- 躯体図ってなに?
- どんな種類があるの?
- 記号の一覧表が欲しい
- どうやって読めばいいの?
- 裸図やコンクリートとどう違うの?
上記のような悩みを解決します。
躯体図が読めなければ、躯体工事を進めることはできません。
躯体工事は建物の骨組みを作る後戻りのできない重要な仕事ですので、躯体図が読めなければ何かと不便になります。
この記事では躯体図に関する知識を網羅的にまとめます。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
躯体図とは?
躯体図とは、結論「建物の骨組みを示した図面のこと」です。
「躯体=骨組み」ですので、上記のような意味合いになります。
実際の建物には仕上げがあります。ボードを貼ったり、二重天を施工したり、間仕切りで部屋を区切ったりとしなければなりません。
躯体図に表されるのは、建物の躯体部分のみになります。建築の構造体とも言えますし、建築基準法的に言えば主要構造部と呼ばれる部分のみを表したのが躯体図です。
具体的に、躯体図には下記のようなものがかかれます。
躯体図に示されるもの
- 壁
- 柱
- 床
- 梁
- 屋根
- 階段
躯体図の種類
躯体図の種類その①床伏図
床伏図とは、結論「床の躯体を表した図面」のことです。
2階の床伏図は2階床のことであり、1階の天井の図面でもあります。割とこの辺がごちゃつきやすいので注意が必要です。2階床に立った時に、下を見るイメージです。
場所によっては二重床になっているところがあります。OAフロア、もしくはフリーアクセスフロアと言われたりするものです。
これは建物の躯体ではありませんから、仕上げ上はあったとしても、床伏図には書かれません。
躯体図の種類その②見上図
見上げ図とは、結論「天井の躯体を表した図面」のことです。
2階の見上図は2階の天井であり、3階の床のことでもあります。つまり「2階の見上図=3階の床伏図」ということです。2階の床に立って、2階の天井を見上げてるイメージですね。
ここもごちゃつきやすいので整理しておきましょう。
天井にも二重天というものがあります。天井がボードになっており、天井裏に空間がある天井のことです。ここにダクトが通ったり、配管やケーブルラックが通ります。
これは躯体とは関係ありませんので、躯体図には示されません。
躯体図の種類その③躯体断面図
躯体断面図とは、その名の通り躯体の断面を表した図面でして、床伏図や見上図とは視点が異なります。建物を縦に真っ二つに切ったイメージです。
床伏図と見上図では床や天井の躯体を確認できますが、柱に関しては上からみた一方向の情報しか得ることができません。
躯体断面図では柱を上からではなく、横から見ることができます。
要は立体的になるということです。
結局、出来上がる建物は立体ですので、実際のイメージが付きやすいのが躯体断面図となります。床伏図と見上図だけでは情報が足りませんので、躯体断面図もチェックしましょう。
躯体図の記号一覧
梁の記号
横長の楕円を4つに切ったものが梁の符号です。
一番上の部分は梁の幅、一番下の部分は梁の高さになります。これに関しては、割とイメージしやすいかと思います。
真ん中の部分に関して、まず左側は梁の種類を表します。
上の図面では「2G4A」と書いてありますよね。別のページに「2G4A」の詳細な情報が書かれているので、そちらを参照して情報を得る必要があります。
梁の天端とは、梁の一番高い所です。梁の一番高い部分と基準線がどれだけ離れているかを示します。上図の場合は「+ーゼロ」ですので、「梁の天端=基準線」という意味です。
スラブの記号
四角の記号がスラブ記号となります。
スラブとは床のことですので、床の情報を表してる感じです。
まず、左側に「VS1」と書かれていますよね。これがスラブ記号でして、スラブの種類を表しています。別ページに「VS1」の詳細が書かれているので、そちら参照といった感じです。
右上に書かれているのは、スラブ天端と基準線との距離になります。
上図は「+ーゼロ」ですが、たまに「ー30」とかになっています。屋上なんかでは雨水を排出するために、若干こう配を作って設計していたりしますからね。
右下に書かれているのは、スラブの厚みです。要は床の厚みという訳です。
開口の記号
丸い記号が、開口の図面です。
円を3等分している訳ですが、まず一番上は開口の寸法になります。シンプルに開口の大きさがどれくらいかという意味です。
下に書かれているのが、開口の高さです。上図の場合は、フロアレベルから70高い所に開口を作るという意味になります。
この場合はただ開口を開けるだけなので、気にしなくていいいのですが、ここに建具記号が入ってきたりします。「SD-01」とか「AW-03」とか。
その際は取り付けられる建具ですので、別ページにて当てはまる建具を確認する必要があります。
躯体図の読み方
躯体図の読み方は立場によって異なります。
例えば電気工事業者だとしたら、貫通場所の検討の為に躯体図をチェックしたりします。その場合は「どこが躯体なのか」という情報のみを抑えれば問題ありません。
躯体図を完成させなければいけない立場の人なら話は変わってきます。
例えば、躯体図を作る側の人だとしたら「本当に鉄筋が収まるのか?」というポイントをチェックしなければならなかったりします。
自分の立場によって、どんな情報を抑えるべきかを決めてから躯体図を読むようにしましょう。
躯体図の呼称(裸図やコンクリート図との違い)
結論、躯体図と裸図との違いはありません。
ただ単に人によって呼び方が違うというだけの話です。「仕上げのない裸の状態」ということで、躯体図のことを裸図と読んでいるのでしょう。
あとはコンクリート図なんかと呼ばれたりしますね。躯体(骨組み)ってコンクリートであることが多いですからね。特にRC造なんかは。
「人によっては、躯体図のことを裸図とかコンクリート図とかと呼んだりする」とだけ頭の片隅においておきましょう。
躯体図に関する情報のまとめ
躯体図に関する情報まとめ
- 躯体図とは:建物の骨組みを示した図面のこと
- 躯体図の種類:床伏図、見上図、躯体断面図
- 躯体図の記号:梁記号、スラブ記号、開口記号
- 躯体図の読み方:立場によって異なる
- 躯体図の呼称:コンクリート図、裸図とも言う
以上が躯体図に関する情報のまとめとなります。
一通り基礎知識は網羅できたと思います。
躯体工事は新築の現場なら必ず通る道です。どこの現場でも必要な知識になりますので、何度も読み直して記憶を定着させましょう。
下に躯体工事の記事リンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。