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橋梁の種類とは?構造形式、材料、桁橋・アーチ・吊橋の違いなど

  • 橋梁って何種類くらいあるの?
  • 桁橋・アーチ・吊橋って何が違うの?
  • 鋼橋とPC橋ってどっちが多いの?
  • スパンが長い橋はどんな形式が選ばれるの?
  • 形式ごとの施工方法ってどう違う?
  • 自分の現場の橋がどの形式に属するかを整理したい

上記の様な悩みを解決します。

橋梁の種類は、結論「『材料』と『構造形式』の2軸で分類するとスッキリ整理できます」。たとえば「鋼桁橋」「PC箱桁橋」「鋼トラス橋」のような言い方をしますが、これは「材料(鋼/PC/RC)」と「構造形式(桁/トラス/アーチ/ラーメン/斜張/吊)」を組み合わせた呼び名です。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

橋梁とは?

橋梁とは、河川・道路・鉄道・谷など、地表面の障害をまたいで人や車両を渡らせるために設けられる構造物のことです。「下部構造(橋脚・橋台・基礎)」と「上部構造(桁・床版・支承)」に分かれていて、橋の形式の話をするときは主に上部構造の形を指します。

道路橋・鉄道橋・歩道橋・水路橋などが代表的ですね。日本国内には約73万橋(国交省「道路統計年報」より、橋長2m以上の道路橋)があり、その多くが高度経済成長期以降に造られたため、現在は維持管理・更新が重要な局面に入っています。

橋梁の分類1:材料による分類

橋梁を「主桁の材料」で分類する切り口です。日本の道路橋では、鋼橋とコンクリート橋(PC橋+RC橋)でほぼ二分されています。

鋼橋

主桁が鋼材(H形鋼・I形鋼・箱桁・トラス材など)でできた橋です。工場で部材製作してから現場で架設するため、現場工程が比較的短いのが特徴。架設時の重量が軽くて、長スパン化が比較的容易です。一方で塗装の維持管理コストが大きく、定期的な塗替えが必要になります。

PC橋(プレストレストコンクリート橋)

PC鋼材で予めコンクリートに圧縮力を入れた構造体です。コンクリートのひび割れを抑制でき、長スパンも可能。耐久性が高く維持管理コストが小さいので、近年の中小スパン橋ではPC橋が主流になっています。

RC橋(鉄筋コンクリート橋)

普通の鉄筋コンクリート構造の橋です。スパン20m程度までの小規模橋で使われます。シンプルで安価ですが、長スパン化には向きません。

合成橋

鋼桁の上にRCの床版を乗せて、両者を一体化させて使う形式です。「鋼の引張+コンクリの圧縮」を活かす考え方で、合成桁橋・合成床版などがあります。

橋梁の分類2:構造形式による分類

「橋の力の流れの作り方」による分類です。これが現場で「○○橋」と呼ばれる時の中心的な区別になります。

形式 力の伝え方 適用スパンの目安 主な用途
桁橋(プレートガーダー、箱桁等) 桁の曲げで荷重を支える 10〜100m程度 国内で最多。一般的な道路橋・鉄道橋
ラーメン橋 桁と橋脚を剛結合し、全体で曲げを分担 30〜200m程度 高速道路の高架橋等
トラス橋 三角形のトラス構造で、軸力主体に荷重を伝達 50〜200m程度 鋼鉄道橋・長スパン道路橋
アーチ橋 アーチ形状で圧縮主体の伝達 60〜500m程度 渓谷部・港湾部の道路橋
斜張橋 主塔から斜めにケーブルを張って桁を支える 200〜1000m程度 大規模都市・港湾部の橋
吊橋 主塔間に張ったケーブルから桁を吊る 500〜2000m以上 海峡など超長スパン

桁橋は数の上では圧倒的多数派。日常的に渡っている橋の大半は桁橋と思って差し支えないです。

ラーメン橋は橋脚と桁を一体化したもの。高架橋でよく見かけます。

トラス橋は鉄道橋でよく使われる形式。三角形を組み合わせた構造で、見た目に特徴があります。

アーチ橋は谷や水路をまたぐ場面で力を発揮する形式。圧縮力で支えるので、コンクリートとの相性が良いです。

斜張橋吊橋は超長スパン橋の代表選手。明石海峡大橋(吊橋・中央スパン1,991m)や多々羅大橋(斜張橋・中央スパン890m)などが日本の代表例です。

主な橋梁形式の特徴

代表的な形式の特徴を、もう少し掘り下げておきます。

1. プレートガーダー橋(鋼板桁橋)

複数の鋼I桁を並べた、最もシンプルな鋼桁橋。製作と架設が簡単で、多用されます。スパンが30〜50m程度までは経済性が高いです。

2. 箱桁橋

桁の断面が箱形になった鋼橋またはPC橋。ねじり剛性が高く、湾曲線形・分岐合流部に強いのが特徴。長スパンや曲線橋で多く採用されます。

3. ラーメン橋

桁と橋脚を剛結合した連続構造で、橋脚に水平荷重も担わせて全体で抵抗します。高速道路の高架橋でよく見かける形式です。耐震性の確保がしやすく、地震国の日本に向いています。

4. トラス橋

「三角形の組み合わせ」で荷重を支える形式。各部材は基本的に軸力(引張・圧縮)だけ受けるので、材料効率が良いです。鉄道橋では今でも頻繁に使われています。

5. アーチ橋

コンクリート・鋼で作られるアーチ形の構造で、谷部の橋・歴史的な石橋などに採用されます。圧縮主体で力を伝えるので、コンクリの長所が活きる形式です。

6. 斜張橋

主塔から伸びる斜めのケーブルで桁を直接吊り上げる形式。スパン200〜1000m級の長スパン橋に向きます。日本では多々羅大橋・つばさ橋・横浜ベイブリッジなどが代表例です。

7. 吊橋

主塔間に張った主ケーブルから縦のハンガーロープで桁を吊る形式。超長スパン(500m以上)に向きます。明石海峡大橋がその代表例ですね。

橋梁の使い分け(選定の考え方)

「どの形式を選ぶか」は、以下の要素で決まります。

スパン(橋の長さ)

これが最も支配的な変数です。短いスパン(10〜50m)はRC橋・PC桁橋・鋼プレートガーダー、中スパン(50〜200m)はトラス・アーチ・PC連続桁、長スパン(200m以上)は斜張橋・吊橋。

地形・地質条件

谷の深さ、河川の幅と流量、地盤の支持力(N値など)。アーチ橋は両岸の岩盤が良いことが条件、吊橋は超長スパンを地形が要求する場面で選ばれます。

架橋下空間の制約

「橋の下に船が通る」「鉄道線路が通っていて施工中の架設高さ制限がある」みたいな条件があれば、アーチ橋・吊橋・斜張橋など、橋の下の空間を空けやすい形式が有利です。

経済性(建設費+維持管理費)

形式が同じでも、建設費だけでなく将来の維持管理費(塗装更新・床版更新等)も含めたライフサイクルコストで比較するのが本来の考え方です。鋼橋は塗装、PC橋は床版・PC鋼材の維持が課題です。

景観・地域性

歴史的地区、観光地、都市の象徴的な橋などでは、景観への配慮も選定の重要な要素になります。

道路橋示方書・鉄道橋設計標準などの基準書類は、橋梁形式選定の指針を細かく示しています。発注者が形式を予め決めているケースも多いですが、施工者として「なぜこの形式なのか」を理解しておくと、現場で起きる疑問への対応力が変わってきます。

橋梁施工での注意点

最後に施工管理の観点で気を付けるべきポイントを4つ。

1. 形式ごとに架設工法が大きく変わる

桁橋は「クレーン一括架設」「ベント工法」、ラーメン橋は「張出し架設」、PC連続桁橋は「カンチレバー工法」、長スパン斜張橋・吊橋は「ケーブル先行架設」など、形式ごとに専門の架設工法があります。施工計画時に、形式に対応した架設機械・仮設計画を準備します。

2. 下部構造(橋脚・橋台)と上部構造の整合

橋脚の高さ・位置・支承の規格が上部構造に正しく対応しているかは、施工開始前にミリ単位で確認します。これがズレると、最後に架設できないという最悪のシナリオになります。

3. 支承部の施工精度

桁を支える支承の据付精度は、橋梁全体の挙動に直結します。レベル測量・位置出しはもちろん、後施工アンカーの精度も含めて、専門業者と段取りを詰めておくと安心です。

4. 維持管理を意識した施工記録

橋梁は50〜100年単位の構造物です。施工時に記録した「材料試験成績」「コンクリ打設記録」「塗装記録」などが、数十年後の点検・補修の基礎データになります。竣工図書には施工要領書施工体制台帳とあわせて、こうした記録を後代に残せる形で整えておきましょう。

橋梁の種類に関する情報まとめ

  • 橋梁の分類軸:「材料」と「構造形式」の2軸で整理
  • 材料分類:鋼橋/PC橋/RC橋/合成橋。日本では鋼橋とPC橋が二大主流
  • 形式分類:桁橋/ラーメン橋/トラス橋/アーチ橋/斜張橋/吊橋
  • スパン目安:桁橋10〜100m、トラス・アーチ50〜500m、斜張200〜1000m、吊500〜2000m
  • 使い分け:スパン×地形×架橋下空間×経済性×景観で総合的に決定
  • 施工注意点:架設工法は形式ごとに違う、下部・上部の整合、支承精度、施工記録の整備

以上が橋梁の種類に関する情報のまとめです。

橋梁形式は一見ややこしく見えますが、「材料×形式」の2軸で押さえれば、現場の図面や仕様書を見たときに「ああ、これはPCの箱桁橋ね」と一瞬で分類できるようになります。合わせてトラス梁H鋼コンクリートN値仮設計画も読んでおくと、橋梁工事に関する知識体系が網羅的に組み上がりますよ。

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