1級建築施工管理技士補は、1級建築施工管理技術検定のうち第一次検定に受かった人が使える称号です。現場では「監理技術者補佐」に入る道が開けますが、入れる工事の種類は告示で決まっており、その工事の種類で主任技術者の資格を持っていることが前提です。この記事では、その二つに加えて、補佐の経験が二次検定の受検資格になる条件まで順に確かめます。
- 1級建築施工管理技士補って、結局なんなの?
- 一次に受かっただけで、もう名乗っていいの?
- 今年は何人くらい一次に受かったんだろう
- 技士補になったら、現場で何ができるようになる?
- 建築の技士補で、とびや解体の現場の補佐にも入れるの?
- 補佐になるには主任技術者の資格が要るって聞いたけど、自分は持ってることになるの?
- 補佐を1年やれば、二次を受けられるって本当?
- 合格証明書って申請しないとダメ?有効期限は?
- 二次に落ちたら、技士補のまま何をしておけばいいんだろう
上記の様な悩みを解決します。
1級建築施工管理技士補は、令和3年度以降の第一次検定の合格者に付く、「1級建築の一次まで受かった人」の称号です。ただ、「監理技術者補佐になれる」の一言で片付けて、その手前にある主任技術者の資格の話や、どの工事の種類なら補佐に入れるのかを飛ばした説明に出会うことが多いんですよね。この記事では、称号の決まり方、令和8年度の第一次検定の数字、第二次検定の受検資格といった基本を押さえたうえで、他の解説ではほとんど触れられていない「告示1057号の表で、1級建築の技士補が補佐に入れる工事の種類」と「施行規則の表で、建築工事業と大工工事業とで主任技術者の入口が違うこと」まで、条文と実施機関の資料を突き合わせて整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、二次を目前に控えている方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
1級建築施工管理技士補とは?1級建築の第一次検定に受かった人の称号
1級建築施工管理技士補とは、1級建築施工管理技術検定のうち第一次検定を通った人に、政令が与えている称号です。第二次検定の合否を待たずに、第一次検定の合格で名乗れます。
称号は法律と政令の2段で決まっている
建設業法は合格者の名乗りについて、「第一次検定又は第二次検定に合格した者は、それぞれ政令で定める称号を称することができる。」と定めています(建設業法 第27条第7項)。その中身を決めているのが施行令で、「法第二十七条第七項の政令で定める称号は、第一次検定に合格した者にあつては級及び検定種目の名称を冠する技士補とし、第二次検定に合格した者にあつては級及び検定種目の名称を冠する技士とする。」とあります(建設業法施行令 第40条)。級が「1級」、検定種目が「建築施工管理」なので、1級建築施工管理技士補という名前になります。
実施機関である建設業振興基金の令和8年度の受検の手引も、第一次検定の合格で「1級施工管理技士補」、第二次検定の合格で「1級施工管理技士」という国家資格になると案内しています。
ここで1つ押さえておきたいのは、第一次検定が何を見る試験かです。建設業法は第一次検定を「第一次検定は、第一項に規定する者が施工技術の基礎となる知識及び能力を有するかどうかを判定するために行う。」と位置づけています(建設業法 第27条第3項)。施行令の「一級の技術検定は、検定種目ごとに、法第二十七条第一項に規定する者が監理技術者として必要な知識及び能力を有するかどうかを判定するために行う。」(建設業法施行令 第37条第3項)は、第一次と第二次を合わせた1級の技術検定全体の目的です。技士補の段階は、そのうちの「基礎」の部分を通った状態だと僕は考えています。
技士補の称号が全種目でどう付くのか、2級の技士補との違いといった共通の仕組みは、施工管理技士補の称号の仕組みをまとめた記事で扱っているので、ここでは1級建築に絞ります。
令和8年度の第一次検定では19,993名が技士補になった
令和8年度の1級建築施工管理技術検定の第一次検定は、令和8年7月19日に実施され、合格通知日は令和8年8月25日でした(建設業振興基金 令和8年度 第一次検定 実施結果)。この年の第一次検定の合格者は19,993名で、第一次検定に合格した人が1級建築施工管理技士補を名乗れます。
| 年度・区分 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 第一次検定 | 42,826名 | 19,993名 | 46.7%(算出値) |
| 令和7年度 第一次検定 | 41,812名 | 20,294名 | 48.5% |
令和8年度の実施結果には合格率の欄が無いため、表の46.7%は合格者数19,993名を受検者数42,826名で割って出した算出値です。令和7年度の48.5%は、建設業振興基金の令和7年度の結果表に載っている合格率をそのまま写しています。
令和8年度の第一次検定の合格基準は、実施結果に「※合格基準 60.0点(100点換算)、施工管理法(応用能力)10問中6問以上。」と書かれています(建設業振興基金 令和8年度 第一次検定 実施結果)。全体の点数が届いていても、施工管理法(応用能力)が基準に届かなければ不合格になる作りです。来年の一次に向けた勉強の組み立ては、1級建築の一次対策の記事にまとめています。
1級建築の技士補で補佐に入れる工事の種類は、告示で決まっている
1級建築の技士補が監理技術者補佐の要件に使える工事の種類は、令和2年国土交通省告示第1057号の表で決まっています。建築一式工事を含む12種類に加えて、とび・土工・コンクリート工事と、石・鋼構造物・塗装・解体の各工事も表に入っています。
告示の表で、建築施工管理の名前が出てくる行
監理技術者補佐になれる人について、建設業法施行令は「建設工事の種類に応じ国土交通大臣が定める要件に該当する者」と国土交通大臣に委ねています(建設業法施行令 第29条第1号)。その要件を工事の種類ごとの表にしているのが、告示(令和2年国土交通省告示第1057号)です。表のうち、検定種目に建築施工管理が出てくる行を抜き出すと次のとおりです。
| 工事の種類 | 告示が求める一級の第一次検定 |
|---|---|
| 建築一式工事/大工工事/左官工事/屋根工事/タイル・れんが・ブロック工事/鉄筋工事/板金工事/ガラス工事/防水工事/内装仕上工事/熱絶縁工事/建具工事 | 検定種目を建築施工管理とするものに合格 |
| とび・土工・コンクリート工事 | 検定種目を建設機械施工管理、土木施工管理又は建築施工管理とするものに合格 |
| 石工事/鋼構造物工事/塗装工事/解体工事 | 検定種目を土木施工管理又は建築施工管理とするものに合格 |
出典:国土交通省告示第1057号(令和2年9月30日)の表から、建築施工管理を含む行を抜き出して作成。原文の表記は「タイル・れんが・ブロツク工事」。
1行目の12種類は、1級建築の第一次検定の合格だけが条件として書かれています。2行目のとび・土工・コンクリート工事は、建設機械施工管理と土木施工管理の第一次検定でもよく、3行目の4種類は土木施工管理でもよい、という違いがあります。表の3行に出てくる工事の種類を数えると、12+1+4で17種類です。
告示が今も使われていることの確かめ方
この告示は令和2年9月30日に出たもので、附則には「この告示は、令和二年十月一日から施行する。ただし、第一号の規定は、令和三年四月一日から施行する。」とあります。国土交通省が公開している告示のPDFの本文は、制定したときの施行令の条番号で書かれています。
今の施行令との対応を確かめる手がかりとして、国土交通省の資料「『監理技術者の行うべき職務を補佐する者』の要件」の末尾には、「【根拠法令】建設業法施行令29条、令和2年9月30日国土交通省告示第1057号」と2つが並べて書かれています(2026年10月11日確認。資料に作成時点の記載なし)。条番号の読み替えまで僕の側で言い切ることはしませんが、補佐の要件を国が説明する資料で、この告示が根拠として挙がっているのは事実です。
表に名前があっても、それだけでは補佐に入れない
ここで早とちりしやすいのが、「表に建築一式工事があるから、技士補なら建築一式の補佐に入れる」という読み方です。告示の各行は、補佐の要件のうち「どの第一次検定に受かっていればよいか」の部分だけを決めています。もう1つの条件である主任技術者の資格は、次の章で見るように別に満たす必要があります。
補佐になるには、その工事の主任技術者の資格が先に要る
監理技術者補佐になるには、請け負った工事の種類で主任技術者の資格を持っていて、そのうえで1級の第一次検定に受かっている必要があります。技士補の称号だけでは、補佐の要件はそろいません。
運用マニュアルの「のうち」が要になる
補佐になれる人の1つ目を、国土交通省の運用マニュアル(監理技術者制度運用マニュアル)は「請け負った建設工事の種類にかかる主任技術者の資格を有する者(法第七条第二号イ、ロ又はハに該当する者)のうち、一級の技術検定の第一次検定に合格した者。(一級施工管理技士補、当該建設工事の種類に応じて指定された検定種別に限る。)」と書いています(監理技術者制度運用マニュアル 一(2)③1)、令和7年2月1日適用版)。
読むときの順番は、主任技術者の資格が先、第一次検定の合格が後です。「主任技術者の資格を持っている人の中で、さらに1級の一次に受かっている人」という絞り込みになっていて、前の章の告示の表は、この後半の「どの一次か」を工事の種類ごとに指定しています。主任技術者そのものの役割は、主任技術者の役割と要件の記事で確かめられます。
主任技術者の資格には、イ・ロ・ハの3つの道がある
マニュアルの括弧書きにある「法第七条第二号イ、ロ又はハ」は、建設業法の許可の基準の条文です。イは指定学科を修めた人の実務経験(高等学校などの卒業後5年以上、大学などの卒業後3年以上)、ロは「許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し十年以上実務の経験を有する者」、ハは国土交通大臣が認定した人です(建設業法 第7条第2号)。
受検の手引(旧受検資格用)は、主任技術者の要件の例として「・高等学校、専門学校専門課程の指定学科を卒業後、5年以上の実務経験 ・2級建築施工管理技士を取得」を挙げています。これは「専任の監理技術者等の指導のもとにおける2年以上の実務経験」の説明に付いた手引上の例示で、イ・ロ・ハの全部を並べたものではありません。
- イ:指定学科を修めて卒業した後の実務経験(年数は学校の種類で変わる)
- ロ:その建設業の工事に関する10年以上の実務経験
- ハ:国土交通大臣の認定。施行規則第7条の3が、資格や免許ごとに業種別の表で列挙している
施行規則の表では、建築工事業と大工工事業で入口が違う
ハの中身を業種ごとに並べた施行規則第7条の3の表を見ると、1級建築の一次合格の扱いが業種で分かれています。
建築工事業の欄に挙がっているのは、「一 技術検定のうち建築施工管理に係る一級又は二級の第二次検定(二級の第二次検定にあつては検定種別を「建築」とするものに限る。)に合格した者 二 建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第四条の規定による一級建築士又は二級建築士の免許を受けた者」の2つです(建設業法施行規則 第7条の3、令和8年7月1日施行版)。この欄には、第一次検定の合格を条件にした行がありません。
一方で大工工事業の欄には、「技術検定のうち建築施工管理に係る一級の第一次検定に合格した後大工工事に関し三年以上実務の経験を有する者」という行があります(同 第7条の3)。施行規則の表では、ガラス工事業や内装仕上工事業などの欄にも、一級の第一次検定の合格後3年以上の実務経験の行があります。
建築工事業の欄に第一次検定の行が無いのは、あくまでハの表の話です。イやロの実務経験の道で建築工事業の主任技術者の資格を満たす人もいるので、「技士補だから建築一式の補佐には入れない」とまでは言えません。技士補が単独で主任技術者になれるかを直接書いた公表資料は、e-Govの施行規則、運用マニュアル、建設業振興基金の手引を見た範囲では見当たりませんでした。
僕は、補佐の話が出たら、まず「自分はどの工事の種類で、イ・ロ・ハのどれを使って主任技術者の資格を持っているか」を書き出してみるのが近道だと考えています。そこが決まれば、告示の表と突き合わせるだけで、入れる工事の種類が見えてきます。
現場ごとに専任の補佐を置く場合に限り、監理技術者は2つの現場まで兼ねられる
1級建築の技士補が補佐に入ると、上にいる監理技術者は、専任が要る工事を2つの現場まで兼ねられるようになります。ただしこれは、それぞれの現場に監理技術者補佐を専任で置く場合に限った特例です。
条文は「専任で置く場合」と「2まで」の2つの条件で書かれている
建設業法は、専任が要る工事の監理技術者でも、例外として「当該建設工事の工事現場に、当該監理技術者の行うべき第二十六条の四第一項に規定する職務を補佐する者として、当該建設工事に関し第十五条第二号イ、ロ又はハに該当する者に準ずる者として政令で定める者を専任で置く場合における監理技術者」を挙げています(建設業法 第26条第3項第2号)。兼ねられる現場の数は施行令が「法第二十六条第四項の政令で定める数は、二とする。」と決めています(建設業法施行令 第30条)。
運用マニュアルは、この使い方を「専任特例2号」と呼び、「また、専任特例2号は監理技術者に関する特例であり、主任技術者は対象とならない。」と念を押しています(監理技術者制度運用マニュアル 三(3)②)。同じ箇所には、「なお、工事現場の数が1であっても監理技術者を補佐する者を配置することは可能であるが、当該監理技術者が他の工事現場を兼務することはできない。」ともあります。補佐が1人いるだけで2現場を回せる、という形ではありません。兼務できる範囲についても、マニュアルは「工事内容、工事規模及び施工体制等を考慮し、主要な会議への参加、工事現場の巡回、主要な工程の立ち会いなど、元請としての職務が適正に遂行できる範囲とする。」と書いています(同 三(3)②)。
なお、同じ第26条第3項には、請負代金の額などで線を引く第1号の特例もあります(建設業法 第26条第3項第1号)。こちらは補佐を置く仕組みとは別の特例です。
「特例監理技術者」は受検の手引の言葉
補佐を置いて2つの現場を兼ねる監理技術者のことを、建設業振興基金の受検の手引(旧受検資格用)は、専任の監理技術者について「主任技術者要件を満たす1級建築施工管理技士補を監理技術者の職務を補佐する者として工事現場に専任で配置する場合には、二つまでの工事現場の監理技術者を兼務できるとされています。このときの監理技術者を特例監理技術者と称します。」と説明しています。運用マニュアルの本文にはこの呼び名は出てこず、手引の説明を読むかぎり、補佐を専任で置いて2つの現場を兼ねる監理技術者を指す言葉です。
専任が要る工事は、金額と施設の両方で決まる
そもそも監理技術者に専任が要るのは、施行令が「法第二十六条第三項の政令で定める重要な建設工事は、次の各号のいずれかに該当する建設工事で工事一件の請負代金の額が四千五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、九千万円)以上のものとする。」と定める工事です(建設業法施行令 第27条第1項)。金額だけでなく、「次の各号のいずれかに該当する」施設の工事であることも条件に入っています。
受検の手引(旧受検資格用)はこれを、「①国、地方自治体等が発注する公共的工作物の建築工事、②学校、デパート等のように多数の人が利用する施設の建築工事には、専任(他の工事現場との兼務は不可)で配置しなければなりません〔個人・長屋住宅を除いてほとんどの建築工事が対象となります〕。」と言い換えています。後半の〔 〕の部分は手引の説明の言い方で、条文の文言ではありません。監理技術者の資格や専任のときに要る資格者証は、監理技術者の要件をまとめた記事で整理しています。
補佐として1年の実務経験が、1級建築の第二次検定の受検資格になる
1級建築の第一次検定の合格後に、監理技術者補佐を1年以上務めると、1級建築の第二次検定を新受検資格で受けられます。ただし、補佐として施工体制台帳に名前が載っていない経験や、単なる補助の経験は数えられません。
区分1の3つの道
建設業振興基金の案内では、新受検資格の区分1(1級第一次検定合格者)に3つの道があります。1-1が1級建築の第一次検定合格後の実務経験5年以上、1-2が同じく合格後の特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上、1-3が合格後の監理技術者補佐としての実務経験1年以上です(建設業振興基金 1級建築施工管理技術検定 受検資格、2026年10月11日確認)。
法令の側では、施工技術検定規則が一級の第二次検定を受けられる人として「受検しようとする第二次検定と検定種目を同じくする一級の第一次検定に合格した後同検定種目に関し建設業法(昭和二十四年法律第百号。以下「法」という。)第二十六条第三項第二号に掲げる監理技術者の行うべき職務を補佐する者として一年以上実務の経験を有する者」を挙げています(施工技術検定規則 第5条第1項第3号)。手引の1-3に当たる条文です。
数えられる補佐の経験、数えられない経験
受検の手引の新受検資格の分冊は、監理技術者補佐としての実務経験を「(5)監理技術者補佐実務経験とは 監理技術者の専任が必要となる工事において、1級建築施工管理技士補または 1 級電気工事施工管理技士補の資格を有し、かつ当該工事における主任技術者要件を充足する者が、監理技術者の職務を専任として補佐した経験を言います。単なる監理技術者の補助等は認められません。施工体制台帳で氏名が確認できない場合は受検できません。」と定めています(令和8年度 1級 受検の手引 新受検資格について)。
この定義から、1年として数えるために要るものを並べるとこうなります。
- 監理技術者の専任が必要となる工事であること
- 1級建築施工管理技士補の資格があること
- その工事で主任技術者の要件を満たしていること
- 監理技術者の職務を専任として補佐していること
- 施工体制台帳で氏名が確認できること
監理技術者の横で書類を手伝っていた期間は、「単なる監理技術者の補助等」にあたる可能性があります。補佐の経験で二次を受けるつもりなら、配置の段階で施工体制台帳に補佐として名前が載るかを確かめておくのが筋だと僕は考えています。
令和10年度までは旧受検資格も選べる
建設業振興基金は「令和10年度までの間は経過措置として、制度改正前の受検資格要件(以下「旧受検資格」)による第二次検定受検が可能です。」と案内しています(2026年10月11日確認)。補佐の1年を待たずに、旧受検資格の実務経験で受けられる人もいるということです。
令和8年度の第二次検定と、令和7年度の結果
令和8年度の第二次検定は10月18日(日)の実施予定で、合格発表は令和9年1月8日(金)の予定です(建設業振興基金 1級建築 試験日程、2026年10月11日確認)。
1つ前の令和7年度の第二次検定は、受検者18,160名、合格者7,091名、合格率39.0%でした(建設業振興基金 令和7年度 結果表。令和8年1月25日実施の臨時試験の結果を含む)。二次の記述の準備は、1級建築の二次対策の記事で段取りを組んでいます。
合格証明書は申請して受け取る。技士補は「生涯有効」と案内されている
1級建築施工管理技士補であることを示す書類は、国土交通省へ申請して交付される「合格証明書」です。技士補の称号そのものは、建設業振興基金が「生涯有効な資格」と案内しています。
合格証明書の交付申請と手数料
受検の手引は「令和3年度以降の第一次検定合格者は、国土交通省へ交付申請を行うことによって、国土交通大臣より『1級技術検定(第一次検定)合格証明書』(技士補の証明書)が交付されます。交付申請の詳細については、第一次検定合格通知書にてご確認ください。」と書いています(令和8年度 1級 受検の手引 新受検資格について)。手数料は施行令が「技術検定の合格証明書の交付又は再交付の手数料の額は、二千二百円とする。」と定めています(建設業法施行令 第42条第2項)。
申請しないと技士補を名乗れないのかについては、建設業法第27条第7項が「合格した者は」と書いているだけで、合格証明書の交付を条件にする文言はありません。一方で、申請が名乗る条件かどうかを直接書いた公表資料も、建設業法・施行令と建設業振興基金の手引・証明書のページを見た範囲では見当たりませんでした。申請の手順や書き方は、1級建築の合格証明書の申請を扱った記事に分けています。
有効期限と講習
建設業振興基金は令和3年1月22日の掲載で、「令和3年度以降の第一次検定合格が生涯有効な資格となり、国家資格として『施工管理技士補』の称号が付与されます。」と案内しています。建設業法第27条と施行令第37条〜第43条を見た範囲でも、技士補の有効期限や更新を定めた規定は見当たりませんでした。
講習については、運用マニュアルに「なお、監理技術者補佐についても、監理技術者を適切に補佐し、資質の向上を図る観点から、監理技術者講習を受講することが望ましい。」とあります(監理技術者制度運用マニュアル 四)。書き方は「望ましい」で、補佐に入るための義務としては書かれていません。
技士補になったら、二次の前に確かめておく3つのこと
技士補になってから二次までの間にやっておくことは、主任技術者の資格の棚卸し、会社で補佐に入る話があるかの確認、補佐に入るなら施工体制台帳に載るかの確認、の3つだと僕は考えています。どれも、会社の資料や上司への確認から手を付けられる話です。
1つ目:どの工事の種類で主任技術者の資格を持っているか
補佐の入口は、主任技術者の資格が先でした。自分の資格や学歴、実務の年数が、建設業法第7条第2号のイ・ロ・ハのどれに当たり、どの工事の種類で使えるのかを書き出してみてください。そこに告示の表を重ねると、補佐に入れる工事の種類が絞り込めます。
2つ目:会社に、補佐を置いて兼務させる現場があるか
補佐は、監理技術者の専任が要る工事で、現場ごとに専任で置く人でした。会社の手持ち工事に、監理技術者を2つの現場で兼ねさせたい案件があるかどうかで、補佐の話が回ってくるかが決まります。ここは本人の努力では動かない部分なので、早めに聞いておくほうが計画を立てやすいはずです。
3つ目:補佐に入るなら、施工体制台帳に名前が載るか
補佐の1年を二次の受検資格に使うなら、受検の手引が言う「施工体制台帳で氏名が確認できない場合は受検できません。」に引っかからないようにしておく必要があります。配置が決まった段階で、自分が補佐として台帳に載るかを確認しておけば、1年たってから数えられないと分かる事態を避けられます。
令和8年度の第二次検定まで日がない方も、来年に回る方も、二次の勉強は技士補の期間に並行して進めておきたいところです。独学で進めるなら、教材や添削の手を借りる方法もあります。
※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
【PR】補佐の話と二次の勉強を、両立させたい人へ
補佐の話が来ても、二次に向けた勉強の時間は現場が終わってから自分で確保することになります。独学サポート事務局は施工管理技士の受験対策講座を扱っていて、勉強の段取りを任せられる形かどうかは公式ページで確かめられます。
- 上司から補佐の話が出て、二次の勉強に割ける時間が読めなくなった人
- 参考書を買い足すより、何から手を付けるかを人に決めてほしい人
- 一次は通ったが、記述の書き方に自信が持てない人
1級建築施工管理技士補に関する情報まとめ
- 1級建築施工管理技士補とは:1級建築の第一次検定の合格者が名乗れる称号(建設業法第27条第7項・施行令第40条)。令和8年度の第一次検定の合格者は19,993名
- 補佐に入れる工事の種類:告示1057号の表で決まる。建築一式など12種類に、とび・土工・コンクリート、石・鋼構造物・塗装・解体を加えた17種類(表の行から数えた値)
- 主任技術者の資格:補佐は「主任技術者の資格を有する者のうち」一次合格者。施行規則の表では、建築工事業の欄に一次の行が無く、大工工事業などの欄には一次合格後3年の行がある
- 兼務の特例:現場ごとに専任の補佐を置く場合に限り、監理技術者は2つの現場まで兼ねられる。主任技術者は対象外
- 二次の受検資格:一次合格後に補佐として1年以上。単なる補助は不可で、施工体制台帳で氏名が確認できることが条件
- 合格証明書と有効期限:証明書は国土交通省へ申請して受け取る(手数料2,200円)。称号は「生涯有効」と案内されている
- 次にやること:主任技術者の資格の棚卸し、補佐の話があるか、施工体制台帳に載るかの3つを確かめる
以上が1級建築の技士補に関する情報のまとめです。
この称号は、持っているだけで現場の配置が変わるものではなく、主任技術者の資格と、会社の現場の事情と、施工体制台帳への記載がそろって初めて「補佐の1年」という形になります。だからこそ、二次を受ける前のこの時期に、自分がどの工事の種類で補佐に入れるのかを一度紙に書き出しておく。それだけで、二次に受かった場合も、もう1年かかる場合も、次の1年の使い方を自分で選べるようになると僕は考えています。
称号の仕組みを全種目で確かめたいときは施工管理技士補の全体像へ、二次に受かった後の監理技術者の要件は監理技術者になれる人の整理へどうぞ。
