- サウンディング試験ってどんな試験?
- SWSとサウンディングって同じもの?
- ボーリング調査と何が違う?
- N値換算式の意味は?
- 結果から地盤改良の要否ってどう判断する?
- 住宅で広く使われている理由は?
上記の様な悩みを解決します。
サウンディング試験は、住宅・小規模建物の地盤調査で必ず登場する代表的な原位置試験です。施工管理として担当すると、立会・結果の判定・施主への説明まで一気に関わることになります。種類・データの読み方・地盤改良との接続を整理しておくと、設計事務所・地盤調査会社・施主の3者すべてに通用する施工管理になれます。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
サウンディング試験とは?
サウンディング試験とは、結論「地中にロッド(鋼棒)や試験具を貫入させ、その抵抗から地盤の硬軟・締まり具合・組成を推定する原位置試験」のことです。
「サウンディング(sounding)」は英語で「探りを入れる」「測深する」という意味で、地盤の中を直接「探る」ことで強度や性状を推定する試験全般を指します。ボーリング調査のような大規模な機材を必要とせず、比較的簡易・低コストで地盤の概況を把握できるのが特徴で、戸建住宅・小規模アパートなどの地盤調査では事実上の標準試験になっています。
原位置試験全般の整理はこちら。

地盤調査の全体像はこちら。

僕の感覚だと、住宅系の施工管理は最初に必ずサウンディング試験の立会から経験する人が多くて、ここで結果の読み方が曖昧だと、後の地盤改良の打合せ・施主への費用説明で詰まります。最初に押さえておくと長く役立つ知識です。
サウンディング試験の種類(SWS/オランダ式/ベーン/ポータブルコーン)
主なサウンディング試験は次の4種類で、用途で使い分けされます。
| 種類 | 略号 | 主な用途 | 試験方式 |
|---|---|---|---|
| スクリューウェイト貫入試験 | SWS(旧SS) | 戸建住宅・小規模建物 | 重りとスクリュー回転で貫入 |
| オランダ式二重管コーン貫入試験 | – | 軟弱地盤の詳細調査 | コーンを油圧で連続貫入 |
| ベーン試験 | – | 粘性土の強度判定 | 翼を地中で回転 |
| ポータブルコーン貫入試験 | – | 浅層・表層調査 | 手押しでコーンを貫入 |
使い分けの基本
- 戸建住宅・小規模建物:SWS試験が主流(コスト・速度のバランス)
- 軟弱地盤の詳細調査:オランダ式・ベーン試験
- 表層のみ調査(仮設計画など):ポータブルコーン
ボーリング調査(標準貫入試験)との関係はこちら。

地質調査の選定はこちら。

僕としては、戸建住宅の現場で「サウンディング試験」と言われたらほぼSWS試験だと理解しておくと、設計事務所や地盤調査会社との打合せで話が噛み合います。本記事でも以下、SWS試験を中心に解説していきます。
SWS試験(スクリューウェイト貫入試験)の詳細
試験名の変遷
SWS試験は、2020年のJIS A 1221改正で「スウェーデン式サウンディング試験(SS試験)」から「スクリューウェイト貫入試験(SWS試験)」に名称変更されました。現場では両方の呼び方が今も混在しますが、内容は同じです。
試験の手順
- 試験位置(建物予定地の四隅+中央など5点が標準)に試験機を設置
- ロッド先端にスクリューポイントを取り付け
- 段階的に荷重(5kg、15kg、25kg、50kg、75kg、100kg)を載せる
- 各荷重で地盤に自沈するかを確認
- 100kg載荷でも貫入しない場合、ハンドルでロッドを回転させて25cm貫入させ、半回転数(Nsw)を記録
- 1点あたり地表から所定深度(一般に10m程度)まで連続調査
主要なデータ
- Wsw:載荷重量(kg)
- Nsw:1m あたりの半回転数
- 自沈層:100kg未満で自沈する層(軟弱層の指標)
N値への換算
SWS試験のデータは、標準貫入試験のN値に換算して使うことが多いです。一般的な換算式は次のとおりです。
| 土質 | 換算式 |
|---|---|
| 砂質土 | N = 0.002 × Wsw + 0.067 × Nsw |
| 粘性土 | N = 0.003 × Wsw + 0.050 × Nsw |
ただし換算式はあくまで参考値で、正確な強度評価ではボーリング調査が必要なケースもあります。
N値そのものの整理はこちらが詳しいです。

標準貫入試験との関係はこちら。

ボーリング調査との違いとN値換算
主要な違い
| 項目 | サウンディング(SWS) | ボーリング調査 |
|---|---|---|
| 試験機材 | 小型・自走式 | 大型・櫓・足場が必要 |
| 試験深度 | 〜10m程度(標準) | 20m〜数十m可能 |
| 費用 | 5〜10万円程度 | 30万円〜(深さ次第) |
| 期間 | 半日〜1日 | 数日 |
| 土質判定 | ロッドの感覚で推定 | 土質サンプル採取で確実 |
| N値 | 換算値(参考値) | 直接測定(標準貫入試験) |
| 用途 | 戸建・小規模建物 | 中高層・大規模建物・橋梁 |
使い分けの実務
- 木造2階建て住宅:SWS試験で十分(建築基準法準拠)
- 木造3階建て・重量鉄骨:SWS+必要に応じてボーリング
- RC造マンション・中高層:ボーリング調査が必須
- 大規模建物・橋梁・トンネル:ボーリング+複数試験の組合せ
僕の感覚だと、住宅系施工管理として「SWSで足りる現場か、ボーリングが必要か」を即答できるようにしておくと、設計事務所との初期打合せで一目置かれます。建物規模・構造種別・上部荷重の3要素で判断する習慣を付けておくと整理しやすいです。
試験結果の見方と地盤改良判断への接続
結果の読み方の基本
SWS試験の柱状図には、深度別に Wsw(載荷重量)・Nsw(半回転数)・推定土質・自沈の有無が記載されます。読み方のポイントは次のとおりです。
- 自沈層の有無:100kg以下で自沈する層は軟弱層
- 自沈層の深さ・厚み:基礎下に厚い自沈層があれば改良が必要
- N値換算値:基礎下5m以内で換算N値5以下なら要検討
- 土質:粘性土主体か砂質土主体かで対策が変わる
軟弱地盤の判定基準はこちら。

地盤改良判断のロジック
地盤改良の要否は、おおむね次のロジックで判断します。
- 自沈層がない・全層硬い:改良不要(直接基礎で対応可能)
- 表層のみ自沈層:表層改良で対応
- 中層に自沈層(5m以内):柱状改良で対応
- 深層まで軟弱:鋼管杭・湿式柱状改良で対応
- 想定支持層に達しない:ボーリング追加調査を推奨
地盤改良工法の判断基準はこちら。

地盤全般の整理はこちら。

僕としては、住宅現場で地盤改良の判断を施主に伝えるときは「数値の意味」と「採用工法の理由」をセットで説明するのが基本だと感じます。「Wsw 50kgで自沈しているのでこの深度は軟弱です。そのため柱状改良で硬い層まで届かせます」のような形で話すと、施主の理解が一段深まります。
サウンディング試験に関する情報まとめ
- サウンディング試験とは:ロッドや試験具を地中に貫入させ抵抗から地盤性状を推定する原位置試験
- 主な種類:SWS(戸建住宅)/オランダ式(軟弱地盤詳細)/ベーン(粘性土)/ポータブルコーン(表層)
- SWS試験:旧スウェーデン式、JIS A 1221、5点が標準、深度10m程度
- 主要データ:Wsw(載荷重量)/Nsw(半回転数)/自沈層
- N値換算:砂質土・粘性土で換算式が異なる、あくまで参考値
- ボーリングとの違い:費用・深度・精度で差、戸建はSWS/中高層はボーリング
- 結果の読み方:自沈層の有無・深さ・厚みと土質で判断
- 改良判断:自沈なし=改良不要/表層自沈=表層改良/中層自沈=柱状改良/深層軟弱=鋼管杭
以上がサウンディング試験に関する情報のまとめです。
サウンディング試験は、住宅系施工管理として最初に身につけたい地盤調査の基本知識です。種類の使い分け、SWS試験のデータの読み方、N値換算とボーリング調査との違い、地盤改良判断への接続の4点を押さえておくと、設計事務所・地盤調査会社・施主すべてに通用する説明ができるようになります。「数値の意味と対策の理由をセットで説明する」を習慣にすると、施主からの信頼が一段上がります。
サウンディング試験に関するよくある質問
Q1:SWS試験とスウェーデン式サウンディング試験は同じものですか?
同じものです。2020年のJIS A 1221改正で「スウェーデン式サウンディング試験(SS試験)」から「スクリューウェイト貫入試験(SWS試験)」に名称変更されました。現場では両方の呼び名が今も混在していますが、試験内容は同一です。新規の柱状図ではSWSと表記されるケースが増えています。
Q2:SWS試験はどんな建物に使えますか?
主に戸建住宅(木造2階建て)・小規模アパートで採用されます。木造3階建てや重量鉄骨造ではSWSに加えてボーリング調査を併用するケースが多く、RC造マンションや中高層建物・橋梁などではボーリング調査が標準になります。建築基準法上、住宅では「地盤調査の方法」として SWS が認められています。
Q3:SWS試験の費用はどれくらいですか?
調査会社・地域・調査点数で変わりますが、戸建住宅で5万円〜10万円程度が一般的な相場です。標準的な5点調査で深度10m程度なら、半日〜1日で完了します。ボーリング調査(30万円〜)と比べると大幅に安価で、住宅地盤調査の標準として定着しています。
Q4:N値換算式の精度はどれくらい信頼できますか?
換算式は経験式に基づく参考値で、絶対値としての精度は限定的です。土質判定(砂質土か粘性土か)が間違っていたり、土質が不均質な現場では誤差が大きくなります。住宅基礎の判定では換算N値で運用するのが標準ですが、重要構造物や中高層建物では換算値だけでなくボーリング調査の標準貫入試験で直接N値を確認するのが基本です。
Q5:サウンディング試験の結果から地盤改良の必要性はどう判断しますか?
主に自沈層の有無・深さ・厚みで判断します。基礎下5m以内に自沈層がない場合は改良不要のケースが多く、表層のみ自沈なら表層改良、中層に自沈層なら柱状改良、深層まで軟弱なら鋼管杭、というロジックが標準的です。実際の判断は、建物荷重・基礎形式・周辺地盤との関係を加味して、設計者・地盤調査会社と協議のうえで決定します。
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