電気通信工事とは?設備を設置する工事で、保守の役務は含まない

電気通信工事とは、建設業法の29業種の1つで、告示では「有線電気通信設備、無線電気通信設備、ネットワーク設備、情報設備、放送機械設備等の電気通信設備を設置する工事」と定められています。既に設置された電気通信設備の改修・修繕・補修も含みますが、点検・整備・修理といった保守に関する役務の提供は含みません。電気工事との境目と、関わる資格の違いを順に整理します。

  • 電気通信工事って、結局どんな工事のことを指すの?
  • 法律ではどこにどう書いてあるの?
  • LANの配線や防犯カメラ、Wi-Fiの工事もこれに入るの?
  • 放送設備の工事は電気工事と電気通信工事のどっち?
  • 点検や保守の仕事も、電気通信工事として請けることになる?
  • 火災報知設備の配線はどの業種なの?
  • 電気工事士の免状を持っていれば、通信の工事もできる?
  • 工事担任者と電気通信主任技術者って、何が違うの?
  • 電気通信工事業の許可は、どの資格があれば取れるの?
  • 電気通信工事施工管理技士って、いつからある資格なの?

上記の様な悩みを解決します。

電気通信工事は、電気工事と隣り合う場面のある工事で、「どこからが電気通信工事なのか」「どの資格で何ができるのか」が混ざりやすい分野です。今回は定義、工事の例、電気工事との違い、資格、許可の要件という5つの基本をそろえ、そのうえで当サイトが確認した上位の解説記事の見出しの範囲では見当たらなかった「告示の文言が平成29年に変わったこと」と「保守の役務は電気通信工事に入らないという国の区分の考え方」まで、施工管理の目線で整理しました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、電気の現場から通信の仕事を任されるようになった方でも、条文と国の資料に沿って順に確かめられる内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

電気通信工事の意味:通信・情報・放送の設備を「設置する」工事で、告示の文言は平成29年に改正された

電気通信工事とは、通信・ネットワーク・情報・放送の設備を設置する工事を指す、建設業法上の工事の種類です。中身を定めているのは昭和47年建設省告示第350号で、その文言は平成29年11月10日に公布された改正で書き換えられています。

出発点は建設業法の条文です。「この法律において「建設工事」とは、土木建築に関する工事で別表第一の上欄に掲げるものをいう。」とあり(建設業法 第2条第1項)、別表第一には建設工事の種類が並んでいて、その1行が、左に「電気通信工事」、右に対応する建設業として「電気通信工事業」です(建設業法 別表第一)。

ただし別表第一は名前を並べているだけで、どんな工事かは書いていません。その中身を決めているのが告示第350号です。国土交通省が平成29年11月10日に公表した告示改正の新旧対照では、改正後の電気通信工事が「有線電気通信設備、無線電気通信設備、ネットワーク設備、情報設備、放送機械設備等の電気通信設備を設置する工事」、改正前が「有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備、データ通信設備等の電気通信設備を設置する工事」となっています(国土交通省 報道発表 平成29年11月10日 添付「【告示】案文・新旧」)。同じ日の報道発表には「関連告示の一部を改正する告示を本日公布いたしました。」とあります(国土交通省 報道発表資料「施工技術の向上を図るための技術検定種目の新設等について」平成29年11月10日)。

新旧の文言を並べると、変わった点と変わらない点は次のとおりです。

  • 改正後に新しく入った語:「ネットワーク設備」「情報設備」
  • 改正後に無くなった語:「データ通信設備」
  • 改正の前後で変わらない語:「有線電気通信設備」「無線電気通信設備」「放送機械設備」

この書き換えには経緯があります。国土交通省の検討会の資料には「「データ通信設備」より、「ネットワーク設備」とした方が、分かりやすいとのご指摘もあった。」とあり、データ通信設備については「ネットワーク設備(名称変更)と情報設備に整理」という方向が示されていました(国土交通省 電気通信工事に係る施工管理技術検定に関する検討会 第2回 資料2・2017年5月12日開催)。

注意したいのは、古い文言が今も目に入る場所があることです。国土交通省の告示データのページ(2026年10月9日確認)に載っている告示第350号は、昭和60年の改正までの文言で、電気通信工事は改正前の「データ通信設備等」のままです。定義を引くときは、平成29年11月10日の改正後の文言かどうかを確かめてください。

僕は、改正後の文言に「ネットワーク設備」と「情報設備」が並び、改正前の「データ通信設備」が無くなった点が、この業種の定義を読むときの入口だと考えています。

例示は8種類。既設設備の改修は入り、保守の役務は入らない

国土交通省は電気通信工事の具体例として8つの工事名を挙げていて、すでに設置された設備の改修・修繕・補修は電気通信工事に入る一方、点検・整備・修理といった保守の役務は入らないと整理しています。請ける仕事が「工事」なのか「保守」なのかで、業種の扱いが変わるということです。

例示は、建設業許可事務ガイドラインの別表に次のとおり並んでいます。

No. 電気通信工事の例示(ガイドライン別表の表記どおり)
1 有線電気通信設備工事
2 無線電気通信設備工事
3 データ通信設備工事
4 情報処理設備工事
5 情報収集設備工事
6 情報表示設備工事
7 放送機械設備工事
8 TV電波障害防除設備工事

出典:国土交通省「建設業許可事務ガイドラインについて」(最終改正 令和7年2月1日国不建第 161 号)別表「建設工事の例示」

前の章の告示と見比べると、引っかかる点があるはずです。告示は平成29年の改正で「データ通信設備」を「ネットワーク設備」に書き換えましたが、令和7年2月1日最終改正のガイドラインの例示は「データ通信設備工事」の表記のままです。どちらも国土交通省の現行の資料に載っている語で、事実としてはこの2つが並んでいる状態です。

次に、保守の扱いです。ガイドラインは電気通信工事の区分の考え方として、「既に設置された電気通信設備の改修、修繕又は補修は『電気通信工事』に該当する。なお、保守(電気通信施設の機能性能及び耐久性の確保を図るために実施する点検、整備及び修理をいう。)に関する役務の提供等の業務は、『電気通信工事』に該当しない。」と書いています(許可事務ガイドライン 第2条関係2.(18)電気通信工事①)。

ここで押さえたいのは、同じ「修理」という言葉でも扱いが分かれることです。既設設備の「修繕又は補修」は電気通信工事に入り、保守の定義の括弧書きにある「点検、整備及び修理」を役務として提供する業務は入りません。工事として請けているのか、保守の役務として請けているのかが分かれ目になります。

では、LANの配線、防犯カメラ、Wi-Fiはどうか。上の8つの例示にも告示の文言にも、「LAN」「防犯カメラ」「Wi-Fi」という語そのものは出てきません。どの工事名に当たるかは、実際の工事の中身を告示の文言と8つの例示に照らして判断することになり、自社だけで決めきれないときは、許可を出す行政庁の窓口に工事の内容を示して相談するのが確実です。

僕は、通信設備の仕事を受けるときに、見積書や契約書の段階で「設置・改修の工事」と「点検・整備の保守」を別の項目に分けておくと、業種の判断と許可の要否を後から説明しやすくなると考えています。

電気工事・消防施設工事・機械器具設置工事との境目

電気通信工事と隣の業種との境目について、ガイドラインがはっきり書いているのは機械器具設置工事との区分だけで、電気工事との区分を直接述べた記述は見当たりません。火災報知設備工事と非常警報設備工事は、電気通信工事ではなく消防施設工事の例示に入っています。

まず電気工事の例示を並べておきます。ガイドラインの別表では「発電設備工事、送配電線工事、引込線工事、変電設備工事、構内電気設備(非常用電気設備を含む。)工事、照明設備工事、電車線工事、信号設備工事、ネオン装置工事」です(建設業許可事務ガイドライン 別表「建設工事の例示」)。電気通信工事の8つの例示と同じ工事名はありません。

それでも、両者の線を引く記述は、ガイドラインの第2条関係の(7)電気工事と(18)電気通信工事、別表の電気工事・電気通信工事の行を確認した範囲では見つかりませんでした。代わりに総則には、「各工事の内容はそれぞれ他の工事の内容と重複する場合もあることに留意すること。」という一文があります(許可事務ガイドライン 第2条関係1.)。工事の内容は重なり得る、という前提に立った書き方です。

隣の業種ごとに、ガイドラインで確かめられることを整理すると次のとおりです。

  • 電気工事:例示は発電・送配電・変電・構内電気・照明などで、電気通信工事との区分を直接述べた記述は上の確認範囲に無い
  • 消防施設工事:例示に「火災報知設備工事」「非常警報設備工事」がある。電気通信工事との区分を直接述べた記述は、電気工事と同じ確認範囲に無い
  • 機械器具設置工事:重なる場合は「原則として『電気工事』等それぞれの専門の工事に区分するもの」とされ、電気通信工事も重なり得る業種として名前が挙がっている

機械器具設置工事との区分は、全文では「『機械器具設置工事』には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、機械器具の種類によっては『電気工事』、『管工事』、『電気通信工事』、『消防施設工事』等と重複するものもあるが、これらについては原則として『電気工事』等それぞれの専門の工事に区分するものとし、これらいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が『機械器具設置工事』に該当する。」です(許可事務ガイドライン 第2条関係2.(18)電気通信工事②)。ガイドラインの言い方では、専門の工事に当たるものはそれぞれの専門の工事に区分し、いずれにも当たらない機械器具や複合的な機械器具の設置が機械器具設置工事です。

電気工事側の範囲は、電気工事そのものの定義や、電気工事士の資格が要る作業の線引きと一緒に見たほうが分かりやすいテーマです。電気工事の業種の中身と隣接業種との関係は、電気工事の定義と資格が要る作業の整理で詳しく扱っています。

僕は、電気と通信が同じ盤やラックに入る現場ほど、例示の工事名のどれに当たるかを工種ごとに書き出してから発注の単位を決めるほうが、業種の取り違えを防げると考えています。

電気通信工事に関わる資格は、根拠の法律も主語も違う3系統

電気通信工事の周りには、工事担任者・電気通信主任技術者・電気通信工事施工管理技士という3つの資格がありますが、根拠の法律と、条文が誰に何を求めているかがそれぞれ違います。前の2つは電気通信事業法、最後の1つは建設業法の資格です。

3つを並べると次のようになります。

資格 根拠 条文の主語と、定めていること
工事担任者 電気通信事業法 第71条第1項・第72条第1項、工事担任者規則 第4条 利用者が端末設備等を接続するとき、資格者証の種類に応じて工事を行わせ、または実地に監督させる
電気通信主任技術者 電気通信事業法 第45条第1項 電気通信事業者が、事業用電気通信設備の工事、維持及び運用に関する事項を監督させるために選任する
電気通信工事施工管理技士 建設業法の技術検定(建設業法施行令 第37条) 電気通信工事の施工計画・施工図の作成と、工程管理・品質管理・安全管理など施工の管理に必要な技術を判定する

工事担任者の条文は、「利用者は、端末設備又は自営電気通信設備を接続するときは、工事担任者資格者証の交付を受けている者(以下「工事担任者」という。)に、当該工事担任者資格者証の種類に応じ、これに係る工事を行わせ、又は実地に監督させなければならない。ただし、総務省令で定める場合は、この限りでない。」です(電気通信事業法 第71条第1項)。ただし書の場合として、工事担任者規則第3条は専用設備に端末設備等を接続するときなどを挙げています。資格者証の種類は、工事担任者規則第4条で第一級アナログ通信・第二級アナログ通信・第一級デジタル通信・第二級デジタル通信・総合通信の5種に分かれ、それぞれ工事の範囲が決まっています。

電気通信主任技術者の条文の本文は、「電気通信事業者は、事業用電気通信設備の工事、維持及び運用に関し総務省令で定める事項を監督させるため、総務省令で定めるところにより、電気通信主任技術者資格者証の交付を受けている者のうちから、電気通信主任技術者を選任しなければならない。」です(電気通信事業法 第45条第1項)。主語は電気通信事業者で、建設業の許可や現場の技術者配置を定めた条文ではありません。

電気通信工事施工管理技士は、建設業法の技術検定の1つです。施行令の検定種目の表には「電気通信工事施工管理」があり、検定技術は「電気通信工事の実施に当たり、その施工計画及び施工図の作成並びに当該工事の工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理を適確に行うために必要な技術」とされています(建設業法施行令 第37条)。

電気工事士はどうか。電気工事士法は電気工事を「一般用電気工作物等又は自家用電気工作物を設置し、又は変更する工事をいう。ただし、政令で定める軽微な工事を除く。」と定め(電気工事士法 第2条第3項)、自家用は第一種、一般用電気工作物等は第一種または第二種の電気工事士でなければ作業に従事してはならないとしています(電気工事士法 第3条第1項・第2項)。その電気工作物は「発電、蓄電、変電、送電若しくは配電又は電気の使用のために設置する機械、器具、ダム、水路、貯水池、電線路その他の工作物(船舶、車両又は航空機に設置されるものその他の政令で定めるものを除く。)」です(電気事業法 第2条第1項第18号)。

軽微な工事の1つには、「電鈴、インターホーン、火災感知器、豆電球その他これらに類する施設に使用する小型変圧器(二次電圧が三十六ボルト以下のものに限る。)の二次側の配線工事」があります(電気工事士法施行令 第1条第四号)。この除外は、電鈴などに使用する小型変圧器の二次側配線に限った書き方です。一方で、通信線・LAN配線・放送機器などの電気通信設備の設置が電気工事士法の電気工事に当たるかどうかを直接述べた条文や国の資料は、電気工事士法第2条・第3条、同施行令第1条、電気事業法第2条第1項第18号、国土交通省ガイドライン第2条関係を確認した範囲では見つかりませんでした。電気工事士の免状が要るかどうかは、個々の工事の内容を上の条文と照らして確かめることになります。資格なしでできる軽微な作業の範囲は、電気配線工事で資格が要る作業・要らない作業で条文ごとに整理しています。

僕は、この3系統を「誰に向けた義務か」で覚えておくと、現場で資格の話が出たときに、それが通信事業の制度の話なのか、建設業の許可と技術者の話なのかをすぐ切り分けられると考えています。

電気通信工事業の許可で技術者になれる国家資格と、実務経験のルート、許可業者の数

電気通信工事業の許可で営業所技術者などになれる国家資格として、国土交通省の一覧には1級・2級の電気通信工事施工管理技士、技術士(電気電子・総合技術監理(電気電子))、電気通信主任技術者、一部の工事担任者が載っています。ただし資格は1つのルートで、一般建設業では学歴と実務経験、または実務経験10年でも技術者を置けます。

建設業法は、一般建設業の許可の要件として、営業所ごとに「営業所技術者(建設工事の請負契約の締結及び履行の業務に関する技術上の管理をつかさどる者であつて、次のいずれかに該当する者をいう。…)を専任の者として置く者であること。」を求めています(建設業法 第7条第2号)。その「いずれか」の1つが国家資格で、電気通信工事業の欄は、国土交通省「建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧」(2025/12/18 施行)で次のとおりです。

  • 1級電気通信工事施工管理技士:特定建設業の欄(営業所の技術者または監理技術者になれる区分)
  • 2級電気通信工事施工管理技士:一般建設業の欄(営業所の技術者または主任技術者になれる区分)
  • 技術士(電気電子・総合技術監理(電気電子)):特定建設業の欄
  • 電気通信主任技術者:一般建設業の欄、資格取得後の実務経験5年
  • 工事担任者(第一級アナログ通信及び第一級デジタル通信の両方、または総合通信)の交付を受けた者:一般建設業の欄、資格取得後の実務経験3年(注8付き)

年数は、一覧の凡例で「枠内の数字:資格取得後、必要な当該業種の実務経験年数」と説明されています。工事担任者は、5種のうち第一級アナログ通信と第一級デジタル通信の両方か、総合通信の交付を受けた人だけが一覧に載っています。そのうえで注8は「令和3年4月1日以降に工事担任者試験に合格した者、養成課程を修了した者及び総務大臣の認定を受けた者に限ります。」です(同一覧 備考)。この限定は営業所技術者になれるかどうかの話で、工事担任者として端末設備等の接続工事を行えるかどうかとは別の条文の話です。

同じ一覧で、第1種・第2種電気工事士の行は電気の列だけが塗られていて、電気通信の列は空欄です(2025/12/18 施行の一覧を目視で確認)。電気通信工事業の技術者になれる国家資格の一覧に、電気工事士は入っていないということです。

資格が無くても、一般建設業では実務経験で営業所技術者を置くルートがあります。建設業法第7条第2号のイは、高等学校などを卒業した後5年以上、大学などを卒業した後3年以上の実務経験を持ち、在学中に国土交通省令で定める学科を修めた人で、電気通信工事業の指定学科は「電気工学又は電気通信工学に関する学科」です(国土交通省「指定学科一覧」・建設業法施行規則 第1条)。ロは「許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し十年以上実務の経験を有する者」です(建設業法 第7条第2号ロ)。

特定建設業でも、資格以外のルートが条文上あります。特定建設業の技術者は、国土交通大臣が定める試験・免許の合格者等(イ)のほか、「第七条第二号イ、ロ又はハに該当する者のうち、許可を受けようとする建設業に係る建設工事で、発注者から直接請け負い、その請負代金の額が政令で定める金額以上であるものに関し二年以上指導監督的な実務の経験を有する者」(ロ)でもよいとされています(建設業法 第15条第2号)。そして施行令第5条の2は「法第十五条第二号ただし書の政令で定める建設業は、次に掲げるものとする。」として、土木工事業・建築工事業・電気工事業・管工事業・鋼構造物工事業・舗装工事業・造園工事業の7つを挙げています。電気通信工事業はこの指定建設業に入っていないので、ただし書の対象にならず、ロの指導監督的な実務経験のルートも使える、という読み方になります。

営業所技術者は許可の要件の1つで、ほかの要件や許可の取り方の全体は建設業許可の要件と取り方にまとめています。現場に置く主任技術者・監理技術者の役割の違いは、監理技術者の要件と主任技術者との違いが判断の助けになります。

最後に、許可を持つ業者の数です。令和8年3月末現在、電気通信工事業の許可業者数は16,764で、内訳は一般建設業15,195、特定建設業1,569です。前年の16,523から1.5%増えています(国土交通省 報道発表資料「建設業許可業者数調査の結果について-建設業許可業者の現況(令和8年3月末現在)-」令和8年5月15日 表-3・表-6)。この数は業種ごとに許可を持つ業者を数えたもので、同じ資料の電気工事業は66,534です。同じ時点の建設業許可業者数は483,823業者なので、16,764÷483,823から計算すると、許可業者のうち電気通信工事業の許可を持つのは約3.5%です(算出値)。

電気通信工事施工管理技士は平成29年に創設され、平成31年度から検定が始まった資格

電気通信工事施工管理技士は、平成29年11月10日の建設業法施行令等の改正で創設され、平成31年度(令和元年度)から検定が実施されている資格です。2級は主任技術者、1級は監理技術者等として職務を行えるようになります。

国土交通省のページには、「平成29年11月10日に建設業法施行令等の改正を行い、電気通信工事施工管理技術検定が創設されました。」「平成31年度より「電気通信工事施工管理技術検定」を実施いたします。」とあります(国土交通省「電気通信工事施工管理技術検定」ページ)。最初の章で見た告示第350号の改正と同じ日に、検定の種目が新しくできたということです。

創設の背景も同じページに書かれています。技術者制度の検討会では、「技術者一人あたりの工事量が増加傾向にあり、今後の技術者不足が懸念される電気通信工事業について、技術者の確保のため、電気通信工事に関する新たな国家資格(技術検定)の創設について早期に検討が必要とされました。」とされています(国土交通省「電気通信工事施工管理技術検定」ページ。適正な施工確保のための技術者制度検討会(第13回)平成28年10月19日の記載)。

初めての合格者が出たのは令和2年3月4日の発表です。報道発表には「電気通信工事施工管理技士は令和元年度から新設された新種目で、今回の合格発表により初の電気通信工事施工管理技士が誕生することになります。」とあり、続けて「2級は現場の主任技術者として、1級は現場の監理技術者等として職務を行うことができるようになります。」と書かれています(国土交通省 報道発表資料「令和元年度 電気通信工事・造園施工管理技術検定(1級・2級)合格者の発表」令和2年3月4日)。

受験資格や試験の中身は、資格ごとの記事に分けています。1級の受験資格は1級電気通信工事施工管理技士の受験資格、2級は2級電気通信工事施工管理技士の受験資格で確認できます。難しさの目安は1級の合格率の推移、出題の傾向は1級の過去問と出題の傾向にまとめました。1級と2級でどこまで任される仕事が違うかは、施工管理技士の1級と2級の違いで業種をまたいで比べています。

僕は、電気の現場から通信の仕事が増えてきた人にとって、技術者として許可や配置に直接つながるのは前の章の一覧に載った資格であり、その中でも電気通信工事の施工管理を判定する検定として作られたこの資格が、最初に検討する候補になると考えています。

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電気通信工事に関する情報まとめ

  • 電気通信工事とは:建設業法別表第一の工事の1つ。告示第350号の現行の文言は「有線電気通信設備、無線電気通信設備、ネットワーク設備、情報設備、放送機械設備等の電気通信設備を設置する工事」で、平成29年11月10日公布の改正で書き換えられた
  • 例示と保守:ガイドラインの例示は8種類。既設設備の改修・修繕・補修は入り、点検・整備・修理を役務として提供する保守は入らない
  • 隣の業種との境目:機械器具設置工事とは「それぞれの専門の工事に区分」と書かれている一方、電気工事との区分を直接述べた記述は確認範囲に無い。火災報知設備工事は消防施設工事の例示
  • 3系統の資格:工事担任者は利用者の接続工事、電気通信主任技術者は電気通信事業者の選任、電気通信工事施工管理技士は建設業法の技術検定
  • 許可の技術者:1級・2級の施工管理技士、技術士、電気通信主任技術者(実務5年)、一部の工事担任者(実務3年・令和3年4月1日以降の合格等に限る)。資格が無くても実務経験のルートがある。許可業者数は令和8年3月末で16,764
  • 施工管理技士の創設:平成29年11月10日の改正で創設、平成31年度から検定を実施。令和2年3月4日の発表で初の合格者

以上が電気通信工事に関する情報のまとめです。

電気通信工事かどうかを判断するときは、まず工事の中身を告示の文言と8つの例示に当てはめ、次にそれが設置・改修の工事なのか保守の役務なのかを分けて考えてください。そのうえで、自分や会社が電気通信工事業の技術者を置けるかを国家資格の一覧と実務経験の年数で確かめておけば、許可や資格取得の計画を立てる順番が見えてきます。まずは2級電気通信工事施工管理技士の受験資格で、いまの実務経験から受けられる級を確かめるところから始めるのが現実的だと思います。

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