地質調査とは?種類、ボーリング、SWS、用途別の選定、費用など

  • 地質調査って結局なに?地盤調査と同じ?
  • 「地質調査」「地盤調査」「土質調査」呼び方が混在してて分からん
  • 種類が多すぎる、結局どれを頼めばいいの?
  • ボーリングとSWS、うちの現場はどっち?
  • SWSで済ませて後で後悔しないか不安
  • 費用いくら?施主に説明できる相場を知りたい
  • 期間は何日みておけばいい?
  • 報告書が来たけど、どこを見ればいいの?
  • N値っていくつあれば大丈夫?柱状図の模様の意味は?
  • 結局この地盤、改良いるの?いらないの?
  • 調査会社が改良を勧めがちで、鵜呑みにしていいか不安
  • 測点は何ヶ所?発注のタイミングはいつ?

上記の様な悩みを解決します。

地質調査は、建物を建てる前に「この土地に、その建物を建てて大丈夫か」を確かめる、着工前の一番最初の関門です。ここを軽く見ると、地盤沈下や建物の傾きといった、後から取り返しのつかないトラブルに直結します。今回は定義・地盤調査との違い・調査の種類・ボーリングとSWSの使い分けといった基本を押さえた上で、現役の施工管理目線で「建物の用途・規模別の調査の選び方」「柱状図とN値の読み方」「結果を基礎・地盤改良の選定にどうつなげるか」「発注の段取りと注意点」まで、現場で実際に判断するポイントを網羅的に整理しました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初めて地盤調査を手配する方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

地質調査とは?

地質調査とは、結論「建物を建てる前に、その土地の地盤がどんな土でできていて、どれくらいの強さ(支持力)を持っているかを確かめる調査」のことです。

目的は大きく3つあります。①地盤が建物の重さに耐えられるか(沈下しないか)を確認する、②基礎の種類(直接基礎か杭基礎か)を決める根拠を得る、③地盤改良が必要か・必要ならどの工法かを判断する材料を得る、この3点です。

地盤が軟弱なまま建物を建てると、不同沈下(建物が不均等に沈む現象)で床が傾いたり、外壁にクラックが入ったり、最悪は建物が使えなくなります。新築の地盤トラブルは「建ててから」では基礎ごとやり直しになり、費用も工期も跳ね上がります。だからこそ着工前に調べる、というのが地質調査の立ち位置です。

地盤まわりの全体像はこちらが詳しいです。

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施工管理の立場で言えば、地質調査は「調査会社に丸投げして報告書をもらって終わり」ではありません。どの調査を選び、報告書のどこを確認し、基礎や改良の判断にどうつなげるかまでが、現場側の仕事の範囲です。本記事はその判断軸を一通り押さえることをゴールにしています。

地質調査と地盤調査・土質調査の違い

最初につまずきやすいのが「地質調査」「地盤調査」「土質調査」の呼び方の違いです。結論から言うと、住宅・建築の実務ではほぼ同じ意味で使われており、厳密に区別しなくても会話は成立します。ただ、本来のニュアンスは少しずつ違います。

用語 本来の意味 実務での使われ方
地質調査 地層・岩盤・土の成り立ちを調べる(地質学寄り) 建築では「地盤調査」とほぼ同義で使われる
地盤調査 建物を支える地盤の強さ・支持力を調べる 住宅・建築で最も一般的な呼び方
土質調査(土質試験) 採取した土の物性(粒度・含水比・強度等)を試験で調べる 地盤調査の中の「一工程」を指すことが多い

整理すると、一番広い概念が「地質調査」、建物を建てる目的に絞ったのが「地盤調査」、その中で土そのものを試験室で調べるのが「土質試験」という入れ子の関係です。検索では「地質調査」「地盤調査」がほぼ同じ意味で混在しているので、本記事も両方を同じ意味として扱います。

僕の整理では、施工管理が打合せで使うなら「地盤調査」が一番無難です。「地質調査」は橋梁・トンネル・大規模土木で岩盤や地層構成まで踏み込むときに使われる印象で、住宅・小規模建築の文脈では「地盤調査」と言っておけば相手と認識がズレません。

地質調査の種類【一覧表】

地質調査にはいくつもの方法があり、建物の規模・用途・予算に応じて選びます。まず全体像を一覧で押さえます。

調査方法 内容 主な対象 精度 費用感
ボーリング調査(標準貫入試験) 地面に穴を掘り、N値を測りながら土を採取 中〜大規模、3階建て以上、軟弱地盤 高い 高い
SWS試験(スクリューウエイト貫入試験) ロッドを回転貫入させ沈み方で強さを測る 戸建て・小規模 簡易 安い
平板載荷試験 地盤に直接荷重をかけ沈下量から支持力を判定 路盤・擁壁・改良後の確認 高い(局部)
表面波探査法 地表に振動を与え波の伝わり方で地盤を推定 戸建て(非破壊で調べたい場合) 簡易 安い
土質試験 採取した試料の粒度・含水比・強度を試験室で分析 設計の精緻化・大規模 高い 中〜高
孔内水平載荷試験 ボーリング孔で水平方向の地盤剛性を測定 杭基礎の設計(水平地盤反力係数) 高い 高い
液状化判定 砂質地盤が地震で液状化するかを判定 埋立地・砂地盤 追加

住宅・小規模建築で実際に選ばれるのは、ほぼ「ボーリング調査」か「SWS試験」の二択です。残りは、規模が大きい・設計を精緻にしたい・特定のリスク(液状化・水平力)を確認したい、といった目的が出てきたときに追加する位置づけになります。

以下、まず主役の2つ(ボーリング/SWS)を詳しく見て、その後にその他の方法をまとめます。

ボーリング調査(標準貫入試験)とは?

ボーリング調査とは、結論「地面に径8cmほどの穴(孔)を掘り進めながら、各深さの地盤の硬さ(N値)を測り、同時に土のサンプルを採取する調査」です。地盤調査の中で最も信頼性が高く、建築・土木の標準的な方法です。

中心になるのが「標準貫入試験(SPT)」です。重さ63.5kgのハンマーを76cmの高さから自由落下させ、サンプラー(鉄の筒)を地中に30cm打ち込むのに何回打撃が必要だったか、その回数が「N値」です。N値が大きいほど硬い地盤を意味します。

ボーリング調査の特徴を整理します。

  • 深さ10mを超える深部でも、摩擦の影響を受けず確実に測れる
  • 土のサンプルを採取できるので、土質の種類・地下水位まで分かる
  • 採取試料を使って土質試験・液状化判定まで展開できる
  • 一方で、やぐらの設置や試験用水が必要で、工期が長く費用も高い

ボーリング調査の詳細・N値の意味はこちらで深掘りしています。

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施工管理として押さえておきたいのは、ボーリングは「データの質が圧倒的に高い代わりにコストと日数がかかる」調査だという点です。3階建て以上・RC造・軟弱地盤が想定される・杭基礎になりそう、こういう現場ではSWSでは情報が足りず、最初からボーリング前提で工程と予算を組むのが安全です。途中で「やっぱりボーリングが要る」となると、調査のやり直しで着工が後ろにずれます。

なお、掘削中に予期せぬ地中障害(古い基礎、ガラ、転石)に当たることもあります。報告書に「掘進不能」「玉石層」といった記載が出たら、後工程の杭や改良の施工性に直結するので、設計と早めに共有しておくのが現場側の役割です。

SWS試験(スクリューウエイト貫入試験)とは?

SWS試験とは、結論「先端がスクリュー状のロッドに荷重をかけて回転貫入させ、その沈み方・回転数から地盤の硬さを測る簡易調査」です。旧称は「スウェーデン式サウンディング試験(SS試験)」で、2020年のJIS改正で名称がSWS試験に変わりました。古い資料や現場では今も「スウェーデン式」と呼ばれることが多いです。

戸建て住宅の地盤調査で最も普及している方法で、理由は「速い・安い・狭い土地でもできる」の三拍子が揃っているからです。

SWS試験の特徴を整理します。

  • 戸建て1棟(5測点程度)を半日で完了でき、費用も数万円から
  • 狭小地でも調査でき、敷地の四隅+中央など複数点を測れる
  • N値そのものではなく、結果から「換算N値」を求める
  • 試料を採取しないので、土質の正確な判別や深部の精度は劣る

SWS試験で得られるのは厳密なN値ではなく「換算N値」である点は、報告書を読むときに意識しておきたいところです。換算値なので、本来のN値より精度は落ちます。また回転や貫入の抵抗から土質を“推定”するため、礫(小石)に当たると実際より硬く出てしまうなど、判定がブレる弱点もあります。

僕の感覚だと、SWSは「戸建ての標準解だが、結果が極端に良い/悪いときほど一度立ち止まる」調査です。やたらN値が高く出ているのに周辺が軟弱地盤として知られるエリアなら、礫に当たって過大評価している可能性を疑う、といった読み方が要ります。簡易調査の限界を理解した上で使うのが前提です。

その他の地質調査(平板載荷・表面波探査・土質試験・液状化判定など)

ボーリング・SWS以外にも、目的に応じて使う調査があります。実務で名前が出てくるものを押さえておきます。

  • 平板載荷試験:地盤に鉄板を置いて実際に荷重をかけ、沈下量から支持力を直接測る。改良後の地盤の確認や、擁壁・プレハブの支持力確認に使う
  • 表面波探査法:地表に振動を与え、波の伝わる速さから地盤の硬さを推定する非破壊調査。穴を掘らずに戸建てを調べたいときに使われる
  • 土質試験:採取した試料を試験室で分析し、粒度・含水比・せん断強度などを精密に求める。大規模建築や設計を詰める場面で実施
  • 孔内水平載荷試験:ボーリング孔の壁を水平に押し、地盤の水平剛性(水平地盤反力係数KH)を測る。杭基礎の水平方向設計に使う
  • 液状化判定:砂質地盤が地震時に液状化するかを判定する。埋立地・河川跡・砂地盤で重要

杭基礎まわりの設計につながる水平地盤反力の話はこちらが参考になります。

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これらは「標準で必ずやる調査」ではなく、建物の規模やリスクに応じて追加する調査です。見積に並んでいて意味が分からない項目があれば、「この建物・この地盤で本当に必要か」を調査会社に確認するのが、過剰な発注を避けるコツです。

ボーリング調査とSWS試験の使い分け|建物の用途・規模別の選定

ここが施工管理にとって一番の判断どころです。「ボーリングとSWS、どっちを頼むか」を、建物の用途・規模で整理します。

まず2つの違いを比較表で押さえます。

比較項目 ボーリング調査 SWS試験
対象 中〜大規模、3階建て以上 戸建て・小規模
精度 高い 簡易(換算N値)
深さ 10m超も確実 概ね10mまで
試料採取 可能 不可
土質判別 正確 推定
費用 十数万円〜数十万円 数万円〜
期間 数日 半日程度

その上で、用途・規模別の選定の目安を示します。

建物・条件 推奨調査
木造2階建て住宅(一般的な宅地) SWS試験
木造3階建て・重い屋根・狭小地 SWS+必要に応じボーリング
軟弱地盤・造成地・埋立地が疑われる ボーリング
RC・S造、3階建て以上 ボーリング
倉庫・工場(広く重い・床荷重大) ボーリング(複数本)
擁壁・改良後の支持力確認 平板載荷

判断のコツは「迷ったら上位の調査に寄せる」ことです。SWSで足りるか微妙な現場でSWSを選び、後からボーリングが必要になると、調査のやり直しで時間も費用も二重にかかります。最初からボーリングにしておけば一回で済むうえ、設計の安全側にも振れます。

僕の考えでは、選定の軸は「建物の重さ」「階数」「想定される地盤の悪さ」の3点です。この3つのどれかが重い側に振れたら、SWSで粘らずボーリングを基本にする。逆に、周辺の地盤データが良好で軽い木造2階なら、SWSで十分です。

倉庫・工場のように床荷重が大きく平面が広い建物は、敷地の一部だけ調べても全体は語れないので、複数本のボーリングで面的に押さえるのが原則になります。

地質調査結果(ボーリング柱状図・N値)の見方

報告書が届いたとき、施工管理がどこを見ればいいか。ここを分かっていないと「調査会社の結論をそのまま信じるだけ」になってしまいます。最低限見るべきポイントを押さえます。

ボーリング調査の結果は「ボーリング柱状図(土質柱状図)」という縦長の図にまとまっています。深さ方向に、各層の土質・N値・地下水位が描かれています。

柱状図で見るべき項目は次の通りです。

見る項目 何が分かるか
土質記号(模様) 砂質土・粘性土・礫質土などの土の種類
N値(横の数値・折れ線) 各深さの地盤の硬さ
層境界 どの深さで土質が変わるか
地下水位(▽マーク) 水が出る深さ(掘削・改良に影響)
支持層の深さ 杭を支える硬い層がどこにあるか

N値の目安はこう捉えます。

  • N値0〜3:非常に軟弱(粘性土なら特に注意、改良や杭を検討)
  • N値3〜5:住宅程度なら基礎が成立し得るが要確認
  • N値10〜20:比較的良好な地盤
  • N値30以上:硬い地盤、支持層になり得る

ただしN値は「土質とセットで読む」のが鉄則です。同じN値でも、砂質土と粘性土では意味が違います。粘性土は圧密沈下(時間をかけてジワジワ沈む)のリスクがあるため、N値が多少あっても安心できません。柱状図の模様(土質)とN値を必ず一緒に見る、これが基本姿勢です。

地盤の強さを設計で扱う「許容応力度」の考え方はこちらが参考になります。

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正直なところ、柱状図は最初は記号だらけで読みにくいですが、見るべきは「支持層がどの深さにあるか」「地下水位はどこか」「途中に軟弱層が挟まっていないか」の3点に尽きます。ここさえ追えれば、調査会社の結論が妥当かどうかを自分の頭で確かめられるようになります。

地質調査の結果を基礎・地盤改良の選定にどうつなげるか

調査の本当のゴールは「報告書を読むこと」ではなく「基礎と地盤改良の方針を決めること」です。結果をどう判断につなげるか、施工管理目線で整理します。

大まかな判断の流れはこうなります。

  1. 支持層(硬い層)が浅い → 直接基礎(ベタ基礎・布基礎)で成立する可能性
  2. 表層が軟弱で、その下に良好な層 → 地盤改良(表層改良・柱状改良)を検討
  3. 支持層が深い・軟弱層が厚い → 杭基礎を検討
  4. 砂地盤+地下水位が高い → 液状化リスクを別途評価

基礎・改良の選択肢を整理すると次の通りです。

地盤の状態 主な選択肢
浅い位置に良好な支持層 直接基礎(ベタ基礎・布基礎)
表層2m程度が軟弱 表層改良
軟弱層が中程度の深さ 柱状改良
支持層が深い・建物が重い 杭基礎(既製杭・場所打ち杭)

直接基礎の判断についてはこちら、地盤改良の工法選びはこちらが詳しいです。

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ここで施工管理として持っておきたい視点が「調査会社の改良提案を、鵜呑みにも全否定にもしない」姿勢です。調査・改良を一社で請ける業者の場合、構造上どうしても改良を勧める方向にバイアスがかかりやすいのは事実です。一方で、改良不要に見えても粘性土の圧密や地下水位を見落とすと危険です。

だからこそ、柱状図のN値・土質・地下水位という一次データを自分で確認し、「この結論はこのデータから妥当か」を設計者と一緒に検証する。これが現場側の本来の役割だと考えます。改良の要否は最終的に構造設計の判断ですが、施工管理が一次データを読めると、過剰な改良も危険な省略も防ぎやすくなります。

軟弱地盤そのものの判定基準はこちらで整理しています。

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地質調査の費用相場と調査期間

施主への説明や工程・予算組みのために、費用と期間の相場を押さえておきます。あくまで一般的な目安で、敷地条件・測点数・深さで変動します。

調査方法 費用の目安 期間の目安
SWS試験 5万〜10万円程度 半日〜1日
ボーリング調査 20万〜30万円程度(1本) 1日〜数日
平板載荷試験 十数万円〜 半日〜1日
土壌汚染調査 20万円程度〜 数日〜

費用が変わる主な要因は次の通りです。

  • 測点数・ボーリング本数(多いほど高い)
  • 調査深さ(深いほど高い)
  • 搬入条件(重機が入りにくい狭小地は割高)
  • 追加試験(液状化判定・土質試験などはオプション)

工程上の注意は「期間そのものより前後の段取り」です。SWSは半日でも、報告書が上がるまで数日〜1週間程度かかることがあり、その結果を待って基礎の設計・地盤改良の発注が動きます。調査の実働日数だけで工程を引くと、報告書待ちと改良の発注リードタイムで着工がずれます。

見積の項目が多くて判断に迷うときは、「標準で必要な調査」と「オプション」を分けて説明してもらうと、過不足が見えやすくなります。

地質調査の発注・段取りで施工管理が押さえる注意点

最後に、報告書の中身ではなく「発注・段取り」の実務で押さえるポイントです。ここは業者視点の記事ではあまり触れられない部分です。

  • 発注タイミング:地盤調査は設計が固まり建物配置が決まってから。建物の四隅・荷重の大きい位置を測りたいので、配置前に頼むと測点がズレる
  • 測点・本数:戸建てSWSは四隅+中央の5点が基本。広い建物・倉庫はボーリング複数本で面的に押さえる
  • 既存資料の活用:近隣のボーリングデータ(自治体の地盤情報や近接地のデータ)があれば、調査計画の精度が上がる。ゼロから決めつけない
  • 地下水位・季節:地下水位は季節で変動する。梅雨期と乾期で結果が変わり得る点を頭に置く
  • 地中障害の想定:古い擁壁・基礎・ガラが疑われる土地は、掘進不能のリスクを事前に共有しておく
  • 報告書の保管:調査結果は基礎・改良の根拠資料であり、検査やトラブル時の説明資料にもなる。確実に保管する

基礎工事全体の流れはこちらで解説しています。

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実務だと、地盤調査は「設計が固まった直後・地盤改良の発注前」という工程上の結節点にあります。ここの段取りが甘いと、測点のやり直し・報告書待ち・改良の発注遅れが連鎖して、着工全体が後ろにずれます。逆に、発注タイミングと測点計画さえ押さえておけば、地盤まわりは大きく崩れません。

地質調査に関する情報まとめ

  • 定義:建物を建てる前に、地盤の土質と支持力を確かめる着工前の調査
  • 地盤調査・土質調査との違い:建築実務ではほぼ同義、最も一般的な呼び方は「地盤調査」
  • 主な種類:ボーリング(標準貫入試験)/SWS試験が二本柱、ほかに平板載荷・表面波探査・土質試験・液状化判定
  • ボーリング:高精度・試料採取可・深部も確実、ただし高コスト・長工期。中〜大規模・3階建て以上・軟弱地盤向き
  • SWS:速い・安い・狭小地可、ただし換算N値で精度は簡易。戸建て・小規模の標準
  • 使い分け:建物の重さ・階数・地盤の悪さの3軸、迷ったら上位(ボーリング)に寄せる
  • 結果の見方:柱状図で支持層の深さ・地下水位・軟弱層をチェック、N値は土質とセットで読む
  • 基礎・改良への反映:支持層の深さで直接基礎/改良/杭を判断、調査会社の提案は一次データで検証
  • 費用相場:SWS5〜10万円・半日、ボーリング20〜30万円・数日(条件で変動)
  • 発注の段取り:設計確定後に発注、測点は四隅+中央が基本、報告書待ちと改良発注のリードタイムを工程に織り込む

以上が地質調査に関する情報のまとめです。

地質調査は「調査会社に頼んで報告書をもらう」だけの作業ではなく、施工管理が「どの調査を選び・報告書のどこを読み・基礎と改良の方針にどうつなげるか」まで関わる、着工前の判断業務です。柱状図のN値・土質・地下水位という一次データを自分で読めるようになると、過剰な改良も危険な省略も防げて、施主にも自信を持って説明できるようになります。地盤は建物の土台そのものなので、ここを押さえておくと現場全体の段取りが安定します。

地質調査に関するよくある質問

Q1:地質調査と地盤調査は何が違うんですか?

建築の実務ではほぼ同じ意味で使われており、厳密に区別しなくても会話は通じます。本来は「地質調査」が地層・岩盤の成り立ちまで含む広い概念、「地盤調査」が建物を支える地盤の支持力に絞った調査、という違いがあります。住宅・小規模建築では「地盤調査」、橋梁・トンネルなど大規模土木では「地質調査」と呼ばれる傾向です。打合せで使うなら「地盤調査」が無難です。

Q2:ボーリングとSWS、結局どっちを頼めばいいですか?

建物の「重さ・階数・想定される地盤の悪さ」の3点で判断します。木造2階建ての一般的な宅地ならSWS試験で十分です。3階建て以上・RC/S造・軟弱地盤や造成地が疑われる・倉庫や工場のように床荷重が大きい現場はボーリングを選びます。迷うラインなら、後でやり直すリスクを避けるため上位のボーリングに寄せておくのが安全です。

Q3:N値はいくつあれば大丈夫なんですか?

一概には言えず、土質と建物の重さで変わります。目安として、N値0〜3は非常に軟弱、3〜5は住宅なら基礎が成立し得るが要確認、10〜20で比較的良好、30以上で硬い支持層になり得ます。ただしN値は必ず土質とセットで読みます。粘性土は圧密沈下のリスクがあるため、N値が多少あっても油断できません。柱状図でN値と土質記号を一緒に確認するのが鉄則です。

Q4:調査会社が地盤改良を勧めてきますが、鵜呑みにしていいですか?

鵜呑みにも全否定にもしないのが正解です。調査と改良を一社で請ける業者は、構造上どうしても改良を勧める方向にバイアスがかかりやすい一方、改良不要に見えても粘性土の圧密や高い地下水位を見落とすと危険です。柱状図のN値・土質・地下水位という一次データを自分で確認し、その結論がデータから妥当かを設計者と検証してください。最終判断は構造設計ですが、施工管理が一次データを読めると過不足のない判断につながります。

Q5:地盤調査の費用と期間はどれくらい見ておけばいいですか?

SWS試験で5万〜10万円・実働半日、ボーリング調査で1本あたり20万〜30万円・1日〜数日が一般的な目安です(敷地条件・測点数・深さで変動)。工程で注意したいのは実働日数より「報告書待ち」と「その後の改良発注のリードタイム」です。調査の実働だけで工程を引くと、結果を待つ間と改良の手配で着工がずれます。前後の段取りまで含めて日程を組んでください。

Q6:地盤調査はいつ頼めばいいですか?測点は何ヶ所必要ですか?

設計が固まり、建物の配置が決まってから発注するのが基本です。建物の四隅や荷重の大きい位置を測りたいので、配置が決まる前だと測点がズレます。測点は戸建てのSWSなら四隅+中央の5点が標準で、広い建物や倉庫はボーリング複数本で面的に押さえます。近隣のボーリングデータなど既存資料があれば調査計画の精度が上がるので、ゼロから決めつけず活用してください。

Q7:液状化は調べてもらえますか?追加費用がかかりますか?

液状化判定は通常の地盤調査とは別メニューで、多くの場合オプション扱いです。砂質地盤で地下水位が高い土地、埋立地・河川跡・海沿いなど液状化リスクが想定される立地では、追加で判定してもらう価値があります。簡易判定から詳細判定(FL法)まで方法があり、費用も方法によって変わります。立地的にリスクが疑われる場合は、見積段階で液状化判定を含めるか調査会社に相談してください。

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