Iビームとは?H鋼との違い、用途、規格、価格、定尺など

  • Iビームってなに?
  • どんな利用用途があるの?
  • IビームとH鋼の違いって?
  • Iビームの強度を知りたい
  • 規格表が欲しい
  • Iビームの定尺は?
  • 価格ってどれくらいなの?

上記のような悩みを解決します。

当記事ではIビームに関する情報を網羅的に解説していきます。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいきます。

 

Iビームとは?

Iビームとは、結論「Iの形をした鋼材のこと」です。

「I型鋼」だったり「工型鋼」と呼ばれたりします。

特徴は「強度の強さ」です。似たような鋼材でLアングルCチャンネルなどがありますが、それらと比較しても強度が強くなっています。(H鋼との違いは後で詳しく説明します)

Iビームには下図のように挟む側と挟まれる側があります。

挟む側を「フランジ」と呼び、挟まれる側を「ウェブ」と呼びます。

この辺はH鋼と同じですね。建設業ではIビームだけでなく、様々な意味で「フランジ」という言葉を使いますので、文脈によってフランジの意味を把握することが大切になります。

次はIビームの利用用途について解説していきます。

 

Iビームはトロリーやホイストにも使われる

Iビームの利用用途

  • トロリー
  • ホイスト
  • ウィンチ

Iビームは上記の装置の滑車用で使われることが多いです。

と言われても意味不明だと思いますので、ホイストを具体例に挙げて解説します。ホイストとはロープやチェーンなどで荷物を上げたり下げたりする装置です。

例えば、高所作業車などの重たいものは人の力で持ち上げることはできません。

平坦な道なら運転していくか押して行けばいいのですが、階段などの段差を移動することはできません。人の力で持ち上げることもできない。となるとホイストを使う必要が出てきます。

ホイストとチェーンが繋がっているので、チェーンと高所作業車を繋げることによって、重いものの段差移動を可能にできるんです。

となるとホイストを支えるものが必要になってきますよね。

そこで登場するのがIビームでして、ホイストを支えたり滑車のような働きをしたりします。トロリーもウィンチも似たような感じです。

 

IビームとH鋼の違い

H鋼とIビームの違いは、結論「フランジの厚さ」です。

H鋼のフランジは厚さがどこも同じになります。均一です。対して、Iビームのフランジは厚みが一定ではありません。

ウェブに近いフランジは厚みがあり、ウェブから離れているフランジは薄いです。

つまりは円弧状になっているという話でして、フランジに勾配がついています。HもIも基本的に同じ形ですが、フランジに勾配がついているか、いないかがH鋼とIビームの違いです。

フランジには勾配がついていて、
H鋼には勾配がない。

あとは、利用用途の違いもありますね。

H鋼は基本的には、建築物の構造体に使われます。

S造やSRC造は、建築の構造体に鉄骨が採用されていますよね。この「鉄骨」の部分がH鋼です。他には橋や船舶の構造体や、高速道路の杭基礎などに使われます。

要は基礎工事や躯体工事に使われるという訳です。

対してIビームはホイストやトロリーの滑車用に使われるのが主ですので、似たような形をしていても利用用途は明確に分かれています。

 

Iビームの規格・寸法

メーカーによって規格・寸法は異なります。あくまで一例として考えてください。
ウェブの厚さ フランジ長さ ウェブ長さ m/kg 6.0m/kg
5 75 100 12.9 77.4
5.5 75 125 16.1 96.6
5.5 75 150 17.1 103
6 100 180 23.6 142
7 100 200 26.0 156
9 150 200 50.4 302
7.5 125 250 38.3 230
10 125 250 55.5 333
8 150 300 48.3 290
10 150 300 65.5 393
11.5 150 300 76.8 461
9 150 350 58.5 351
12 150 350 87.2 523
10 150 400 72.0 432
12.5 150 400 95.8 575
11 175 450 91.7 550
13 175 450 115 690
13 190 600 133 798
16 190 600 176 1056

 

Iビームの定尺

Iビームの定尺

  • 6000mm
  • 8000mm
  • 10000mm

Iビームの定尺は上記の3種類になります。

例えば「Iビームが7000mm必要になった!」となれば、7000mm丁度を発注することはできません。8000mmのものを発注して加工することになります。

Iビームの利用用途を考えるとあまり起こらなそうな話ではありますが、一応注意しましょう。

またIビームを発注する際は、ある程度余裕を持って発注することをオススメします。

計算上の数字と現場での数字が必ず一致するとは限りません。現場では必ずイレギュラーが発生するので、ある程度余裕を持って発注することが必要です。

「補給率」なんかと行ったりしますが、計算で必要な数字に1.1倍くらいした長さを発注しておくのが当たり前だったりします。

 

Iビームの価格

Iビームの価格は、結論「1mで9万円くらい」です。

もちろん一概に言えないというのが大前提になります。

というのもIビームの素材である鋼材の価格は変動します。その時期によって値段が若干異なったりしますし、メーカーによっても異なります。

また、規格によっても価格は違いますよね。

簡単な話、大きなサイズになれば値段は高くなりますし、小さなサイズなら値段は高くなります。

あとは掛け率という概念もあります。

掛け率とは「その商品の何%で商品を買えるか?」という割合です。掛け率が20%なら100円の商品を20円で買えます。

会社ごとによって掛け率は異なります。

メーカーが出している価格に対して掛け率を掛けなければ正規の値段は出てきません。「1mで9万」というのは、「掛け率を掛ける前の価格の一例」ですので注意してください。

 

Iビームに関する情報のまとめ

Iビームに関する情報のまとめ

  • Iビームとは:Iの形をした鋼材のこと
  • Iビームの用途:トロリー、ホイスト、ウィンチ
  • IビームとH鋼の違い:フランジの厚さ
  • Iビームの規格:上表参照
  • Iビームの定尺:6000mm、8000mm、10000mm
  • Iビームの価格:一概には言えない

以上がIビームに関する情報のまとめです。

一通りの基礎知識は理解できたと思います。

似たような鋼材も多いので、利用用途など、違いを覚えておきましょう。H鋼やCチャンネル、Lアングルに関する記事のリンクは下に貼っておきます。

必要があれば何度か見返して復習しましょう。それでは!