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建物構造の種類とは?木造・S造・RC造・SRC造、選び方など

  • 建物構造の種類ってどんなものがあるの?
  • 木造・S造・RC造・SRC造って何が違うの?
  • どれが一番丈夫?耐用年数は?
  • どんな建物にどの構造が使われてる?
  • 予算や階数でどう選び分ける?
  • 施工管理で見るべきポイントは構造で違う?

上記の様な悩みを解決します。

建物構造の種類は、「建物の骨組みを何で作るか」による分類で、施工管理の世界では現場のスタイル・工種・工期がガラッと変わる入口の話。木造(W造)・鉄骨造(S造)・鉄筋コンクリート造(RC造)・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の4つを軸に、それぞれの特徴と選び方を整理します。「構造種別が決まれば、必要な業種も品質管理ポイントも法的扱いも全部決まる」という、建築プロジェクト全体の方向性を決めるテーマでもあります。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

建物構造の種類とは?

建物構造の種類とは、結論「主要な構造体(柱・梁・床・耐力壁)を何で作っているかによる分類」のことです。

主要な4種類は次の通りです。

略号 正式名称 主な構造材
W造 木造(Wood) 木材(製材・集成材)
S造 鉄骨造(Steel) 鋼材(H形鋼・角形鋼管)
RC造 鉄筋コンクリート造(Reinforced Concrete) 鉄筋+コンクリート
SRC造 鉄骨鉄筋コンクリート造(Steel Reinforced Concrete) 鉄骨+鉄筋+コンクリート

これに加えて、ALC造・組積造・PC(プレキャスト)造などの派生もあります。

→ ざっくり、「木 → 鉄骨 → 鉄筋+コンクリート → 鉄骨+鉄筋+コンクリート」と、構造材を組み合わせていくと高層化・耐久性が上がっていく、という関係性です。

法定耐用年数(減価償却資産の耐用年数)

法定耐用年数は構造別に次の通り設定されています。

構造種別 法定耐用年数(住宅用)
W造 22年
軽量S造(鉄骨3mm以下) 19年
軽量S造(鉄骨3〜4mm) 27年
重量S造(鉄骨4mm超) 34年
RC造 47年
SRC造 47年

これは税制上の耐用年数であり、実際の建物の寿命とは別物です。RC造でも適切なメンテナンスがあれば60〜100年以上使われている事例も多いです。「構造種別 = 耐用年数の差」だけで判断すると見誤るので、用途・予算・階数を含めて総合的に選ぶのが基本です。

木造(W造)

特徴とメリット

木造の特徴は、主要構造体に木材を使用、戸建て住宅で圧倒的多数(約9割)、工法は在来工法(軸組工法)・ツーバイフォー工法・木造ラーメン工法・CLT工法など多彩、というあたり。

メリットは、材料費・工事費が安い、工期が短い(戸建てで3〜4ヶ月程度)、断熱性・調湿性に優れる、解体・改修の自由度が高い、加工が容易で規格部材が豊富、というあたり。

デメリットと用途

デメリットは、耐火性・耐久性は他構造より劣る、大スパン・高層化に不向き(一般的に3〜4階建てまで)、防音性が低め、シロアリ・腐朽の対策が必要、というあたり。

主な用途は、戸建て住宅、小規模アパート(2〜3階)、公共施設(学校・保育園のCLT建築)、低層オフィス(最近増加)、というシーン。

現場の特徴

現場では、大工が主役(工期と品質を握る)、工程はスピーディで上棟(建方)まで一気に進む、雨対策が大きなテーマ(屋根仕舞いまでは要注意)、在来工法ではプレカット(工場での木材加工)が主流、床組みは根太レス工法(剛床工法)が標準化しつつある、というあたりが特徴です。

木造の床組み・大引と根太の使い分けは別記事を参照してください。

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鉄骨造(S造)

特徴と構造形式

S造の特徴は、主要構造体に鋼材を使用(H形鋼・角形鋼管・C形鋼など)、厚みで「軽量鉄骨」「重量鉄骨」に分類、というあたり。

S造の構造形式は、ラーメン構造(剛接合の梁柱で水平力に抵抗)、ブレース構造(ピン接合の梁柱+ブレースで水平力に抵抗)、ハイブリッド(ラーメン+ブレースの併用)、と3パターン。

メリットとデメリット

メリットは、大スパンが取れる(無柱空間)、工期がRC造より短い(鉄骨建方は数日〜数週間)、構造体の品質が安定(工場製作)、自重が軽く地盤への負担が少ない、解体時のリサイクル性が高い、というあたり。

デメリットは、耐火被覆が必要(鋼材は熱に弱い)、防錆処理が必要、揺れやすい(剛性が低めで振動を感じやすい)、防音性は中程度、というところ。

用途と軽量/重量鉄骨の違い

主な用途は、中層オフィスビル(5〜10階)、工場・倉庫・物流施設、大型店舗・商業施設、体育館・展示場(大スパン要求)、高層ビル(特に低層階+RC高層階の混構造)、というあたり。

軽量鉄骨と重量鉄骨の違いを表で整理しておきます。

項目 軽量S造 重量S造
鋼材厚 6mm未満 6mm以上
主な用途 戸建て・アパート(プレハブ) 中高層・大スパン
法定耐用年数 19〜27年 34年

軽量・重量鉄骨の違いは別記事で詳しく整理しています。

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現場の特徴

現場では、鉄骨ファブリケーターによる工場製作品の精度が品質を決める、鉄骨建方は数日で建ち上がる迫力のある工程、完全溶け込み溶接の超音波探傷検査(UT)が品質管理の要、高力ボルト摩擦接合のトルク管理が現場検査の重要項目、耐火被覆(吹付け・巻き付け・塗装)が後続工種、というのが特徴。

剛接合とピン接合の話は鉄骨造の核心部分です。

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鉄筋コンクリート造(RC造)

特徴と構造形式

RC造の特徴は、鉄筋を組みその周りにコンクリートを打設して構造体を作る、コンクリートの圧縮と鉄筋の引張という分業設計、というあたり。

構造形式は、ラーメン構造(柱・梁による架構)、壁式構造(耐力壁による架構・5階建て程度まで)、壁式ラーメン構造(両者の併用)、と3パターン。

メリットとデメリット

メリットは、耐火性・耐久性が高い、防音・遮音性が優れる、大規模建築に対応可能(中高層〜超高層)、地震・台風に強い(適切に設計すれば)、メンテナンスサイクルが長め、というあたり。

デメリットは、工事費が高い、工期が長い(コンクリート養生の時間が必要)、自重が重く地盤改良・基礎が大規模に、解体時のコストも高い、取り壊し時のCO2排出量が多い、というところ。

用途と現場の特徴

主な用途は、中高層マンション、オフィスビル、学校・病院、庁舎・公共建築物、駐車場・地下構造物、というシーン。

現場では、型枠大工・鉄筋工・コンクリート工が主役工種、工程は「配筋→型枠→打設→脱型→次階配筋…」の繰り返し、配筋検査が品質管理の最重要工程、コンクリートの呼び強度・受入検査・打設管理が品質を決める、1フロアあたりの工期は型枠+配筋+打設+養生で約2〜3週間、というあたり。

配筋・コンクリートの話は別記事もどうぞ。

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SRC造とその他の構造

SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)

SRC造は鉄骨を芯にして、その周囲を鉄筋とコンクリートで包む構造。鉄骨の強度+RCの剛性+耐火性能をいいとこ取りしたハイブリッドです。

メリットは、鉄骨造の強度+RC造の剛性、高層化に対応可能、耐火性が高い(コンクリートが鉄骨を保護)、というあたり。デメリットは、コストが最も高い、工程が複雑(鉄骨建方→配筋→型枠→打設)、工期が長い、というところ。

主な用途は、中〜高層ビル(10〜20階の中層〜高層住宅・オフィスで採用例)、1990年代以前の高層建築では主流だったが最近は減少傾向。現代の主流は「S造(高強度コンクリート床と組み合わせ)」または「RC造(高強度コンクリート活用)」で、SRC造を採用するケースは少なくなっています。

その他の構造

派生として、ALC造(軽量気泡コンクリートパネルを構造材に使用)、CLT造(直交集成板Cross Laminated Timberの中高層木造)、PC造(プレキャスト・工場で製造したコンクリート部材を組立)、組積造(ブロック・煉瓦・石を積み上げる構造)、混構造(1階RC造+2階以上木造、低層S造+高層RC造など)、というラインアップ。それぞれの構造で、現場の業種構成・品質管理ポイント・工程感が大きく変わってきます。

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用途・予算別の建物構造の選び方

実務で「どの構造を採用するか」を判断するときの指針を整理します。

階数による選定

階数別の主な選択肢を表で整理しておきます。

階数 主な選択肢
1〜2階 木造(戸建て)/軽量S造(アパート)
3〜4階 木造(中型)/重量S造/RC壁式
5〜10階 RC造ラーメン/重量S造/(SRC)
11〜20階 RC造(高強度)/S造/SRC
20階超 RC造高強度コンクリート/S造(耐火)

高層化・大スパン化するほど、木造→S造→RC造→SRC造→S造(高強度コンクリート床)という流れに進みます。

用途・予算・地盤による選定

用途と主な選択肢を表で整理しておきます。

用途 主な選択肢 理由
戸建て住宅 W造 コスト・工期・自由度
アパート(〜3階) W造/軽量S造 コスト
マンション RC造 耐火・遮音
オフィスビル S造/RC造 大スパン・コスト
工場・倉庫 S造 大スパン・無柱空間
学校・公共施設 RC造/木造(最近増加) 耐久・防火
病院 RC造/SRC造 耐震・遮音
高層ビル S造/RC造(高強度) 重量・耐震性

予算による選定では、コスト最優先ならW造>軽量S造>重量S造>RC造>SRC造の順に高くなる、ライフサイクルコスト重視ならRC造(建設費は高いが寿命が長い)、というあたり。

地域・地盤による選定では、軟弱地盤なら自重の軽い構造(W造/S造)が地盤改良コストを抑えられる、海沿い・塩害地域ならRC造に塩害対策・S造は防錆処理を厳重に、積雪地域なら屋根荷重を考慮した設計(W造の積雪型・S造の重屋根対応)、というのが選び方。

軟弱地盤の話は別記事もどうぞ。

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施工管理目線での難易度と業種数

施工管理目線での難易度は、W造(工程管理がスピーディ、雨対策と精度管理がポイント)、S造(鉄骨建方の精度・溶接検査が要、耐火被覆まで管理範囲)、RC造(配筋・打設・養生の繰り返し、検査項目が多い)、SRC造(S造+RC造の合体で工程・検査ともに最も複雑)、と段階的に上がっていきます。

業種数の違いも、W造(木工事中心、業種は比較的シンプル)、S造(鉄骨工事+耐火工事+仕上げ工事)、RC造(型枠工事+鉄筋工事+コンクリート工事+仕上げ工事)、SRC造(上記すべて)、と工程の複雑さ・関わる業種数が「どの構造を選ぶか」で大きく変わってきます。

→ 構造種別が決まると現場の流儀がガラッと変わるので、自分が今関わっている現場の構造ごとの「クセ」を頭に入れておくのが、施工管理として動きやすくなるコツです。

建物構造の種類に関する情報まとめ

  • 建物構造の種類:主要構造体を何で作るかによる分類
  • 主要4種類:木造(W造)/鉄骨造(S造)/鉄筋コンクリート造(RC造)/鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
  • 木造:戸建て住宅の主流。コスト・工期・自由度に優れる
  • S造:中層・大スパン・工場・倉庫向き
  • RC造:中高層マンション・オフィスビル・公共建築の中心
  • SRC造:高層建築のハイブリッド構造(最近は採用減)
  • その他:ALC・CLT・PC・組積・混構造など
  • 選び方:階数・用途・予算・地盤の4軸で総合判断
  • 施工管理難易度:W造<S造<RC造<SRC造の順で複雑化

以上が建物構造の種類に関する情報のまとめです。

「どの構造を採用するか」は、コスト・工期・耐用性・耐火性・遮音性・大空間性などの要件を施主側がどう優先付けするかで決まる話。施工管理として現場に立つ立場では、構造種別ごとに業種構成も検査ポイントも全く違うので、今手がけている現場の構造種別の特徴を押さえておくと、関係する協力会社との話も噛み合いやすくなります。木造現場の感覚でRC造の品質管理に臨むと痛い目に遭うので、構造ごとの「現場の流儀」を頭に入れておくと安心ですね。

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