施工管理のきつさは、数字で見ると労働時間と休日に表れています。厚生労働省の毎月勤労統計(2025年確報)では、パートタイムを含む月間の総実労働時間は建設業159.8時間、調査産業計135.1時間で、一般労働者どうしでは差が縮みます。休日は、受注が公共工事中心の企業か民間工事中心の企業かで大きく違い、きつさは会社と現場で変わります。
- 施工管理って、本当にそんなにきついの?
- 労働時間って、ほかの仕事と比べてどのくらい長いの?
- 土曜も現場が動くけど、みんなちゃんと休めてるの?
- 残業の上限って、建設業にももう決まってるの?
- 外勤と内勤、建築と土木で残業はそんなに違う?
- 責任が重いって、結局なんの責任のこと?
- 現場ってやっぱり危ないの?
- 短すぎる工期の仕事って、受ける側は断れないの?
- うちの会社が特別きついのか、業界全体がこうなのか知りたい
- 続けるか移るか、何を見て決めればいい?
上記の様な悩みを解決します。
「きつい」という言葉とセットで語られやすいのが施工管理の仕事です。ところが、きつさの理由を並べた記事を読んでも、自分の現場が業界の中でどのあたりにいるのかは、なかなか分からないんですよね。上位の記事に目を通した範囲では、毎月勤労統計や国土交通省の休日調査の数字を、何と何を比べた値なのかまで添えて示したものは見当たりませんでした。今回は労働時間・休日・所定外労働時間・労働災害・工期・人手といった基本を数字で押さえた上で、「一般労働者どうしで比べると労働時間の差は縮む」「休日は企業の受注構成で分かれる」「2025年12月12日から受注者の側も著しく短い工期の契約を結んではならなくなった」まで、施工管理の目線で整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、施工管理の仕事を考えている学生や未経験の方、今の働き方に疑問を持ち始めた若手の方にも、自分の状況と照らし合わせやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
きつさの中身は時間・休日・責任・危険の4つ。分けると数字を当てられる
施工管理がきついと言われる中身を、僕は時間・休日・責任・危険の4つに分けて考えています。4つに分けると、それぞれに公的な統計や条文を当てて、自分の働き方が業界のどのあたりにあるかを確かめられるからです。
この記事では、4つを次の資料に当てていきます。
- 時間:毎月勤労統計の月間の総実労働時間と、日建協アンケートの所定外労働時間
- 休日:国土交通省の令和6年度の調査と、日建協アンケートの休日取得日数
- 責任:建設業法が定める主任技術者・監理技術者の職務
- 危険:厚生労働省の令和7年の労働災害の確定値
工期の短さと人手の少なさは、この4つの裏側にある事情として後半の章で扱います。
責任の出どころとして条文に書かれているのは、主任技術者と監理技術者の職務です。「主任技術者及び監理技術者は、工事現場における建設工事を適正に実施するため、当該建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理及び当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督の職務を誠実に行わなければならない。」(建設業法 第26条の4第1項)。主語は「主任技術者及び監理技術者は」で、施工管理として働く人すべての職務を決めた条文ではありません。それでも、配置された技術者の下で働く担当者も、この管理の一部を分担しながら現場を回すことになる、と僕は整理しています。
工程表や検査、巡視といった日々の仕事の中身は、施工管理の仕事内容をまとめた記事で条文と契約書の出口ごとに並べています。「現場監督」と「施工管理」という呼び名の関係は現場監督の解説で確かめられます。
労働時間:建設業は月間159.8時間。ただし一般労働者どうしでは差が縮む
厚生労働省の毎月勤労統計(2025年確報・事業所規模5人以上)では、建設業の月間の総実労働時間は159.8時間で、調査産業計の135.1時間より24.7時間多くなっています(159.8−135.1で計算した算出値)。ただしこれはパートタイム労働者を含む「就業形態計」どうしの比較で、パートタイムを除く一般労働者どうしでは164.3時間と160.5時間です。
| 項目(月間・2025年確報) | 建設業 | 調査産業計 |
|---|---|---|
| 総実労働時間(就業形態計) | 159.8時間 | 135.1時間 |
| 所定外労働時間(就業形態計) | 12.8時間 | 9.8時間 |
| 出勤日数(就業形態計) | 19.6日 | 17.4日 |
| 総実労働時間(一般労働者) | 164.3時間 | 160.5時間 |
| 出勤日数(一般労働者) | 20.0日 | 19.2日 |
出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報」第2表 月間実労働時間及び出勤日数(事業所規模5人以上)。2026年10月11日確認。
就業形態計で差が大きく出るのは、含まれるパートタイム労働者の割合の違いが効いていると読めます。同じ第2表で、パートタイム労働者の月間の総実労働時間は建設業83.1時間、調査産業計79.1時間です。一般労働者どうしの差は164.3−160.5で3.8時間、出勤日数の差は20.0−19.2で0.8日(どちらも算出値)になります。
国交省の資料は「全産業と比べて」年間の差を示している
国土交通省の参考資料集(令和8年4月3日)には、毎月勤労統計の年度報をもとに、パートタイムを除く一般労働者の年間の出勤日数と実労働時間を令和6年度まで追ったグラフがあります。その説明は「建設業について、年間の出勤日数は全産業と比べて10日多い。また、年間の総実労働時間は全産業と比べて48時間長い。」です。
この10日・48時間は年度報の年間の値で、上の表(2025年確報の月間の値)とは別の系列です。ここでは2つを並べて計算し直すことはしません。
数字を並べてみると、「建設業は他産業よりはるかに長く働いている」という言い方は、比べ方しだいで印象が大きく変わることが分かります。僕は、業界全体の平均の差よりも、次の章以降で見る休日の取り方と外勤・内勤の差のほうが、施工管理のきつさの手触りに近いと考えています。
休日:全体では4週6休程度がいちばん多く、受注が公共工事中心の企業では4週8休以上が半数を超える
国土交通省の「令和6年度 適正な工期設定による働き方改革の推進に関する調査」では、全体で見た技術者の休日は「4週6休程度」が39.6%でいちばん多く、「4週8休(週休2日)以上」は28.6%でした。企業の受注構成で分けると、公共工事の受注がほとんどの企業の技術者は4週8休以上が52.3%、民間工事の受注がほとんどの企業の技術者は15.8%で、差がはっきり出ています。
| 区分(令和6年度調査) | 4週8休(週休2日)以上 | 4週6休程度 |
|---|---|---|
| 全体・技術者 | 28.6% | 39.6% |
| 全体・技能者 | 29.4% | 38.7% |
| 公共工事の受注がほとんど・技術者 | 52.3% | 28.2% |
| 公共工事の受注がほとんど・技能者 | 51.7% | 29.8% |
| 民間工事の受注がほとんど・技術者 | 15.8% | 46.6% |
| 民間工事の受注がほとんど・技能者 | 9.0% | 47.6% |
出典:国土交通省 参考資料集(令和8年4月3日)p.6「建設業における平均的な休日の取得状況」(令和6年度 適正な工期設定による働き方改革の推進に関する調査)。建設企業の回答の割合で、表は休日の区分のうち「4週8休以上」と「4週6休程度」の2列だけを抜き出しています。
同じ資料は「技術者・技能者ともに4週8休(週休2日)の確保ができていない場合が多い。」とまとめています。区分は回答した企業の受注構成によるもので、現場ごとの公共・民間の区分ではありません。調査対象の母集団と回答数は資料に書かれていないので、割合として読むのが確実です。
ゼネコン等の職員では、2025年11月の休日12日のうち取得は平均11.4日
日本建設産業職員労働組合協議会(日建協)の「2025時短アンケート」は、加盟組合員(ゼネコン等の職員。組合員数約39,000人・回答約18,000人)を対象に、2025年11月の働き方を聞いた調査です。技能者や、加盟していない中小企業の職員は含まれません。
結果は「2025年11月の休日は12日ありました。そのうち実際に休日取得をした日数の平均は、全体11.4日、内勤11.7日、外勤11.0日でした。」というものでした。外勤建築については「土曜日と祝日の休日取得が少なく、1日ほど休日出勤をしていることになります。」とも書かれています。
作業所の閉所の設定でも差が出ています。「4週8閉所を設定している作業所では11.2日取得しています。」「閉所設定が少なくなるほど休日取得日数が減少し、4週3閉所以下の作業所では10.1日しか取得できていません。4週8閉所と比較して1ヶ月の休日取得で1.1日の違いがありました。」(日建協「2025時短アンケート」ダイジェスト・2026年4月)。
発注者の側の動き
都道府県の発注工事については、国土交通省の同じ参考資料集(p.68)が、週休2日工事の達成率(4週8休を達成した件数÷その年度に完了した工事の件数)を団体ごとに集計しています。令和6年度は達成率「75%以上」が40団体、「30%以上75%未満」が7団体、「30%未満」が0団体で、令和3年度は同じ順に3団体・15団体・28団体でした。資料は「都道府県においては、週休2日工事の実施及び達成は既に一般的なものとして浸透」と書いています。
国の直轄工事では、令和8年3月10日付けの通知「国土交通省直轄工事における週休2日の取組方針について」が出ています。対象は「国土交通省直轄工事(官庁営繕関係及び港湾空港関係を除く。)を対象とする。」とされ、取り組み方は「地域の実情や現場の状況等を踏まえ、週休2日や交替制など、適切な方法により取り組むものとする。」です。あわせて「なお、これまで実施してきた週休2日の取得に要する費用の計上等による試行は完了とし、今後は費用計上等を実施しないものとする。」とし、「本通知は、令和 8 年 4 月 1 日以降に入札公告等を行う工事に適用する。」としています。
残業(所定外労働時間):外勤と内勤の職種どうしで比べると、2倍近い開きがある
日建協の2025時短アンケートでは、月の所定外労働時間(いわゆる残業)は全体で29.2時間でした。職種別では外勤建築41.0時間に対して内勤建築22.6時間、外勤土木38.6時間に対して内勤土木20.3時間で、同じ建築・土木の中でも外勤の職種は内勤の職種の2倍近くになっています。
2025年の職種別の値は次のとおりです(日建協「2025時短アンケート」図1)。
- 全体:29.2時間
- 外勤建築:41.0時間/内勤建築:22.6時間
- 外勤土木:38.6時間/内勤土木:20.3時間
- 外勤事務:27.9時間/内勤事務:14.0時間
- 全産業:13.6時間(日建協が厚生労働省「毎月勤労統計調査」から引用した値)
外勤と内勤の比は、建築が41.0÷22.6で約1.8倍、土木が38.6÷20.3で約1.9倍、事務が27.9÷14.0で約2.0倍です(いずれも算出値)。「外勤全体」をひとまとめにした所定外労働時間の値は、ダイジェストには載っていません。
月80時間以上の所定外労働をした組合員の割合は、全体で3.3%(2024年は4.2%)、外勤で5.6%(2024年は7.0%)でした。月100時間以上は全体で1.2%、職種別では外勤建築2.7%、外勤土木1.5%です。
全産業の13.6時間は日建協が毎月勤労統計から引いた値で、前の章の表の所定外労働時間(調査産業計9.8時間)と集計の取り方がそろっているとは限らないので、ここでは並べて比べません。また、このアンケートはゼネコン等の職員の数字で、技能者や中小企業の施工管理の働き方を表したものではありません。
時間外労働の上限規制は、2024年4月から建設業にも
厚生労働省は「建設業では、災害時における復旧及び復興の事業を除き、時間外労働の上限規制が原則どおりに適用されます。」と説明しています(厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」)。原則の上限である限度時間は、労働基準法第36条第4項で「一箇月について四十五時間及び一年について三百六十時間」です(同項には、第三十二条の四による三箇月を超える対象期間の場合の括弧書きがあります)。
建設業への適用が猶予されていた期間は、労働基準法第139条第2項で「令和六年三月三十一日(同日及びその翌日を含む期間を定めている第三十六条第一項の協定に関しては、当該協定に定める期間の初日から起算して一年を経過する日)までの間」とされていました。2024年4月からというのはこの区切りのことで、年度をまたぐ期間の36協定を結んでいた事業場は、その協定の期間の初日から1年を経過する日までが猶予の範囲でした。
特別条項の上限まで含めた中身は仕事内容の記事の上限規制の表に、36協定の結び方と届け出は建設業の36協定の記事に譲ります。
危険と責任:建設業の死亡者は全産業の約3割、その4割強が墜落・転落
厚生労働省の「令和7年における労働災害発生状況(確定)」では、全産業の死亡者700人のうち建設業は214人で、構成比は30.6%でした。建設業の214人のうち、事故の型が墜落・転落だったのは91人で、91÷214で計算すると42.5%(算出値)になります。
この確定値は「令和7年1月1日から令和7年12月31日までに発生した労働災害について、令和8年4月7日までに報告があったものを集計したもの」です。建設業の死亡者は令和6年の232人から18人減っています。
死亡と休業4日以上の死傷災害を合わせた死傷者数で見ると、建設業は13,437人(全産業135,333人の9.9%)でした。このうち墜落・転落は4,343人で、4,343÷13,437で計算すると約32.3%(算出値)です。休業4日以上だけの人数は資料に単独では載っておらず、13,437−214で出すと13,223人(算出値)になります。
責任の重さは、技術上の管理と指導監督を担う立場から来ると僕は考えている
建設業法は、現場で施工に従事する人の側についても「工事現場における建設工事の施工に従事する者は、主任技術者又は監理技術者がその職務として行う指導に従わなければならない。」と定めています(建設業法 第26条の4第2項)。第1項の職務とあわせて読むと、主任技術者・監理技術者は、施工計画・工程・品質の技術上の管理に加えて、現場で働く人を技術上指導する立場にある、ということになります。
第26条の4の第1項・第2項には「安全」という語は出てきません。そのうえで僕は、施工管理のきつさのうち「責任」と呼ばれるものは、上の労災の数字が示すように人が亡くなることもある現場で、技術上の管理と指導監督を担う立場から来ていると考えています。建設業で多い災害の型や、労災が起きたときの手続きは建設業の労災の記事でまとめています。
工期:著しく短い工期の契約は、2025年12月12日から受注者の側も結んではならない
建設業法第19条の5は、もともと注文者に対して著しく短い工期の請負契約を禁じていましたが、2025年12月12日に施行された改正で第2項が加わり、建設業者(受注者)の側にも同じ禁止がかかりました。工期の短さそのものが無くなるわけではありませんが、受ける側にも条文上の歯止めができたことになります。
条文は次のとおりです。
第1項:「注文者は、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間を工期とする請負契約を締結してはならない。」
第2項:「建設業者は、その請け負う建設工事を施工するために通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間を工期とする請負契約を締結してはならない。」
第2項を加えた改正法(令和6年法律第49号)は、施行日より前の契約には第2項を当てはめないと定めています。「第一条のうち建設業法第十九条の三に一項を加える改正規定及び同法第十九条の五に一項を加える改正規定による改正後の同法第十九条の三第二項及び第十九条の五第二項の規定は、この法律の施行の日(次項において「施行日」という。)前に締結された建設工事の請負契約については、適用しない。」(同法 附則第2条第3項)。施行日の2025年12月12日より前に結ばれた契約の工事には、第2項は適用されません。
工期に関する基準は、受注者の見積りを「努める」と書いている
中央建設業審議会の「工期に関する基準」(令和2年7月20日決定・令和6年3月27日最終改定)は、週休2日について「建設業の担い手一人ひとりが週休2日(4週8休)を確保できるようにしていくことが必要である。」と書いています。受注者については「受注者は、契約締結前又は変更契約が必要となる際に、時間外労働規制を遵守した適正な工期が確保された見積りを作成し、発注者に提出するよう努める。」とあり、ここは努力を求める書き方です。
現場の側の数字では、日建協の2025時短アンケートが「2025年に着工した工事は8閉所設定ができる作業所の割合は建築が81.6%、土木が88.0%となりました。」と報告しています。これは日建協の加盟組合員がいる作業所の、受注時の閉所設定の割合で、建設工事全体の割合ではありません。
僕は、受注者の側にも禁止がかかったことで、見積りの段階で週休2日と上限規制を入れた工期を出す理由がはっきりしたと考えています。ただ、条文ができたことで工期に追われるきつさが消えるとまでは言えず、実際の工期がどう決まっているかは会社ごとに確かめる必要があります。
人手:建設業就業者は478万人、55歳以上が36.6%
国土交通省の参考資料集(令和8年4月3日)p.4は、建設業就業者の推移を「○建設業就業者: 685万人(H9) → 504万人(H22) → 478万人(R7)」とまとめています。同じページは「○建設業就業者は、55歳以上が36.6%、29歳以下が11.9%と高齢化が進行し、次世代への技術承継が大きな課題。」とも書いています。
内訳は、技術者が41万人(H9)→31万人(H22)→41万人(R7)、技能者が455万人(H9)→331万人(H22)→296万人(R7)です。総務省の労働力調査(2025年平均)でも、建設業の就業者は478万人(2024年は477万人)でした。
年齢の比較は、国土交通省が総務省「労働力調査」(暦年平均)をもとに作成したグラフで、R7の全産業は55歳以上が32.8%、29歳以下が17.0%です。建設業は全産業より55歳以上の割合が高く、29歳以下の割合が低いことになります。
僕は、若い人が少ない現場では一人の担当者が受け持つ範囲が広くなりやすく、それが時間と休日のきつさにつながっている場合もあると考えています。就業者数の推移や職種ごとの内訳は建設業の就業者数の記事で詳しく追っています。
きつさは会社と現場で変わる。続けるか移るかを決める前に確かめたい4つ
ここまでの数字を見ると、施工管理のきつさは業界の平均よりも、自分の会社と現場の条件で大きく変わると僕は考えています。続けるか移るかを決める前に、今の職場と比べる先の職場について、次の4つを確かめておくと判断の材料がそろいます。
- 会社の受注構成:公共工事の受注が中心か、民間工事の受注が中心か(休日の章の差)
- 職種:外勤か内勤か、建築か土木か(所定外労働時間の章の差)
- 作業所の閉所設定:4週8閉所の設定があるか(日建協の休日取得の差)
- 工期の見積り:週休2日と時間外労働の上限を入れた工期で受注しているか(工期の章)
4つのうち、受注構成と閉所設定は、面接や会社説明の場でも確かめやすい事柄だと僕は考えています。工期の見積りは外から見えにくいので、「直近の現場は何閉所で動いていたか」「土曜の作業は月に何回あったか」のように、具体的な現場の話として聞くと実態に近づけると思います。
僕は、施工管理を辞めるべきかどうかを一律には言えないと考えています。同じ施工管理でも、上の4つの条件が違えば、時間と休日の数字は大きく変わるからです。今の職場の4つを書き出してみて、変えられない条件が重なっているなら、働く場所を比べてみる価値はあります。施工管理の経験を活かせる転職先を探すときのサービスの違いは、施工管理向けの転職サービスを比べた記事で整理しています。
施工管理のきつさに関する情報まとめ
- 4つの中身:きつさは時間・休日・責任・危険に分けると、統計と条文を当てて確かめられる
- 労働時間:毎月勤労統計2025年確報の月間の総実労働時間は、就業形態計で建設業159.8時間・調査産業計135.1時間。一般労働者どうしでは164.3時間と160.5時間で差が縮む
- 休日:国交省の令和6年度調査では全体の技術者は4週6休程度が最多。公共工事の受注がほとんどの企業の技術者は4週8休以上が52.3%、民間工事の受注がほとんどの企業は15.8%
- 残業:日建協2025時短アンケートの月の所定外労働時間は外勤建築41.0時間・内勤建築22.6時間など、外勤の職種は内勤の職種の2倍近い。上限規制は2024年4月から建設業にも適用
- 危険と責任:令和7年確定値で建設業の死亡者は214人(全産業の30.6%)、うち墜落・転落91人。責任は技術上の管理と指導監督を担う立場から来る
- 工期:建設業法第19条の5第2項で、2025年12月12日から受注者も著しく短い工期の契約を結んではならない(施行日前の契約には適用しない)
- 人手:建設業就業者は478万人(R7)、55歳以上36.6%・29歳以下11.9%
- 確かめたい4つ:受注構成・外勤か内勤か・閉所設定・工期の見積り
以上が施工管理のきつさに関する情報のまとめです。
「施工管理はきつい」という言葉は、数字に分けると、どの会社のどの現場でも同じではないことが見えてきます。まずは今の自分の月間の所定外労働時間と、4週で何日休めているかを書き出して、この記事の数字と並べてみてください。業界の中で自分がどのあたりにいるかが分かれば、続けるにしても移るにしても、次に何を確かめればいいかがはっきりするはずです。
上限規制と36協定の関係を先に押さえておきたい方は、建設業の36協定の解説から読むと、自分の会社の協定の見方がつかめます。
