竣工図とは?設計図・施工図との違い、書き方、読み方など

  • 竣工図ってなに?
  • 設計図や施工図とどう違うの?
  • 竣工図ってどう書けばいいの?
  • 竣工図の読み方って?

上記のような悩みを解決します。

建物が竣工したら、竣工図を書かなければなりません。竣工直前は多くの人が地獄を見ますが、地獄が終わった後に待ち構えるのが竣工図です。

施工に携わるものなら誰しも竣工を経験しますし、誰しも竣工図を書く可能性があります。

この記事では竣工図とは?といったところから、施工図との違い、書き方、読み方について解説していきます。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも分かりやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

 

竣工図とは?

竣工図とは、結論「竣工した時の建物を表した図面のこと」です。

建物が竣工(完成)した時の状態は、設計図の段階とは大きく異なります。あくまで設計図は「なんとなくこんな感じで行くよー」という方向性の図面でしかありません。

施工を進めていく上で、建物は変化していきます。

照明も誘導灯も仕上げも部屋の内容も変わってしまうんです。例えば、当初は喫煙所として設計されていた部屋が待合室になったりします。ひどい所だとEPSの位置が全て変わってたりもしますからね。

じゃあ最終的にどうなったのか?ということを表すのが竣工図という訳です。

竣工図を必要とする人は、改修工事に携わる人です。

例えば、照明器具に不良が出たとしましょう。

改修工事関係者からしたら、どこのメーカーのどの型番の照明器具が使われているのかを知りたい訳です。検討段階でどれが検討に挙がったか?は問題ではありません。

建物が竣工すると、設計図がどうで施工図がどうで、というのは気にしません。最終的にどうなったかさえ知ることができればいいんです。

そして、それを教えてくれるのが竣工図という訳です。

 

竣工図と施工図・設計図との違い

竣工図と施工図・設計図との違いは「最終的な結果か、計画段階での方向性か」の違いです。

設計図は、設計者の大枠の考え方を表した図面です。

「ざっくりこんな感じで行くよー」という図面でして、設計図は解像度が低いものになります。まだ詳細な部分は詰められていません。

詳細を詰めていき、実際は「こんな感じで施工するよ」という図面が施工図です。見るのは職人さんでして、職人さんがどう施工するのかを理解する為の図面になります。

要は、計画段階という訳です。

竣工図は竣工した最終的な状態の図面ですから、竣工図は最終的な結果、施工図・設計図は施工する前の計画といった感じになりますね。

勿論、施工図の通りに施工が進めば、施工図がそのまま竣工図になります。

逆に、施工図の通りに施工できなければ、実際はどうなったのかを直した図面が竣工図になるんです。竣工図は言い換えれば「完成図」ですから、計画段階と違うことは何ら不自然ではありません。

現場ではイレギュラーが頻繁に起こります。

図面ではこうなっているけど、現場ではそうなっていないことがあります。施工図はあくまで計画ですので、その通りに計画が進むとは限りません。

建物を作る上での図面の流れは「設計図→施工図→竣工図」といった感じですね。

 

竣工図の書き方は?

竣工図の書き方は、結論「竣工する状態を図面に起こす」です。

簡単な話、竣工した状態を表したのが竣工図です。最終的にどうなったのかを、そのまま図面に起こせばそれが竣工図になります。

施工図は施工するための計画図です。計画を立てた結果、どうなったのかを図面に表せば竣工図が作成できるんです。

現場感のある話をすると、竣工図は多少適当に作っても何とかなるというのも事実です。

先ほど「竣工図を必要とするのは、改修工事関係者」という話をしましたが、竣工図はあくまで参考くらいにしか使われません。

『実際はどうなっているか分からないから、現地調査するよね』といった感じです。

竣工図だけをみて判断することなんてほぼほぼ無くて、あくまで参考。「なんとなくこんな感じなんだな」というくらいにしか思っていません。

 

竣工図の読み方は?

竣工図の読み方は、結論「必要になったタイミングで、必要な情報を読み取る」です。

まず、竣工図にはめちゃくちゃボリュームがあります。簡単な改修工事とかならボリュームは少なめですが、新築工事になるとめちゃくちゃボリュームありますからね。

全部を読むなんてやってられません。

電気工事を具体例に挙げて考えてみましょう。

5階立ての建物で幹線更新工事をやったとしたら、竣工図は10枚も行きません。系統図や各階の図面くらいですからね。

ただもしこれが新築となると、幹線以外の設備も入ってきます。

新築になると入ってくるもの

  • 受変電設備
  • 幹線設備
  • 動力設備
  • 電灯設備
  • コンセント設備
  • 誘導灯設備
  • 非常照明設備
  • 避雷針設備
  • その他弱電関係設備

全て合わせると六法全書くらいのボリュームになります。

六法全書を全部読めって言われても無理な話で、必要な部分をピックアップして情報を獲得します。例えば、幹線の更新工事を担当することになったら、幹線の図面を読む感じになります。

竣工図を読む上での注意点は、現地調査の際に見ておくべきポイントをチェックしておくことです。

先ほどもいった通り、改修工事をするならどうせ現地調査をします。竣工図は現地調査の為の参考資料ですので、現地調査の準備が目的です。

竣工図を見れば「ここどうなってるのかな?」「本当に竣工図通りに施工されているのか?」等と疑問が湧いてくると思います。

ちゃんと竣工図を見た上で現地調査を行うのと、竣工図を見ずに現地調査を行うのでは、効率の良さが全く異なります。

学校で言う予習みたいな感じですね。

現地調査に行った際、どこを見ればいいのか?を把握するようにしましょう。

 

竣工図に関する情報のまとめ

竣工図に関する情報のまとめ

  • 竣工図とは:竣工した時の建物を表した図面のこと
  • 竣工図と施工図・設計図との違い:最終的な結果か、計画段階での方向性か
  • 竣工図の書き方:竣工する状態を図面に起こす
  • 竣工図の読み方:必要になったタイミングで、必要な情報を読み取る

以上が竣工図に関する情報のまとめです。

一通り基礎知識は網羅できたと思います。

竣工する際、竣工図と合わせて竣工図書を作成します。合わせて知識として抑えておくとより効果的ですので、抑えておきましょう。

下に分かりやすい記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみて下さい。

それでは!