- コンデンサってなに?
- 英語の意味って?
- 役割を分かりやすく解説してほしい
- 静電容量の単位は?
- 記号はどんな感じ?
- 極性はどうやって確認するの?
- 求め方、公式を知りたい
上記のような悩みを解決します。
電気関係の仕事をするのなら、コンデンサからは逃げられません。
今やどの建物どの電子機器でもコンデンサは使用されています。今後も無くなることはないでしょうから、コンデンサに対する知識は必須です。ですが安心してください。
この記事ではコンデンサに関する網羅的な情報を解説します。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
コンデンサとは?英語の意味も解説
コンデンサとは、結論「電気を貯めて放出する部品」です。
「Capacitor」が英語の意味でして、直訳すると「収容するもの」ですね。コンデンサは電気を蓄える(収容する)という働きをするので、このような英訳が割り当てられています。
よく「キャパがどうの」って言いますが、キャパを変形させたのがキャパシタ(Capacitor)であり、コンデンサです。
電気回路によく出てくる部品
- リアクタンス(抵抗)
- コイル
- コンデンサ
3大受動部品と呼ばれたりしますね。
コンデンサが含まれている通り、電気回路にはよくコンデンサが出てきます。というのもコンデンサは汎用性が高いので、どの電子機器でも使われるんです。
例えば、皆さんが使用しているようなスマホやパソコンのような電子機器にもコンデンサが使用されています。コンデンサが無ければ、何かと困ります。
では具体的にどのように困るのか?それがコンデンサの役割解説に繋がってきます。
コンデンサの役割としては下記3点があります。
コンデンサの役割
- 電気の貯蓄と放出
- 電圧のデコボコを無くす
- 周波数の調整
コンデンサの役割
電気の貯蓄と放出
正確に言えば異なりますが、バッテリーと似たような役割をします。電荷をコンデンサに貯めて、必要な時に放出します。
具体例としてよく挙げられるのが、インスタントカメラのストロボライトです。
インスタントカメラって、充電式ではないので、ストロボライトたくには電荷を貯蓄しておく必要があります。ここにコンデンサが使用されています。
ストロボライトをたくには瞬間的に大きな電気が必要です。コンデンサは短時間の高電圧放出に適するという性質を持ちますから、ちょうど役割を果たせるんですよね。バッテリーと違って。
一応、豆知識としてコンデンサとバッテリーの違いについてもまとめておきますね。
コンデンサとバッテリーの違い
- コンデンサ:短時間放電、高電圧、容量は小さい
- バッテリー:長時間放電、定電圧、容量は大きい
電圧のデコボコを無くす
電気というのは微妙に揺れています。例えば100Vを送電すると一言で言ってみても、102.2Vだったり100.9Vだったりと、秒単位で微妙に揺れます。
この電圧のデコボコ解消の役割をコンデンサがします。
定格の電圧があったとして、それを越える時にはコンデンサに充電し、それを下回る時には放電することができます。この働きによって電圧が一定に保てるという訳です。
専門用語で言うと「平滑化」と言ったりもしますね。
周波数の調整
超簡単に言えば、ノイズの解消ですよ。よくイヤホンとかで「ノイズキャンセリング」とか言ったりしますよね。あれはコンデンサで実現することができます。
ノイズとは、要するに周波数の変動が激しい状態です。
高い周波数から低い周波数へと変動しまくるから、音波がおかしなことになっています。
コンデンサは必要な周波数を残し、不要な周波数を捨てる役割があります。
低い周波数を残し、高い周波数は捨てる。高い周波数を残し、低い周波数を捨てる。このように、自在に周波数を取捨選択することによって、ノイズを防ぐことができるんです。
コンデンサの記号
要するにコンデンサは2枚の板でできていますからね。それで上図のような表記になっているという訳です。電気回路とかで良く出てきますね。
右図の矢印が入っている方は、静電容量が可変可能なコンデンサのことです。
可変抵抗なんかでもこのような表現をしますが、コンデンサにも可変コンデンサがあり、記号としてはこのような表現がされます。
他にもプラスが付いているコンデンサだったり、斜め線が入っているコンデンサだったりがあります。ただ、それらはあまり一般的ではありませんので当記事では省きます。
コンデンサの静電容量の単位
コンデンサの単位は、結論「F(ファラッド)」です。
どちらかと言うと「コンデンサ」というよりも「静電容量」と表現されることが多いですね。意味は同じですので、あまり気にはしなくていいです。
計算を進めていく上で「F」と使われることは少なく、「μF」だったり「pF」で使われます。それぞれ「マイクロファラッド」と「ピコファラッド」です。
先ほども言いましたが、コンデンサの容量は小さいです。比較的小さいので、マイクロやピコといった数字をよく使用します。
計算していく上で、重要になってくるので覚えておきましょう。
それぞれの大きさは下記です。
数の単位
- ミリ(m):10のマイナス3乗
- マイクロ(μ):10のマイナス6乗
- ナノ(n):10のマイナス12乗
- ピコ(p):10のマイナス15乗
コンデンサの極性を確認する方法
コンデンサの極性を確認する方法は、コンデンサの種類によって異なります。
まずコンデンサには極性があるので、極性を逆にしてしまうと逆電圧になってしまいます。逆電圧になるとコンデンサの容量が低下したり、コンデンサ自体がぶっ壊れてしまったりするんです。
必ず極性を確認し、正しい極性でコンデンサを使用しましょう。
極性の確認方法としては、コンデンサの種類によって異なるとしか言えません。ただ、コンデンサには必ず極性が分かるような印が付いています。それを確認しましょう。
コンデンサの極性を確認する方法
- 矢印のライン(マイナスを表現)
- 色付きの部分がある
- くぼんでいる部分がある
- 面が取られている部分がある
- プラスの記号がある(プラスを表現)
どっちがプラスでどっちがマイナスかは部品によって異なります。Digi-Keyというサイトが参考になるかもしれませんので、下にリンクを貼っておきますね。
>>>>>Digi-Keyのページ
コンデンサの公式、求め方
コンデンサを求める公式は「C=εS/d」です。
まずεは「イプシロン」と呼びます。これは誘電率とものですが、抑えるべきポイントとしては「定数だる」ということです。
変数ではなく定数ですので、変動しません。試験問題を解く際とかでは、誘電率は数字として与えられることが多いので、あまり気にしなくてもいいかなと思います。
これらはそれぞれ「面積」と「距離」でして、これらがコンデンサの静電容量を決定します。コンデンサの面積が大きければ大きいほど、静電容量は大きくなります。逆に、静電距離が離れれば離れるほど、容量は小さくなります。
他には「C=Q/V」という公式もあります。
電荷と電圧から求める方法ですね。要するに電荷が大きくなればなるほど静電容量も大きくなり、電圧が小さくなればなるほど静電容量は大きくなるといった格好です。
どちらもよく出てくるので覚えておきましょう。
コンデンサの求め方
- C=εS/d
- C=Q/V
コンデンサに関する情報まとめ
コンデンサに関する情報まとめ
- コンデンサとは:電気を貯めて放出する部品
- コンデンサの英語:Capacitor
- コンデンサの役割:電子の貯蓄と放出、電圧のデコボコを無くす、周波数の調節
- コンデンサ(静電容量)の単位:F(ファラド)
- コンデンサの記号:上図参照
- コンデンサの極性確認方法:コンデンサの種類による
- 静電容量の求め方、公式:C=εS/d、C=Q/V
以上がコンデンサに関する情報のまとめです。
一通りコンデンサの基礎知識は網羅できたと思います。
似たような用語で行くと、リアクタンスやコイルに対する知識も付けておくとベターです。より電子回路に対する知識も深まります。