- コンクリートってなに?
- 比重と密度を知りたい
- 強度はどれくらい?
- 配合って?
- スランプ試験について知りたい
上記のような悩みを解決します。
コンクリートは建物の基礎として、無くてはならない存在です。
建築を理解していく上で必須の項目ですので、必要最低限の知識を覚えておきましょう。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
コンクリートとは?
コンクリートとは、結論「水と砂と砂利とセメントを配合したもの」です。
皆様が想像するようなコンクリートは固体だと思いますが、実は最初から固体である訳ではありません。最初は液体の状態です。「液体→塑性体→半固体→固体」といった流れで皆様がイメージするコンクリートになります。
この性質があることにより、コンクリートの形を自在に操ることができるんです。
例えば、正方形の型に液体のコンクリートを流し込めば正方形のコンクリートができます。コンクリートの柱を作りたかったら、柱の型にコンクリートを流し込めばコンクリート柱の完成です。コンクリートブロックを作ったりすることもできます。
液体スタートであることにより、様々な形のコンクリートを自由自在に作ることができるんですね。今や建築現場で使われないことはありません。
コンクリートを見たことがある人なら分かると思いますが、相当固いです。マイクタイソンが殴っても割れることはありません。
RC造(鉄筋コンクリート造)の建物においては、柱や床にコンクリートが採用されます。コンクリートは強度が高いので、重いものを支えることが可能なんです。
ただ「引っ張られる力には弱い」という特徴もあります。完璧ではなく、欠点があったりするので、鉄筋や鉄骨などの部材と組み合わせて使われたりします。
具体的には、下記のような用途があります。
コンクリートの用途
- RC造の柱や床
- 盤の基礎
- 壁
- ダムや橋
- カルバート
コンクリートの比重
まず前提知識として、比重について解説させてください。
比重と密度は異なります。
密度とは、要するに単位体積あたりの重さです。密度が30[kg/m3]だとして、体積が100[m3]だったら、重さは3000[kg]になります。
比重が5だとしたら、水の5倍重いという考え方です。要するに比率な訳ですから、単位はありません。比重と密度は似たものでありながら、明確に定義が異なるものですので注意しましょう。
話を戻すと、コンクリートの比重は「2.3」です。
つまり、コンクリートは水よりも2.3倍重いということです。具体的な重さを求めるには、下記の式を採用します。
そもそも水の密度が1[kg/m3]ですので、上記の公式が成立します。
正確に言えば、コンクリートの種類によっても比重は若干異なります。フレッシュコンクリート(生コン)や鉄筋コンクリートなど、大きな違いは発生しませんが微妙に異なるんです。
具体的には、フレッシュコンクリートの比重は「2.3〜2.4」であり、鉄筋コンクリートの比重は「2.4」になります。正確には、メーカーによって異なるので確認が必要です。
コンクリートの密度
コンクリートの密度は、結論「2.3t/m3」です。
つまりは1立法メートルにつき、コンクリートの重さは2.3tになります。基本的な考え方としては、先ほどの比重の考え方と似ています。
体積を求めることにより、コンクリートの重さを求めることが可能です。逆に、コンクリートの重さから体積を求めることも可能になります。
コンクリートの強度
コンクリートの強度は、結論「18〜36[N/mm2]」です。
まず前提として、上記の強度は「圧縮強度」となります。他にも引っ張り強度だったり、曲げ強度だったりがあるのですが、ここでは圧縮強度について解説します。
圧縮強度とは、要するに上にどれだけのものが乗っても大丈夫か?という話です。上から下にかけて荷重をかけたときに、どれだけ耐えられるかといったところ。これが1平方メートルあたり、18N〜36Nという訳です。
36Nを超えるコンクリートもありますが、その場合は高強度コンクリートと呼ばれます。ちなみに高強度コンクリートの中でも上位層なら100N/mm2のものまであります。モルタルとは比べ物にならないくらい強いです。
配合によってコンクリートの強度は調節できるので、どれくらいの荷重がコンクリートにかかるのかの計算が必要になってきますね。
コンクリートの強度
- 引っ張り強度:圧縮強度の1/10〜1/13
- 曲げ強度:圧縮強度の1/5〜1/7
- せん断強度:圧縮強度の1/4〜1/6
コンクリートの配合
コンクリートの配合は、結論「セメント・水・砂・砂利:2・1・3・3」です。
あくまで指標ですので、参考程度にお願いします。
まずコンクリートに必要とされる強度によっても異なりますよね。コンクリートの強度は「砂の量」によって決定されます。水は混ぜる用のものですし、セメントも言ってしまえばただの接着剤です。砂の量が大切です。
砂の配合が多くなればなるほど強度は高くなり、砂の配合が少なくなればなるほど強度は低くなります。砂の量を間違えてしまった場合は、水の量で調節しましょう。
基本的にコンクリートは「液体→塑性体→半固体→固体」の流れで状態変化します。
コンクリートのスランプ試験
まず前提知識として、スランプとは「コンクリートの柔らかさの指標」です。
スランプが大きくなればコンクリートは柔らかくなり、スランプが小さくなればコンクリートは硬くなります。これによって何が変わるかというと、コンクリートの扱いやすさ。要するに作業効率ですね。
コンクリートのスランプ試験には、スランプコーンというものが用いられます。
スランプコーンとは、よくあるカラーコーンの金属板をイメージしてください。スランプコーンにコンクリートを流し込み、混ぜ、スランプコーンを上に引き抜くことで試験が行われます。
コーンを上に引き抜くと、コンクリートの形がどろっと崩れますよね。この崩れ方ですが、左右不均衡になったり、変な形になっているとスランプの状態が悪かったりします。その場合はまた別の材料を混ぜ込んで、中身を調節していく感じです。
下記リンクに詳しいやり方が乗っています。
>>>>>コンクリートのスランプ試験
コンクリートに関する情報まとめ
コンクリートに関する情報まとめ
- コンクリートとは:水と砂と砂利とセメントを配合したもの
- コンクリートの比重:2.3
- コンクリートの密度:2.3[t/m3]
- コンクリートの強度:18〜36[N/mm2]
- コンクリートの配合:セメント・水・砂・砂利:2・1・3・3
- スランプ試験の流れ:スランプコーンにコンクリを流し込み、混ぜて、コーンを抜く
以上がコンクリートに関する情報のまとめです。
一通りコンクリートの基礎知識は網羅できたと思います。
コンクリートに似たものとしては、モルタルとセメントがあります。これらは似たものでありながら、明確に区別されているものですので、違いは押さえておきましょう。
下に分かりやすい記事のリンクを貼っておくので、よかったら確認してみてください。