照度計とは?単位、使い方、校正、目安、選び方、おすすめなど

  • 照度計ってそもそも何を測る道具なの?
  • 単位のルクスって、どれくらいで「明るい」の?
  • 竣工検査の照度測定ってどうやればいいの?
  • 測る位置や高さって、どこが正解?
  • 校正って必要?証明書はいるの?
  • スマホのアプリじゃダメなの?
  • A級とAA級って何が違う?どれを買えばいい?
  • 設計どおりに測っても数値が足りないのはなぜ?

上記の様な悩みを解決します。

照度計は、電気施工管理にとって竣工検査・引渡しの場面で必ず登場する測定器です。「明るさを測るだけの簡単な道具」と思われがちですが、測り方と記録の残し方を間違えると、せっかくの検査記録が「使えないデータ」になってしまいます。今回は照度計の定義・単位・仕組みといった基本を押さえた上で、現役の電気施工管理目線で「竣工検査での測定点の取り方」「設計照度と実測がズレる理由」「校正証明書が必要になる場面」「スマホアプリで代用していいのか」など、現場で実際にハマるポイントまで網羅的に整理しました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

照度計とは?

照度計とは、結論「ある面に当たっている光の量(照度)を、ルクスという単位で数値化して表示する測定器」のことです。

机の上や床面、廊下、屋外などの「明るさ」を客観的な数字にしてくれる道具で、英語ではilluminance meter、またはlux meterと呼ばれます。人間の目は「明るい」「ちょっと暗いかな」といった感覚的な判断しかできませんが、照度計を使えば同じ場所を誰が測っても同じ数字で評価できるようになります。これが照度計を使う一番の意味です。

仕組みはシンプルで、受光部に当たった光を電気信号に変換し、その大きさをルクス値として表示しています。受光素子にはシリコンフォトダイオードが使われることが多く、光が当たると光電効果で電流が流れる性質を利用しています。ただし、素子がそのまま感じ取る光と、人間の目が感じる明るさはスペクトルが違うため、照度計には人間の目の感度(視感度=V(λ)特性)に合わせる補正フィルタが入っています。さらに、斜めから入る光を正しく拾うために、受光部を半球状の拡散板で覆ってコサイン特性に近づけているのが一般的な構造です。

照度計が測っているのは、あくまで「面に届いた光の量」です。光源そのものの強さ(光度)や、目に見える表面の輝き(輝度)とは別物なので、ここを混同しないことが大事です。光の3兄弟とも言える照度・光度・光束の違いは、別記事で整理しています。

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僕の感覚だと、照度計は「設計図に書いた明るさが、本当にその場所で実現できているかを確かめる答え合わせの道具」と捉えると、現場での位置づけがスッと理解できます。図面上で照度計算をして器具を決めても、実際に現場で点けてみたら影や反射で数字が変わる。その差を埋めるための測定器だと考えると、ただの便利グッズではなく検査の主役だと分かってきます。

照度計の単位「ルクス」と明るさの目安

照度計の単位は「ルクス(lx)」で、これは1平方メートルの面に1ルーメンの光束が当たっている状態を表します。

つまりルクスは「光束(lm)÷面積(m²)」で決まる量なので、同じ照明でも面が広がれば1m²あたりの光は薄まり、照度は下がります。語源はラテン語のlux(光)で、単位記号は小文字でlxと書くのが正式です。施工管理の現場では「ルクスが足りない」「800ルクス出てる」といった会話が日常的に出てくるので、まずはこの単位の感覚を体に入れておくと検査がスムーズになります。

数字だけ見てもピンと来ないと思うので、自然光・人工照明の代表的な照度の目安を並べておきます。測った値がこの目安から大きく外れていたら、測り方を疑うきっかけにもなります。

  • 晴天時の屋外(直射日光):約100,000ルクス
  • 曇天時の屋外:約10,000〜30,000ルクス
  • オフィスの事務室(推奨):約750ルクス
  • 一般的な住宅のリビング:約100〜300ルクス
  • 満月の夜:約0.2ルクス
  • 月のない闇夜:約0.007ルクス

こうして並べると、自然光と室内照明では桁が何個も違うことが分かります。だからこそ照度計には広い測定レンジが必要で、後述する選び方にも直結してきます。

僕としては、現場で照度計を持ったらまず「晴天の屋外で約10万ルクス」という基準値を一度測ってみるのをおすすめします。手元の照度計がだいたいその辺りを指せば「ちゃんと動いている」という安心材料になりますし、桁違いの数字が出るようなら故障や校正切れを疑うサインになります。設計上の必要照度を逆算する照度計算の考え方は、こちらの記事にまとめています。

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施工管理が照度計を使う場面

施工管理が照度計を使う一番の場面は、結論「電気設備の竣工検査・完成検査で、設計照度を満たしているかを確認し、その結果を検査記録として残すとき」です。

世の中の照度計の解説記事は、その多くが衛生管理者や施設管理者向けに「職場の明るさを定期的に測りましょう」という切り口で書かれています。もちろんそれも正しいのですが、僕らが現場で照度計を握るのは少し違う文脈です。建物を引き渡す前に「図面どおりの明るさが出ているか」を自分たちで確認し、その数字を書類にして監理者や施主に提出する。ここが施工管理にとっての本番です。具体的には、次のような場面で登場します。

  • 電気設備の竣工検査・自主検査での照度測定
  • 監理者立会い検査・官庁検査での明るさ確認
  • 引渡し書類としての照度測定記録の作成
  • 既存ビルのLED化改修後、改修前後の照度比較
  • 非常照明・誘導灯の照度確認(建築基準法・消防法対応)

特に大事なのが、測って終わりではなく記録に残すという点です。竣工書類には照度測定記録(測定報告書)を綴じることが多く、どの部屋を、いつ、どの高さで、どの照度計で測ったかをセットで残します。後から「あの会議室、暗くない?」とクレームが来たときに、引渡し時点の実測値が証拠として効いてくるわけです。

LED化改修の現場では、照度計の出番がさらに増えます。蛍光灯の製造は段階的に終了していく流れの中で、既存建物のLED化が一気に進んでいます。器具を入れ替えたら明るさが変わるのは当然なので、改修前後で照度を測って「ちゃんと基準を満たしている」ことを示す必要があります。省エネ改修全体の流れは、こちらでも触れています。

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僕の感覚だと、照度計は「テスターや絶縁抵抗計と同じく、電気の竣工検査セットの一員」という位置づけです。導通や絶縁を測るのと同じ温度感で、明るさも数字で押さえておく。新人のうちは「目で見て明るければOKでしょ」と思いがちですが、検査記録に「目視で明るかった」とは書けません。数字で残すための道具が照度計だと割り切ると、扱いが一気に丁寧になります。電気の年次点検でも絶縁抵抗測定とあわせて照度をチェックする現場があります。

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照度計の使い方と測定点の取り方

照度計の基本的な使い方は、結論「受光部を測定したい面の高さに水平に置き、安定した数値を読み取る」という流れです。

操作自体はボタンを押すだけで難しくありませんが、竣工検査で使える数字を出すには「どの高さで」「どの位置で」測るかが決定的に重要になります。ここを適当にやると、同じ部屋でも数百ルクス平気でブレます。まずは基本操作の手順を押さえましょう。

  1. 受光部のキャップを外し、電源を入れる
  2. 必要に応じてゼロ調整(ゼロアジャスト)を行う
  3. 受光部を測定面の高さに水平に置く
  4. 数値が安定したらホールド機能で固定して読み取る
  5. 測定値・測定位置・高さ・日時を記録する

次に、施工管理として一番つまずきやすい「測定する高さ」の話です。照度測定の基準面はJIS C 7612で考え方が示されていて、用途によって測る高さが決まっています。代表的なものを挙げると、事務室や教室など机上作業の場所は床上80cm、和室など床に座る場所は床上40cm、廊下・階段・屋外などは床面(地面)が基準です。竣工検査でよくやらかすのが、机の上で測るべき会議室を床で測ってしまって「照度が足りない」と早とちりするパターンです。

測定点の取り方も検査では重要です。部屋全体の明るさを評価するときは、1点だけ測っても意味がありません。部屋を格子状に区切り、各区画の中心で測る「区域法(中心点法)」が基本で、その平均値を部屋の照度として扱います。黒板や検査台のように特定の面が大事な場所は、その面を狙って測ります。学校の教室のように「最大照度と最小照度の比」まで見る基準もあるので、明るい窓際と暗い廊下側の両方を測って均斉度を確認することもあります。

測定の最後は、必ず記録です。測定値だけでなく、測定位置の図、高さ、使用した照度計の型式と校正年月日、測定日時、測定者をセットで残しておくと、検査書類としての信頼性が一気に上がります。

僕としては、竣工前に一度「測定ポイントを落とした平面図」を作っておくのを強くおすすめします。本番でいきなり測ろうとすると、どこを何点測ればいいか現場で迷って時間を食いますし、測り漏れも出ます。事前に図面へ測点を打っておけば、当日は順番に回って数字を埋めるだけで済むので、検査がぐっと楽になります。

照度計の使用上の注意点

照度計を使うときの最大の注意点は、結論「自分の影と反射光で数字が簡単に変わってしまうこと」です。

照度計は受光部に届いた光をすべて足し算して表示するので、測定者の立ち位置や服装、光源との距離で値がブレます。ボタンを押せば数字は出ますが、その数字が正しいとは限らないのが照度測定の難しさです。現場で誤差を生みやすいポイントを整理しておきます。

  • 自分の影:受光部に影が掛かると照度が落ちる。かがんで覗き込むと体で光を遮りやすい
  • 服装の反射:白色や光沢のある作業服は反射率が高く、値を押し上げる
  • 受光部の傾き:面に対して水平に置かないと、コサイン特性どおりに測れず誤差になる
  • 光源との距離:点光源に近すぎると逆2乗則の影響で値が暴れる
  • 外光の混入:昼間に窓から入る自然光が乗ると、照明だけの評価ができない

影の問題は本当に侮れません。受光部を床に置いて自分が覗き込むと、体が天井照明を遮ってしまい、実際より暗い数字が出ます。対策としては、受光部と本体が分離しているタイプを使い、自分は脇に避けて読む。一体型しかないなら、ホールド機能で固定してから体を離して数値を確定させると影の影響を減らせます。

外光の扱いも竣工検査では悩みどころです。照明設備の性能を評価したいのに、晴れた日の窓際は自然光で数字が跳ね上がります。室内照明そのものを評価したいなら、ブラインドを下ろす・夜間や曇天に測るなど、外光条件を揃えるのが筋です。逆に「実際にその部屋を使うときの明るさ」を見たいなら外光込みで測る。何を評価したいのかで測り方を変える、という判断が要ります。

僕の感覚だと、照度測定は「測定器の精度より測り方の丁寧さで差が出る」作業です。何十万円の高精度な照度計を使っても、影を入れて測れば安物のアプリ以下の数字になります。逆に言えば、影・水平・外光の3つさえ気を付ければ、そこそこの機種でも実用十分な値が取れます。LED照明はちらつき(フリッカ)で値が安定しにくいこともあるので、表示が落ち着くまで少し待つのもコツです。LED特有の見え方は演色性の話とも絡んできます。

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照度計の基準値(労働安全衛生基準・JIS・非常照明)

照度測定で押さえるべき基準は、結論「法律で最低ラインを定めた基準(労働安全衛生・建築基準法・消防法)と、推奨値を示すJIS基準の2層構造」になっています。

竣工検査では「この部屋は何ルクス出ていればOKなのか」という合格ラインが必要です。ところがこの基準が一本ではなく複数あって、しかも法律で守る義務があるものと、あくまで推奨値のものが混在しています。ここを整理しておかないと、検査で「何を根拠に合否を判断するのか」が曖昧になります。

まず法律で定められた最低基準です。事務所については労働安全衛生法に基づく事務所衛生基準規則が令和4年12月に改正され、それまでの3区分から2区分に整理されました。現在は「一般的な事務作業は300ルクス以上」「付随的な事務作業は150ルクス以上」が最低ラインで、これは守らないと事業者が罰則を受ける可能性のある基準です。さらに、照明設備は6か月以内ごとに1回、定期点検することも定められています。

学校の場合は文部科学省の学校環境衛生基準が適用され、教室の照度は下限300ルクス、教室と黒板は500ルクス以上が望ましいとされています。加えて、最大照度と最小照度の比が20:1を超えないこと(できれば10:1以内)という均斉度の基準まであるのが学校の特徴です。

次に推奨値です。JIS Z 9110(照明基準総則)では、用途ごとの推奨照度が細かく示されています。たとえば事務室は750ルクス、設計・製図室は1000ルクスといった具合で、法律の最低ラインより高めの「快適に作業できる明るさ」が目安として設定されています。JISは法律ではなく罰則もありませんが、設計や改修の目標値として実務で広く使われています。

場所・作業 基準・推奨値 根拠
一般的な事務作業 300ルクス以上 事務所衛生基準規則(法令・最低基準)
付随的な事務作業 150ルクス以上 事務所衛生基準規則(法令・最低基準)
学校の教室 下限300ルクス/500ルクス望ましい 学校環境衛生基準(法令・最低基準)
事務室(推奨) 750ルクス JIS Z 9110(推奨値)
設計・製図室(推奨) 1000ルクス JIS Z 9110(推奨値)

電気施工管理として忘れてはいけないのが非常照明です。建築基準法では、非常用照明装置は床面で1ルクス以上(蛍光灯・LEDの場合は2ルクス以上)を確保することが求められます。竣工検査では停電状態をつくって非常照明だけを点け、避難経路の床面照度を実測します。設置基準や計算の詳細は、別記事にまとめています。

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僕としては、検査前に「この部屋はどの基準で合否を見るのか」を一覧にしておくと迷いません。事務室なら法令300ルクス+設計目標750ルクス、避難経路なら非常照明1〜2ルクス、というように根拠と数字をセットで持っておく。基準があやふやなまま測ると、数字は出ても「で、これは合格なの?」で止まってしまいます。明るすぎてまぶしいグレアの問題まで見るなら、こちらも参考になります。

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照度計の校正・JIS規格・等級(A級/AA級)

照度計の校正は、結論「素人がやるものではなく、メーカーや専門業者に依頼して校正証明書を発行してもらうもの」です。

照度計は使っているうちに受光素子が劣化したり、フィルタが経年で変化したりして、少しずつ表示がズレていきます。このズレを基準器と比べて補正するのが校正です。照度の校正には基準となる標準光源やトレーサビリティが必要で、現場で自分で「ゼロ調整」するのとは話のレベルが違います。ゼロ調整は毎回の測定前にやる手元の操作、校正は定期的に外部へ出して証明書をもらう作業、と分けて理解しておくと混乱しません。

校正の頻度は1年に1回が一つの目安です。特に、検査記録として公的・取引証明に使う照度計は、有効期限内の校正証明書とセットでないと数字の信頼性を主張できません。竣工書類に照度測定記録を添える場合、「使った照度計の校正証明書のコピー」まで求められることがあるので、検査前に校正期限が切れていないかを必ず確認しておきましょう。より厳密なトレーサビリティが要る場面では、計量法に基づくJCSS校正を選ぶこともあります。

照度計の精度を語るうえで欠かせないのがJIS規格です。照度計は光計測器の中でも珍しく、JIS C 1609として規格化されています。このJISでは照度計が等級でランク分けされていて、用途に応じて選ぶ形になっています。

  • 精密級:研究機関や光学実験など、最も高い精度が求められる場面
  • 一般形AA級:労働安全衛生基準や学校環境衛生基準などの適合性評価
  • 一般形A級:日常的な明るさ管理など、実用的な照度測定

この等級の違いは「斜入射光特性(コサイン特性)の精度」などで決まっていて、上の級ほど誤差が小さく作られています。竣工検査で基準への適合を証明する用途なら、最低でもAA級を選ぶのが安全です。ホームセンターや通販で数千円で売っている照度計の中には、JIS等級を満たさない海外製も混ざっているので、検査用には注意が必要です。

僕の感覚だと、照度計の校正は「絶縁抵抗計や接地抵抗計の校正と同じ感覚」で管理するのが正解です。電気の測定器は、校正が切れている時点で「測ったけど信用できない数字」になってしまう。明るさも同じで、校正証明書があって初めて検査記録として通用します。他の電気計測器の校正・点検と同じタイミングで、照度計も校正サイクルに乗せておくのがおすすめです。接地抵抗計や絶縁抵抗測定の考え方は、こちらも参考になります。

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照度計の選び方とおすすめメーカー

照度計の選び方は、結論「JIS等級・測定レンジ・データ機能の3点を、自分の用途に合わせて決める」のが基本です。

価格は数千円から数十万円まで大きな幅がありますが、高ければいいというものでもありません。竣工検査で基準適合を証明したいのか、現場でざっと明るさを把握したいのかで、必要なスペックは変わります。選ぶときに見るべきポイントを整理します。

  • JIS等級:検査・証明用ならAA級以上、ざっくり把握ならA級でも可
  • 測定レンジ:屋外も測るなら0〜10万ルクス程度の広範囲をカバーできるもの
  • オートレンジ:測定範囲を自動で切り替える機能があると現場が速い
  • データ保持・出力:ホールド、メモリ、USB/Bluetooth出力があると記録が楽
  • LED対応:LED・OLED照明でも安定して測れる機種か
  • 携帯性:多地点を測るので、軽くて持ち運びやすいサイズが有利

主要メーカーとしては、コニカミノルタ(T-10Aなど)、日置電機(FT3425など)、トプコン系のテクノオプティス(IM-600シリーズ)、カスタムといったあたりが定番です。コニカミノルタや日置はJIS AA級準拠の高精度機が揃っていて、竣工検査や適合性評価で使うならこのクラスが安心です。受光部が本体から分離できるタイプは、影の影響を避けて測れるので検査向きです。一方、現場でざっくり明るさを確認するだけなら、カスタムなどの実用機やA級モデルでも十分役に立ちます。

よく聞かれるのが「スマホの照度計アプリで代用できないか」という話です。結論を言うと、社内で目安を掴むぶんには便利ですが、検査記録として提出する数字には使えません。スマホのカメラセンサーは照度計用に校正されておらず、機種ごとに値がバラバラで、当然ながらJIS等級も校正証明書もありません。竣工検査や基準適合の証明には、JIS準拠の専用機を使うのが大前提です。アプリは「あれ、この部屋ちょっと暗いかも」と気付くためのきっかけ程度に留めるのが現実的です。

竣工時しか使わないなら、購入ではなくレンタルという選択肢もあります。照度計はレンタル業者の取扱いが多く、校正済みの機体を必要な期間だけ借りれば、校正管理の手間も省けます。年に数回しか使わないなら、レンタルのほうがトータルコストは安く済むことが多いです。

僕としては、まず「自分が検査で証明に使うのか、目安で使うのか」を最初に決めることをおすすめします。証明に使うならAA級+校正証明書は必須、目安ならA級やレンタルで十分。ここを最初に切り分けると、過剰なスペックにお金をかけずに済みます。照度計は電気工事士の腰道具に常備するものではありませんが、検査セットの一つとして手配段取りを覚えておくと現場で慌てません。

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照度計に関するよくある質問

照度計について、現場でよく出る質問をまとめておきます。

照度計とテスターは何が違うの?という質問をよく受けます。テスター(回路計)は電圧・電流・抵抗といった電気の量を測る道具で、照度計は明るさ(光の量)を測る道具です。測る対象がまったく別物なので、用途で完全に使い分けます。テスターの詳細はこちらです。

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照度計とルクスメーターは同じもの?という質問もあります。結論、同じものです。ルクスメーター(lux meter)は照度計の英語表現で、製品名や海外メーカーのカタログでは「ルクスメーター」と書かれていることが多いだけです。

ゼロ調整と校正は何が違うの?という疑問もよく聞きます。ゼロ調整は測定前に受光部を遮光して「光ゼロの状態」を機器に覚えさせる毎回の操作、校正は基準器と比べて表示のズレを補正する定期的な作業です。ゼロ調整は自分で、校正は業者に依頼する、と覚えておけば大丈夫です。

設計どおりに測っても照度が足りないのはなぜ?というのは竣工検査で必ず出る悩みです。照度計算では「保守率」を見込んで器具を選ぶため、新品でランプが汚れていない竣工時はむしろ設計値より高く出るのが普通です。逆に竣工時点で足りないなら、器具の取付位置・台数・内装の反射率・ランプの種類などを疑います。是正としては器具の増設、ランプ・LEDへの交換、反射率の高い内装への変更などが定番です。

校正証明書は竣工書類に必ずいるの?という質問もあります。これは現場の指定によります。監理者や発注者が照度測定記録に校正証明書の添付を求めるケースがあるので、検査前に提出物の指定を確認し、必要なら校正期限が有効な照度計を手配しておきましょう。

照度計に関する情報まとめ

  • 照度計とは:ある面に当たる光の量(照度)をルクスで数値化する測定器
  • 単位:ルクス(lx)=光束(lm)÷面積(m²)。晴天屋外は約10万ルクス
  • 施工管理の使い所:竣工検査で設計照度を確認し、照度測定記録として残す
  • 使い方:測定面の高さ(机上は床上80cm等)に水平に置き、区域法で測点を取る
  • 注意点:自分の影・服の反射・受光部の傾き・外光の混入で数字がブレる
  • 基準:法令の最低基準(事務作業300ルクス等)とJISの推奨値(事務室750ルクス)の2層
  • 非常照明:建築基準法で床面1ルクス以上(蛍光灯・LEDは2ルクス以上)
  • 校正:業者に依頼して校正証明書を取得。等級はAA級以上が検査向き
  • 選び方:JIS等級・測定レンジ・データ機能の3点で用途に合わせて選ぶ

以上が照度計に関する情報のまとめです。

照度計は「明るさを測るだけの道具」と侮られがちですが、電気施工管理にとっては竣工検査の合否を左右する立派な検査機器です。測り方と記録の残し方さえ押さえておけば、引渡し後のトラブルを未然に防ぐ強い武器になります。設計段階での明るさの決め方を知りたい方は照度計算の記事、建物の光環境を体系的に学びたい方は建築環境工学の記事もあわせて読んでみてください。

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