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照度計算とは?光束法、逐点法、JIS基準、設計事例、注意点など

  • 照度計算ってなに?
  • 光束法と逐点法の違いは?
  • 公式と計算手順を知りたい
  • JISの基準値ってどれくらい?
  • 設計でどう進めるの?
  • 現場での測定値と合わない時はどうする?

上記の様な悩みを解決します。

照度計算は「この空間に必要な明るさを、どの照明器具を何台配置すれば実現できるか」を数値で出す設計プロセスです。LED化が一般化したことで配光特性のばらつきが大きくなり、計算と現場実測のズレが出やすくなっています。電気施工管理として理論と実測の両方を押さえておきましょう。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

照度計算とは?

照度計算とは、結論「ある空間で必要な明るさ(lx)を実現するために、照明器具の種類・台数・配置を決める計算」のことです。

照明設計の根幹で、

  • 設計する空間の必要照度(JISに基づく)を満たすか
  • 器具メーカーのカタログ値を使って何台必要か
  • 配置はどう取るか

を計算で出します。光束法と逐点法という2種類の計算手法があり、目的によって使い分けます。

照度・光度・光束という用語が混在しやすいので、まずは整理しておきましょう。

用語 単位 意味
光束 lm(ルーメン) 光源から出る光の総量
光度 cd(カンデラ) ある方向への光の強さ
照度 lx(ルクス) 単位面積あたりに当たる光の量
輝度 cd/m² 面が光って見える強さ

照明設計で目標値とするのは照度(lx)で、これを実現するために必要な光束量(lm)を計算する、という流れになります。

各用語の詳細はこちらが参考になります。

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照度計算の光束法

光束法は「部屋全体に対して平均でどれくらいの照度が出るか」を計算する手法で、オフィス・教室・倉庫など均一に明るくしたい空間で使われます。

光束法の基本式

E = (F × N × U × M) / A

  • E:作業面照度(lx)
  • F:1台の器具の光束(lm)
  • N:器具の台数
  • U:照明率(部屋形状や反射率で決まる係数、通常0.4〜0.7)
  • M:保守率(汚れによる低下、新品時は1.0、運用後で0.6〜0.8)
  • A:作業面積(m²)

実務では「必要照度E」を決めて「必要台数N」を逆算するパターンが多いので、

N = (E × A) / (F × U × M)

の形で使います。

例えば執務室20m²で平均500lxを確保したい場合(一般オフィスのJIS推奨値)、LED一体型ベースライト(4000lm)を使い、照明率0.6、保守率0.7とすると、

  • N = (500 × 20) / (4000 × 0.6 × 0.7) ≒ 5.95

→ 6台必要、という具合に算出します。実務ではここに余裕係数を見て7〜8台になることが多いですね。

照明率U・保守率Mはメーカーの照明設計資料に表で出ているので、自分で勝手に決めるのではなくカタログ準拠で決定するのが基本です。

照度計算の逐点法

逐点法は「特定の点での照度がいくらか」を厳密に計算する手法で、駐車場・体育館・スタジアム・道路など、空間が広い・配置がまばら・スポット光源を使う場面で使われます。

逐点法の基本式(直射成分のみ)

E = I × cosθ / r²

  • I:その方向の光度(cd)
  • θ:光線と面の法線がなす角度
  • r:光源と計算点の距離(m)

この式で、ある計算点に対する1灯ごとの照度を求め、すべての灯の寄与を足し合わせます。広い空間や均斉度(最低/平均)を厳密に管理したい場面では光束法では不十分なので、CADベースの照明シミュレーションソフト(DIALux、AGi32など)で逐点計算を回します。

光束法と逐点法の使い分けは、

  • 屋内の一般空間 → 光束法(部屋全体の平均照度)
  • 屋外・大空間・スポット光源 → 逐点法(点ごとの照度)

と覚えておけばOK。実務では同じ案件で両方の計算をすることもあります。

照度計算で使うJIS基準値

JIS Z 9110「照明基準総則」と JIS Z 9125「屋内作業場の照明基準」で、用途別の推奨照度が定められています。代表値を抜粋します。

空間用途 推奨照度(lx)
一般オフィスの執務室 500〜750
会議室 500
教室(一般) 500
工場の精密作業 750〜1500
工場の一般作業 300〜500
倉庫(一般) 100〜200
病院の診察室 500〜1000
住宅のリビング 150〜300
住宅の勉強机 500〜750
屋外駐車場 5〜20

オフィスの500lxはJISの推奨値ですが、最近は300lx+タスク照明(机上ライト)で200lxを足す「タスク・アンビエント方式」が省エネ観点から増えています。

つまり、設計者は「JIS推奨値」を上限・下限として目安にしつつ、運用方式(タスクライト併用かどうか)と省エネ要件を組み合わせて目標照度を決定するのが今の実務感覚ですね。

JIS基準は2011年・2021年と改定されており、最新版を確認するのが必須。ZEB対応のオフィスでは300lx運用が標準化しつつあります。

省エネルギー基準やZEH/ZEBについて押さえておくと設計の文脈が分かります。

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照度計算の設計事例(オフィス)

実際の事例で計算手順を整理します。

前提条件
– 室寸法:8m × 10m × 2.7m(天井高)
– 用途:一般オフィス(目標照度500lx)
– 採用器具:LED一体型ベースライト(光束4000lm、消費電力35W)
– 反射率:天井70%、壁50%、床20%
– 室指数K = (LW) / H(L+W) = 8×10 / 2.7×(8+10) ≒ 1.65
– 照明率U(カタログから):0.66
– 保守率M:0.7

台数計算

N = (500 × 80) / (4000 × 0.66 × 0.7) ≒ 21.6台

22台で配置。8m×10mの空間に2.5m間隔で4列5列配置すると20台、これを少し詰めて22台とする、という流れになります。

実装上の確認

  • 配置のピッチ:器具中心間隔は天井高の1.5倍以下(2.7×1.5 = 4.05m以下)にすべし、というメーカー推奨値は満たすか
  • 均斉度:均斉度(最小照度/平均照度)が0.6以上か(DIALux等で確認)
  • 消費電力:22台×35W = 770W、面積80m²あたり9.6W/m²、ZEB基準(5〜10W/m²)程度に収まる

このように、計算結果だけでなく配置・均斉度・消費電力まで一気通貫でチェックするのが実務の流れ。

照度計算の注意点・現場との誤差

設計通りに器具を取り付けたのに、現場で測定したら照度が足りない、というのはよくあります。原因と対処を整理します。

設計値と実測値が合わない主な原因
– 照明率Uを部屋形状で見誤り:壁・天井の反射率が想定より低い場合
– 保守率Mを楽観視:新築直後でも0.8〜0.9程度、ホコリと黄変で経年低下
– 器具の光束ばらつき:LEDロット差で公称値の±10%程度ある
– 配置不均一:部屋の隅は計算値より大きく落ちる
– 家具の配置:ロッカー・パーテーションで遮蔽
– 照度計の測定位置:作業面(床上80cm)で測るのが原則、床面で測ると違う数値が出る

特に家具の配置は設計時には未確定なことが多く、施工完了後にレイアウト変更で照度が満たせなくなるパターンがあります。これを防ぐには「家具配置でも照度を確保できる予備設計」(10〜20%余裕)にしておくのが定番。

LED置き換え工事では、既存蛍光灯の光束データと新規LEDのカタログ値で配光特性が違うため、台数同等で交換しても明るさが変わることがあります。直管型の蛍光灯は全方向照射ですが、LEDベースライトは下方向に集光する配光が多く、机上の照度は同じでも壁面の明るさが落ちて空間全体が暗く感じる、という現象が起きます。

照度計の使い方・測定の基本はこちらが参考になります。

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照度計算に関する情報まとめ

  • 照度計算とは:必要な明るさを実現するための器具種別・台数・配置を決める計算
  • 光束法:E = (F×N×U×M) / A、室内全体の平均照度を出す
  • 逐点法:E = I×cosθ/r²、特定の点の照度を厳密に計算
  • JIS基準:オフィス500、工場の精密作業750〜1500、倉庫100〜200lx
  • 設計事例:80m²オフィスで4000lm器具を22台配置
  • 注意点:照明率・保守率・配光特性・家具配置で実測値が変動

以上が照度計算に関する情報のまとめです。

照度計算は公式を覚えるより「メーカーのカタログ値で計算する → 現場でズレが出る」を経験するのが一番の近道。LED時代の照明設計は配光特性の違いがそのまま体感の違いになるので、設計段階で余裕係数を見ておく、現場で実測する、というセットで運用するのがおすすめです。光束・光度・色温度・照度計の関連知識と組み合わせて押さえておくと、設備設計者・電気工事業者との会話がスムーズになりますよ。

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