リアクタンスとは?単位、計算、公式、インピーダンスとの違いなど

  • リアクタンスって結局なに?抵抗と何が違うの?
  • 単位がΩなら抵抗と同じじゃないの?
  • 誘導性と容量性の2つがあるみたいだけど違いが分からん
  • 公式の2πfLとか1/2πfC、覚えられない
  • 周波数で値が変わるってどういうこと?
  • 位相が進む・遅れるの意味がピンとこない
  • インピーダンスとリアクタンスの違いが曖昧
  • なんで虚数(j)が出てくるの?文系には無理
  • 結局、現場の何に効いてくるの?
  • 進相コンデンサの直列リアクトル6%・13%って何の話?
  • 電験や施工管理技士の試験で毎回つまずく

上記の様な悩みを解決します。

リアクタンスは、交流回路を理解するうえで避けて通れない用語です。「抵抗の仲間でしょ?」くらいの理解で止まっている人が多いですが、ここを曖昧にしたまま進むと、力率改善や進相コンデンサ、直列リアクトルの選定といった受変電設備の実務でつまずきます。今回は定義・単位・公式・計算といった基本を押さえた上で、現役の電気施工管理目線で「抵抗との本質的な違い」「周波数と位相の関係」「インピーダンスとの違い」、さらに競合記事がほぼ触れていない「受変電設備でリアクタンスが実際に効いてくる場面」まで網羅的に整理しました。

なるべく数式アレルギーの人にも分かるように、イメージと現場の使いどころをセットで説明していくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

リアクタンスとは?

リアクタンスとは、結論「交流回路において、コイル(インダクタ)やコンデンサ(キャパシタ)が示す“電流の流れにくさ”」のことです。記号は X、単位は抵抗と同じ Ω(オーム) を使います。

ポイントは「交流のときだけ現れる流れにくさ」という点です。直流ではコイルはただの電線、コンデンサはただの絶縁体として振る舞いますが、交流になった瞬間にコイルもコンデンサも電流を妨げる働きを持ち始めます。この交流特有の流れにくさがリアクタンスです。直流と交流の基本的な違いはこちらでも整理しています。

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抵抗(R)との一番の違いは、リアクタンスは電気エネルギーを熱として消費しないことです。抵抗は電流を流すと発熱しますが、リアクタンスはエネルギーを一度コイルの磁界やコンデンサの電界に貯め込んで、また回路に返す。だから「流れにくくしている割に電気を消費しない」という、直感に反する性質を持ちます。

僕の感覚だと、リアクタンスは「抵抗の親戚」ではなく「抵抗とは別の生き物」と捉えた方が腹落ちします。新人の頃に「同じΩなんだから抵抗と足し算すればいいんでしょ」と単純に考えて、力率の計算で混乱した記憶があります。後述しますが、抵抗とリアクタンスは単純な足し算では合成できません。ここを最初に押さえておくと、この先の話が一気に分かりやすくなります。

リアクタンスの単位はなぜΩ(オーム)なのか

リアクタンスの単位は抵抗と同じ Ω(オーム) です。これが多くの人を混乱させる最大のポイントだと思います。「同じ単位なら同じものじゃないの?」という疑問は当然です。

単位が同じ理由はシンプルで、リアクタンスも抵抗も「電圧 ÷ 電流」で求まる量だからです。オームの法則と同じく、リアクタンス X は次の関係で表せます。

X = V / I [Ω]

つまり「ある電圧をかけたとき、どれだけ電流が流れにくいか」を表す指標なので、単位は抵抗と揃ってΩになります。単位が同じ=役割が同じ、ではない点に注意してください。

項目 抵抗 R リアクタンス X
単位 Ω Ω
求め方 V / I V / I
発生する素子 抵抗器・電線・負荷 コイル・コンデンサ
エネルギー 熱として消費する 消費せず貯めて返す
周波数の影響 受けない 受ける(後述)
直流での働き 直流でも働く 直流では基本的に働かない

僕としては、単位が同じΩなのに中身が違うこの感じは「同じ”円”でも日本円と米ドルくらい意味が違う」とイメージすると分かりやすいと感じます。数字の上では同じΩとして合成計算に放り込みますが、物理的な意味は別物。だから後で出てくるインピーダンスの計算で、ただの足し算ではなく三平方の定理のような合成が必要になります。

誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスの違い

リアクタンスには 誘導性リアクタンス(XL) と 容量性リアクタンス(XC) の2種類があります。どちらもΩで表しますが、発生源と性質が正反対です。

比較項目 誘導性リアクタンス XL 容量性リアクタンス XC
発生する素子 コイル(インダクタ) コンデンサ(キャパシタ)
公式 XL = 2πfL XC = 1 / (2πfC)
周波数が上がると 大きくなる(比例) 小さくなる(反比例)
電流の位相 電圧より遅れる 電圧より進む
イメージ 電流の変化を嫌う 電圧の変化を嫌う

コイルは「電流が急に変わるのを嫌う」性質(自己誘導)があり、その結果として電流を妨げます。コンデンサは逆に「電圧が急に変わるのを嫌う」性質があり、こちらも交流の変化に対して電流を妨げる方向に働きます。発生メカニズムは真逆ですが、どちらも「交流の変化に逆らう」という点で共通しています。

コイルそのものの性質についてはインダクタンスの記事、コンデンサそのものについてはコンデンサの記事で詳しく扱っています。

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僕の感覚だと、この2つは「アクセルとブレーキ」のように正反対の性質として覚えるのが一番です。後述の力率改善では、この正反対の性質を利用して、遅れている電流(誘導性)を進める方向(容量性)に引っ張り戻す、という発想で機器を選定します。誘導性と容量性が打ち消し合う関係にある、というのが現場で効いてくる最重要ポイントなので、ここは性質をセットで頭に入れておくと後が楽です。

リアクタンスの計算と公式

リアクタンスの計算は、2つの公式を押さえれば実務ではほぼ事足ります。改めて整理します。

誘導性リアクタンス:XL = 2πfL(f:周波数[Hz]、L:インダクタンス[H])

容量性リアクタンス:XC = 1 / (2πfC)(f:周波数[Hz]、C:静電容量[F])

「2πf」の部分は 角周波数 ω(オメガ) とまとめて表記されることも多く、その場合は XL = ωL、XC = 1/(ωC) となります。ωと2πfは同じものを指していると覚えておけば、参考書ごとの表記ゆれに惑わされません。

計算例(誘導性リアクタンス)

50Hzの交流で、インダクタンス0.1H(100mH)のコイルのリアクタンスを求めます。

XL = 2 × 3.14 × 50 × 0.1 ≒ 31.4 Ω

同じコイルでも、関東の50Hzではなく関西の60Hzで使うと、

XL = 2 × 3.14 × 60 × 0.1 ≒ 37.7 Ω

となり、周波数が上がった分だけリアクタンスも大きくなります。

計算例(容量性リアクタンス)

50Hzの交流で、静電容量100μF(0.0001F)のコンデンサのリアクタンスを求めます。

XC = 1 / (2 × 3.14 × 50 × 0.0001) ≒ 31.8 Ω

容量性は周波数が上がると逆に小さくなる点に注意してください。

僕としては、公式を丸暗記するより「XLは分子にf、XCは分母にf」という置き場所だけ覚えるのが実用的だと感じます。f(周波数)がどちらの式の上にあるかさえ分かれば、「周波数が上がるとどっちが増えてどっちが減るか」が瞬時に判断できる。試験でも現場でも、この一点を押さえているかどうかで計算の速さがまるで変わります。

リアクタンスと周波数の関係

リアクタンスの一番の特徴は、抵抗と違って 周波数によって値が変わる ことです。ここが「リアクタンスは交流特有」と言われる理由の核心です。

周波数の変化 誘導性リアクタンス XL 容量性リアクタンス XC
周波数が高くなる 大きくなる(流れにくくなる) 小さくなる(流れやすくなる)
周波数が低くなる 小さくなる 大きくなる
直流(f=0) 0Ω(ただの導線) 無限大(電流を通さない)

直流(周波数0Hz)で考えると分かりやすいです。XL = 2πfL に f=0 を代入すると0Ω、つまりコイルはただの電線になります。一方 XC = 1/(2πfC) は f=0 で分母が0になり無限大、つまりコンデンサは電流を通しません。これが「直流ではリアクタンスが働かない」と言われる理由です。

この周波数依存性は、フィルタ回路(特定の周波数だけ通す・遮断する)の原理そのものでもあります。そして実務で問題になるのが、後述する 高調波 です。電源の基本波は50/60Hzでも、機器が出す高調波は数百Hz〜と周波数が高い。周波数が高いとコンデンサ側のリアクタンスが小さくなるため、高調波電流がコンデンサに集中して流れ込み、機器を傷める、という現場のトラブルにつながります。

僕の感覚だと、周波数とリアクタンスの関係は「単なる計算ルール」ではなく「現場トラブルの根っこ」として理解しておくと価値が跳ね上がります。なぜ進相コンデンサに直列リアクトルをわざわざ付けるのか、その答えはこの周波数依存性にあります。

位相のずれ(電流の進み・遅れ)とは

リアクタンスを語るうえで欠かせないのが 位相のずれ です。抵抗だけの回路では電圧と電流の波形のタイミングが揃っていますが、リアクタンスが入ると電圧と電流のタイミングがずれます。

回路 電流の位相 覚え方
抵抗のみ 電圧と同じ(ずれなし) そのまま
コイル(誘導性) 電圧より90°遅れる コイルは電流が「遅れる」
コンデンサ(容量性) 電圧より90°進む コンデンサは電流が「進む」

語呂で覚えるなら「コイル(L)は電流が遅れる、コンデンサ(C)は電流が進む」です。「ELI the ICE man(イーライ・ジ・アイスマン)」という英語の語呂もよく使われます。ELI=コイル(L)ではE(電圧)が先でI(電流)が後(電流が遅れる)、ICE=コンデンサ(C)ではI(電流)が先でE(電圧)が後(電流が進む)、という意味です。

この位相のずれが、そのまま 力率 の悪化につながります。多くの工場・ビルの負荷(モーターやトランス)は誘導性なので、電流が電圧より遅れる。この遅れを進相コンデンサで打ち消して力率を1に近づけるのが力率改善です。詳しくはこちらで解説しています。

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僕としては、位相の話は数式(sin・cosやベクトル図)で理解しようとすると挫折しやすいので、まず「コイルは遅れ、コンデンサは進み、それが打ち消し合う」という関係だけ先に体に入れるのをおすすめします。ベクトル図はその後で見ると一気に腑に落ちます。順番が逆だと、最初の数式で心が折れやすいです。

リアクタンスとインピーダンスの違い

リアクタンスとインピーダンスは混同されがちですが、関係は明快です。結論、インピーダンスは「抵抗とリアクタンスを合わせた、交流回路全体の流れにくさ」 であり、リアクタンスはその一部です。

記号 Z で表すインピーダンスは、次の式で表されます。

Z = R + jX

ここで R は抵抗、X はリアクタンス、j は虚数単位です。リアクタンスはこの式の「jX」の部分、つまりインピーダンスの 虚数部 にあたります。

用語 記号 中身 位置づけ
抵抗 R 熱を消費する流れにくさ 実数部
リアクタンス X 消費しない流れにくさ 虚数部
インピーダンス Z RとXを合わせた全体 R + jX

大きさ(絶対値)で見ると、抵抗とリアクタンスは単純な足し算ではなく、直角三角形の斜辺のように合成します。

|Z| = √(R² + X²)

これが、さきほど「抵抗とリアクタンスは足し算できない」と言った理由です。位相が90°ずれているので、ベクトルとして直角に足し合わせる必要があり、結果として三平方の定理の形になります。

なぜ虚数(j)を使うのか

「電気なのになぜ虚数?」と身構える人が多いですが、虚数 j は「90°回転」を表す便利な記号として使っているだけです。リアクタンスによる電流のずれがちょうど90°なので、その90°を数式で扱うために j を使う。難しい数学的意味よりも「j = 90°ずれてますよ、という目印」と割り切る方が現場では実用的です。

僕の感覚だと、ここは「リアクタンス=部品単体の流れにくさ、インピーダンス=回路全体の流れにくさ」という大小関係だけ押さえれば実務は回ります。電線の電圧降下を計算するときも、実は抵抗分だけでなくリアクタンス分(jX)が効いていて、長距離・大電流になるほどリアクタンスの影響が無視できなくなります。電圧降下の計算はこちらで扱っています。

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リアクタンスと抵抗の違いを整理する

ここまでの内容を踏まえて、最も混同されやすい「抵抗とリアクタンスの違い」を一枚に整理しておきます。検索する人が本当に知りたいのは、たいていこの比較だと感じます。

観点 抵抗 R リアクタンス X
単位 Ω Ω(同じ)
直流での働き 働く 働かない(コイルは0、コンデンサは無限大)
交流での働き 働く 働く
周波数依存 なし あり
エネルギー消費 する(発熱) しない(貯めて返す)
電圧と電流の位相 ずれない 90°ずれる
代表的な素子 抵抗器・電熱線・電線抵抗 コイル・コンデンサ
合成 そのまま加算 抵抗とは直角合成(√(R²+X²))

一番の違いは「エネルギーを消費するか」と「周波数で変わるか」の2点です。抵抗は電気を熱に変えて消費し、周波数に関係なく一定。リアクタンスは電気を消費せず貯めて返すだけで、周波数によって大きさが変わる。この2点さえ区別できていれば、抵抗とリアクタンスを取り違えることはまずありません。

僕としては、現場で「これは抵抗の話か、リアクタンスの話か」を見分けるコツは「熱くなるか / 周波数や交流が絡むか」を考えることだと感じています。電線が発熱する話なら抵抗、力率や進相コンデンサ、高調波の話が出てきたらリアクタンス、というふうに当たりをつけると、技術資料を読むスピードが上がります。

【現場視点】リアクタンスが受変電設備で効いてくる場面

ここからが、教科書サイトやメーカーの回路解説ではほとんど語られない、電気施工管理ならではの論点です。リアクタンスは「試験で出る理論」で終わる話ではなく、受変電設備(キュービクル)の現場で日常的に絡んできます。

力率改善と進相コンデンサ

工場やビルの負荷の多くはモーターやトランスといった 誘導性負荷 で、電流が電圧より遅れて力率が悪化します。力率が悪いと、同じ仕事をするのに余計な電流が流れ、電気代(基本料金)が上がり、電線・トランスの容量も食います。

そこで容量性リアクタンス(コンデンサ)を使い、遅れた電流を進める方向に引っ張り戻して力率を1に近づけます。これが 進相コンデンサ(SC) による力率改善です。誘導性と容量性が打ち消し合う、という性質をそのまま実務に応用した形です。

直列リアクトルの「6%」「13%」の意味

受変電設備の図面を見ると、進相コンデンサ(SC)にほぼ必ず 直列リアクトル(SR) が直列で付いています。新人の頃、「コンデンサで進めたいのに、なんで逆の誘導性のリアクトルをわざわざ足すの?」と疑問に思う人が多い箇所です。

理由は主に2つです。

  • 高調波対策:コンデンサは周波数が高いとリアクタンスが小さくなり、高調波電流を吸い込んで過熱・劣化する。そこで直列にリアクトル(誘導性)を入れて回路全体を誘導性に保ち、高調波の拡大とコンデンサへの集中を防ぐ
  • 突入電流の抑制:コンデンサ投入の瞬間に流れる大きな突入電流を、直列リアクトルで抑えて機器と系統を守る

そして容量の「6%」「13%」は、コンデンサのリアクタンスに対する直列リアクトルのリアクタンスの比率です。第5次高調波が主体の一般的な環境では 6%、第3次高調波の影響が大きい環境やアーク炉など高調波が多い設備では 13% を選定する、というのが実務の定石です。

直列リアクトルの容量 主な選定理由
6% 第5次高調波が主体の一般的な環境(標準)
13% 第3次高調波の影響が大きい・高調波負荷が多い環境

短絡電流の抑制

リアクタンスは短絡事故のときにも効いてきます。系統のリアクタンスが大きいほど、短絡時に流れる電流(短絡電流)が抑えられる方向に働きます。限流リアクトルを使って遮断器の遮断容量に収める、といった設計はこの性質を利用しています。短絡の基礎はこちらで扱っています。

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僕の感覚だと、リアクタンスを「数式の話」で止めず「進相コンデンサと直列リアクトルの6%・13%」までセットで理解できると、受変電設備の図面が一気に読めるようになります。電験三種や1級電気工事施工管理技士でも、力率改善と直列リアクトルは頻出テーマ。理論(XL・XC)と実務(SC・SR)が頭の中でつながった瞬間に、現場でも試験でも強くなる実感があります。逆に、ここがつながっていないと、図面のSRを見ても「なんでこれ付いてるんだっけ」で止まってしまいます。

リアクタンスの覚え方・試験対策

電験三種や電気工事施工管理技士の勉強でリアクタンスにつまずく人は多いです。暗記のコツを現場目線で整理しておきます。

  • 公式は「fの置き場所」だけ覚える:XL = 2πfL は f が分子(上)、XC = 1/(2πfC) は f が分母(下)。これだけで周波数との増減関係が即判断できる
  • 位相は「コイル遅れ・コンデンサ進み」の言葉で覚える:語呂は「ELI the ICE man」。ベクトル図はあとで確認すればOK
  • 誘導性と容量性は「打ち消し合う関係」で覚える:力率改善の問題はこの一点で解ける
  • インピーダンスは「R+jX、大きさは√(R²+X²)」:直角三角形のイメージとセットで
つまずきやすいポイント 覚え方の指針
XLとXCの公式が混ざる fが上か下か、だけ意識する
周波数で増える・減るが逆になる 公式のfの位置から導く(暗記しない)
位相の進み・遅れ 「コイル遅れ・コンデンサ進み」
インピーダンスとの合成 足し算でなく√(R²+X²)

僕としては、リアクタンスは「公式を丸暗記する科目」ではなく「2〜3個の関係性を理解する科目」だと捉えると、急に楽になると感じます。丸暗記だと試験本番で式を思い出せずに終わりますが、「fの置き場所」「打ち消し合う関係」さえ理解していれば、その場で式を組み立て直せる。資格取得後のキャリアについても、力率改善や受変電を語れる人材は現場で重宝されます。

リアクタンスに関する情報まとめ

  • 定義:交流回路でコイル・コンデンサが示す「電流の流れにくさ」。記号X、単位Ω
  • 抵抗との違い:エネルギーを消費しない/周波数で値が変わる/位相が90°ずれる
  • 単位:抵抗と同じΩだが、意味は別物。合成は単純な足し算ではない
  • 2種類:誘導性リアクタンス XL=2πfL(コイル)と容量性リアクタンス XC=1/(2πfC)(コンデンサ)
  • 周波数の関係:XLは周波数に比例、XCは反比例。直流ではコイル0Ω・コンデンサ無限大
  • 位相:コイルは電流が遅れる、コンデンサは電流が進む(ELI the ICE man)
  • インピーダンスとの違い:Z=R+jX、リアクタンスは虚数部。大きさは√(R²+X²)
  • 虚数jは「90°ずれの目印」と割り切る
  • 現場での効きどころ:力率改善(進相コンデンサ)/直列リアクトル6%・13%(高調波対策・突入電流抑制)/短絡電流の抑制
  • 試験対策:公式は「fの置き場所」、位相は「コイル遅れ・コンデンサ進み」で覚える

以上がリアクタンスに関する情報のまとめです。

リアクタンスは「単位はΩだけど抵抗とは別物」という一点を腹落ちさせるところからスタートして、誘導性・容量性の正反対の性質、周波数依存、位相のずれ、インピーダンスとの関係、と順番に押さえれば、決して難しい概念ではありません。そして何より、力率改善や進相コンデンサ・直列リアクトルといった受変電設備の実務と結びつけて理解すると、試験のためだけの知識ではなく現場で使える武器になります。理論と実務がつながった瞬間に、図面の見え方が変わるはずです。

リアクタンスに関するよくある質問

Q1:リアクタンスと抵抗は何が違うんですか?単位は同じΩですよね?

単位はどちらもΩですが、中身は別物です。抵抗は電気を熱に変えて消費し、周波数に関係なく一定の値を持ちます。一方リアクタンスは電気を熱として消費せず、コイルの磁界やコンデンサの電界に一度貯めて回路に返すだけで、しかも周波数によって値が変わります。さらに抵抗は電圧と電流のタイミングが揃いますが、リアクタンスは90°ずれます。「熱くなるか」「周波数や交流が絡むか」で見分けると現場では実用的です。

Q2:誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスの違いは?

誘導性リアクタンス(XL)はコイルが示すもので、公式は XL=2πfL、周波数が上がると大きくなり、電流が電圧より遅れます。容量性リアクタンス(XC)はコンデンサが示すもので、公式は XC=1/(2πfC)、周波数が上がると小さくなり、電流が電圧より進みます。性質が正反対で、互いに打ち消し合う関係にあるのがポイントです。力率改善はこの打ち消し合いを利用しています。

Q3:リアクタンスとインピーダンスの違いを簡単に教えてください。

インピーダンスは「抵抗とリアクタンスを合わせた交流回路全体の流れにくさ」で、リアクタンスはその一部です。式で書くと Z=R+jX となり、Rが抵抗(実数部)、jXがリアクタンス(虚数部)です。大きさは単純な足し算ではなく |Z|=√(R²+X²) で求めます。「リアクタンス=部品単体の流れにくさ、インピーダンス=回路全体の流れにくさ」と覚えると整理しやすいです。

Q4:なぜリアクタンスの計算に虚数(j)が出てくるんですか?

虚数 j は「90°の回転」を表す記号として使っているだけで、難しい数学的意味を理解する必要はありません。リアクタンスによる電流の位相ずれがちょうど90°なので、その90°を数式で扱うために j を使います。「j=90°ずれてますよ、という目印」と割り切ってしまえば、計算上で困ることはほとんどありません。

Q5:直列リアクトルの「6%」「13%」とは何のことですか?

受変電設備で進相コンデンサ(SC)に直列に付ける直列リアクトル(SR)の容量比率のことです。コンデンサのリアクタンスに対するリアクトルのリアクタンスの割合を指し、第5次高調波が主体の一般的な環境では6%、第3次高調波の影響が大きい環境や高調波負荷の多い設備では13%を選定するのが実務の定石です。高調波の拡大防止とコンデンサ投入時の突入電流抑制が主な目的です。

Q6:直流ではリアクタンスはどうなりますか?

直流は周波数が0Hzなので、公式に当てはめると誘導性リアクタンス XL=2πfL はf=0で0Ωになり、コイルはただの導線として振る舞います。逆に容量性リアクタンス XC=1/(2πfC) はf=0で分母が0になり無限大、つまりコンデンサは電流を通しません。リアクタンスが「交流特有の流れにくさ」と言われるのはこのためで、直流回路では基本的にリアクタンスを考える必要がありません。

Q7:電験や施工管理技士の試験対策として、最低限おさえるべき点は?

公式は丸暗記より「fの置き場所」を覚えるのがコツです。XL=2πfLはfが分子、XC=1/(2πfC)はfが分母。これだけで周波数との増減が判断できます。位相は「コイルは電流が遅れる、コンデンサは電流が進む」、インピーダンスは「Z=R+jX、大きさは√(R²+X²)」。そして力率改善・進相コンデンサ・直列リアクトルは頻出テーマなので、理論と受変電実務をセットで理解しておくと得点源になります。

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