B種接地とは?目的、法規、抵抗値について簡単に解説する

  • B種接地ってなに?
  • 目的は?
  • 関連法規について知りたい
  • 抵抗値は?

上記の様な悩みを解決します。

B種接地工事はピンポイントですが、必ずといっていいほど使われます。安全設備において重要な役割を果たしますので、基礎知識について理解しておきましょう。

この記事ではB種接地とは?といったところから、目的、関連法規、抵抗値などについて解説していきます。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

 

B種接地とは

B種接地とは、結論「高圧から低圧に変える変圧器の低圧側に施す接地工事のこと」です。

まず前提条件として、接地に関する理解が必要になります。

接地とは、一言で言うならば「安全設備」です。電気の通っている部分に人が触れると感電してしまいます。電気は危険であり、ほんの数アンペアで人の命を奪うこともあります。

そこで必要になってくるのが接地工事です。接地、つまり電気機器とアース(大地)を電気的に接続することで、アースに電気を流し人体の安全を守ります。

接地工事にはA種からD種まで、4種類の接地工事が存在します。その内の一つがB種接地です。

他の接地工事と比較して、使われる場所は変圧器(トランス)の一次側と限定的になります。

変圧器はその名の通り「電圧を変化させる設備のこと」であり、高圧から低圧へと変化させます。この低圧側に施されるのがB種接地工事です。

 

B種接地の目的

B種接地工事の目的は「混触を防ぐこと」です。

混触とは、低圧の電路に高圧の電気が発生してしまう現象のことを指します。変圧器内には様々な結線があり、低圧と高圧の結線が接触し、高圧が低圧側に流れることがあるんです。

低圧は低圧で、高圧が高圧で、それぞれ絶縁能力が決められています。

当然高圧の方が高い絶縁能力が必要になる訳ですが、低圧側に高圧が流れてきてしまうと、絶縁能力を超えて不具合が発生します。

具体的に、不具合とは「火災、感電、機器の破壊」などが挙げられます。

火災は電気エネルギーが熱エネルギーへと変換されるパターンです。高圧の電気ですので変換されるエネルギーも大きく、下手したら盤が燃える可能性があります。

また、低圧側に接続されている機器も低圧を想定していますから、高圧の電気が流れ込んだら壊れてしまいます。

100Vの機器に200Vを送電するだけで壊れたりしますから、低圧に高圧を流したらどうなるか?は容易に想像がつくと思います。

B種接地を施し、大地との電路を作ってあげることで、混触を防ぐことが可能です。

 

B種接地の法規

電気設備技術基準 第12条 第1項

高圧または特別高圧の電路と低圧の電路とを結合する変圧器は、高圧または特別高圧の電圧の侵入による低圧側の電気設備の損傷、感電または火災のおそれがないよう、当該変圧器における適切な箇所に接地を施さなければならない。

ただし、施設の方法または構造によりやむを得ない場合であって、変圧器から離れた箇所における接地その他の適切な措置を講ずることにより低圧側の電気設備の損傷感電または火災のおそれがない場合は、この限りでない。

B種接地工事の関連法規は、電気設備技術基準の第12条第1項目になります。要約すると下記です。

B種接地工事の法規(要約)

  • 高圧と低圧を結合する変圧器には適切な接地工事(B種接地工事)が必要
  • 構造的に無理な場合は離れた場所で接地を取る
  • 安全が確保できるなら接地は必要ない

要するに「安全な設備であること」を必要条件とし、それが満たせれば問題ないということです。

目的は「安全の確保」であり、目的を達成する為の手段の一つが「B種接地工事」になります。B種接地工事以外に安全を確保する手段があるなら、そちらでも問題無いということです。

「B種接地工事はあくまで手段である」ということを忘れない様にしましょう。

ちなみにこの考え方は他の接地工事(D種接地工事など)においても同様です。

 

B種接地の抵抗値

B種接地の抵抗値を知るには「20Ωから100Ω」です。

幅があるのは、現場や状況によって抵抗値が変動するのが理由になります。

他の接地工事、例えばD種接地工事なら100Ω以下と決められているのに対し「何Ω」と決めきれないのがB種接地工事の難しいところです。

繰り返しになりますが、B種接地は高圧と低圧の結合に用いられます。

それぞれの電圧によって必要な抵抗値が変化します。

細かい計算式は省きますが、送電設備の距離やケーブルサイズによっても抵抗値は変化しますので、正確な抵抗値は電力会社に確認することが必要です。

ちなみに接地線のサイズは「0.052×定格電流」という簡単な式で求めることができます。

例えば、定格電流が1500Aの場合「0.052×1500=78」で78sq以上です。実際に78sqの電線はありませんから100sqの接地線が選定されます。

 

B種接地に関する情報まとめ

B種接地に関する情報まとめ

  • B種接地とは:高圧から低圧に変える変圧器の低圧側に施す接地工事のこと
  • 目的:混触を防ぐこと
  • 関連法規:上章参照
  • 抵抗値:20Ωから100Ω

以上がB種接地工事に関する情報のまとめです。

一通り基礎知識は網羅できたと思います。

B種接地工事以外の接地工事では、D種接地工事が頻繁に採用されます。よく目にする部分ですので、覚えておきましょう。

また、接地そのものに対する理解も必要です。

接地に対する理解を深めれば、B種接地の理解も深めることができます。これを機に「接地とは?」といったところについても抑えておきましょう。

それでは!