- 公式でどこまで無料で手に入るの?何年分あるの?
- 一覧に出てくる「【出題例】」って、普通の過去問と何が違うの?
- 年度によって載り方が変わるのはなぜ?
- 出題例は何問あるの?解答も付いてくるの?
- 過去問を職場の勉強会の資料にコピーしたら怒られない?
- 10年以上前の問題を今の基準で解いていいの?
上記の様な悩みを解決します。
第一種電気工事士の過去問は、一般財団法人電気技術者試験センターが公式サイトで無料公開しています。ただし一覧を開くと、問題と解答がそのまま並んでいる回と、試験名の末尾に【出題例】と付いている回が混ざっているんですよね。この違いは年度の新旧ではなく、その回に筆記方式が置かれているかどうかで決まります。年度別のリンクを並べた記事は多いのですが、【出題例】が何なのかを正面から扱っているものはほとんど見かけません。今回は公開されている年度の幅・出題例の中身・二次利用の条件といった基本を押さえた上で、試験センターが出題例の表紙に自分で書いている公表の理由と、古い年度を解く前に確認しておきたい図記号と技術基準の解釈の前提まで、施工管理の目線で整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、はじめて第一種の過去問に手を付ける方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
公式の過去問は平成21年度の回までさかのぼれる
最初に片付けたいのは「公式でどこまで無料で手に入るのか」という入口の疑問です。置き場所と範囲さえ分かれば、ここは数分で終わります。
一覧は3ページに分かれていて、いちばん古い回は3ページ目にある
過去問は、試験センターの「第一種電気工事士試験の問題と解答」というページに、実施日を軸にした行として並んでいます(一般財団法人電気技術者試験センター「第一種電気工事士試験の問題と解答」/https://www.shiken.or.jp/construction/first/qa/ /2026-09-07確認)。1ページには収まらない量があるため一覧は3ページに分かれていて、最も古い行は3ページ目に置かれています。そこには「2009年10月4日(日)実施 問題 解答 平成21年度第一種電気工事士筆記試験」と記載されています(同ページ3ページ目/https://www.shiken.or.jp/construction/first/qa/index_3.html /2026-09-07確認)。
1ページ目だけを見て「ここ数年分しか無いのか」と判断してしまう人が一定数いるはずで、実際には2ページ目・3ページ目に古い回がそのまま残っています。ページ送りの存在に気づくかどうかだけで、手に入る量が何倍も変わるという構造です。
新しい側の行は令和8年度まで来ている
一覧の新しい側には「2026年7月4日(土)実施 問題 解答 令和8年度第一種電気工事士上期技能試験」という行があります(前掲「第一種電気工事士試験の問題と解答」/2026-09-07確認)。学科の側も同じ年度の上期まで載っていて、こちらは「2026年4月1日(水)~2026年5月8日(金)実施」という期間で示された行になり、問題と解答がそれぞれ「令和8年度第一種電気工事士上期学科試験【出題例】」という名前で置かれています(同ページ/2026-09-07確認)。
実施日が1日ではなく期間で書かれている行がある、というのが最初の引っかかりどころです。ここが後で出てくる【出題例】の話と直結します。
「◯年分」という数字は、ページのどこにも書かれていない
地味に効くのがここで、公式一覧には「何年分公開しています」という総括の表記がありません。あるのは実施日と試験名が並んだ行だけです。学科でいちばん古い平成21年度から、いちばん新しい令和8年度までを年度で数えると18年度分になりますが、これはページに書かれた数字ではなく、こちらで数えた算出値だという前提で扱ってください(前掲「第一種電気工事士試験の問題と解答」および同3ページ目/2026-09-07確認)。
「公式は◯年分公開」と断言している解説を見かけたら、その数字がどこから来たのかを一度疑ってよい、と僕は考えています。数え方の起点が学科なのか技能なのかでも答えは変わります。
回ごとに載り方の粒度がそろっていない
もうひとつ、一覧を眺めていて気づくのが名前の付き方の不ぞろいです。試験名の末尾に【出題例】が付いている行があり、付いていない行があります。さらに古い側に下りていくと、そもそも「学科試験」ではなく「筆記試験」という名称の行が出てきます。
つまりこの一覧は、18年度分が同じ形式でそろっているわけではありません。年度をまたいでダウンロードするなら、ここの粒度の差を先に理解しておいたほうが、あとで混乱せずに済みます。
- 一覧は実施日を軸に並び、各行に「問題」と「解答」が対で置かれている
- 一覧は3ページ構成で、いちばん古い平成21年度の回は3ページ目にある
- 新しい側は令和8年度の上期まで載っている
- 年度の幅は数えると18年度分だが、「◯年分公開」という表記はページに無い
- 試験名の末尾に【出題例】が付く行と付かない行が混在している
何年分そろえるか、市販の過去問集を買うべきかという本選びの話は、こちらで別に整理しています。

一覧に混ざる「【出題例】」は、筆記方式が実施されない回に付く
ここがこの記事の核心です。【出題例】は年度の新しさで付くものでも、CBT方式で実施されたから付くものでもありません。線引きはもっと単純で、その回に筆記方式が置かれているかどうかです。
付いているのは第一種の上期学科試験
一覧を3ページとも確認すると、【出題例】という語が付いているのは第一種の上期学科試験の回に限られます。たとえば令和8年度の上期学科は「2026年4月1日(水)~2026年5月8日(金)実施 問題 令和8年度第一種電気工事士上期学科試験【出題例】 解答 令和8年度第一種電気工事士上期学科試験【出題例】」という並びです(前掲「第一種電気工事士試験の問題と解答」/2026-09-07確認)。同じ形の行が令和6年度・令和7年度の上期学科にもあり、確認できた範囲ではこの3回だけでした。
そして第一種の上期学科について、試験センターは「学科試験 筆記方式はありません」と明示しています(同センター「第一種電気工事士試験」/https://www.shiken.or.jp/construction/first/ /2026-09-07確認)。年度案内の側でも「※1 第一種電気工事士上期学科試験は、CBT方式のみ実施します。」と注記されています(同「令和8年度電気工事士試験の実施日程等のご案内」/https://www.shiken.or.jp/construction/upload/R08denkounittei2.pdf /2026-09-07確認)。
下期は方式が併存しているので、問題と解答がそのまま並ぶ
対して下期の行は違います。「2025年10月5日(日)実施 問題 令和7年度第一種電気工事士下期学科試験 解答 令和7年度第一種電気工事士下期学科試験」というように、試験名に【出題例】が付きません(前掲「第一種電気工事士試験の問題と解答」/2026-09-07確認)。
下期は受験者が方式を選ぶ形になっていて、年度案内には「・学科試験は、CBT 方式又は筆記方式でのいずれかの受験となります。(第一種電気工事士上期試験を除く)」と書かれています(同「令和7年度電気工事士試験の実施日程等のご案内」/https://www.shiken.or.jp/construction/upload/R07denkounittei.pdf /2026-09-07確認)。かっこ書きで上期だけが除かれている、この一文が線引きそのものです。筆記方式の回が存在する期は、その回の問題と解答が丸ごと公表される流れになります。
第二種の一覧には【出題例】が1件も無い
同じ試験センターの第二種の一覧(一般財団法人電気技術者試験センター「第二種電気工事士試験の問題と解答」 https://www.shiken.or.jp/construction/second/qa/ /2026-09-07確認)も見ておくと、対比がはっきりします。第二種は上期が除外の対象になっておらず、学科試験を筆記方式でも受けられるため(前掲「令和7年度電気工事士試験の実施日程等のご案内」/2026-09-07確認)、一覧には【出題例】という語が1件も現れません。
同じ運営元・同じページ構造で、片方だけに【出題例】が並ぶ。この差を説明できるのは「筆記方式の回があるかどうか」という条件だけです。年度の新旧でも、試験の難易度でも、資格の区分でもありません。
「CBTで実施された回だから出題例になる」という読み方は成り立たない
ここを取り違えている説明を見かけますが、成り立ちません。下期の学科もCBT方式で受験できる期なのに、下期の行はフルで公表されているからです。CBT方式が使われた回イコール出題例、という対応にはなっていません。
正しく言い直すと、条件は「その回に筆記方式が置かれていないこと」です。筆記方式が無い回は、問題用紙が受験者の手元に残る経路もホームページで公表する経路も用意されない。だから代わりに出題例という形が用意されている、という筋道になります。
令和4年度までは「筆記試験」という名前で並んでいる
古い側に下りると名称が変わります。「2022年10月2日(日)実施 問題 令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】 解答 令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】 問題 令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午後】 解答 令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午後】」という表記です(前掲「第一種電気工事士試験の問題と解答」/2026-09-07確認)。
名称が切り替わった時期については試験センター自身が説明していて、「令和5年度の電気工事士試験から、学科試験という名称に変わり、これまでの筆記方式(問題用紙とマークシートを用いて行う試験方式)に加えて、パソコンを用いて行う CBT 方式(Computer Based Testing)を導入しました。出題形式は、これまでと同様です。」と書かれています(同「第一種電気工事士の学科試験のポイント」/https://www.shiken.or.jp/construction/first/department/ /2026-09-07確認)。検索で「学科試験」だけを追っていると令和4年度以前の回を取りこぼすので、古い回を集めるときは「筆記試験」の表記も拾ってください。
出題例の回は今後どうなるか
先の見通しに一度だけ触れておきます。年度案内には「注)電気工事士学科試験については、令和9年度より原則としてCBT方式へ移行。」という注記があります(同センター「CBT方式のご案内」/https://www.shiken.or.jp/shiken/cbt/ /2026-09-07確認)。
読み方として大事なのは「原則として」という語が残っている点です。ここが外れていない以上、筆記方式の回がどこまで残るかを断定はできません。ただ、筆記方式の回が減る方向であれば、一覧に並ぶ【出題例】の行は今より増えていく側に動く、という関係にはなります。
- 【出題例】が付くのは、その回に筆記方式が置かれていない場合
- 確認できた範囲では第一種の上期学科試験の3回だけに付いている
- 下期は方式が併存しているため、問題と解答がそのまま公表される
- 第二種の一覧には【出題例】という語が1件も無い
- 令和4年度までは「筆記試験」という名称で並んでいる
なお、どちらの方式で受けるか、受けたあとに何が手元に残るかという受験者側の話は、この記事では扱っていません。試験問題用紙の扱いや自己採点の可否をまとめた記事を別に用意しているので、受け方から決めたい方はそちらへどうぞ。

出題例には、試験センター自身が理由を書いている
【出題例】について、試験センターは説明を省いていません。一覧からダウンロードできるPDFの1ページ目、問題が始まる前の表紙に、公表する理由が本人の言葉で書かれています。ここを読んだ人がほとんどいないというだけの話です。
表紙の1ページ目に、公表の理由が書かれている
令和8年度上期の出題例PDFの表紙には、次のように記載されています。
CBT 方式による試験では「受験案内」に明記しているとおり「試験問題・解答」は非公開となり,試験問題の第三者への非開示(漏洩禁止)への同意が求められています。
ただし,令和8年度第一種電気工事士上期学科試験は,「マークシートによる筆記方式」のような試験問題の持ち帰りやホームページ上での公開を行っていない観点から,上期学科試験で出題した試験問題の出題例(一般問題 40問,配線図問題 10問)を公表します。
また,今回の出題例も、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、問題集やテキストに使用することができますので、過去問題と同様にご活用ください。
(一般財団法人電気技術者試験センター「令和8年度第一種電気工事士上期学科試験(出題例)」表紙p.1/https://www.shiken.or.jp/construction/upload/20260401_co_first_q01.pdf /2026-09-07確認)
前の見出しで整理した線引きが、そのまま公式の言葉で書かれています。筆記方式のような持ち帰りとホームページ公開の経路が無いから、代わりに出題例を出す。理由が推測ではなく明文で置かれているというのは、資格情報としてはかなり珍しい部類です。
令和6年度から3年続けて、同じ断りが置かれている
これが単年度限りの措置ではないことも確認できます。令和6年度・令和7年度の出題例PDFを開くと、表紙の同じ位置にほぼ同じ文が置かれています。
令和6年度上期の表紙は「ただし,令和6年度第一種電気工事士上期学科試験は,従来の「マークシートによる筆記方式」のような試験問題の持ち帰りやホームページ上での公開を行っていない観点から,上期学科試験で出題した試験問題の出題例(一般問題 40問,配線図問題 10問)を公表します。」で、公表するという告知だけで止まっています(同「令和6年度第一種電気工事士上期学科試験(出題例)」表紙p.1/https://www.shiken.or.jp/construction/upload/20240401_co_first_q01.pdf /2026-09-07確認)。
令和7年度上期になると、同じ文の結びが伸びます。「上期学科試験で出題した試験問題の出題例(一般問題 40問,配線図問題 10問)を公表しますので,過去問題と同様に学習にご活用ください。」という結びです(同「令和7年度第一種電気工事士上期学科試験(出題例)」表紙p.1/https://www.shiken.or.jp/construction/upload/20250401_co_first_q01.pdf /2026-09-07確認)。
3年分を横に並べて読むと、変わっているのは公表するかどうかではなく、使ってよいと言い添えるかどうかの部分です。初年度は事実の告知だけで、翌年から学習に使ってよいと明記され、令和8年度ではさらに使い道の範囲まで言及されるようになりました。出題例を教材として扱ってよいかどうかは、試験センター側でも年を追って踏み込みが変わってきた、という読み方ができます。
「本物の過去問より格が落ちる」と扱う理由が無い
この推移をふまえると、出題例を格下の資料と見なす根拠はありません。学習に使ってよいと運営元が書き足してきているものを、こちらが勝手に落として扱う必要は無いからです。
「【出題例】と付いているから中途半端な抜粋だろう」と飛ばしてしまう人は多いはずですが、実際には次の見出しで見るとおり本番1回分と同じ器がそろっています。名前の印象で判断すると、直近3年分の素材をまるごと取り逃がすことになります。
中身は一般問題40問と配線図問題10問の計50問
引用文のかっこ内にあるとおり、収録数は一般問題が40問、配線図問題が10問です。合わせて50問という構成になります。
これは学科試験そのものの器と一致しています。試験センターは学科試験について「試験時間 140分」「出題数 50問/一般問題 40問程度/配線図問題 10問程度」と案内しています(前掲「第一種電気工事士の学科試験のポイント」/2026-09-07確認)。出題例PDFの表紙にも「第一種 学科試験 〔試験時間 2時間20分〕」という見出しが入っていて、こちらは140分を時間表記にしたものです(前掲「令和8年度第一種電気工事士上期学科試験(出題例)」表紙p.1/2026-09-07確認)。
抜粋版ではなく、本番1回分と同じ問題数がそろっている。ここを知らずに「例が少し載っているだけだろう」と飛ばしてしまうのは、素材としてもったいない話です。
解答も問1から問50まで揃っている
問題側だけでなく解答側も同様です。一覧の解答リンクから開くPDFは「令和8年度第一種電気工事士上期学科試験(出題例)の解答」と題され、問1から問50までの解答が表形式で並んでいます(同「令和8年度第一種電気工事士上期学科試験(出題例)の解答」/https://www.shiken.or.jp/construction/upload/20260401_co_first_a01.pdf /2026-09-07確認)。
50問を解いて50問分の正解を突き合わせられる。演習の素材としては、フルで公表されている回とほぼ同じ使い方ができます。
「非公開」と「出題例の公表」は矛盾していない
引用文の1文目と2文目を続けて読むと、混同しやすい2つが整理できます。非公開の対象になっているのは、CBT方式で受けた人が自分で解いたその回の試験問題と解答です。第三者に漏らさない同意を求められているのもそこに対してです。
一方で出題例は、試験センターが自分の判断で、受験者を離れた形で公表しているものです。受験者が持ち出すのは駄目だが、運営元が出す分には問題が無い。当たり前といえば当たり前ですが、この2つを混ぜて「CBTになったら過去問が無くなる」と受け取ってしまう誤解は、実際によく見かけます。
出題に関する問い合わせには応じられない
もうひとつ、表紙には「なお,出題に関するお問い合わせには一切応じられません。」という一文も添えられています(前掲「令和8年度第一種電気工事士上期学科試験(出題例)」表紙p.1/2026-09-07確認)。
正解の根拠や解説は付いてこない、ということです。出題例で手に入るのは問題と解答番号までで、なぜその選択肢なのかは自分で埋める必要があります。ここが独学で一番きつくなる部分だと僕は思っています。
- 出題例PDFの表紙に、試験センター自身が公表の理由を書いている
- 理由は「筆記方式のような持ち帰りとホームページ公開を行っていない」から
- 同じ断りは令和6年度から3年続けて置かれ、使ってよい旨の追記が年々増えている
- 収録数は一般問題40問と配線図問題10問の計50問で、本番1回分と同じ器
- 解答も問1から問50まで公表されている
- 解説や出題意図についての問い合わせには応じられない
※以下はPR(アフィリエイト広告)を含みます。
【PR】解答番号までは公式でそろう。埋まらないのは「なぜその選択肢か」
出題例も過去問も、問題と解答は無料で手に入ります。ただし解説は付いてこず、出題に関する問い合わせにも応じられないと明記されています。50問を解いて答え合わせはできるのに、外した理由が自分で説明できない状態が続くと、そこから先の伸びが見えにくくなります。独学の素材はそろっているという前提で、解説の部分だけを外から補うという選択肢もあります。
出題例も過去問も、出典を書けば使ってよい
社内の勉強会や後輩向けの資料で問題をコピーするとき、著作権が気になって手が止まる人は多いはずです。ここも試験センターが条件を明示しているので、条件どおりに書けば済みます。
許諾も使用料も不要。ただし留意点の確認が前提
一覧ページには「当センターで公表している過去の試験問題の使用については、許諾や使用料は必要ありません。ただし、こちらをクリックし留意点を必ず確認の上、ご使用ください。」と案内されています(前掲「第一種電気工事士試験の問題と解答」/2026-09-07確認)。
その留意点の側では、使用目的として「教育目的など、電気主任技術者試験制度、電気工事士試験制度の意義に反しない限り、公表されている過去問題を問題集やテキストに使用される際、許諾および使用料の必要はありません。」と書かれています(同ページ「使用目的」/2026-09-07確認)。教育目的で、制度の意義に反しない範囲。この2つが前提条件です。
出典の書き方まで例が示されている
条件のもう一方が出典表記で、書式の例まで用意されています。「出典を以下のように明記してください。(年度、期、試験区分等) [例]「出典:令和5年度上期第二種電気工事士試験(午前)」 また、問題の一部を改変している場合、その旨も明記してください。」(同ページ/2026-09-07確認)。
年度・期・試験区分の3点をそろえる形です。第一種の出題例を使うなら、この例にならって「出典:令和8年度上期第一種電気工事士学科試験(出題例)」のように、どの回のものかが後から特定できる書き方にしておけば条件を満たせます。数値を差し替えたり選択肢を減らしたりして使う場合は、改変した旨も併記する必要があります。
「著作権は放棄していません。」と明記されている
見落としやすいのが、留意点の著作権の欄に置かれた「著作権は放棄していません。」という一文です(同ページ/2026-09-07確認)。
無料で公開されていて許諾も要らない、と聞くと権利ごと開放されているように感じますが、そうではありません。権利は試験センターに残ったまま、条件付きで使用が認められている状態です。出典を書かない、教育目的から外れる、といった使い方まで許されているわけではない、という線引きになります。
出題例も同じ扱いでよい
では【出題例】はどうかというと、こちらも同じです。さきに引いた令和8年度の出題例PDFの表紙は、公表の告知に続けて、今回の出題例についても教育目的など試験制度の意義に反しない限り問題集やテキストに使ってよく、過去問題と同様に活用してほしい旨を書いています(前掲「令和8年度第一種電気工事士上期学科試験(出題例)」表紙p.1/2026-09-07確認)。問題集やテキストへの使用が、過去問題と並べて示されている形です。通常の過去問と別扱いにする理由はありません。
出典の書き方も同じ考え方でそろえられます。「【出題例】は正式な過去問ではないから資料に載せてよいか分からない」と迷う必要は無い、というのがここまでの結論です。
- 公表されている過去の試験問題は、許諾も使用料も不要で使える
- 前提は教育目的など、試験制度の意義に反しない範囲であること
- 出典は年度・期・試験区分を明記する。例文まで公式が示している
- 一部を改変して使う場合は、その旨も併記する
- 権利そのものは放棄されていない。条件付きの使用許諾という位置づけ
資格そのものの位置づけや免状の話から確認したい方は、免状の要件まで含めて第一種電気工事士とはどんな資格かを整理した記事を先に読んでおくと、試験の全体像がつかみやすくなります。
古い年度を解く前に、図記号と技術基準の解釈の前提を確認する
公式一覧でさかのぼれる平成21年度からの18年度分(前掲のとおり算出値)がまとめて手に入るとなると、片端から解きたくなります。ただ、古い回に手を伸ばすほど「今の試験と前提がずれていないか」という問題が出てきます。これについても出題例PDFの表紙が答えを持っています。
表紙の下半分は、図記号と国際規格の断り書きになっている
出題例PDFの表紙は、公表の理由だけで終わりません。その下に「試験問題に使用する図記号等と国際規格の本試験での取り扱いについて」という見出しが立ち、2項目の断り書きが続きます(前掲「令和8年度第一種電気工事士上期学科試験(出題例)」表紙p.1/2026-09-07確認)。
問題そのものより先にこの断りが置かれている、という順番に意味があります。解く側が前提をそろえてから読み始めることを、出題側が想定しているということです。
図記号はJISの2つが原則
1項目めは図記号です。「試験問題に用いる図記号は,原則として「JIS C 0617-1~13 電気用図記号」及び「JIS C 0303:2000 構内電気設備の配線用図記号」を使用することとします。」と書かれています(同表紙p.1/2026-09-07確認)。
なお、出題例PDFの表紙が挙げているのはこの2つです。配線図問題は前掲のとおり10問あり、図記号の前提がずれていると、ここでまとめて取りこぼしかねません。手持ちの参考書がどの規格に沿って図記号を説明しているかを一度確認しておくと、古い年度を解いたときの違和感の正体が分かりやすくなります。
技術基準の解釈の一部は本試験に適用されない
2項目めがさらに具体的です。「「電気設備の技術基準の解釈」の第 218 条,第 219 条の「国際規格の取り入れ」の条項は本試験には適用しません。」と明記されています(同表紙p.1/2026-09-07確認)。同じ趣旨の断りは令和7年度上期の出題例の表紙にも置かれています(前掲「令和7年度第一種電気工事士上期学科試験(出題例)」表紙p.1/2026-09-07確認)。
実務で国際規格側の考え方に慣れている人ほど、ここは効いてきます。現場で通っている解釈が試験では採られない条項がある、と先に知っているかどうかで、選択肢の切り方が変わるからです。現場経験がある人が学科でつまずく典型がこの手のずれで、知識が足りないのではなく前提が違うだけ、というパターンになります。
何年分さかのぼるかは、この前提と一緒に決める
以上をふまえると、古い年度をどこまで解くかという判断は「多いほど良い」では決められません。18年度分あるからといって全部を同じ重みで解くのではなく、新しい回から順に解いて、古い回は傾向をつかむための素材として軽く回す。前提の断りが付いているのは出題例の表紙なので、まずそこを読んでから古い回に降りていく順番が安全です。
- 出題例PDFの表紙には、公表の理由に続けて2項目の断り書きがある
- 図記号はJIS C 0617-1〜13とJIS C 0303:2000を原則とする
- 「電気設備の技術基準の解釈」の第218条・第219条の国際規格の取り入れは本試験に適用されない
- 同じ断りは複数年度の出題例の表紙に置かれている
- 古い回ほど前提のずれが出るので、新しい回から順に解く
技能側の候補問題や当日の組み立てについては、こちらが詳しいです。

公式の過去問と出題例に関する情報まとめ
- 公開範囲:試験センターの一覧に平成21年度の回から令和8年度まで並ぶ。一覧は3ページ構成で、古い回は3ページ目にある
- 【出題例】の線引き:その回に筆記方式が置かれていない場合に付く。CBT方式で実施されたかどうかでは決まらない
- 公表の理由:出題例PDFの表紙に試験センター自身が明記している。持ち帰りとホームページ公開の経路が無いための代替という筋
- 中身:一般問題40問と配線図問題10問の計50問。解答も問1から問50まで公表されている
- 二次利用:教育目的など制度の意義に反しない範囲なら許諾も使用料も不要。出典の明記と改変時の断りが条件で、著作権は放棄されていない
- 解く前の前提:図記号はJISの2規格が原則。技術基準の解釈のうち国際規格の取り入れの条項は本試験に適用されない
以上が公式の過去問と出題例に関する情報のまとめです。
素材そのものは、お金を払わなくても本番1回分の器でそろいます。公式がそろえてくれるのは問題と解答番号までで、その隣に置く「なぜその選択肢なのか」は付いてきません。出題に関する問い合わせにも応じられないと表紙に書かれている以上、そこは自分で埋めるしかない部分です。まずは直近の出題例を1回分、2時間20分を計って通しで解いてみてください。答え合わせのあと、自分の言葉で理由を書けた問題だけが手持ちになります。
勉強時間の見積もりや日程からの逆算は、こちらにまとめています。

