- フィブロックとは?
- 使用目的は?
- 体積と加熱温度について知りたい
- 種類はどんなものがあるの?
- 施工方法は?
- 認定シールは?
- メーカーは?
上記の様な悩みを解決します。
フィブロックは区画貫通が発生する場所に使用されます。どの現場でも目にする素材ですので、基礎知識について理解しておきましょう。
この記事ではフィブロックとは?といったところから、使用目的、温度、加熱温度、種類、施工方法、認定シール、メーカーについて解説していきます。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも分かりやすい内容になっているかなと思います。
フィブロックとは?
フィブロックとは、一言でいうと「熱を加えると膨張する素材のこと」です。
耐火素材といえばフィブロック、フィブロックといえば耐火素材といった格好で、防災目的で使われます。
例えば火事が発生した時、区画貫通をしている部分はぽっかり穴が空いていますので、有毒ガスが建物中に広がってしまいますよね。それでは困ります。
フィブロックが区画貫通部にあれば、熱に反応して膨張します。膨張するとぽっかり空いた穴の部分は無くなりますから、有毒ガスが広がるのを防ぐことができるんです。
耐火素材として見ない現場はありません。
フィブロックが使われるタイミング
- 電線管の区画貫通
- コンセントボックス
- SD,サッシ
- コーキングの補助
- 軒下換気部分
フィブロックの使用目的
フィブロックの使用目的その①区画貫通
区画貫通が一番メジャーな利用目的になります。
フィブロックの主な利用先
- ケーブルラックの区画貫通
- バスダクト
- 金属管
- PF菅・CD菅(合成樹脂菅)
- ケーブルのみ
- ケーブルと電線
フィブロックの使用目的その②SD,サッシ
フィブロックはSD(ドア)やサッシ(窓枠)にも利用されます。
SDにしてもサッシにしても、どうしても細かい穴までは塞ぐことはできません。有毒ガスが室外に出てしまう可能性があります。
そこでフィブロックがあれば熱に反応して膨張し、火災が広がるのを防ぐことができるんです。
フィブロックの使用目的その③コーキング補助
フィブロックの使用目的には、コーキング補助の役割もあります。
コーキングは水が入り込まないようにする処理のことですが、フィブロックがあることにより、更にキッチリと水の侵入を防ぐことができます。
フィブロックの体積と加熱温度
フィブロックは熱に反応して膨張すると言いましたが、具体的にどれくらいの温度で膨張するのか?という点は気になりますよね。
結論から言うと、200℃を超えると反応が始まります。
200℃くらいまで、フィブロックの体積はほとんど変化しません。「夏になって暑くなったら膨張した」なんてことがあったら嫌ですもんね。
それまで体積の変化はほとんどありませんが、200℃を超えて400℃くらいまでは一気に体積が膨張します。具体的に言うと、25倍くらいまで膨張します。
人一人の体積が25人分の体積になるって考えると、凄い膨張力ですよね。
400℃くらいで25倍近く膨張し、そのまま加熱し続けると、最終的に40倍くらいになります。隙間を埋める目的なら十分すぎますね。
フィブロックの種類
ブチル系フィブロック
ブチル系フィブロックは、粘着性があるフィブロックです。
粘着性があることにより、仮留めに使うことができます。触ると気持ち悪いですが、施工性には優れています。
その他の種類のフィブロックと比較すると、膨張倍率が一番大きいのも特徴です。熱に対する感度も一番高いのも特徴の一つになります。
エポキシ系フィブロック
エポキシ系フィブロックは一番メジャーなフィブロックです。
ブチル系フィブロックとは違って標準で粘着性はありませんが、粘着性を付与することも可能になります。耐薬性が高いのも特徴です。
その他のフィブロックと比較するとTVOCという成分を多く含んでおり、環境にはあまりよろしくはありません。(放出されなければOK)
フィブロックの施工方法
電線管の区画貫通におけるフィブロックの施工方法
まず、フィブロックは2枚必要です。
一枚は金属管に巻きつけます。位置感としては、壁にどんづけです。もう一枚は切り目をつけて金属管を通し、壁に貼り付けてください。
これだけだとフィブロックはぶらんぶらんになってしまいますので、四角をビスで固定する必要があります。
ビスも忘れないよう、用意しましょう。
SD,サッシにおけるフィブロックの施工方法
フィブロックには様々な種類がありますが、テープ型のフィブロックを使いましょう。
SDならSD、サッシならサッシに直線のテープ型のフィブロックを貼っつけるだけで施工は完了になります。
これに関しては施工ミスのしようがありませんが、発注する時は気をつけましょう。
SDやサッシのフィブロックを貼るスペースは狭いです。サイズをミスしてしまうとゴミになってしまうので、サイズ間違いが無いよう確認してから発注するようにしましょう。
フィブロックを施工するなら向きに注意
フィブロックには明確に表裏があります。
もし向きを間違えてしまうと、火災が発生している側に膨張せず、火災が発生していない側に膨張してしまいます。
フィブロックを施工する際には向きを間違えないようにしましょう。
フィブロックには認定シールが必要?
区画貫通部分にフィブロックを施工する場合、認定シールが必要になります。
国土交通大臣認定番号が書いてあるシールを区画貫通付近に貼らなければなりません。
区画貫通以外に関しては、認定シールは不要です。コンセントボックスもSDもサッシも、区画貫通でなければ認定シールは必要ありません。
というかそもそもなんで認定シールが必要なのか?という話ですよね。
区画貫通に関しては、消防法等の法律が関係してくるので「ちゃんと決まり通りの施工方法で施工しましたよ!」と宣言しなきゃいけないんです。面倒ですが決まりなのでやりましょう。
認定シールはインターネットで申請することができるので、必要ならば申し込みをしましょう。よく分からなかったら営業担当に聞いてみましょう。
便利なフィブロック
スリット型のフィブロックがめちゃくちゃ便利なので、ここで紹介します。
電線管にフィブロックを使う場合、ハサミで切り込みを入れなければいけません。一枚くらいならいいですが、何枚も切り込みを入れるとなると中々骨が折れますよね。
そんな時にオススメなのがスリット型のフィブロックです。このフィブロックは最初から切り込みが入っているので、ハサミで切り込みを入れる必要が無くなるんです。
メリットとして、残業時間が減ることが挙げられます。
フィブロックを施工するということは内装工事真っ只中ですので、めちゃくちゃ忙しい時期です。少しでも無駄な業務は減らしたいところ。
スリット型のフィブロックを使えば無駄な業務を減らすことができます。それでも夜遅くまで残業するのは変わらないかもしれませんが。。。
フィブロックのメーカーは?
フィブロックを作っているメーカーは「積水化学工業」です。
他の材料は色んな会社が作っていたりしますが、フィブロックを作っているのは積水化学工業だけになります。というよりも、フィブロックは製品名です。
メーカーの名前は覚えておきましょう。扱い方や認定シールの請求など、役に立つこともあるかもしれません。分からなかったら聞けますし。
定期的に改良して新商品を出しているみたいですので、フィブロックオタクの方は定期的に積水化学工業のHPを確認するのもいいかもしれません。
フィブロックに関する情報のまとめ
フィブロックに関する情報のまとめ
- フィブロックとは:熱を加えると膨張する素材のこと
- 使用目的:区画貫通、SD、サッシ、コーキング補助
- 体積と加熱温度:200℃を超えると25倍まで膨張
- 種類:ブチル系フィブロック、エポキシ系フィブロック
- 施工方法:上章参照
- 認定シール:必須で貼らなければならない
- メーカー:積水化学工業
以上がフィブロックに関する情報のまとめです。
一通り基礎知識は網羅できたと思います。
フィブロックは主に区画貫通の時に使用されます。区画貫通に対する理解も深めておけば、フィブロックの理解も深まります。
下に分かりやすい記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。