第二種電気工事士とは?難易度、合格率、試験内容、勉強法など

  • 第二種電気工事士って結局どれくらい難しいの?
  • 文系・未経験でも受かる?
  • 学科と技能、落ちやすいのはどっち?
  • 勉強時間ってどれくらい必要?
  • 独学でいける?それともスクール?
  • 技能試験の「欠陥」が怖いんだけど…
  • 施工管理の自分が取る意味ってある?
  • 第一種とは何が違うの?

上記の様な悩みを解決します。

第二種電気工事士は、電気工事の入口にあたる国家資格で、受験資格がなく誰でも挑戦できるのが大きな特徴です。「国家資格=難しそう」というイメージで身構える人が多いですが、実際は合格率・勉強時間ともに国家資格の中では取り組みやすい部類に入ります。今回は難易度・合格率・試験内容・勉強法という基本を押さえた上で、電気施工管理の視点から「未経験でも受かる理由」「技能試験の欠陥基準との向き合い方」「現場とキャリアでどう効くか」まで整理しました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

第二種電気工事士とは?

第二種電気工事士とは、結論「一般住宅や小規模店舗など、低圧(600V以下)で受電する設備の電気工事ができる国家資格」のことです。

コンセントの増設、照明器具の取り付け、住宅の屋内配線といった、生活に密着した電気工事を法的に「行ってよい人」と認められる資格、と捉えると分かりやすいです。電気工事は感電・火災に直結するため、資格を持たない人が勝手に施工することは電気工事士法で禁止されています。その入口を担うのが第二種、というわけです。

第二種電気工事士の大きな特徴は、受験資格が一切ないことです。年齢・学歴・実務経験を問わず、極端な話、中学生でも受験できます。だからこそ、工業高校の在学中に取る人もいれば、異業種からの転職で最初に取る人、定年後にビルメンテナンス目的で取る人まで、受験者層が非常に幅広い資格です。

電気の上位資格や関連資格との位置づけはこちらが参考になります。

あわせて読みたい
電験三種とは?受験資格、試験科目、難易度、勉強方法、年収など 電験三種ってどんな試験? 受験資格はあるの? 4科目ってどれくらいムズかしいの? 合格率ってどれくらい? 勉強時間はどれくらい必要? 取った後ってどんな仕事ができ...

僕の感覚だと、第二種電気工事士は「電気の世界の運転免許」みたいな立ち位置です。これがないと公道(現場)に出られないけれど、持っているだけで一人前というわけでもない。まずはここを取って、現場で実務を覚えながら第一種や電験へ進んでいく、という最初の一歩として考えると腑に落ちると思います。

第二種電気工事士の難易度は?

第二種電気工事士の難易度は、結論「国家資格の中ではやさしい部類で、正しく対策すれば未経験でも十分合格できるレベル」です。

難易度を語るとき、合格率だけ見ても実感が湧きにくいので、勉強時間と他資格との位置関係で整理するのが分かりやすいです。一般的に第二種電気工事士の合格に必要な勉強時間は50〜100時間程度とされ、毎日1〜2時間で2〜3ヶ月が一つの目安になります。これは宅地建物取引士(300時間前後)や電験三種(500〜1,000時間)と比べると、かなり軽い負担です。

他の建設・電気系資格とのおおまかな難易度感は次の通りです。

資格 目安の勉強時間 難易度の体感
第二種電気工事士 50〜100時間 入門レベル
第一種電気工事士 100〜150時間 やや上
2級電気工事施工管理技士 100〜150時間 やや上
電験三種 500〜1,000時間 大幅に上

難易度が抑えめな理由は3つあります。第一に、学科試験の出題範囲が毎年ほぼ固定で、過去問の使い回しが多いこと。第二に、技能試験の課題が事前に13問公表され、その中から1問が出題されること。第三に、受験資格がなく母集団が幅広いぶん、しっかり対策した人ほど相対的に通りやすいことです。

ここは個人的に強調したいのですが、「電気が分からないから無理」と尻込みする必要はないです。学科はオームの法則レベルの計算と、配線図記号・器具・施工方法の暗記がメインで、数学が得意でなくても暗記中心で押し切れます。文系・未経験から受かっている人は山ほどいるので、難易度よりも「ちゃんと過去問を回したか」のほうが合否を分けます。

第二種電気工事士の合格率

第二種電気工事士の合格率は、結論「学科がおよそ55〜60%、技能がおよそ70%」で、どちらも国家試験としては高めです。

電気技術者試験センターの公表データをもとにすると、近年(2020〜2025年度)の平均は学科試験(筆記・CBT方式)が約58.6%、技能試験(実技)が約71.8%です。直近の2025年度下期でも学科55.4%、技能71.4%と、例年とほぼ同じ水準で推移しています。

区分 直近の合格率 近年の平均 合格ライン
学科試験 約55% 約58.6% 100点満点で60点以上
技能試験 約71% 約71.8% 欠陥ゼロ(重大欠陥なし)

注意したいのは、この数字は「受験した人ベース」だという点です。第二種は申し込んだだけで勉強せずに来ない・受けない人も一定数いるため、本気で対策した人の体感合格率はもっと高いと考えてよいです。逆に言うと、合格率が高い=何もしなくても受かる、ではありません。学科で落ちる人の多くは過去問演習量の不足、技能で落ちる人の多くは「時間内に完成できない」か「欠陥を取られる」かのどちらかです。

合格率の出方には毎年のクセもあります。学科は出題が安定しているぶん合格率のブレが小さく、技能は出題候補(公表問題)との相性や当日の緊張で多少上下します。とはいえ7割前後で安定しているので、技能は「落とす試験ではなく、ちゃんと作れれば通る試験」という理解で問題ないです。

正直なところ、合格率の数字に一喜一憂するより、「学科は過去問、技能は手を動かす」という当たり前を徹底するほうが、合格率の議論より100倍効きます。

第二種電気工事士の試験内容

第二種電気工事士の試験内容は、結論「学科試験(知識)と技能試験(実技)の2段階で、学科に受かった人だけが技能に進む」構成です。

まず前提となる受験要項を押さえます。受験資格は不要で、試験は年2回(上期・下期)実施されます。受験手数料はインターネット申込で11,100円、書面申込で12,500円(いずれも非課税)です。学科試験は令和5年度から、従来の筆記方式に加えてCBT方式(会場のパソコンで解答する方式)が選べるようになり、CBTの実施期間も年々延長されて受験しやすくなっています。

学科試験(知識を問う一次試験)

学科試験は、四肢択一のマークシートまたはCBTで全50問、1問2点の100点満点です。60点(30問正解)以上で合格となります。主な出題分野は次の通りです。

  • 電気に関する基礎理論(オームの法則、抵抗・電力の計算など)
  • 配電理論・配線設計
  • 電気機器・配線器具・電線・工具の名称と用途
  • 電気工事の施工方法
  • 一般用電気工作物の検査方法、法令、配線図記号の読み取り

範囲は広く見えますが、計算問題は全体の2〜3割程度で、残りは器具・記号・施工方法の暗記です。過去問を5〜10年分繰り返すと、ほぼ同じパターンが何度も出ることに気づくはずです。

技能試験(手を動かす二次試験)

技能試験は、配線図・材料・自分で持ち込んだ工具を使って、制限時間40分で実際に配線作品を完成させる試験です。あらかじめ13問の候補問題が公表され、その中から1問が出題されるため、13問すべてを練習しておけば「初見問題に当たる」ことはありません。

合否は出来上がった作品に「欠陥」があるかどうかで判定されます。欠陥は判断基準が明確に公開されており、たとえば「心線の露出が長すぎる」「結線部のねじ締め不足」「ケーブルの被覆を傷つけた」などが該当します。1つでも欠陥があると不合格になるため、スピードよりも「欠陥を作らない丁寧さ」が重要です。

技能試験で必須になる複線図の書き方はこちらで詳しく解説しています。

あわせて読みたい
電気複線図とは?単線図との違い、書き方、記号、試験対策など 電気複線図とは何かを基礎から解説。単線図との違い、書き方の手順、覚えておきたい器具の図記号、第二種電気工事士の技能試験対策のコツ、現場での実務的な使い方まで一通りまとめました。

技能試験で使う工具の選び方や腰道具はこちらが参考になります。

あわせて読みたい
電気工事士の腰道具とは?工具の種類、配置、順番、揃え方など 電気工事士の腰道具を施工管理目線で解説。揃える工具の種類と用途、利き手起点の配置と差す順番のロジック、最初に揃えるミニマムセットと予算、第二種実技工具との違い、高所の工具落下防止まで、新人がつまずくポイントを整理しました。

僕としては、技能試験のキモは「複線図を正確に・素早く書けるか」に尽きると感じます。複線図さえ間違えなければ、あとは公表問題を体で覚えた手順で作るだけ。逆に複線図でミスると作品全体が欠陥だらけになるので、練習時間の最初の山は複線図に振るのが効率的です。

第二種電気工事士の勉強時間と勉強法

第二種電気工事士の勉強法は、結論「学科は過去問演習、技能は候補13問の反復製作」の2本柱で、独学で十分合格を狙えます。

必要な勉強時間は、まったくの電気未経験で50〜100時間、工業高校出身や電気の素養がある人なら30〜50時間が目安です。学科に6〜7割、技能に3〜4割の配分が現実的です。期間でいうと、平日1時間+休日多めで2〜3ヶ月を見ておけば、慌てずに仕上げられます。

独学で進める場合の標準的な流れは次の通りです。

  • テキストを1周して、器具・記号・施工方法の全体像をつかむ(2週間)
  • 過去問を年度ごとに解き、間違えた分野だけテキストに戻る(4〜6週間)
  • 学科の自己採点で安定して70点以上を取れる状態にする
  • 技能用の工具と練習用材料セットを揃え、複線図を13問分書けるようにする
  • 候補13問を1問ずつ時間を計って製作し、最終的に全問を40分以内で仕上げる

教材は、市販の定番テキスト+過去問題集+技能用の練習材料セット(電線・器具が複数回分入ったもの)が王道です。費用は教材・材料・工具を合わせて2〜3万円程度に収まることが多く、スクールに通わなくても合格は十分可能です。技能の独学に不安がある人だけ、複線図と作業手順を解説した動画教材を足すとよいです。

独学かスクールかで迷う人は多いですが、個人的には「学科は独学一択、技能だけ不安なら動画や講習で補う」のがコスパ的にベストだと思います。スクールの最大の価値は技能の手取り足取りの指導なので、手先の作業に苦手意識がある人以外は、わざわざ高い受講料を払う必要はないというのが正直なところです。

第二種電気工事士を取る意味(施工管理・現場の視点)

第二種電気工事士を取る意味は、結論「電気工事に法的に関われるだけでなく、施工管理として図面と現場を“電気の言葉”で理解できるようになること」です。

ここは多くの解説記事が「就職・転職に有利」「電気工事会社で必須」で止まってしまう部分なので、施工管理目線で少し踏み込みます。施工管理者自身が日常的に配線作業をするわけではありません。それでも第二種を持っている管理者と持っていない管理者では、現場でのやり取りの解像度がはっきり変わります。

現場で効いてくる具体的な場面は次の通りです。

  • 電気の職人さんと「複線図」「結線」「圧着」といった共通言語で会話できる
  • 図面の配線ルートやBOX位置の妥当性を、自分の頭で判断できる
  • 軽微な電気作業の段取りや材料拾いの感覚がつかめる
  • 第一種・電験・施工管理技士へのステップアップの土台になる
  • 異業種からの転職で「電気の基礎が分かる人」という最初の信頼を得やすい

電気工事の範囲をさらに広げる認定電気工事従事者についてはこちらが参考になります。

あわせて読みたい
認定電気工事従事者とは?メリット、申請の流れ、現場での評価など 認定電気工事従事者とは何かを電気施工管理目線で解説。第二種電気工事士との違い、申請のみ/講習+申請のパターン判定、講習費用、申請書類、収入印紙、現場での評価や手当のリアル、無資格で簡易電気工事をするリスクまで網羅しました。

電気の管理側へ進む電気主任技術者との関係はこちらで整理しています。

あわせて読みたい
電気主任技術者とは?仕事、種別、選任義務、電験との違い、年収など 電気主任技術者を施工管理目線で解説。電気事業法に基づく保安監督の国家資格としての仕事、第一種〜第三種の電圧範囲、電験や電気工事士・施工管理技士との違い、選任義務と外部委託、年収とキャリア、施工管理が電験を取る意味まで現場視点で整理しました。

現場目線で言えば、第二種電気工事士は「資格手当のための紙切れ」ではなく、職人さんと対等に話すための入場券です。管理者が複線図を読めず、結線の良し悪しも分からないままだと、職人さんからの信頼は積み上がりません。逆に、自分で手を動かした経験があると「この監督は分かってる」という空気になり、現場の段取りが一気に通りやすくなります。だからこそ、電気に関わる施工管理者には最初に取ってほしい資格だと考えています。

第二種電気工事士に関する情報まとめ

  • 第二種電気工事士とは:一般住宅・小規模店舗など低圧設備の電気工事ができる国家資格
  • 難易度:国家資格の中では入門レベル。勉強時間50〜100時間が目安で未経験でも合格可能
  • 合格率:学科 約55〜60%、技能 約70%。どちらも国家試験としては高め
  • 受験資格:不要(年齢・学歴・実務経験を問わない)。試験は年2回
  • 試験内容:学科(四肢択一50問・60点で合格)+技能(40分で配線作品を製作・欠陥ゼロで合格)
  • 試験制度:学科はCBT方式と筆記方式が選択可。受験料はネット11,100円/書面12,500円
  • 勉強法:学科は過去問反復、技能は公表13問の製作練習。独学で十分狙える
  • 取る意味:電気の共通言語を持ち、施工管理として図面と現場を判断できるようになる

以上が第二種電気工事士に関する情報のまとめです。

第二種電気工事士は、国家資格でありながら受験資格がなく、勉強時間も合格率も取り組みやすい、まさに電気の世界の入口です。学科は過去問、技能は手を動かす、この当たり前を2〜3ヶ月続ければ、電気未経験でも十分に届きます。電気に関わる施工管理者にとっては、職人さんと対等に話すための土台になる資格なので、第一種や施工管理技士へ進む前の最初の一歩として、ぜひ押さえておきたい資格だと思います。

第二種電気工事士に関するよくある質問

Q1:第二種電気工事士は文系・未経験でも合格できますか?

結論、十分合格できます。学科試験は計算問題が全体の2〜3割で、残りは器具・配線図記号・施工方法の暗記が中心です。数学が苦手でも、過去問を繰り返して暗記分野を固めれば60点(合格ライン)には届きます。実際、異業種からの転職や定年後の取得など、電気未経験から合格している人は非常に多い資格です。

Q2:学科と技能、どちらが落ちやすいですか?

合格率だけ見ると学科(約55〜60%)のほうが技能(約70%)より低めですが、原因は別物です。学科は過去問演習量の不足、技能は「40分で完成できない」か「欠陥を取られる」かで落ちます。学科は知識、技能は手の慣れと割り切り、どちらも対策時間を確保すれば両方とも十分に通ります。

Q3:勉強時間はどれくらい必要ですか?

電気未経験で50〜100時間、電気の素養がある人で30〜50時間が目安です。平日1時間+休日多めのペースなら2〜3ヶ月で仕上がります。配分は学科6〜7割・技能3〜4割が現実的で、技能は試験直前の1ヶ月で集中的に手を動かすと効率がよいです。

Q4:独学とスクール、どちらがいいですか?

学科は市販テキストと過去問だけで独学合格が十分可能です。費用を抑えたいなら独学一択で問題ありません。技能の手作業に不安がある人だけ、複線図と作業手順を解説した動画教材や短期講習を足すとよいです。手先の器用さに自信がない人以外は、高額なスクールは必須ではありません。

Q5:第一種電気工事士とは何が違いますか?

第二種が低圧(600V以下)の一般住宅・小規模店舗向けなのに対し、第一種は高圧を含む大規模工事(ビル・工場など)まで扱える上位資格です。第一種は試験合格に加えて実務経験を経て免状が交付される点も異なります。まず第二種で基礎と実務を固め、現場経験を積みながら第一種を目指すのが王道のステップアップです。

合わせて読みたい記事はこちら。

あわせて読みたい
電験三種とは?受験資格、試験科目、難易度、勉強方法、年収など 電験三種ってどんな試験? 受験資格はあるの? 4科目ってどれくらいムズかしいの? 合格率ってどれくらい? 勉強時間はどれくらい必要? 取った後ってどんな仕事ができ...
あわせて読みたい
電気複線図とは?単線図との違い、書き方、記号、試験対策など 電気複線図とは何かを基礎から解説。単線図との違い、書き方の手順、覚えておきたい器具の図記号、第二種電気工事士の技能試験対策のコツ、現場での実務的な使い方まで一通りまとめました。
あわせて読みたい
認定電気工事従事者とは?メリット、申請の流れ、現場での評価など 認定電気工事従事者とは何かを電気施工管理目線で解説。第二種電気工事士との違い、申請のみ/講習+申請のパターン判定、講習費用、申請書類、収入印紙、現場での評価や手当のリアル、無資格で簡易電気工事をするリスクまで網羅しました。
あわせて読みたい
電気工事士の腰道具とは?工具の種類、配置、順番、揃え方など 電気工事士の腰道具を施工管理目線で解説。揃える工具の種類と用途、利き手起点の配置と差す順番のロジック、最初に揃えるミニマムセットと予算、第二種実技工具との違い、高所の工具落下防止まで、新人がつまずくポイントを整理しました。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次