- ハツリってなに?
- 必要なタイミングって?
- 注意点は?
- 種類について知りたい
- 良くない理由って?
上記の様な悩みを解決します。
現場においてハツリ作業というのは度々発生します。多くの業者が関係してくる部分ですので、知識として抑えておきましょう。
この記事ではハツリとは?といったところから、必要なタイミング、注意点、種類、良くない理由などについて解説していきます。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
ハツリとは?
結論、ハツリとは「コンクリートを削ること」です。
電動ドリルや工具などを使ってコンクリートをガガガガガと削ります。大きな音がなるので、近隣からクレームの来やすい工事でもあります。
コンクリートは一度固まってしまうと、変形することはありません。それも強固に固まってしまうので、コンクリート打設前に忘れ物をしてしまうと、施工会社は困ってしまいます。
そこでハツリが問題を解決するという訳です。
基本的にデメリットの多い工事ですので、ハツリが多いのは好ましくありません。ただ現場では常にイレギュラーが発生しますので、ハツらざるを得ない。。。といった感じでしょうか。
本来、ハツリはよろしくない理由
ハツリがよろしくない理由①コンクリートの強度が落ちる
建物は綿密な構造計算の上で成り立っています。
中国だか韓国だか忘れましたが、高層マンションが倒壊した事件がありましたよね。建物が倒壊するってことは構造計算がお粗末だったか、現場で建物の強度を著しく落とすことをしたかです。もしくは両方。
ハツリはコンクリートを削る行為です。コンクリートの量が減る訳ですから、当然のことながら建物全体の強度は落ちます。
大抵の場合、ハツリを行なった後にモルタルで埋め戻しを行います。
ハツリがよろしくない理由②うるさい(騒音問題)
ハツリではコンクリートを削る訳ですが、コンクリートってめちゃくちゃ頑丈ですよね。簡単に削れるような代物ではありません。
強度のあるコンクリートを削るとなると、大きな音がなります。
シンプルにうるさいので、近隣からクレームがくる可能性があります。特に街中にある現場や、住宅街にある現場ではクレームが入りやすいです。
工事を円滑に進めていく上で、近隣住民との関係性は重要です。
例えば、近隣住民が手を組んでずっと文句を言ってきたら、工事を中断せざるを得ない状況に陥ってしまう可能性すらあります。
基本的に現場では現場外に音が漏れないよう、防音シートを使いますが、ハツリの音は大きいので普通に貫通します。
ハツリがよろしくない理由③お金が余計にかかる
基本的に、ハツリは予算に入っていません。
ゼネコンが自腹を切ってハツリ屋さんを雇うことになります。
そもそも工事をする目的はお金を稼ぐ目的ですからね。ハツリの必要が多ければ多いほど、工事全体の利益額が少なくなります。
ハツリは「やり直し」工事です。「配管を忘れたからハツる」とか「埋め込みを忘れたからハツる」と言った感じです。
施工会社からしても「多分ミスするので、ミス分の予算も組み込みますね」なんて言えませんよね(笑)。発注者からしたら「いやいや、ミスるなよ!」ってなります。
ハツリがよろしくない理由④手間がかかる
- 会社の選定
- 受注金額の決定(ネゴ)
- 日程調整
- 新規入場者教育
等々、仕事が増えます。施工管理は激務と言われており、大量の仕事をこなさなければなりません。ハツろうと思うと、仕事が3つくらい増えます。
お金だけでなく、手間もかかるのが難点です。
ハツリが必要なタイミング
ハツリが必要なタイミング①建物を解体する時
建物を解体する時は、ハツリが必要です。
建物は大体コンクリートで出来ています。建物を壊す解体工事では、コンクリートを壊すも同義ですので、ハツリの必要性が出てきます。
解体工事が一番ハツリの物量が多いです。
新築工事や改修工事におけるハツリ屋さんは、要所要所で「ここやって」と言われるものですが、解体工事では「全部ぶっ壊して」ってことですからね。
ハツリが必要なタイミング②配管を忘れた時
本来コンクリートの中にあるべき配管を忘れてしまったら、コンクリートを削って配管を中に埋め込むしかありませんよね。
露出で配管するのは、見栄えが悪いです。
倉庫や工場など、見た目に気を使う必要の無い場所で打ち込み忘れたなら露出で済みます。ただビルのエントランスや応接室など、お客様の目に触れることが多く、見た目にこだわっている所なら露出配管は難しいです。
ハツリが必要なタイミング③その他いろいろ
- 埋め込み忘れ
- クランプの取り付け忘れ
- ボルト用の穴を開ける
等々、割とハツリは汎用性が高いです。
ミスったらとりあえずハツってもらう様なイメージで、先ほど挙げた解体や配管忘れ以外にも、多くハツリのタイミングがあります。
どの新築現場に行っても、ハツリ屋さんは必ずいます。
ハツリ屋さんがいるということは、ハツリ屋さんの仕事があるということです。建物のそこらじゅうをハツっています。
これも一応ハツリ
コア抜きも定義上はハツリ
ハツリの定義は「コンクリートを削ること」ですので、定義上はコア抜きもハツリになります。
とはいえこれは定義上の話で、建築現場ではコア抜きとハツリは全く別物として扱われますので、新人現場監督は注意が必要です。
アンカー打設もハツリ
コンクリートを削って、アンカー用の穴を開けている訳ですから、アンカー打設もハツリと言えるでしょう。
コア抜きと同様に、アンカー打設をハツリと呼ぶ人はいません。定義上では同じでも、現場では別物扱いされるので注意しましょう。
ちゃんとやればハツリなんて不要
先ほどもちょろっと言いましたが、ちゃんと施工すればハツリなんて不要です。(解体工事は除く)
施工計画通り施工すれば、施工図通り施工すれば、忘れない様に施工すればハツリ屋さんの出番はありません。
ただそれは理論上の話でして、現場では必ずと言っていいほどイレギュラーが起こります。ヒューマンエラーもそうですし、外的要因で仕方なくハツリが必要になることがほとんどです。
要は何が言いたいかというと「ハツればいいや」という考え方は捨てましょう。
- お金がかかる
- 手間もかかる
- 強度も落ちる
- 騒音問題も起こる
ハツリが増えてもいいことはありません。ハツリは少なければ少ないほど良いんです。ハツリが極限まで少なくなる様に努力が必要です。
「ハツればいいや」という発想があると、ハツリに頼ってしまいます。
絶対にハツリ無しで行くと考えましょう。