断面二次モーメントの例題とは?長方形、円形、中空、平行軸など

  • 断面二次モーメントの例題を途中式つきで見たい
  • 長方形はbh³/12でいいけど計算がいつも合わない
  • 円形やH形鋼はどう計算するの?
  • 中空(箱型)断面の求め方が分からない
  • 平行軸の定理を使う問題が解けない
  • 単位がmm⁴になる意味が分からない
  • 縦向きと横向きで値が変わるって本当?

上記の様な悩みを解決します。

断面二次モーメントは公式を覚えても、いざ例題になると「hの三乗を忘れる」「単位でつまずく」「平行軸のAy²を足し忘れる」といったところで数字が合わなくなります。今回は長方形・円形・中空断面・平行軸の定理という4つの代表パターンを、途中式を省かずに手計算で解いていきます。定義や公式の意味そのものを先に押さえたい人は、断面二次モーメントの基礎記事を読んでから戻ってくると理解が早いです。

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なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

断面二次モーメントの例題を解く前に

例題に入る前に、結論として押さえておくのは「断面二次モーメントIは断面の曲げにくさを表す量で、単位はmm⁴(長さの4乗)」ということです。

Iは中立軸まわりに ∫y²dA で定義され、中立軸から離れた材料ほど効く(y²で効く)のが最大の特徴です。実際の計算では、代表断面の公式を使うのがほとんどです。

  • 長方形断面:I = bh³ / 12(b:幅、h:せい)
  • 円形断面:I = πd⁴ / 64(d:直径)
  • 中空・組合せ:全体から穴を引く、または部分ごとに足す
  • 図心を通らない軸:平行軸の定理 I = I₀ + A・y²

単位がmm⁴になるのは、面積(mm²)に距離の二乗(mm²)を掛けているからです。ここを「なんとなくmm⁴」で流すと桁のミスに気づけないので、必ず意識しておきましょう。それでは1問ずつ解いていきます。

例題①:長方形断面

まず基本の長方形断面です。結論、公式はI=bh³/12で、荷重方向に対する「せい(h)」を三乗するのがポイントです。

幅b=100mm、せいh=200mmの長方形断面を、縦向き(h=200)で使う場合を解きます。

I = bh³ / 12 = 100 × 200³ / 12 = 100 × 8,000,000 / 12 = 800,000,000 / 12 ≒ 6.67 × 10⁷ mm⁴

同じ断面を横向き(b=200、h=100)で使うと、I = 200 × 100³ / 12 = 200 × 1,000,000 / 12 ≒ 1.67 × 10⁷ mm⁴です。断面積は同じ20000mm²なのに、縦使いは横使いのちょうど4倍の断面二次モーメントになります。これはhを三乗する効果で、「同じ材でも向きを変えるだけで曲げにくさが4倍変わる」という、実務でも効いてくる大事な性質です。

例題②:円形断面

次は円形断面です。結論、公式はI=πd⁴/64で、直径dを四乗します。

直径d=100mmの丸鋼の断面二次モーメントを求めます。

I = πd⁴ / 64 = π × 100⁴ / 64 = 3.1416 × 100,000,000 / 64 = 314,160,000 / 64 ≒ 4.91 × 10⁶ mm⁴

四乗なので、直径が2倍になるとIは16倍になります。円形は方向によらずIが一定なのが特徴で、軸やパイプなど回転する部材や、向きを問わない部材で扱いやすい形状です。断面係数Zを続けて出したい場合は、Z=I÷(d/2)で計算します。断面係数との関係はこちらが参考になります。

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例題③:中空・箱型断面

中空断面は、外側の長方形から内側の穴を引き算するのが定石です。結論、I=(外側のbh³ − 内側のbh³)/12で求まります。

外形が幅100mm×せい200mm、内側の空洞が幅80mm×せい160mmの箱型断面を解きます。中立軸が共通(同心)なので、そのまま引けます。

I = (100 × 200³ − 80 × 160³) / 12 = (800,000,000 − 327,680,000) / 12 = 472,320,000 / 12 ≒ 3.94 × 10⁷ mm⁴

中実の長方形(6.67×10⁷)に比べると小さくなりますが、断面積は大幅に減っています。中央付近の材料はy²が小さくほとんど効かないため、そこをくり抜いても曲げにくさはあまり落ちない、という理屈です。H形鋼が「効かない中央を削ってフランジを外に張り出した合理的な断面」と言われるのも同じ理由です。H形鋼の構成はこちらでも解説しています。

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例題④:平行軸の定理を使う断面

図心を通らない軸まわりのIや、L字・T字のような組合せ断面では、平行軸の定理を使います。結論、公式はI=I₀+A・y²です。

I₀はその部分の図心を通る軸まわりの断面二次モーメント、Aは断面積、yは求めたい軸から部分図心までの距離です。例として、幅100mm×せい100mmの正方形(A=10000mm²、自身のI₀=100×100³/12≒8.33×10⁶mm⁴)を、図心から100mm離れた軸まわりで評価します。

I = I₀ + A・y² = 8.33 × 10⁶ + 10000 × 100² = 8.33 × 10⁶ + 1.00 × 10⁸ ≒ 1.08 × 10⁸ mm⁴

離れているだけでIが一気に大きくなるのが分かります。T字やL字断面は、これを部品ごとに計算して合計します。まず全体の図心(中立軸)位置を断面一次モーメントで求め、各部品についてI₀+A・y²を出して足す、という流れです。中立軸の求め方はこちら、平行軸の定理の詳細はこちらが参考になります。

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例題でよくある間違いと施工管理視点

最後に、例題でつまずくポイントと、現場での見方を整理します。結論、計算ミスの大半は「三乗・四乗の乗数」と「単位・平行軸の項」で起きます。

  • hを三乗し忘れる/bとhを取り違える(荷重方向のせいがh)
  • 単位をmmに揃えず、cmとmmを混在させて桁が狂う
  • 平行軸のA・y²項を足し忘れる(組合せ断面で頻発)
  • 中空断面で内外の中立軸が違うのに単純に引いてしまう

僕としては、断面二次モーメントの計算そのものより「同じ材でも向きで曲げにくさが変わる」感覚のほうが実務では効くと思っています。例題①で見たとおり、梁は必ずせいを大きく取る向き(縦使い)で使うのが基本で、材料を横に寝かせて使うと4分の1しか効きません。仮設材や乗り込み用の桟橋などで「なぜこの向きで組むのか」を説明できると、現場での納得感が違います。曲げ剛性(ヤング率×I)まで含めた話はこちらもどうぞ。

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断面二次モーメントの例題に関する情報まとめ

  • 前提:Iは曲げにくさを表し、単位はmm⁴。中立軸から離れた材料がy²で効く
  • 例題①長方形:I=bh³/12。縦使いは横使いの4倍(hを三乗するため)
  • 例題②円形:I=πd⁴/64。方向によらず一定
  • 例題③中空:外側−内側の引き算。中央をくり抜いても効率はあまり落ちない
  • 例題④平行軸:I=I₀+A・y²。組合せ断面は部品ごとに足す
  • 間違い:三乗忘れ・単位混在・Ay²の足し忘れが定番

以上が断面二次モーメントの例題に関する情報のまとめです。

一通り、4つの代表パターンを途中式つきで押さえられたかなと思います。反力やたわみなど構造力学の公式をまとめて確認したい人は、こちらもあわせてどうぞ。

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