- ダブルナットってなに?
- どんな役割があるの_
- ダブルナットの正しい締め方って?
- マーキングってどうやるの?
- どんな工具が使えるの?
- ってかそもそも、現場ではみんな正しく施工してるの?
上記のような悩みを解決します。
この記事を書くに当たって、職人さんに直接ダブルナットに関する情報を聞いてきました。
現場で働いている職人さんから聞いたことを元に記事をまとめるので、それなりに信憑性のある記事になるかなと思います。
写真を使ってなるべく伝わりやすい記事にしていくので「文字だけだと分からない」という方も安心してください。
ダブルナットとは?
ダブルナットとは、結論「ナットという部材をダブルで使うこと」です。
そもそもナットとは何ぞやという人もいるかもしれません。上の写真がナットです。これをダブル(2つ)で使うことによって、ダブルナットになります。意味そのまんまですね。
ナットとナットが噛み合うことで、完全に固定されて動かなくなります。シングルナットでは地震が起こった時とかに緩んでしまう可能性がありますが、ダブルナットでは絶対に緩みません。効果は2倍(ダブル)以上です。
近年では大きな地震が多く、建物に求められる耐震性能は上がっています。
よって新築の現場だったりすると、ダブルナットにしなければいけない箇所が多いです。対して、改修工事だとダブルナットをあまり見ることはないでしょう。
また「ここはダブルナットにしなければならない」という規定はありません。
「どこをダブルナットにするか?」は会社や現場によって異なります。「アンカーボルトの施工=ダブルナット」なんて決まりはありません。
ダブルナットの向きって?
ダブルナットには向きがあります。
小さい部材なので分かりずらいかもしれませんが、あります。こちらの写真を見てください。
よく見ると平べったい部分と、丸くなってる部分がありますよね。
本来のシングルナットでは、この平べったい部分を部材側に取り付けます。
対して、ダブルナットでは、この平べったい面同士をくっつけます。
これがダブルナットにおける正しい向きです。
ダブルナットの締め方って?
手で回して仮止め
まずはダブルナットを手で軽く閉めて仮止めしましょう。
壁側のナットを締めます
ダブルナットの内、壁側のナットをまずは締めます。
下の写真だと、左側を左側方向に閉めていく形です。
まずナットの位置を決めてしまうという訳です。ここまではシングルナットと同じですね。
逆側ナットを締める
次は逆側のナットを締めます。
先ほど閉めたナットに合わせる感じですね。
壁側ナットを逆回転
壁側のナットを逆回転させます。ここがキモです。左側のナットを右向きに閉めます。
ナットとナット同士を密接にすることで、ナット間の接続を強固にします。
ダブルナットはマーキングを忘れずに
ダブルナットを締め付けたら、マーキングを忘れないようにしましょう。
建設業では仮止めとの区別をする為に、マーキングを行います。やり方自体は超簡単です。下の写真のようにダブルナットがありますよね。
ナットからナットにかけて、マーカーでマーキングを行います。
こんな感じです。
注意点としては、見える位置にマーキングすることです。
チェックする人や他の職人さんが「あそこのダブルナットは施工が終了したんだな」と分かるようにしなければなりません。なるべく見やすい位置にマーキングした方がベターです。
タブルナットを締めたり外したりするのに使える工具
モンキーレンチ
ダブルナットを締めたり外したりするのには、個人的にモンキーレンチが一番使いやすいです。
簡単に長さを調節できますし、非常に使いやすい工具です。スペース的に厳しいところの施工も可能ですので、多くの職人が活用しています。
ラジエータ
ラジエータもダブルナットを締めたり外したりするのに使えます。
ラジエータも相当使いやすいですが、ラジエータのサイズとナットの大きさがマッチしていなければなりません。(モンキーレンチと違って、サイズ調節ができない)
中には複数のサイズを一つに完備しているものもあるので、そちらを使いましょう。普通にドンキホーテとかにも売ってますが、ちゃんとしたところで購入するのがオススメです。
メガネスパナ
メガネスパナは、スパナの先端がメガネのような形をしていることから名付けられました。メガネレンチとも言いますね。
これもダブルナットを締めたり外したりするのに使えます。
プライヤー
プライヤーもダブルナットを締めたり外したりするのに使えます。
まず、プライヤーの用途は汎用的でして、ダブルナット以外にも多くの場面で役立ちます。
用途が汎用的なんですよね。僕の先輩は「無人島に一個だけ工具を持っていけるとしたら、プライヤーを持っていく」という話をしていました。なぜ無人島で工事する前提なのかは分かりません。
汎用的ですので仕方ないですが、ダブルナットの施工が楽かと聞かれるとそうではありません。
施工するにはまず長さを調節してから使います。割とプライヤーって大きいので、スペース的に厳しいところだと施工が大変です。
実際の現場ではダブルナットを正しく施工するのか
実際の現場で、職人さんがダブルナットを正しく施工しているのか?といったところの話です。
結論からいうと「やっている人とやってない人がいる」です。個人的にはやっている人の方が多い印象にですね。
もちろん、全員が正しい施工方法でダブルナットをやってくれれば良いですが、残念ながらそういう訳ではありません。
ダブルナットに触れればちゃんとやっているか否かは分かりますが、現場によってはダブルナットの数が何千何万となったりしますからね。全数チェックなんてやってられませんよ。
なんなら小規模現場でも担当者はチェックしません。
そもそもダブルナットをチェックする人がいないので、職人さんからしても適当にやってしまう面もあるんです。
とはいえ、僕が見てきた範囲では、正しい施工方法でダブルナットを締めている人が多かったイメージがあります。
ダブルナットに関する情報まとめ
ダブルナットに関する情報のまとめ
- ダブルナットとは:ナットという部材をダブルで使うこと
- ダブルナットの役割:緩みどめ
- ダブルナットの向き:平べったい同士をくっつける
- ダブルナットの締め方:仮止め→壁側を締める→逆側を締める→壁側を逆回転
- ダブルナットのマーキング:見える位置に、ナットからナットにかけて
- ダブルナットの施工に使える工具:モンキーレンチ、ラジエーター、メガネスパナ、プライヤー
- 現場で職人は正しくやっているのか:意外とやっている人が多いが、やってない人もいる
以上がナットに関する情報のまとめとなります。
特に新築の現場なんかでは、ダブルナットを使うことが多くなります。適切な施工方法でなければダブルナットは意味を成さないので、施工方法には注意しましょう。