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ゴムシート防水とは?種類、施工方法、塩ビ・アスファルトとの違い等

  • ゴムシート防水ってどんな工法?
  • 塩ビシート防水と何が違うの?
  • アスファルト防水との違いは?
  • 加硫ゴムと非加硫ゴムって何が違う?
  • 工事はどんな流れで進むの?
  • 改修にはどれが向いている?

上記の様な悩みを解決します。

ゴムシート防水は、シート防水の中でも「加硫ゴムまたは非加硫ゴム」のシートを使った工法で、1980年代までは主流でした。現在はマンションのバルコニーや屋上で塩ビシート防水のほうが優勢ですが、ゴムシートには独自の利点があり、改修案件では今も現役。本記事では、施工管理として知っておきたい基礎を整理します。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

ゴムシート防水とは?

ゴムシート防水とは、結論「ゴム製のシートを接着剤で躯体に貼り付け、防水層を形成する工法」のことです。

英語では EPDM Roofing(EPDMはエチレン・プロピレン・ジエンゴムの略)。日本では1960年代から普及し、1970〜1980年代の屋上防水で大量採用されました。当時の小学校・公民館・低層オフィスの屋上には、ほぼ必ずこのゴムシートが貼られていたと言っても過言ではありません。

ゴムシート防水の構成

役割
トップコート 紫外線・摩耗からシートを保護
ゴムシート(厚み1.2〜2.0mm) 防水層の主役
接着剤 シートを躯体に固定
プライマー 接着剤の付着力を上げる下地処理
下地(コンクリート・モルタル) 構造躯体

ゴムシート防水のシェア

現在のシート防水市場では、塩ビシート防水が約60%、ゴムシート防水が約20%、その他(EVA等)が約20%という構成。新築では塩ビが選ばれることが多いものの、改修工事や工法指定ではゴムシートも一定の地位を保っています。

シート防水全体の話はこちら。

防水工事の種類はこちら。

ゴムシート防水の種類

ゴムシートにはいくつか種類があり、特性が異なります。

種類 特徴 主な用途
加硫ゴムシート(EPDMなど) 弾力性が高く耐久性に優れる 屋上、バルコニー
非加硫ゴムシート(NBRなど) 柔軟性が高く施工性が良い 改修工事、複雑形状
補強ゴムシート 内部に布基布を内蔵 機械的接着工法、歩行面

1. 加硫ゴムシート(EPDM)

最もポピュラーなゴムシート。エチレン・プロピレン・ジエンゴムを主成分とし、架橋(加硫)処理で網目構造になっており、耐候性・耐熱性・耐オゾン性に優れる。屋上防水で多用。

2. 非加硫ゴムシート(NBR等)

加硫処理をしていない柔らかいシート。柔軟性が高く施工性が良いため、改修工事や複雑な納まり(パラペット・ドレン周り・配管根元など)で重宝されます。ただし耐久性は加硫より劣る。

3. 補強ゴムシート

ゴムシートの内部にポリエステル基布や不織布を内蔵したタイプ。引張強度・寸法安定性が向上し、機械的固定工法や歩行面に使用可能。新築の大規模屋上で採用例あり。

シートの厚み

厚み 用途
1.2mm 一般屋上
1.5mm 標準仕様
2.0mm 重歩行・厳しい環境

厚みが増えるほど耐久性は上がりますが、施工性は下がります。標準は1.5mmが無難。

ゴムシート防水の特徴

メリット

メリット 内容
軽量 約2〜3kg/m²、躯体への負担が少ない
弾力性が高い 躯体のクラック・温度伸縮に追従
耐久性が高い 適切な施工で15〜20年の耐用年数
耐オゾン性 紫外線や酸化に強い
柔軟な形状追従 複雑な形状でも納まる
工期が短い 1日でかなりの面積を施工可能

デメリット

デメリット 内容
鳥害(カラス・ハト)に弱い くちばしで穴を空けられることがある
紫外線で劣化(露出仕様) トップコートで保護が必要
接着剤の劣化 経年で剥がれが発生
火に弱い 非加硫タイプは特に注意
単価が中程度 塩ビと同等〜やや高い

鳥害(とりがい)への対策

ゴムシート防水で意外に多いトラブルが鳥害。カラスやハトがシートをくちばしでつついて穴を空けることがあります。駅や公共施設の屋上では発生率が高く、全面押え(コンクリート・タイル)で保護する仕様にするのが対策。

耐用年数

  • 露出仕様:12〜15年
  • 押えコンクリート保護仕様:20〜25年
  • メンテナンス周期:8〜10年でトップコート再塗装

塩ビシート防水はこちら(比較として)。

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ゴムシート防水の施工方法

施工は大きく3パターンに分かれます。

1. 接着工法(密着工法)

最も一般的。下地全面に接着剤を塗布し、シートを貼り付ける

施工手順:

  1. 下地調整(モルタル補修、コンクリート不陸処理)
  2. プライマー塗布(接着剤の食いつきを良くする下地処理)
  3. 接着剤塗布(ローラー・ハケ)
  4. ゴムシート貼り付け(ロール状のシートを展開)
  5. 端末・継ぎ目の処理(接着剤+シーリング)
  6. 立ち上がり・パラペット・ドレン周りの納まり処理
  7. トップコート塗布(紫外線対策)

2. 機械的固定工法

下地への接着剤を使わず、金物で機械的に固定する工法。下地が湿気を含んでいる場合や、改修で下地撤去できない場合に有効。シート裏面に空気層ができるので、通気緩衝層としても機能。

3. 通気緩衝工法(脱気工法)

下地から立ち上がる水蒸気を逃がす通気バッファーシートを先に敷き、その上にゴムシートを貼る方式。水蒸気の影響でシートが膨れる「ふくれ」を防止できる。改修工事で多用。

仮設足場・養生の注意

屋上防水工事では作業足場・落下防止ネットが必須。バルコニー側からの防水改修では、ベランダ手すりの撤去・養生まで含めて段取りを組みます。

降雨時の判断

接着剤・プライマーは雨に当たると性能が出ないので、雨予報の日は施工中止。中途半端に貼ってから雨で濡らすと、剥がれの原因になります。

接着剤・プライマーのVOC対応

最近は水性タイプの接着剤・プライマーが標準化しつつあり、有機溶剤系よりも臭気と環境負荷が低い。学校・病院・住居系の現場では水性指定が多くなっています。

ゴムシート防水と他防水との違い

比較項目 ゴムシート 塩ビシート アスファルト ウレタン
耐用年数(露出) 12〜15年 13〜15年 15〜20年 10〜13年
重量 軽い 軽い 重い 軽い
単価/m² 6,000〜9,000円 5,500〜8,500円 7,000〜10,000円 4,500〜7,500円
施工性 ◯ 平面で速い ◎ 速い、扱いやすい △ 工程が多い ◯ どんな形状にも
改修向き ◯ 機械固定で対応 ◎ オーバーレイ可能 △ 大規模 ◎ 小規模補修向き
鳥害耐性 △ 弱い ◯ 強い ◯ 強い ◯ 強い
火気使用 不要 一部熱融着 必要(融解) 不要

ゴムシートが選ばれるケース

  • 既存防水がゴムシートで、同種更新がスムーズ
  • 弾力性・形状追従性が必要な複雑な納まり
  • 機械的固定工法が必要(下地に湿気残り)
  • 公共建築の指定仕様がゴムシート

塩ビシートが選ばれるケース

  • 鳥害が多い屋上(鳥に強い)
  • 高耐久・長寿命を求めるオーナー
  • 低価格で安定した品質

アスファルト防水が選ばれるケース

  • 大規模屋上、地下、駐車場床など重歩行
  • 信頼性最重視の物件
  • 施工面積が広く工程組みできる現場

ウレタン防水が選ばれるケース

  • 形状が複雑(屋上設備が多い)
  • 改修小規模補修
  • 軽量で短工期

アスファルト防水はこちら。

ウレタン防水はこちら。

FRP防水はこちら。

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ゴムシート防水で施工管理が押さえる注意点

1. 下地の含水率

下地コンクリートが含水率10%以上だと、接着剤の付着不良・ふくれの原因になります。高周波静電容量式水分計で測定し、規定値以下になるまで養生期間を取る。新築直後の屋上に防水を入れる場合は、最低でもコンクリート打設から28日以上経過しているのが目安。

2. シートの継ぎ目(オーバーラップ)

シート同士の重なり部分(オーバーラップ)は最低100mm以上取り、接着剤+シーリングで確実に処理。継ぎ目からの漏水が防水トラブルの最大の原因。

3. 立ち上がり部分の納まり

パラペットや笠木の立ち上がり部分はシートを連続して立ち上げ、端末を金物で固定するのが基本。端末押えバー(金物)を使い、シーリングで止水。

4. ドレン・配管周りの処理

ドレン(排水口)周りは専用の改修ドレンを併用し、シートを内側まで折り込む。配管根元はシール材+増し張りで漏水を防ぐ。屋上のドレンは年に1回は清掃しないと詰まって防水層上に水が溜まるので、メンテナンス計画も必ず施主に伝える

ドレンの話はこちら。

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5. トップコートの定期再塗装

露出仕様のゴムシートは、8〜10年でトップコート再塗装が必要。これを怠るとシート本体の劣化が早まり、防水層全体の寿命が縮みます。長期修繕計画書に必ず明記

6. 押えコンクリート保護仕様の注意

押えコンクリートで保護する仕様は耐用年数が長い反面、重量増加・コスト増・改修時の撤去工事が大規模というデメリットも。物件規模・予算・将来計画で総合判断。

7. 改修時の選定

既存防水の状態によって、全撤去新設・部分補修・上から重ね張り(オーバーレイ)の3択。ゴムシートの上にゴムシートを重ねる工法もあり、撤去廃棄費を削減できます。

社内検査の話はこちら。

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ゴムシート防水に関する情報まとめ

  • ゴムシート防水とは:加硫ゴム・非加硫ゴムシートを接着剤で貼る防水工法
  • 種類:加硫ゴム(EPDM、屋上向け)、非加硫ゴム(NBR、改修向け)、補強ゴム(基布入り)
  • シート厚み:標準1.5mm、過酷環境2.0mm、軽量1.2mm
  • 施工方法:接着工法(一般)、機械的固定工法(湿気下地)、通気緩衝工法(改修)
  • 耐用年数:露出12〜15年、押え保護20〜25年
  • メリット:軽量、弾力、複雑形状追従、短工期
  • デメリット:鳥害、紫外線劣化(露出)、接着剤の経年劣化
  • 施工管理ポイント:下地含水率、継ぎ目処理、立ち上がり、ドレン納まり、トップコート再塗装

以上がゴムシート防水に関する情報のまとめです。

ゴムシート防水は、「現役だが主役ではない」位置づけの工法です。新築では塩ビシートに押されつつあるものの、改修工事や形状追従性が必要な現場では今も第一選択肢。施工管理としては、塩ビ・ゴム・アスファルト・ウレタンそれぞれの得意分野とコスト帯を頭に入れて、設計監理者・施主と用途別に提案できる引き出しを持っておくと現場で重宝されます。

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