーの装飾
コルクボードの代替として、メモ・写真・ポストカードを掛ける用途。
4. 吸音材
有孔ボード+背面の空気層+グラスウールでヘルムホルツ共鳴の原理を使った吸音壁・天井。
ホール・スタジオ・会議室の吸音設計で活用。
グラスウールの話はこちら。

5. 軒天材
有孔ケイカル板は、屋根裏の換気を兼ねた軒天材として標準的。
ケイカル板の話はこちら。
6. DIY・ホームセンター用途
個人住宅の壁面収納として人気。ホームセンターで普通に販売されています。
7. 機械の通気カバー
機械装置内部の通気を確保しつつ目隠しするパネルとして。
有孔ボードの施工方法
代表的な施工方法を整理します。
1. 下地準備
LGS or 木下地を組む。フックの引抜き荷重を考慮して、間柱の位置でビス留めできる構成に。
LGSの基本はこちら。

2. 取付方法
取付方法の代表例
- ビス止め:木下地・LGS下地への直接固定
- 下穴付きビス止め:割れ防止
- ボードアンカー:軽量物のみ
- 後ろから引き棒で固定:意匠重視
3. 端部・コーナー処理
カッター or 丸ノコでカット。切断面が荒くなるので面取り or 見切り材で処理。
4. 仕上げ・塗装
ハードボード・MDF系はシーラー+仕上げ塗装で意匠調整。
5. フック・アクセサリ取付
ペグフック・棚受け・ワイヤーネットなどのアクセサリで実用化。
有孔ボードの吸音性能
「吸音材としての有孔ボード」は、特殊な原理で機能しています。
ヘルムホルツ共鳴の原理
有孔ボード+背面空気層+多孔質吸音材(グラスウール等)の組み合わせで、共鳴吸音を発生させます。
ヘルムホルツ共鳴の構成要素
- 表面の有孔ボード(穴)
- 背面の空気層(数十mm)
- 空気層内のグラスウール・ロックウール
特定の周波数帯(中・低音域)の音が穴に吸い込まれて熱エネルギーに変換される仕組み。
ロックウールの話はこちら。

吸音性能の特徴
有孔ボード吸音壁の特徴
- 中低音域に強い(500Hz以下)
- 意匠性◎:吸音材を隠せる
- 施工が容易
- メンテナンス性◎:表面拭き取り
ホール・会議室・録音スタジオの吸音壁で、有孔ボードは定番です。
施工管理として押さえる有孔ボードのポイント
現場で有孔ボードを管理する際のチェックリスト。
有孔ボード施工管理のチェック項目
- 穴ピッチの指定確認:25Pか50P
- 下地の取付強度:フック荷重に耐えるか
- 割付計画:意匠的な穴の連続性
- 切断面の処理:見切り材 or 面取り
- 吸音用途の場合の仕様:背面空気層、吸音材厚
- 塗装時の穴詰まり防止:ローラーで穴を塞がない
- 耐火要求の確認:耐火区画では不燃材を選定
「ローラー塗装で穴が塞がる」事故は吸音性能ゼロを意味する
会議室・スタジオなどで有孔ボードを吸音壁として採用した場合、塗装業者がうっかりローラーで塗ると穴が塗料で塞がる事故が頻発します。穴が塞がれば吸音性能ゼロで、後ろの吸音材も無意味に。対策は塗装計画段階で「ローラー禁止、スプレー or 吹付指定」を明記し、塗装着手前にサンプル板で確認してから本施工に入ること。仕上げ時の数時間の手間で、後から壁全面を剥がして再施工する数百万円の手戻りを防げます。
有孔ボードに関する情報まとめ
- 有孔ボードとは:規則的に穴があいた板材(別名:ペグボード)
- 材質:ハードボード/MDF/合板/金属/セラミック/石膏/不燃
- 穴ピッチ:25P/50P/75P。穴径φ4.5〜6mm
- サイズ:910×1820(3×6)が定番、厚み3〜9mm
- 主な用途:店舗ディスプレイ/工具収納/吸音/軒天/DIY/装飾
- 施工:下地準備→取付→端部処理→仕上塗装→フック取付
- 吸音原理:ヘルムホルツ共鳴(中低音域に強い)
- 施工管理の勘所:穴ピッチ/下地強度/割付/切断面/吸音仕様/塗装時の穴詰まり
以上が有孔ボードに関する情報のまとめです。
一通り有孔ボードの基礎知識は理解できたと思います。「用途で穴ピッチが変わる、吸音用途は背面構成が命」という感覚を押さえておけば、設計者・店舗デザイナーとの打ち合わせがスムーズになりますね。
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