管工事とは?どこまで入る?境界と営業所技術者の要件を条文で確認

  • 管工事ってどこまでの工事?
  • 道路の下の水道管も管工事?
  • 浄化槽やダクトは入る?
  • 何円から許可が要る?
  • 給水装置工事主任技術者で営業所技術者になれる?
  • 特定建設業だと何が変わる?

上記の様な悩みを解決します。

管工事は、建設業法で「管工事業」の許可に分けられる工事の種類で、告示第350号は「冷暖房、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事」としています。ただ、元請から「この工事は何業種?」と聞かれて手が止まるのは、定義の文言よりもその周りの線引きなんですよね。今回は定義・例示・許可が要る金額といった基本を押さえた上で、許可の業種を間違えやすい境界(公道下等の下水道配管は土木一式、敷地内の配管は管工事)と、資格ごとに追加の実務年数が違う営業所技術者の6区分を、ガイドラインと省令の原文に沿って整理しました。ここは条文とガイドラインの原文を照らさないと判断できない部分です。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、見積や許可申請で業種の判断を任された方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

管工事とは?設備を設置する工事と、管で送る設備の工事

管工事とは、ひと言でいえば「建設業の許可を分けるときの、工事の種類の名前のひとつ」です。中身は、冒頭で引いた告示第350号の定義のとおり、空調や給排水・衛生の設備を設置する工事と、管を使って水・油・ガス・水蒸気等を送る設備を設置する工事の2つの言い回しでできています。

なぜ「種類の名前」と言い切れるかというと、建設業法の仕組みがそうなっているからです。別表第一は上欄に「管工事」、下欄に「管工事業」を置き、「土木一式工事」と「土木工事業」のように工事と業を対で並べています。そのうえで法第3条第2項は「前項の許可は、別表第一の上欄に掲げる建設工事の種類ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げる建設業に分けて与えるものとする。」と定めています。つまり、管工事に当たる工事を請け負うなら、見るべき許可は「管工事業」です。

ここで混ざりやすいのが「配管工事」という言葉です。現場では配管を組む作業そのものを配管工事と呼びますが、許可の区分として名前が付いているのは「管工事」のほうです。管工事の例示の中でも「ガス管配管工事」という形で出てくる言葉で、配管という作業の呼び名がそのまま業種名になっているわけではありません。作業としての配管の流れや配管材の種類は、配管工事の作業手順と配管材の記事で扱っています。

管工事の中身を確かめるときは、次の4つの資料を上から順に見ていくと迷いにくくなります。

  • 建設業法 別表第一:業種の名前(管工事/管工事業)
  • 昭和47年建設省告示第350号:工事の内容(冒頭の定義文)
  • 建設業許可事務ガイドライン 別表:具体的な工事の例示
  • 同ガイドライン【第2条関係】2.(8):他の業種との区分の考え方

ガイドライン自身も「法第2条第1項の別表第一の上欄に掲げる建設工事については、昭和 47 年3月8日建設省告示第 350 号をもってその内容を示しているところであるが、その具体的な例は、別表のとおりである。」と書いていて、告示が定義、ガイドラインが具体例という役割分担になっています(建設業許可事務ガイドライン 最終改正 令和7年2月1日)。

僕の感覚だと、管工事は「配管をする工事」と覚えるより「空調・衛生の設備と、管で送る設備を据える工事の業種名」と覚えておくほうが、後で出てくる境界の話にすんなりつながります。

ガイドラインが例示する管工事は11種類

「エアコンは?浄化槽は?ダクトは?」という疑問には、まずガイドライン別表の例示を見るのが早道です。管工事の欄には、次の11種類が並んでいます(建設業許可事務ガイドライン 別表、最終改正 令和7年2月1日)。

告示の言い回し(当サイトの整理) ガイドライン別表の例示
冷暖房・空気調和・給排水・衛生等の設備を設置する 冷暖房設備工事、冷凍冷蔵設備工事、空気調和設備工事、厨房設備工事、衛生設備工事、浄化槽工事、水洗便所設備工事
金属製等の管を使用して水・油・ガス・水蒸気等を送配する設備を設置する 給排水・給湯設備工事、ガス管配管工事、ダクト工事、管内更生工事

左の列の分け方は、告示第350号の2つの言い回しに11種類を当てはめた当サイトの整理です。ガイドラインがこの2つに分けて並べているわけではなく、別表には11種類が1行で続けて書かれています。どちらの列に入っても管工事の例示であることは変わりません。

例示の読み方で押さえておきたい点を挙げます。

  • 冷媒配管:ガイドラインは「「冷暖房設備工事」、「冷凍冷蔵設備工事」、「空気調和設備工事」には、冷媒の配管工事などフロン類の漏洩を防止する工事が含まれる。」としている((8)①)
  • 空調機:「建築物の中に設置される通常の空調機器の設置工事は『管工事』に該当」と書かれている((8)④)
  • 浄化槽・水洗便所:どちらも例示に名前があり、浄化槽は規模の大小を問わない扱い(次の章の(8)②)
  • ガス:例示に出てくるのは「ガス管配管工事」という名前

一方で、例示に名前が無い工事をどう扱うかは、ガイドラインの別表からは決まりません。名前が無いから管工事ではない、とも、名前が似ているから管工事だ、とも言い切れないので、告示の定義と次の章の区分の考え方に当てはめて確かめることになります。例えば家庭用の機器の交換のような工事は、例示に名前が無い以上、この記事では管工事かどうかを断定しません。

正直なところ、11種類のうち一番使い道があるのは冷媒配管の一文だと思います。フロン類の漏洩防止とセットで明記されているので、空調の見積で業種を書くときに、そのまま根拠として示せます。

迷いやすい境界|水道施設・土木一式・機械器具設置・清掃施設との線引き

「道路の下の水道管は?下水道の配管は?敷地内なら管工事でいい?」という迷いは、ガイドラインの区分の考え方(【第2条関係】2.(8)②〜⑥)でほぼ答えが書かれています。原文を、工事の対象ごとに表へ並べ直しました。

対象 管工事になるもの 別の業種になるもの
し尿処理の施設((8)②) 規模の大小を問わず、浄化槽(合併処理槽を含む)でし尿を処理する施設 公共団体が設置し、下水道で収集した汚水を処理する施設=水道施設工事/公共団体が設置し、汲取方式で収集したし尿を処理する施設=清掃施設工事
上下水道((8)⑤) 家屋その他の施設の敷地内の配管工事/上水道等の配水小管を設置する工事 公道下等の下水道の配管工事・下水処理場自体の敷地造成工事=土木一式工事/上水道等の取水・浄水・配水等の施設と下水処理場内の処理設備の築造・設置=水道施設工事/農業用水道・かんがい用排水施設等=土木一式工事
空調と給排気((8)④) 建築物の中に設置される通常の空調機器の設置工事 トンネル、地下道等の給排気用に設置される機械器具の工事=機械器具設置工事
公害防止施設の単体設置((8)⑥) 排水処理設備 集塵設備=機械器具設置工事(どちらも清掃施設工事ではない)
機械器具((8)③) 管工事と重複する機械器具は、原則として専門の工事である管工事へ どの専門の工事にも当たらない、または複合的な機械器具=機械器具設置工事

この表を見ると、境界は2つの軸で引かれていると読めます(軸の立て方は当サイトの整理です)。1つ目は場所で、上下水道では「家屋その他の施設の敷地内の配管工事」が管工事、「公道下等の下水道の配管工事」が土木一式工事です。2つ目は施設の種類で、同じし尿処理でも、浄化槽なら管工事、公共団体の下水道の汚水処理施設なら水道施設工事、汲取りのし尿処理施設なら清掃施設工事になります。

読み違えやすいところを挙げておきます。

  • 上水道の「配水小管を設置する工事」は管工事だが、取水・浄水・配水等の「施設」は水道施設工事
  • 公道下等で土木一式工事とされているのは「下水道の配管工事」で、上水道の配水小管は管工事の側に書かれている
  • 農業用水道やかんがい用排水施設は「『水道施設工事』ではなく『土木一式工事』」とされている
  • 公害防止施設は単体で設置する場合の区分で、排水処理設備なら管工事

機械器具設置工事との関係は、ガイドラインの原文が分かりやすいので引いておきます。「『機械器具設置工事』には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、機械器具の種類によっては『電気工事』、『管工事』、『電気通信工事』、『消防施設工事』等と重複するものもあるが、これらについては原則として『電気工事』等それぞれの専門の工事に区分するものとし、これらいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が『機械器具設置工事』に該当する。」((8)③)。建物の中の空調機が機械器具設置ではなく管工事とされているのも、この考え方の延長にあります。

なお、電気工事との線引きについては、ガイドラインに管工事と電気工事を直接並べた区分の記載がありません。書かれているのは、上の(8)③の「機械器具設置工事と重複するものは原則として電気工事等それぞれの専門の工事に区分する」までです。エアコンまわりの工事のうち、どこからが電気工事になるかは、この記事では断定しません。迷う工事は、許可行政庁に工事内容を示して確認するのが確実です。

施工管理の立場で言うと、境界で迷ったときは「どこに据えるか(敷地内か公道下か)」と「何の施設か」の2つを先に書き出すと、ガイドラインのどの行を引けばよいかがすぐ見つかります。

管工事業の許可が要るのは1件500万円から|分割と材料支給の数え方

「何円から許可が要る?」の答えは、建設業法施行令第1条の2にあります。管工事は建築一式工事ではないので、線は500万円です。

施行令第1条の2第1項は、許可が無くても請け負える軽微な建設工事を「工事一件の請負代金の額が五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、千五百万円)に満たない工事又は建築一式工事のうち延べ面積が百五十平方メートルに満たない木造住宅を建設する工事」としています。1,500万円と150平方メートルの線は建築一式工事だけのものなので、管工事業では「1件500万円に満たないかどうか」で見ます。

この「1件」の数え方を決めているのが第2項と第3項です。

  • 分割(第2項):同一の建設業を営む者が工事の完成を2以上の契約に分割して請け負うときは「各契約の請負代金の額の合計額」で数える。ただし「正当な理由に基いて契約を分割したとき」はこの限りでない
  • 材料支給(第3項):注文者が材料を提供する場合は「その市場価格又は市場価格及び運送賃」を請負代金の額に加える
  • 対象:第1項の線は工事の種類で変わり、管工事は500万円の側

管工事業に当てはめると、次のような数え方になります(数字は説明のための仮の例です)。同じ建物の空調工事を300万円と250万円の2つの契約に分けて請け負っても、正当な理由が無ければ合計の550万円で判断されます。また、請負代金が400万円でも、施主が空調機を支給していれば、その空調機の市場価格(運送賃を含む場合はそれも)を加えた額で500万円に満たないかを見ます。契約書の金額だけを見て「500万円未満だから大丈夫」と判断すると、ここで外れることがあります。

許可を取るときの区分(知事か大臣か)や取得の要件、更新の流れは、建設業許可の全体像をまとめた記事に任せて、ここでは管工事業に当てはめた金額の見方だけにとどめます。

材料支給の加算は、見積の段階では見落としやすい点だと僕は見ています。施主支給の機器がある工事は、支給品の市場価格を見積書の脇にメモしておくだけで、後から業種や許可の確認を求められたときに慌てずに済みます。

営業所技術者になれる資格と実務経験の年数

「給水装置工事主任技術者で営業所技術者になれる?」「資格が無いと何年?」という疑問は、どれも建設業法第7条第2号の当てはめです。同号は「その営業所ごとに、営業所技術者(建設工事の請負契約の締結及び履行の業務に関する技術上の管理をつかさどる者であつて、次のいずれかに該当する者をいう。…)を専任の者として置く者であること。」としていて、なれる人をイ・ロ・ハの3つのルートで定めています。ここで扱うのは営業所に置く技術者で、工事現場に置く技術者とは別の条文の話です。

学歴と実務経験で満たすルート(第7条第2号イ・ロ)

ルート 学歴・条件 必要な実務経験
イ 高等学校(旧実業学校を含む)または中等教育学校を卒業し、在学中に指定学科を修めた者 卒業後5年以上
イ 大学(旧大学を含む)または高等専門学校(旧専門学校を含む)を卒業し(専門職大学の前期課程修了を含む)、在学中に指定学科を修めた者 卒業後3年以上
ロ 学歴を問わない 10年以上

どちらも実務経験は「許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し」と書かれているので、管工事業なら管工事に関する経験で数えます。管工事業の指定学科は、建設業法施行規則第1条の表で「土木工学、建築学、機械工学、都市工学又は衛生工学に関する学科」とされています(水道施設工事業・清掃施設工事業と同じ欄です)。

資格で満たすルート(第7条第2号ハ・施行規則第7条の3)

ハは「国土交通大臣がイ又はロに掲げる者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものと認定した者」で、管工事業の中身は施行規則第7条の3の表に6つの区分で書かれています。追加で要る実務年数ごとに並べ直すと、次のとおりです。

区分 資格・試験 合格・取得後の追加の実務経験
一 技術検定のうち管工事施工管理に係る1級または2級の第二次検定に合格 不要
二 技術士第二次試験のうち、機械部門(選択科目「熱・動力エネルギー機器」または「流体機器」)、上下水道部門、衛生工学部門、総合技術監理部門(選択科目「熱・動力エネルギー機器」「流体機器」または上下水道部門・衛生工学部門に係るもの)に合格 不要
三 技能検定のうち1級の建築板金(選択科目「ダクト板金作業」)、冷凍空気調和機器施工、配管(選択科目「建築配管作業」)に合格 不要
三 技能検定のうち2級の建築板金、冷凍空気調和機器施工、配管に合格 管工事に関し3年以上
四 建築設備士となった 管工事に関し1年以上
五 給水装置工事主任技術者免状の交付を受けた 管工事に関し1年以上
六 登録計装試験に合格 管工事に関し1年以上

表を見ると、追加の年数は「不要」「1年以上」「3年以上」の3段に分かれます。施工管理技士の第二次検定は1級・2級とも追加の年数が書かれておらず、2級の技能検定だけが3年以上、建築設備士・給水装置工事主任技術者・登録計装試験の3つは1年以上です。なお、三の原文は、1級の建築板金の括弧書きに「以下この欄において同じ。」、配管の括弧書きに「以下同じ。」と付けています。後に出てくる同じ語にも括弧内の限定を及ぼす書き方なので、2級の建築板金は「ダクト板金作業」、2級の配管は「建築配管作業」に限られると読めます。ただし2級について条文が直接書いているわけではないので、該当するか迷う場合は許可行政庁に確認するのが確実です。

「給水装置工事主任技術者で営業所技術者になれる?」という疑問の答えは、五の区分にあるとおり、免状の交付を受けた後に管工事に関し1年以上の実務経験があればハのルートに当たります。資格そのものの中身は給水装置工事主任技術者の解説で、2級の管工事施工管理技士を目指す場合の試験の流れは2級管工事施工管理技士の記事で確認できます。

「実務の経験」と「専任」の中身

年数を数えるときに効いてくるのが、ガイドライン【第7条関係】の2つの定義です。

  • 実務の経験:「建設工事の施工に関する技術上のすべての職務経験をいい、ただ単に建設工事の雑務のみを行っていた経験年数は含まれない」。一方で、発注側の設計技術者・現場監督技術者としての経験や「土工及びその見習いに従事した経験等」は含まれるものとして取り扱う
  • 専任:「その営業所に常勤(テレワークを行う場合を含む。)して専らその職務に従事することを要する者」
  • 年数の対象(法第7条第2号・施行規則第7条の3):イ・ロは管工事業に係る建設工事、ハの追加年数は「管工事に関し」の経験

雑務だけの期間は年数に入らない、という一文は、社内で実務経験の証明を書くときに一番効いてきます。

この6区分は「施工管理技士でないと営業所技術者になれない」と受け取られやすい表だと感じます。実際には、技能検定や給水装置工事主任技術者のように現場の職人さんが持っている資格でも、年数の条件を満たせば候補になるので、社内の資格者を一度この表に当てはめてみる価値はあります。

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特定建設業と指定建設業|管工事業は資格者が必須の7業種に入る

「特定建設業だと何が違う?」「指定建設業って何?」という2つの疑問は、管工事業の場合ひとつの結論につながります。管工事業は指定建設業なので、特定建設業の許可を取るなら、営業所に置く専任の者は試験・免許の資格者(または大臣がそれと同等以上と認定した者)に限られる、ということです。

前提として、一般と特定の分かれ目は下請に出す金額です。建設業法施行令第2条は、特定建設業の許可が要る下請代金の額を「五千万円とする。ただし、同項の許可を受けようとする建設業が建築工事業である場合においては、八千万円とする。」と定めています(2025年2月1日施行の改正後の額)。管工事業は建築工事業ではないので、法第3条第1項第2号の基準として見るのは5,000万円の側です。

そのうえで指定建設業の範囲です。建設業法施行令第5条の2は「法第十五条第二号ただし書の政令で定める建設業は、次に掲げるものとする。一 土木工事業 二 建築工事業 三 電気工事業 四 管工事業 五 鋼構造物工事業 六 舗装工事業 七 造園工事業」としていて、管工事業は7業種の4番目に入っています。

次に、法第15条第2号のただし書です。特定建設業の営業所ごとの専任の者(特定営業所技術者)について、指定建設業の許可を受けようとする者は「その営業所ごとに置くべき専任の者は、イに該当する者又はハの規定により国土交通大臣がイに掲げる者と同等以上の能力を有するものと認定した者でなければならない。」とされています。イは「国土交通大臣が定める」試験に合格した者または免許を受けた者、ロは第7条第2号イ・ロ・ハに当たる者のうち、発注者から直接請け負った一定金額以上の工事について2年以上の指導監督的な実務の経験を持つ者です。ただし書がロを外しているので、管工事業では、指導監督的な実務の経験だけで特定営業所技術者を置くことはできません。イの試験・免許が具体的に何かは告示で定められますが、この記事では現行の告示を確認できていないため、試験名は挙げません。

管工事業の許可まわりには似た金額がいくつも出てくるので、条番号つきで並べておきます。

金額 何の線か 条文
500万円 許可が無くても請け負える軽微な工事の線(建築一式以外) 施行令第1条の2第1項
5,000万円(建築工事業は8,000万円) 特定建設業の許可が要る下請代金の額の線(法第3条第1項第2号の政令で定める金額) 施行令第2条
4,500万円 法第15条第2号ロの指導監督的な実務の経験で数える工事の請負代金の額 施行令第5条の3
8,000万円 特定建設業の財産的基礎の請負代金額 施行令第5条の4

読み違えやすい点を整理します。

  • 施行令第2条の5,000万円・8,000万円は2025年2月1日施行の改正後の額で、それ以前は4,500万円・7,000万円だった
  • 施行令第5条の3の4,500万円は指導監督的な実務の経験の金額で、施行令第2条の改正前の4,500万円とは別の条の別の線
  • 施行令第2条の建築工事業8,000万円と、施行令第5条の4の8,000万円も別の条の別の線
  • 管工事業は建築工事業ではないので、施行令第2条で見るのは5,000万円の側

施行令第5条の3の4,500万円について、ガイドライン【第15条関係】は、平成6年12月28日前の工事は3,000万円以上、昭和59年10月1日前の工事は1,500万円以上で数えるとしています。ただ、管工事業は指定建設業なので、この指導監督的な実務の経験のルートそのものが特定営業所技術者には使えない点は上で見たとおりです。

施工管理技士の資格が業種ごとにどう営業所技術者に当てはまるかは、施工管理技士と建設業許可の当てはめを整理した記事でまとめて見られます。

一般で管工事業を取っている会社が特定への切り替えを考えるなら、指定建設業に入っているという一点で、イの資格者(または大臣が同等以上と認定した者)がいるかどうかが前提になります。社内の資格者を先に確かめておくと、切り替えの判断が早くなるはずです。

管工事に関する情報まとめ

  • 管工事とは:建設業法の別表第一で管工事業の許可に分けられる工事の種類。告示第350号の定義は設備を設置する工事と、管で送る設備を設置する工事
  • 例示11種類:冷暖房・冷凍冷蔵・空気調和・給排水給湯・厨房・衛生・浄化槽・水洗便所・ガス管配管・ダクト・管内更生。冷媒配管はフロン類の漏洩防止工事として含まれる
  • 境界:敷地内の配管と上水道等の配水小管は管工事、公道下等の下水道の配管は土木一式、上水道の取水・浄水等の施設は水道施設工事。電気工事との区分はガイドラインに直接の記載なし
  • 許可の金額:管工事業は1件500万円に満たないかで判断。分割は合計額、施主支給の材料は市場価格(と運送賃)を加える
  • 営業所技術者:学歴と実務(5年・3年・10年)か、省令の6区分。第二次検定は追加年数不要、2級技能検定は3年、建築設備士・給水装置工事主任技術者・登録計装試験は1年
  • 特定と指定建設業:管工事業は指定建設業7業種のひとつ。特定では試験・免許の資格者(または同等以上の認定者)が必須で、指導監督的な実務の経験だけでは置けない

以上が管工事に関する情報のまとめです。

管工事の判断で迷うのは、定義の一文よりも、その外側にある境界と金額と人の条件です。業種で迷ったら「どこに据えるか」と「何の施設か」を書き出してガイドラインの区分の行に当て、許可で迷ったら施主支給品を含めた1件の金額と、社内の資格者を省令の6区分に当てはめる。この3つの手順を手元に持っておけば、元請から業種を聞かれても条文を示して答えられるはずです。許可制度そのものは建設業許可の基本、資格ごとの当てはめは施工管理技士で取れる業種の整理とあわせて読むと、管工事業の許可の全体がつながります。

管工事で迷ったときの5つの質問

Q1:道路の下の水道管や下水道管の工事は管工事ですか?

ガイドラインの区分では、公道下等の下水道の配管工事は土木一式工事です。一方、上水道等の配水小管を設置する工事と、家屋その他の施設の敷地内の配管工事は管工事とされています。上水道等の取水・浄水・配水等の施設や、下水処理場内の処理設備を築造・設置する工事は水道施設工事です(建設業許可事務ガイドライン【第2条関係】2.(8)⑤)。

Q2:エアコン(空調機)の取付けは管工事ですか?電気工事ですか?

ガイドラインは「建築物の中に設置される通常の空調機器の設置工事は『管工事』に該当」としています。また、冷暖房設備工事・空気調和設備工事には、冷媒の配管工事などフロン類の漏洩を防止する工事が含まれるとされています。電気工事との区分については、ガイドラインに管工事と直接並べた記載が無いため、電源まわりの工事の業種はこの記事では断定しません。迷う場合は許可行政庁に確認してください。

Q3:契約を2つに分ければ500万円未満として許可なしで請け負えますか?

建設業法施行令第1条の2第2項により、同一の建設業を営む者が工事の完成を2以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計額で判断します。ただし、正当な理由に基づいて契約を分割したときは、この限りではありません。施主が材料を支給する場合は、その市場価格(または市場価格と運送賃)を請負代金の額に加えます(同第3項)。

Q4:給水装置工事主任技術者の免状で営業所技術者になれますか?

なれます。建設業法施行規則第7条の3の管工事業の欄の五に、給水装置工事主任技術者免状の交付を受けた後、管工事に関し1年以上の実務の経験を有する者が挙げられています。免状の交付を受けた直後ではなく、その後の1年以上の管工事の実務経験が条件です。

Q5:管工事業で特定建設業の許可を取るには何が必要ですか?

営業所ごとに置く専任の者について、管工事業は指定建設業(建設業法施行令第5条の2)に入っているため、法第15条第2号ただし書により、国土交通大臣が定める試験に合格した者・免許を受けた者(イ)か、大臣がそれと同等以上の能力を有すると認定した者(ハ)でなければなりません。指導監督的な実務の経験(ロ)だけでは置けない点が、指定建設業でない業種との違いです。

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