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CT形鋼とは?読み方、規格、H形鋼との関係、用途、注意点など

  • CT形鋼ってなに?読み方は?
  • H形鋼とどう関係してるの?
  • どんな寸法・規格があるの?
  • 何に使われるの?
  • 普通のT形鋼とは違う?
  • 施工管理として何を見ればいい?

上記の様な悩みを解決します。

「CT形鋼」は、鉄骨工事の図面でトラス材・接合金物・露出柱の脚部などに登場する、ちょっとマイナーだけど用途が明確な鋼材です。「Tの字断面」と聞くとシンプルですが、実はH形鋼をウェブ中央で切ってできるという、断面形状の出自を知ると一気にイメージが掴めるタイプの部材です。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

CT形鋼とは?

CT形鋼とは、結論「H形鋼をウェブの中央で長手方向に切断してできる、T字断面の鋼材」のことです。

読み方は「シーティーけいこう」または「カット・ティーけいこう」。「Cut Tee(カット・ティー)」、つまり「切ってT字にしたもの」が語源で、断面形状がアルファベットの「T」に似ていることからこの呼び名がついています。

→ ざっくり、「H形鋼を半分に切ってT字にした鋼材」がCT形鋼、というイメージです。

基本イメージとT形鋼との違い

基本イメージとしては、元の素材がH形鋼、切り方がウェブ(柱の縦板)の中央で長手方向にスパッと切る、結果として上下対称のH形鋼が上下に分かれて2本のT字部材になる、各部の名称はフランジ(フランジ片側)・ウェブ(ウェブ半分)、というあたり。

「CT形鋼」と「T形鋼」の違いは、CT形鋼がH形鋼を切って作る(JIS G 3192で規定)、T形鋼が最初からT字断面で圧延される(規格は別、流通も少なめ)、というところ。国内の鉄骨建築で「T形鋼」と呼ばれるものは、ほぼCT形鋼を指しているのが実情です。図面に「CT-200×100」などと書かれていれば、それはH形鋼を切ったCT形鋼です。

典型的な使用シーンと選ばれる理由

典型的な使用シーンは、鉄骨トラスの斜材・束材、露出柱脚のベースプレート補強リブ、ガセットプレートと組合わせた接合金物、吊り天井下地の主部材、重量シャッターのガイドレール下地、工場・倉庫の胴縁・母屋(軽量タイプ)、というあたり。

CT形鋼が選ばれる理由は、軽量(H形鋼の半分の重量)、接合性が良い(フランジ片側に直接他の部材を取付けやすい)、コストが手頃(H形鋼から派生するため流通量が確保されている)、トラス材としての効率(引張・圧縮の両方に対応)、というあたり。

要するにCT形鋼は「H形鋼の半分」として生まれた、接合と軽量化に向く実務的な鋼材ですね。

CT形鋼の作り方とH形鋼との関係

CT形鋼の出自を理解しておくと、規格寸法の呼び名や強度特性がスッと頭に入ってきます。

H形鋼からの切り出しと各部名称

H形鋼を切ってCT形鋼を作る手順は、H形鋼を長手方向に置く→ウェブ(縦の板)の真ん中にレーザー切断機・プラズマ切断機を当てる→ウェブを上下半分に切り分ける→上半分・下半分がそれぞれ1本のCT形鋼になる、という流れ。つまり、H形鋼1本からCT形鋼が2本取れます。

CT形鋼の各部名称は、フランジ(もとのH形鋼の上下フランジがそのまま残る部分)、ウェブ(ステム)(もとのH形鋼のウェブの半分)、フィレット(フランジとウェブの付け根の丸み)、というあたり。

寸法表記は「CT-200×100」のような呼び方をしますが、CTがCut Tee(H形鋼から切り出した)、200がウェブの全せい(高さ)、100がフランジの幅を意味します。つまり「CT-200×100」は、ウェブ高さ200mm・フランジ幅100mmのCT形鋼です。

元のH形鋼との対応

CT形鋼は、元のH形鋼の半分なので寸法に明確な対応があります。

CT形鋼 元のH形鋼
CT-100×100 H-200×100
CT-150×100 H-300×100
CT-200×100 H-400×100
CT-200×150 H-400×150
CT-200×200 H-400×200
CT-300×200 H-600×200
CT-300×300 H-600×300

→ 図面で元のH形鋼が分かると、CT形鋼の規格・寸法・性能が予測できます。

強度特性とH形鋼の関連知識

CT形鋼は、H形鋼を切った断面なので、断面性能はH形鋼の半分ではありません。軸方向(フランジに垂直方向)の引張・圧縮強度は使えるが値はH形鋼と全く別計算、曲げ強度はT字断面の中立軸位置がフランジ寄りになり上下非対称な曲げ性能、ねじり強度はT字断面なので比較的弱い、というあたり。つまりCT形鋼は「H形鋼のように万能に使えるわけではない」部材で、軸力(引張・圧縮)を主体にする使い方が向いています。

H形鋼の規格・寸法・特徴は別記事で詳しく整理しています。H形鋼を理解した上でCT形鋼を見ると、「なぜこの寸法があるのか」「どこで切られているか」が直感的に分かるようになります。

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CT形鋼の規格・寸法

CT形鋼の規格・寸法を整理します。

JIS規格と代表寸法

JIS規格はJIS G 3192(熱間圧延形鋼の形状・寸法・質量及びその許容差)で、CT形鋼の項目で寸法が規定されており、元のH形鋼の規格に紐づきます。

代表的なCT形鋼の寸法は次の通り。

呼称 ウェブ高さ フランジ幅 フランジ厚 ウェブ厚 単位重量
CT-100×100 100mm 100mm 8mm 6mm 約9.4kg/m
CT-150×100 150mm 100mm 9mm 6mm 約11.8kg/m
CT-200×100 200mm 100mm 9mm 6mm 約13.2kg/m
CT-200×150 200mm 150mm 9mm 6mm 約15.7kg/m
CT-200×200 200mm 200mm 13mm 8mm 約24.3kg/m
CT-250×175 250mm 175mm 11mm 7mm 約22.4kg/m
CT-300×150 300mm 150mm 9mm 6mm 約17.1kg/m
CT-300×200 300mm 200mm 12mm 8mm 約26.7kg/m
CT-300×300 300mm 300mm 15mm 10mm 約47.8kg/m

→ 上記は代表値です。実際の発注時はメーカー規格表で詳細寸法・許容差を確認します。

材質・定尺・規格分類

CT形鋼は元のH形鋼の鋼種をそのまま引き継ぎます。代表的な鋼種は、SS400(一般構造用圧延鋼材、最も流通)、SM400・SM490(溶接構造用圧延鋼材、靭性要求がある場合)、SN400・SN490(建築構造用圧延鋼材、地震時の変形性能を考慮)、というところ。

定尺は一般的に6m・9m・12m程度で、大量発注時は特注長さも対応、切断後の端部仕上げは発注時に指定、というあたり。

元のH形鋼の規格分類としては、細幅シリーズ(H-100×50など)=CT-50×50相当、中幅シリーズ(H-200×100など)=CT-100×100相当、広幅シリーズ(H-200×200など)=CT-100×200相当(フランジが広い)、というところ。「フランジ幅とウェブ高さの比」が、CT形鋼の用途を決めるポイントです。

CT形鋼の主な用途

CT形鋼は、用途が比較的明確な鋼材です。代表的な使われ方を整理します。

トラス・接合金物・吊り構造

CT形鋼の最もメジャーな用途はトラス構造で、上弦材・下弦材(トラスの主軸に沿った部材)、斜材(上下弦材を結ぶ斜め部材)、束材(上下弦材を結ぶ垂直部材)、接合(他のCT形鋼や鋼材とガセットプレート+ボルトで接合)、というあたりで使われます。

接合金物・ガセット補強としては、柱脚のリブプレート(ベースプレート補強)、大梁ガセット(小梁との接合)、ブレース取付け金物(ブレースのフランジ側との接合)、ピン接合金物(力学的にピンで処理する接合部の金物)、というところ。

吊り天井・吊り構造としては、大空間の吊り天井下地(体育館・倉庫・工場)、吊りボルトの主部材(T字形状を活かした懸架)、重量物の吊り下げ(機械式駐車場の吊り下げ材)、というあたり。

胴縁・母屋・露出柱脚・仮設

胴縁・母屋(軽量用途)としては、工場・倉庫の外壁胴縁、屋根の母屋(軽量屋根の場合)、軽量形鋼との組合せで使う場合もある、というところ。

露出鉄骨柱の脚部では、ベースプレートと柱本体の接合補強リブ、アンカーボルトと柱の力の伝達経路、として使われます。仮設材としては仮設構台の梁・桁、仮設のサポート部材、解体しやすく再利用も効く、というあたりで活躍。

軽量化が必要な構造(上層階の鉄骨重量を下げたいとき、鉄骨重量制限がある特殊建築=リフォーム時の追加鉄骨など)でも採用されます。

用途別の選定ポイント

用途別の選定ポイントは、トラス材なら軸方向強度が重要で細幅・広幅どちらでも可、接合金物ならフランジ厚・面の精度が重要で広幅シリーズが有利、吊り材なら軸方向引張強度+接合のしやすさで中〜広幅、胴縁・母屋なら曲げ強度が重要で中幅シリーズ、というあたり。

→ 各用途で「どんな力に効かせたいか」を意識すると、選定ミスを避けられます。

CT形鋼の施工と注意点

CT形鋼は、シンプルな部材ですが現場での扱いには独特の注意点があります。施工管理として押さえるポイントを整理します。

切断面・搬入・接合部

CT形鋼はH形鋼から切り出した部材なので、切断面の状態が品質に直結します。切断面の平滑性(レーザー・プラズマ切断による熱影響部の処理)、バリ・凹凸(接合部に当たる面はバリ取り必須)、直角度(切断面が部材軸に直交しているか)、熱変形(切断時の熱で発生する微小なねじれ)、というあたりが確認項目。

搬入・揚重時の注意点としては、T字断面でねじりに弱いため長尺材は揚重で曲がりやすい、吊り点の位置を重心に合わせる配慮、平置き保管時の転倒防止(フランジ側を下に置く)、というところ。

CT形鋼の接合は、フランジ側を相手材と接するケースが多く、高力ボルト摩擦接合(フランジ面の摩擦面処理=黒皮取り・グリットブラスト)、溶接接合(T字断面でも溶接可能だがねじれが出やすい)、ボルト孔位置(フランジ面の標準ピッチに合わせる)、メーカーの推奨工法(仕様書に従う)、というあたりが標準。ボルトの基本知識は別記事も参照してください。

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トラス・耐火・防錆

トラス構造でCT形鋼を使う場合、ガセットプレートとの組合せが標準です。ガセットプレートの寸法・厚みの整合、作用線(部材の中心軸)が節点で交わるように配置、作用線がズレると偏心曲げが発生し設計外の力が部材にかかる、というところに注意。

CT形鋼が耐火構造の主要部材として使われる場合は、形状が複雑で被覆の施工が手間、フィレット部・コーナーの被覆漏れに注意、露出柱脚部分は耐火被覆の仕様確認が必須、というあたり。

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防錆・塗装では、錆止め塗装は通常2回塗り、CT形鋼の角部は塗料が乗りにくいので2回目で重点塗布、屋外用途では亜鉛メッキを選ぶこともある、というところ。

設計図書と施工管理視点

設計図書での確認事項は、CT形鋼の規格・寸法、元のH形鋼の指定(ある場合)、鋼種(SS400・SM490・SN400Bなど)、接合部の仕様(ボルト径・本数・孔位置)、耐火等級(1時間・2時間)、塗装仕様(錆止め・本塗装)、というあたり。

施工管理者として押さえる視点は、設計段階(CT形鋼の選定理由・元のH形鋼の指定確認)、発注段階(規格・鋼種・定尺・切断仕様の確認)、搬入段階(切断面・直角度・寸法の検収)、取付け段階(作用線の通り・接合部の精度)、完成検査(耐火被覆の漏れ・塗装の状態)、というところ。

現場での体験談と向かない用途

僕が新築現場の鉄骨建方を見ていたとき、屋根トラスの斜材にCT-200×100を採用した案件で、ある斜材だけガセットプレートとの接合面に1mm程度の段差が出たことがありました。鉄骨検査で「これくらいなら摩擦接合のすべり耐力に影響しない」という鉄骨業者の判断でしたが、設計者と協議の上、フィラーで段差を埋める処理を追加。「CT形鋼は元のH形鋼の切断精度に依存する」ので、精度が要求される接合部はフィラー対応を見越して計画しておくのが、後手に回らないコツだと感じました。

CT形鋼が向かない用途は、重量級の主構造(H形鋼を半分にした断面なので大スパン梁には不向き)、ねじりが大きい用途(T字断面はねじりに弱い)、両面に対称な力がかかる部位(上下非対称の断面なので応力集中が起きやすい)、というあたり。

補修・改修時の対応では、既存鉄骨にCT形鋼を後付けする場合は既存部材との適合確認、ボルト位置の追加孔あけは構造設計者の承認が必要、改修時の改修工事全体の流れの中でCT形鋼の取扱いを位置付ける、という流れになります。

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CT形鋼に関する情報まとめ

  • CT形鋼とは:H形鋼をウェブ中央で長手方向に切断してできるT字断面の鋼材(読み:シーティーけいこう)
  • 作り方:H形鋼1本からCT形鋼2本が取れる、寸法は元のH形鋼の半分高さ
  • 規格:JIS G 3192、寸法呼称はCT-ウェブ高さ×フランジ幅
  • 代表寸法:CT-100×100からCT-300×300まで多数
  • 鋼種:SS400・SM400・SM490・SN400・SN490等、元のH形鋼に対応
  • 主な用途:トラス材(斜材・束材)、接合金物、吊り天井下地、胴縁・母屋、露出柱脚補強リブ
  • 強度特性:軸方向は問題なし、曲げ・ねじりは断面非対称ゆえ独自計算
  • 施工注意点:切断面の状態・バリ取り、作用線の通り、フランジ面の摩擦処理、耐火被覆の漏れ
  • 施工管理者の視点:選定理由、発注規格、検収精度、接合部精度、耐火・塗装仕上げ

以上がCT形鋼に関する情報のまとめです。

CT形鋼は、「H形鋼の半分」という出自から、軽量化と接合性の良さを兼ね備えた実務的な鋼材として、鉄骨工事の幅広い場面で使われます。トラス材・接合金物・吊り材といった軸力主体の用途で力を発揮し、断面の非対称性を理解した上で適材適所に使う視点が重要です。元のH形鋼を意識して規格・寸法を読む習慣をつけると、設計図のCT形鋼指定が一気に立体的に見えてきますね。

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