竣工図書とは?中身、表紙、作成・製本方法、提出期限など

  • 竣工図書ってなに?
  • 中身はどんなものがあるの?
  • 表紙は?
  • 作成方法、製本方法について知りたい
  • 提出期限は?

上記の様な悩みを解決します。

竣工するにあたって必要になってくるのが竣工図書です。工事を終える最後の壁ですので、乗り越え方をキッチリ理解しておきましょう。

この記事では竣工図書とは?といったところから、中身、表紙、作成方法、製本方法、提出期限などについて解説していきます。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

 

竣工図書とは?

竣工図書とは、結論「その建物の全ての情報を詰め込んだもの」です。

正確に言うと少し違いますが、取り扱い説明書をイメージすれば大きくは違わないと思います。ゲーム機を買ったら取り扱い説明書が付いてきますよね。それと一緒です。

建物は商品ですから、取り扱い説明書が必要になります。竣工図書の役割はこんな感じです。

お客様は建築のプロとは限りません。

オフィスビルをガンガン立てているような会社がお客様ならある程度知見はあると思いますが、「自社ビルを作りたい」とかならお客様は素人になります。建物をどう扱っていいか分かりません。

ゲームを一度もやったことない人に、いきなりプレステ4を渡しても使い方が分かりませんよね。取り扱い説明書を読まなければ正しい使い方ができません。

竣工図書をお客様に渡すことによって、お客様は建物の使い方を理解することができます。

機器の使い方や使用する上での注意事項、分からなかった時の連絡先など取扱説明書のような働きをするのが竣工図書という訳です。

 

竣工図書の中身

竣工図書の中身は、結論「全部」です。

その建物に関する情報は全て詰め込まれます。と言ってみても、イメージが湧かないですよね。具体的には下記のような書類が竣工図書に入ることになります。

竣工図書の中身(具体例)

  • 構造計算
  • 取り扱い説明書
  • 建物の注意事項
  • 検査記録
  • 試験成績表
  • 機器の仕様書
  • 施工業者
  • 竣工図
  • 緊急時連絡先

取扱説明書と竣工図の違いは、実際のハウツーか否かの部分です。

竣工図は建物の構造や竣工図など、実際に運用していく上では関係ないような部分まで含まれます。対して取扱説明書では実際に運用する上で必要な知識のみをまとめたものです。

意味合いとしては似ているので、区別が必要になります。

「検査記録」とか「試験成績表」とかは、建物の品質を保証するものです。

建物を建てるには、建築基準法他、多くの決まりに乗っ取って施工する必要があります。簡単な話、出来た建物が法律違反だった。。。とか笑えませんよね。

「ちゃんと法律に乗っ取って、品質もあり、安全な建物ですよ!」ということも大事です。竣工図書にはこれも盛り込まれます。

あとは緊急時の連絡先ですね。

電気設備に異常があったら施工した電気工事会社に電話する必要がありますし、衛生設備に異常があったら施工した衛生工事業者に電話する必要があります。

「誰が作ったのか?」「異常があった際、どこに連絡をすればいいのか?」という情報も竣工図書には盛り込まれる為、お客様も安心することが出来ます。

 

竣工図書の表紙

竣工図書の表紙には、結論「簡単な工事概要」が書かれます。

具体的には下記のようなことが書かれます。

竣工図書の表紙に盛り込まれる内容

  • 竣工した日付
  • 工事件名
  • 施工業者名
  • 監理業者名

表紙のその次のページが目次です。

先ほどの章で挙げたような項目が、何ページにあるのかをインデックスします。竣工図書の表紙を一から作る必要はなく、会社の過去サーバーかなんかか拾ってきて中身だけ変えれば大丈夫です。

要は、どこに何の資料があるか分かるように知ればオーケーです。

会社によってフォーマットは異なると思うので、確認が必要になります。

 

竣工図書の作成・製本のやり方

結論、竣工図書の作成・製本のやり方は「分厚いキングジブファイルに詰め込めばオーケー」です。

まずは竣工図書の表紙(目次)を作って、各内容の書類を用意します。竣工図が必要なら竣工図を整え、試験成績表が必要なら試験成績表の準備をします。

あとは分厚いファイルを用意して、挟むだけです。

注意点としては、竣工図書は1部だけでは足りないことです。

自社が保有する分も必要ですし、お客様にも渡す必要があります。お客様と管理する業者が分かれていれば、合計3部必要になったりします。

コストオンなら不要ですが、組下ならゼネコンにも提出する必要があります。

現場や契約方式によって、竣工図書が何部いるか?は変わりますので、確認が必要です。少なくとも1部では足りません。

 

竣工図書の提出期限

結論から言うと、竣工図書の提出期限は「竣工する当日まで」です。

建物が引き渡しされるまでにお客様の手元になければなりません。

竣工前はかなり忙しく、仕事量をなるべく減らしたいところですが、きちんと竣工するタイミングで竣工図書もお客様に引き渡さなければなりません。

簡単な話、電化製品買った時に「取扱説明書は後日送付します!」とか言われたら嫌じゃないですか?

「いや商品だけ渡されても使い方分かんねーよ」って話で、商品と一緒に取扱説明書(竣工図書)は渡す必要があります。

また、残工事などで建物に変化があった場合、竣工図書の差し替えが必要になります。

竣工図書は竣工するタイミングでお客様に提出しますので、お客様の手元に竣工図書がありますよね。お客様の所まで行って、新しい図面と差し替えなければなりません。めちゃくちゃ面倒です。

時間も労力もロスですので、竣工図書を作成するタイミングでその後に差し替えの必要がないよう、竣工図を仕上げることをオススメします。

 

竣工図書に関する情報のまとめ

竣工図書に関する情報まとめ

  • 竣工図書とは:その建物の全ての情報を詰め込んだもの(取説のようなもの)
  • 竣工図書の中身:全部
  • 竣工図書の表紙:日付、工事件名、施工者、管理者を記す
  • 竣工図書の作り方:分厚いキングジブファイルに全書類を突っ込む
  • 竣工図書の提出期限:竣工するまでに提出

以上が竣工図書に関する情報のまとめとなります。

工事を進めていればいつかは竣工しますし、竣工すれば竣工図書を作らなければなりません。誰しも一度は通る道、いや誰しも10回くらいは通る道です。

何度も読み返して、竣工図書をしっかりと作成していきましょう。それでは。